【T&B】(龍視点)トレーニングセンターにタイガーさん

  トレーニングセンターにタイガーさんがいる。

  一年前までは当たり前だった日常が戻ってきた。

  トレーニングセンターでタイガーさんがバーナビーさんに怒られている。

  「いい加減話してばかりいないでトレーニングでもしたらどうなんですか、虎徹さん」

  そんな当たり前の日常が戻ってきた。

  トレーニングセンターにヒーローがいるのは今までと変わらない。

  トレーニングセンターにヒーローが自然と集まってくるのは、今まで通り。

  だけど、少し前まで、今までとちょっとだけ違っていた。

  それは当たり前にいた人たちが突然いなくなってしまったから。

  いつもと同じようにトレーニングセンターにヒーローが集まって、いろいろなお話して、そして……だけど、なんか違っていた。

  それは当たり前にいた人たちがいなくなってしまった喪失。

  みんな口には出さなかったけれど、みんな同じ思いだった。

  みんな集まって、いろんなお話して、みんなでわいわいやって……だけど、それだけじゃ物足りなかった。

  「だっ! 今やろうと思ってたとこだよ」

  タイガーさんがバーナビーさんに口を尖らせてぶーたれてる。

  今まで当たり前だった日常が戻ってきて、みんな笑っている。

  トレーニングセンターにタイガーさんがいる。

  トレーニングセンターにバーナビーさんがいる。

  トレーニングセンターにブルーローズがいて、ファイヤーさんがいて、それから折紙さんとスカイハイさん、ロックバイソンさんもいて、みんな笑っている。

  タイガーさんを中心にみんな笑っている。

  「おかえりなさい、タイガーさん」

  タイガーさんが僕を見て、ニカリと笑う。

  「なんだよ、ドラゴンキッド、今さら改まっちゃって」

  タイガーさんが僕の傍に寄ってくる。

  「うん。だけど、もう一回言いたくなっちゃって……」

  泣きそうな僕。

  綺麗な澄んだ目をしたタイガーさんが僕の頭をくしゃくしゃにする。

  「あんがとさん」

  タイガーさんのお礼の言葉。

  だけど、本当にお礼を言いたいのは僕の方。

  ありがとう、帰ってきてくれて。

  ありがとう、僕の日常を取り戻してくれて……。

  「やっぱり凄いヒーローだよ、タイガーさん」

  僕の言葉に、タイガーさんが嬉しそうに笑った。

  End.