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初夜〜太極〜 ー 創世歴307年 新越国 晴明 ー
新妻を抱かんと迫ったウマラを、軽くいなして妻は嗤った。
「......どうあれば、良かったのでしょうか」
嘲るように笑いをもらす妻に、ウマラは思わず問いかける。
「さて...の」
笑いを収めたアザミが、じっと見つめた。
己を眺める妻の目が、どこか愁いを帯びているようにウマラは感じた。
「貴女が私を近づけないのは、やはり私がミヤマの男だからだろうか」
あの娘は、我々の手によって族人が[[rb:斃 > たお]]れていくのをその目で見ていたはずです。我らがニコシの民の仇である事、お忘れなきよう...。
妻問いに同行した家臣に告げられた言葉が、ウマラの頭に響く。
「憎くない、なんちゅう事はねぇの。怒りも、悲しみもずうっと奥で燻っとる。あの戦の時から...」
ニコシノクニは変わってしもうた。[[rb:父 > とと]]さは意気地がねぇ。なんでもミヤマの言いなりじゃ。郷を追われ、居着いたカヤマノサトの長は、下の[[rb:者 > もん]]を脅し、奪い...上の者にはえぇ顔をする。
ワシはそんな不甲斐ねぇ大人から、下の者を守りたかった。守ってきたつもりじゃった...。
「じゃが、ヌシの言う通りワシは場当たり的じゃ。目の前の者しか守れん。離れた時、己が死んだ時...先の事は見えとらんかった。ヌシらはニコシの仇じゃ。けど、ワシの目に映るどんなニコシの大人より、ヌシはなんぼもまともじゃ...」
「では...」
妻の愁いはなんなのであろうか。
「憐れじゃと、思うてよ。いくら家の為とはいえ、初めてあてがわれるのが年増の大女ではの...」
アザミが自嘲気味に嗤った。
「身の丈およそ六尺。この腕が引く弓は三人張り。山に混じって獣を追い、口を開けば大人も憚らん。無器量でもしおらしく愛想でもふりまけば、男もつくだろうにと、よう言われたもんじゃ」
[[rb:呵々 > かか]]と声を上げ、そして目を落とした。
「...性にあわんのじゃ。そうやって生きてきたが、これじゃ。ヌシにゃ荷が重かろうよ」
目の前に拳を握る。[[rb:帛 > きぬ]]の上からでも、隆々とした筋骨が見て取れる。少なくない者が眉をひそめたその肢体も、ウマラ目には美しく映った。
「私は貴女を無器量だとは思わない。それに貴女にはそのままで良いと言ったはずです」
偽りの無い想い。しかしアザミは片笑みを浮かべる。
「ヌシはこどもじゃ。女を妻にするっちゅうのがどういう事か。女がどういうもんか知らんじゃろ」
「私はこどもではありません。女とて、まったく知らない訳では ...」
威勢を張ったものの、尻すぼみになる。自信のなさを裏打ちするように。
「ほうかよ」
アザミが間近に頬を寄せる。アザミの鼻が、ウマラの小鼻に触れた。
アザミの目に時折揺れる灯りが光を差す。琥珀色の瞳が、眼前を覆う。ウマラは静かに目を閉じた。
「ん...」
唇に柔らかい感触が伝う。そして何かがゆっくりと口の中に入り込んだ。
「...っ...ふ...」
何かは己の舌にまとわりつくように、口の中で蠢く。とろとろと熱いものが己の唾液と混ざりあう。
あっ...つ...
「...んっ!!」
ウマラは逃れるように、仰け反った。
はっ...ぁ...
「息...苦しっ...」
空気を吸い込むように肩を大きく揺らした。
「息...? ふふっ...鼻ですりゃ良かろうよ?」
こころなしか声色が柔らかに聞こえる。
「可愛ええ婿殿じゃの。けどの...[[rb:急 > せ]]くな。急かんでえぇよ。今しがたニコシの[[rb:山神 > やまつみ]]に[[rb:願 > ねご]]うたじゃろ。体の交わりが[[rb:無 > の]]うても、ワシらは[[rb:夫婦 > めおと]]じゃ。男になるまでいくらでも待ってやる」
微笑むアザミの顔は優しげだが、それがかえって遠くにも感じた。
「...私はあれからずっと、貴女を想っている。家がどうでは無い。急いてるわけでもない。ただ、私は貴女と...」
妻問いの日から、彼女の面影が朝に夕にちらついた。姿を思い出そうとすれば、体が[[rb:熱 > いき]]れた。
それはウマラにとって初めての事だった。
「こんなに心が[[rb:焦 > じ]]れた事はない...。貴女は違うのか?何も...思わないのか」
恨みは無いが、想いも無いのだろうか。家の為だけに己の元へ来たのか。仮にそうであるなら、手を出すべきでは無いのか...。
妻の真意が知りたいと思った。
アザミは体を離し、目を逸らす。
「気ぃが、咎めんのじゃ。いくら[[rb:賢 > さか]]しいっちゅうても、その[[rb:形 > なり]]じゃろが...」
「形...」
数え十三になる己は、まだ五尺に届かない。同じくらいの者と比べた事は無いが、小さいのだろう。しかし。
「これでも私は男です。咎める事など何もありません。私は貴女の夫なのだから。もし、貴女が私を慮っているのであれば、遠ざけられる方が辛い...」
妻との問答。想いが届かぬと感じているのに、身体は反して昂っている。もどかしい。
アザミの頬に触れる。そっと唇を重ねた。
先程アザミがしてきたように、舌を差し入れる。まるで元から身体が知っていたように、ウマラはアザミの舌先をまさぐった。
「...ん......っ」
熱い...
吐息と唾液が交じり合う。舌が妻を味わおうと、口の中で生き物のようにねっとり蠢く。ウマラは欲情に[[rb:隷 > したが]]うように、ひたすらに妻を求めた。
唇を離すと、アザミが見ていた。責めるでも、受け入れるでもない。凪。
「貴女の意に沿わない...事は...じ、人倫にもとる行為だと...思っています。けど...」
抑えられない。
己に行為に背徳感が浮かんだ。それに抗い、焦燥に駆られ口走る。アザミが指の腹で、その口を塞いだ。
「ヌシの言葉はわかりづれんじゃ。もそっと簡単に言え」
「えっ...」
簡単にとは...。しばし閉口し、思った。
「...私は、貴女と[[rb:夫婦 > めおと]]になりたい。形だけではなく、貴女と肌を合わせたい......。おかしいでしょうか」
アザミは細く嘆息する。
「...やめとうなったら言え」
言うなり、唇を重ねた。目をつぶったウマラの天地が反転した。アザミが上に重なり、体全体に熱が伝わる。
「貴女は...温かいね」
「みんなほうじゃろよ...」
手を重ねる。ウマラの手はひんやりと冷えていた。
「ヌシの手、冷てぇの」
「では、温めてくれますか?」
戯れに尋ねた。
答える代わりにアザミは、ウマラの手に唇を這わせる。指先をつっと吸った。
「っ...ん、温かい」
指先から妻の熱を感じる。唾液のぬるりとした感触、響く音。指がまるで性器と変貌したかのように、ぞくぞくと快感がはしる。
「...ぁ...」
思わず吐息が漏れる。じわじわと下半身に熱がこもり、思わずそこへ触れた。
「どうした、待ってられんか?」
妻の声に手を引っ込めた。意味ありげな微笑みに、顔が熱くなる。
アザミの手がウマラの帯を解く。
「あ...」
[[rb:薄衣 > うすぎぬ]]一枚を羽織っただけであったから、すぐさま陰茎が露出した。天を衝くように反り立ったそれを、 アザミの指が触れる。
「確かに、こどもとは言えねぇの」
歳相応ではあるものの、しっかりと主張したそれをなぞる。指先に反応してピクリと動き、雫が垂れた。
舌先が雫を舐め取り、ゆっくりと裏筋をなぞる。案外にもアザミの舌は丁寧に、繊細であった。触れるか触れないかほどの感触が、更に情欲を掻き立てる。
「ん...っ 」
刺激を求めるように、腰が浮いた。
「これでは足りんか?」
指先が嬲るように、亀頭を撫でている。
「...っ」
欲情のまま求めるのは、野卑ではないか?
ウマラは答えに窮して妻を見た。
「加減は人それぞれじゃ。えぇか、悪いか聞いとるだけじゃ」
うっすらとした笑みを浮かべて、アザミは言う。
「...もっと、ください。...して、欲しい」
遠慮がちに答えると、アザミはどこか嬉しそうに口を付けた。
「...ぁ...んっぅ......」
根元まで口の中に収められた陰茎が吸われ、思わず声を漏らす。指を吸われた時とは比べ物にならない程の快感が全身をはしった。
「[[rb:女子 > めのこ]]みてぇな声じゃの」
声変わり前のウマラの嬌声をアザミが嗤う。口元に拳を当て、声が漏れぬよう歯を食いしばる。緩急をつけて[[rb:舐 > ねぶ]]るアザミの舌が、それを阻んだ。
「っ...はっ...ぁ...っぅ...」
なんて稚拙だろう...。
快楽の波の[[rb:間 > ま]]で、されるがままに声をあげる己に、はがゆさを感じる。
貴女はそれでいいのか...?
妻の顔は、[[rb:黄橡 > きつるばみ]]色の豊かな髪に隠れて見えない。ウマラはアザミの髪をかきあげる。口を離したアザミが一瞥した。
「なんじゃ...」
「顔...見たい。貴女がどんな顔してるか見たい」
「そんなもん見んでえぇじゃろが」
「そう?」
再び下を向いたアザミの髪をかきあげる。アザミは頭を振って髪をおろした。
「邪魔するとやめるぞ...」
恨みがましく、眉を顰める。その顔すら今は愛おしい。
「少しだけ...ね?」
「ワシにも恥じらいっちゅうもんがあるんじゃ...」
「なら...」
尚更見たいよ。
アザミの片側の髪を耳にかけ、反対側におろした。
灯りに照らされた躰に、陰影がくっきりと浮かぶ。うなじ、首筋、鎖骨...。胸元に深く刻まれた谷間が薄衣に続いている。成熟した肢体に胸が鳴った。
襟首に手を差し込む。ゆっくりと肩を撫で、薄衣を剥いだ。
実りを迎えた麦のような色の肌。締まった身体は、筋骨の形をはっきりと浮かべている。それに反して、乳房は柔らかな印象を感じさせた。
「ワシの体は恐ろしかろ?」
乳房を隠し、アザミが言う。ウマラは首を振った。
「いいえ、とても美しいです。触れても...構いませんか?」
それぞれが一抱えもありそうな乳房に目を遣り、ウマラが言う。
「だめじゃっちゅうたら、触れんか?」
「...それは」
わざわざ聞いた事を悔やむ。
「ワシぁ、いけずじゃの」
笑いながら、ウマラの手を取り乳房に当てた。
「柔らかい...。それに重いね」
ずっしりとした感触を手に感じ、乳房を揺らした。柔らかさも重さも、今まで感じたどれとも違い、なんとも形容し難い。ただ一つ言えるのは、
「心地よい...。とても和みます」
という事だった。
「女、知っとるんじゃなかなったか?」
アザミが笑う。
「...」
女を知る為にと、幾人か娘を用意された。乳房の目立つ者もいたが、ここまで大きくなかった。
「私の手では物足りないでしょうか」
指をいっぱいに広げて乳房を覆っても、指の間から[[rb:肉 > しし]]が溢れている。ウマラは鷲掴みするように乳房を揉んだ。
「ん...」
アザミが僅かに身をよじる。
柔らかい感触の中に、コリと硬い感触が伝わった。
見れば、乳房の先が親指ほどの大きさで、高々と屹立している。大きめとも思える乳首に、かえって淫らさを感じた。
ウマラは舌先で、乳首の周りをなぞった。
「...んっ...ぁ」
吐息混じりの嬌声に、ウマラの陰茎がとくと脈打つ。
「良いですか?」
囁く。返事はなく、アザミは眉をしかめた。
「好きでは無い?」
「......」
やはり返事はない。
指で乳首をしごく。小さな息遣いと共に、妻の身体がピクリと動いた。
「好き?」
再び問いかけるも、返事は無い。
返事はしないんだね。でも、いいよ。
ウマラは指と舌で、妻の乳房をまさぐり、[[rb:舐 > ねぶ]]った。
呼吸が徐々に激しくなり、胸が大きく揺れた。
「...はぁ...っ...あ......んんっ...は...」
微かな嬌声。時たま吐く、細く長い息。
かきあげた髪の間に見えるのは、羞恥と、恍惚。
案外にもしおらしい妻の姿に、己の中の男を意識した。
妻の剛毅な姿に隠された女が見たい。
「声、我慢してる? 幽艷な様も美しいけど、乱れているところも見てみたいな...」
更に激しく触れた。呼応するように、妻の身体が揺れる。
「んぅ...あっ...ぁんっ、んぅぅっ」
次第に大きくなる声。身体を大きく反らせた。
「気持ち良いですか? ふふっ、答えなくてもいいよ。身体が応えてるから。もっと...して欲しいんでしょう」
アザミは顔を逸らせたが、目の前に乳房が突き出されている。ウマラは強く吸い付いた。
「あ、んっ...んぅっ」
恥じらいのない嬌声が耳にまとわりつく。羞恥も理性も消えた。隙間もないほど身体を添わせ、妻から溢れる欲情を貪った。
「綺麗だね、アザミ」
妻の名を呼ぶ。アザミがうっすら涙を湛えた目を向けた。
「とても美しいよ。けど、淫猥だな。貴女がそんな淫らな顔で、こんないやらしい声をあげるなんて...思ってもみなかったよ」
ウマラが言うと、アザミが口を歪めた。
「怒ってる? それとも照れ隠し?」
胸から腹へ唇を這わせる。いくつもある筋肉の筋を指で撫でた。ウマラの愛撫に応えるように、アザミの肢体は仰け反り、よじる。
「っ...」
ウマラの唇が、臍から下へ差し掛かった時、アザミは声を上げ、膝を締めた。
「どうしたの? 進めないよ...」
頭を挟まれた格好になったウマラが、不満げに尋ねる。
「...」
「なに?」
「......も、やめ...」
「どうして?」
髪と同じ[[rb:黄橡 > きつるばみ]]色の茂みは、すでにしっとりと濡れそぼっている。指で[[rb:陰 > ほと]]の際をなぞった。
「っ...んっ...ん...やっ...んっ..や...」
頭を締める脚に力がこもる。拒むような脚の動きに反して、陰はとろりと雫を流した。
「ねぇ、アザミ。離して?......もっと貴女の事、知りたいんだ」
「......ワシは、おかしかろ?」
「え?」
頭を挟まれたまま、視線だけを妻へ向けた。蒸気した顔に、哀愁が滲んでいる。
「こんな体で...こんな[[rb:性格 > たち]]で...[[rb:女子 > めのこ]]のように声をあげ...よがる姿なんぞ。おかしかろうよ?」
息も切れ切れに呟いた。
「いいえ...?」
急に妻は何なのだろうか。少し身を引くと、脚が緩んだ。
「[[rb:ヌシも言 > ・・・ゆ]]うたらええよ。ヌシのような[[rb:者 > もん]]でも、女の顔をすると...笑えばえぇ」
自虐的に言う。大きな体を縮めた姿が少女のようにも見えた。
「ヌシも...ね。誰かが、貴女をそう言って抱いたのか。しかし...事の[[rb:最中 > さなか]]に他の男を思うなんて、妬いてしまうな... 」
内腿に手を掛ける。
「んっ...」
体全体に力をかけ、脚をこじ開ける。
妻の雫が溢れた[[rb:陰 > ほと]]が露になった。
「貴女は私が囁く言葉を疑っていたのか。戯れに女を抱き、嘲笑うような者だと思ったのか? 心外だね」
妻の[[rb:陰 > ほと]]に口をつける。
「ウマラ...」
言いかけるアザミを目で制した。
舌で外陰を舐り、徐々に内側へ動かした。淫靡な音が響く。
「っ...ん...」
「まだ抑えてる? 大丈夫、私は貴女を笑わない。初めから、貴女は私の愛おしく、美しい妻だ」
指で陰を開き、膣へ舌を挿れた。
「んっ、あっ...ぁ...」
膣の中から雫が音をたてて、溢れる。
「聞こえた? 貴女のいやらしい音。こんなに感じてくれて、私は嬉しいんだ。もっと、もっと聞かせて」
わざと音をたてて[[rb:舐 > ねぷ]]ると、さらに先を求めるように、妻の腰がビクビク揺れ、肉が舌を呑みこもうとした。
「可愛いね。欲しいの?」
「...」
吐息だけを漏らす妻に微笑む。
「その口で、言って。私を求めて」
「...挿れ...」
「え? なに?」
「ヌシが...欲しい」
「いいよ。挿れてあげる」
中指を差し挿れる。
「んっ...」
小さく声を漏らした。
指...細いかな。
まだ発達途中の己の陰茎に比べても、指は細い気がした。
一度抜き、指をもう二本添えた。
「んっあぁぁっんっ!!」
[[rb:陰 > ほと]]から雫を溢れさせ、声をあげた。
「やはり太い方がいいみたい?」
「あぁ...んっ...んっあっ...あぁ」
何か言いたげに見ている。
ウマラは三本添えたまま、挿入をくりかえす。
「あっ、んっ...んぅっ」
陰は淫らな音をたてながら、ウマラの手に雫を垂れ流した。
「貴女の陰、まるで[[rb:湧水 > ゆうすい]]みたいだよ」
「ぁっ...んっ...んっだめっ。...ゆ...び......指、抜け...」
ウマラを腕に抱き込み、喘ぎ声をあげ、アザミが懇願した。
「嫌です。だって...」
「んうっ、あ...んっ」
陰を掻き回す。
「そんなに気持ちよさそうにしてくれるのに、やめられないよ」
陰核の皮を剥き指先で刺激する。
「んっ...そこ...は...やっ...」
「ここが、いい?」
聞こえないふりをして、指先で弄る。
「あっ...違......んっぅ...や...」
ビクビクと腰を浮かし、水のように雫を垂れ流す。
「[[rb:肢体 > からだ]]も悦んでいるでしょう?」
乳房を吸いながら、陰を刺激し続ける。動かす度に、妻の淫らな嬌声が響いた。
「あぁっ...んっ...ぬ...け...んっ」
「声抑えるのやめたの? 可愛らしくていいね。外の衛士に聞こえてしまいそうだけど...」
「っく...抜け...ちゅうとろうが...」
「嫌だよ。いやらしい声聞きたいから」
「あぁぁんっ......ふ......ア、ホ.....ボケ」
「え? 今...なんて......んぁっ、あぁっ」
陰茎から快感が走った。
意趣返しをするように、アザミが陰茎を包み込んでしごいた。
「はぁっ......ん、とめ...やめ...て。ダメ...だっ...」
「んっっ...やらしいのはヌシじゃろ...よ...っ」
「まっ...ダメ...いっ...き、そう...」
陰から指を抜き、両手でアザミの手を抑えた。
「挿れさせて...アザミ」
絶頂の寸前で止めて、陰茎ははち切れそうなほど膨らんでいた。妻と一つになりたい。ウマラは思った。
「まだ... 」
「?」
「立て...」
「え...?」
戸惑うウマラの腰を抱え、立たせた。アザミは目の前に反り立った陰茎をどっぷりと咥え込む。
「んぁぁぁっ、あっ、はぁっ。っぅ...んぁ。あ、やめ...」
陰茎を強く吸い込まれ、ウマラは声をあげた。
舌と口腔の刺激に、陰茎が激しく脈打つ 。思わずアザミの頭を両手で抱える。アザミは構うことなく、繰り返し吸い付き、時折舌先で舐った。
「あっ...んぅっ、ダメ。とめて...気が...いってしまいそう...とめて...っあ...」
陰茎がドクドクっと脈打つ。絶頂に達する寸前、アザミが口を離した。
「あ...っ...」
情けない声が漏れた。
「残念か?」
指先で亀頭を撫で、アザミが笑った。
「ヌシがとめろっちゅうたろうがよ?」
舌を出す。舌先からつぅっと糸を引いて、唾液が陰茎に降りかかった。
「本当に淫らだね...」
「やめるか?」
「...いえ、もっと...して。もっと見たい...」
アザミは笑みを零す。そして乳房で陰茎を挟み込んだ。
柔らかい[[rb:肉 > しし]]の感触に、唾液と己から零れた雫でぬるぬると滑る感覚。
「はぁ...あぁ...っぅ...気持ち...良い」
ウマラは自ら己の陰茎を乳房の合間に滑らせた。
「ふ...ぅ...ぅ...んぁっ」
温かい肉に何度となく、割り込ませる。押し寄せる快感が欲求を呼び起こす。
「これもいいけど、やはり挿れたい...貴女の中に挿れたい」
「...」
妻の顔から愁いが消えていた。
「...上がえぇか、下がえぇか?」
「任せます...」
ふん。アザミは手を緩めると、ウマラに跨る。そして[[rb:陰 > ほと]]を陰茎に押し付けた。
「えぇか?」
「はい...」
下からウマラは頷く。
幾度も[[rb:陰 > ほと]]をこすり付けた後、ウマラの陰茎を差し挿れた。
「んっ...熱い。貴女の中...とても熱い」
「気持ち...良かろ?」
「ん」
妻が動かすに、身を任せた。
中の肉が、陰茎を締め付け搾りだそうとする。
「ふっ...ん...気持ちいい」
「ヌシぁ、ちと気に食わんとこもあるが...。えぇよ。ヌシの子、産んでやる。子種をよこせ…」
自らも快楽の表情を浮かべ、アザミは言った。
ウマラは思わず笑みを零す。
「先程のような可愛らしさはどこへ行ったの」
「はっ...ワシぁこういう[[rb:女子 > めのこ]]じゃ」
「そう...」
両手を伸ばす。アザミが応えるように、体を近づける。
己の腕には大きすぎる妻の背を抱いた。アザミは小さな夫を腕の中に抱き込む。
「そういうところも、好きだよ」
「ほうかよ...」
月のない、朔月の夜。二人は[[rb:真 > まこと]]の[[rb:夫婦 > めおと]]となった。
*
気づくと、隙間から弱い光が差し込んでいた。
「寝て、しまっていたのか...」
己の身体を妻が覆い、包んでいる。
ウマラは静かにアザミの腕から抜け出した。
「寒っ...」
妻の温もりが無くなった途端、朝の冷気が肌を刺した。
「早ぇの...」
寝惚け眼のアザミが呟いた。
「すみません、起こしましたね…」
「えぇよ」
妻の肉布団で寝ていた己と違い、薄衣一枚の妻は冷えていた。
「温かくして。貴女は大事な人なんですから...」
肩に[[rb:上衣 > うわぎぬ]]を掛ける。
「大事な子を産まねばならんからの...」
小さく笑う。
「私は...貴女を想って言っているのです。家や、子の為では無い。意地の悪いことを言わないで下さい」
悲しげに眉をよせ、ウマラは言った。
「ほうか...」
掛けられた上衣の中に、ウマラを抱きよせた。再び温もりを肌で感じ、ウマラの陰茎はピクリと頭を持ち上げる。
「...足りんかったか?」
アザミが笑う。
「貴女と居れば足るという事はないかもしれない。絶えず欲求が湧き出てくるから...」
意図せず勃起したそれを薄衣で覆う。しかしそれは衣を押し上げ、はっきりと主張していた。
「困った婿殿じゃの」
完全にそそり立ったそれを、アザミは指で突いた。
「ん...」
とくとくと脈打ち始めた陰茎を、ウマラは抑えつけ腿で挟んだ。
「そう言えば東の大陸では、万物を陰と陽で分けるという考えがあるそうです」
「?」
男が陽で、女は陰。二つは対極であるがそれぞれに、それぞれを内包し、完全に断ちわかれるものでは無い。
「時に二つは混じり合い一つの大きな太極を成します。私が貴女を。貴女が私を輔け、太極を成しましょう」
ウマラがアザミの手をとる。
「ようわからんが...ええよ。輔けてやる。ヌシを。ここに住む者の為にの...」
アザミが応え、ウマラが頷いた。
「私は貴女を迎えるため、一足早く郷へ戻ります」
婚儀は両者の郷の境目に建てた小屋で行った。ウマラが住むニコシ府はこの小屋から半日ほどの距離にある。
「名残惜しいけど、行きます...」
アザミの腕から抜け出し、身なりを整える。
糸で彩られた上衣。長い髪を結び、腕輪、首飾り、耳環で飾る。すっかり貴人然とした姿に変わった幼い夫が、アザミを抱き、唇を重ねた。
「朝餉をとって、ゆっくり赴いて下さい。待ってます」
「おう...」
もう一度唇を重ねて、ウマラは立った。
「トクサ、馬を曳け」
「は」
戸のこちら側から声を張る。誰がいるかもわからない戸の向こうから、しかし確かに応えがあった。
馬のいななきが聞こえ、一度振り向く。
「では」
軽く頭を下げ、ウマラは小屋を後にした。
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