番外編「封印されし物語」

  [chapter:幻の2話:解説]

  2話はクリスマスパーティーを扱っていますが、実はそれ以前に全く異なる物語を執筆していました。秋に行われる学校行事「大食い大会」を題材とした物です。

  70%ほど執筆していましたが、その間に秋を過ぎて11月も後半に差し掛かってしまいました。

  そのため、急遽時期に合った物語を書きました。この時期に登場させた理沙ちゃんをメインとして扱っています。

  この時点では翌年の秋公開を予定していましたが、他作品のアイデアが次々と浮かびます。それらも書いているうちに公開するタイミングを次々と逃し、また新設定が増えたため、大食い大会の話とは設定がずれていきました。

  そのため、この話は封印する事にしました。

  しかし非公開のまま放置する事ももったいないため、番外編としてここに公開します。

  現在の設定とは異なる部分や表現が多いため、ねおじむユニバースには含みません。話の途中で終わっていますが、続きを書く予定もありません。

  余談ですが、3話も当初の予定では春休みが舞台でした。しかしこちらも執筆が長引いた事により、ゴールデンウィークに時期を差し替えています。

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  [chapter:幻の2話「大食い大会」]

  ケモノ小学校埼玉校では、秋に様々な行事が行われる。

  遠足、音楽会、球技大会。

  そして最も盛り上がる行事がある。

  それは大食い大会だ。

  大会の一か月前、参加者の募集が行われた。

  4、5、6年生から5人が選ばれる。

  その事は相撲部でも発表された。

  「ぼく、絶対に参加するぞ!」

  4年生のリス、栗田くんは言った。

  「ぼくだって!たくさん食べる自信があるからね!」

  4年生のキツネ、稲荷山くんも言った。

  「ぼくは優勝したことがあるんだ!だからぼくも頑張るぞ!」

  部長ではないが相撲部員で一番重い6年生のビーバー、林くんも言った。

  「お前ら、頑張れよ。」

  顧問のシロクマ、保良先生は二人を励ました。

  相撲部の部員は全員参加届を出した。

  それでも選ばれるのは4、5、6年生から5人だけだ。

  相撲部員たちは大食い大会当日を楽しみに待った。

  そして大会の三日前、出場者が発表された。

  それは次の5人だった。

  4年生 栗田 永雄(リス)

  4年生 河合 旺太(カワウソ)

  5年生 熊田 光男(熊)

  5年生 須賀 花子(スカンク)

  6年生 林 海里(ビーバー)

  「やった!参加できるぞ!」

  栗田くんは喜んだ。

  「栗田くん、頑張ってね!」

  稲荷山くんは栗田くんを励ました。

  そして大会当日の月曜日。

  学校の近くの商店街から5軒が食品を提供した。

  会場は学校の体育館だ。

  横長のテーブルに参加する5人が座っている。

  みんな丸々と太っていて、服の下からおなかが覗いている。

  開始前、5人は話していた。

  栗田くんが言った。

  「ぼくもうおなかペコペコだよ!昨日の昼から水しか飲んでないからね!」

  河合くんも言う。

  「ぼくは昨日の朝から水だけだよ!」

  熊田くんと花子ちゃんも言った。

  「僕もだよ!」

  「あたしもよ!」

  すると、優勝経験のある林くんが言った。

  「僕は土曜日の朝から水しか飲んでないよ!前もそれで優勝したんだ!」

  「やっぱり優勝者はすごいな…」

  栗田くんは感心した。

  開会宣言の後、最初の料理が出された。

  実況中継は相撲部の顧問・シロクマの保良部亜先生だ。

  「さあ、初戦の開始です。

  用意されたのは、メキシコ料理店・エルドラドから用意されたタコスです。

  タコス5個を15分以内に食べられたら、次の試合へ進めます!

  それではスタート!」

  栗田くん、河合くん、花子ちゃん、熊田くん、林くんの5人は5個用意されたタコスを食べ始めた。

  3分に1個食べる必要がある。

  観戦している全校生徒が応援している。

  稲荷山くんも声を張り上げている。

  「栗田くん頑張れー!食欲を盛大に出すんだ!」

  7分後、熊田くんが完食した。

  続いて林くんも完食。

  そして9分後に河合くん、10分後に栗田くん、12分後に花子ちゃんが完食した。

  栗田くんと河合くんが話している。

  「河合くんすごいね!10分もかからないなんてすごいよ!」

  「栗田くんだってすごいよ。ぼくとほぼ同時に食べ終わったもん!」

  「全員時間内に完食できたので、10分後に2回戦を開始します。

  それまでは休憩時間とします。」

  10分経つと、保良先生は言った。

  「2回戦を開始します。

  次は中華料理店・牡丹から提供されたエビシュウマイです。

  30分で20個を完食出来たら次へ進めます!スタート!」

  5人はシュウマイをガツガツ食べ始めた。

  「エビがぷりぷりでおいしい!」

  熊田くんは喜んで味わっている。

  15分後、林くんが完食した。

  20分後に河合くん、25分後に熊田くんも完食した。

  28分後にようやく栗田くんも完食した。

  「やった!次に進めるぞ!」

  花子ちゃんは食べ切れず、ギブアップとなった。

  「苦しいわ…もっとペース配分を考えるべきだった…」

  そう言いながら膨れたおなかをなで、体育館の片隅に置かれたベッドに寝転がった。

  残ったエビシュウマイは、食べたい生徒に配られた。

  20分間の休憩後、3回戦が始まった。

  「次はインド料理店・ベンガルから提供されたナンです!

  30分で15枚食べられたら、次へ進めます。」

  栗田くん、河合くん、熊田くん、林くんの4人は詰まれたナンを食べ始めた。

  花子ちゃんが食べる予定だった15枚は、希望者に配られた。

  開始から20分後。

  「も、もう食べられない…」

  河合くんがギブアップした。

  「ゲップ、おなかが苦しい…」

  河合くんは膨れたおなかをさすりながらベッドへ向かった。

  残った三人はナンを頬張り続けた。

  そして20分後に林くん、25分後に熊田くん、29分後に栗田くんが完食した。

  「ギリギリ大丈夫だ…」

  もう栗田くんはおなかがきつい。

  次は給食の時間だ。

  生徒たちは教室に戻って給食を食べ、大会の参加者5人は休憩時間となった。

  「この間におなかを休めよう!」

  栗田くんはおなかをなでた。

  「僕のおなか、ずいぶん大きくなったなあ!」

  熊田くんが感慨深げに言った。

  「太鼓みたいだ!」

  林くんがおなかを叩くと、ポンポコポン!といい音が鳴った。

  「ねえ熊田くん、一緒におなかを叩かない?」

  「面白そう!」

  栗田くんも言った。

  「じゃあぼくも!」

  おなかが落ち着いてきた河合くんと花子ちゃんも言った。

  「ぼくもおなかを叩くよ!」

  「あたしも頑張るわ!」

  5人はおなかを突き出してリズム良く叩いた。

  ポンポコ、ポンポコ、ポンポコポン!

  体育館に腹太鼓が響き渡る。

  5人とも楽しそうな表情だ。

  ひとしきりおなかを叩くと、5人は笑った。

  「あー楽しかった!」

  「いい音だったね!」

  「太っててよかったね!」

  やがて体育館にまた生徒や教職員が入って来た。後半戦の始まりだ。

  花子ちゃんと河合くんはこれ以降には参加しないので生徒たちと合流した。

  「栗田くん、頑張ってね!」

  河合くんは合流前に栗田くんに言葉をかけた。

  また保良先生の解説が始まった。

  「4回戦のスタートです!

  用意されたのはスウィートハート・ベーカリーのクロワッサン20個です!

  40分以内に食べ切れれば次へ進めます!」

  栗田くん、熊田くん、林くんの3人はクロワッサンを食べ始めた。

  30秒で1個食べないといけないので、真剣な表情だ。

  じっくり味わっている暇はない。

  「栗田くん頑張れー!」

  稲荷山くんは大声で応援をしている。

  25分ほど経った時。

  「も、もう食べられません…」

  ついに栗田くんがギブアップした。

  「ペース配分を間違えちゃった…」

  3人の中では一番体が小さいので、ここでギブアップしても不思議ではない。

  「おなかがはちきれそう…」

  栗田くんはベッドへ向かい、寝転がった。

  「ゲーップ!苦しい…」

  げっぷを吐き出した栗田くんは、保険医の先生におなかのマッサージをしてもらった。

  熊田くんと林くんはガツガツ食べ続けている。

  「負けないぞ!」

  「僕だって!」

  そして同時に完食した。

  「た、食べ切ったぞ…ゲーーーーーップ!」

  「決勝に進める…ゲーーーーーップ!」

  二人は特大のげっぷを出し、大きく膨れ上がったおなかをなでた。

  「もう入らないよ…」

  「おなかパンクしちゃいそう…」

  二人はどことなく苦しそうだ。

  朝からタコス5個、エビシュウマイ20個、ナン15枚、クロワッサン20個を食べたのだから当然だ。

  30分の休憩の後、いよいよ決勝戦が始まった。

  「さあ、ついに決勝戦です!

  用意されたのはたった今高さ50cmの特大ケーキです!」

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  [chapter:17話初期バージョン:柴田くんの末路]

  17話「元気になって!栗田くん」のラストでは、いたずらっ子だった柴田くんが改心して栗田くんと友情を築きます。

  しかし、公開当時のバージョンでは恐ろしい事実が最後のページで明かされていました。

  両親にひどく叱られた柴田くんは自分が必要されていないと感じ、自室で命を絶ちます。

  両親も息子の存在に必要を感じていなかったため、彼の毛皮と臓器を売り払って大金を手に入れます。それから児童養護施設を周り、柴田くんに似た良い子を養子として引き取ります。

  最後のページに登場する高級チョコレートは、その大金で買った物の1つです。

  18話や20話の柴田くん登場シーンでも、これについて少しほのめかしていました。なお栗田くんたちは少し違和感を覚えていましたが、真実には気づいていません。

  その後の展開として、以下のプロットも考えていました。

  ・カワウソの知子ちゃん(5年生)は霊感が強く、死者の声を聞く能力がある。

  ・21話の学芸会では、新しく導入した衣装の一部にテンの毛皮が使用されている。

  ・学芸会終了後、知子ちゃんがテンの毛皮を着用した子に言う。

  「劇で着ていた衣装からずっと声がしていたの。『ぼくは柴田 貂助。どうか許して…』だって。」

  ・しかし柴田くんが死んでいる事は誰も知らないため、聞き間違いと扱われる。

  2020年12月(22話のプロットを立てていた時期)、あるユーザーから「ブラックすぎて作品の世界観と合わないため変えて欲しい」と意見があり、現在の文章に差し替えました。

  同時に、16話「栗田くんの終わりなき悪夢」で一部の悪夢をマイルド化したり、20話「鏡に捕らわれた栗田くん」のラストでもう1匹の栗田くん(旧:血出暗くん)が引き取られた先も、児童養護施設から里親の元に差し替えています。

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  [chapter:19話没エンディング]

  19話「栗田一家、海へ行く」は、タイトル通り栗田一家の旅行を描いています。

  しかしプロットを思いついた時点では、新型コロナウイルスが猛威を奮っており、旅行や外出が自粛されていました。

  そのような時期に旅行の話を投稿する事はどうかと考え、以下のようなエンディングを考えました。

  ・旅行から帰る車の中で眠くなる栗田くんは、電子音で目覚めた。

  気がつくとそこは自宅のダイニングテーブルで、目の前には出来立てのカップラーメン。

  彼はカップラーメンにお湯を入れた直後、寝てしまった事を思い出す。

  つまり、2日間の旅行はすべて3分間で見た夢だった。

  伏線として、旅行中のセリフに「夢のよう」という表現を多く入れていました。

  しかし、完成が近づいた頃には自粛ムードが解除され始めていました。そのため、このエンディングの削除を考えました。

  このエンディングも文章化しており、投稿直前まで残っていましたが、投稿時に削除しました。

  削除理由はもう1つあります。20話で栗田くんに危機が訪れるため、その前に楽しい思いをさせようと思ったからです。

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  [chapter:22話没プロット:地獄訪問と未来風ケモノ界の真実]

  22話「タイムマシンで異世界旅行」も、上記の意見を受けて没にした場面や展開があります。こちらは文章化する前に没としました。

  ・1000万年ほど前の北海道に行った後、人間界を訪れている。

  栗田くんたちが人間の町を興味深く見物する中、異次元栗田くんは小声で「汚らわしい」と一言。

  ・その次は地獄へ。現代の地獄はオートメーション化されており、すべての裁きが機械仕掛け。

  ある一角では、柴田くんが巨大なミキサーに放り込まれていた。粉砕されて肉片と化すと、すぐに放り出されて元の姿に戻り、再びミキサーへ。それが永遠に繰り返される。

  栗田くんたちもそれを目にしたが、「柴田くんに似ているだけで別の子だ」と判断。

  ・長尾くんの家でおやつを食べた後、町を歩く。オーバーテクノロジーが溢れる町を楽しんでいると、路地裏から奇妙な生物が飛び出してきた。

  どことなく人間に似ているが、それと比べて非常に汚らしい。四つ足、乱れた髪、焦点の合わない目。奇声を上げながら全裸で徘徊し、鼻水やよだれ、排泄物を垂れ流す。

  長尾くんの説明によれば、それはかつて世界の支配者だった人間。この世界は、前半で訪れた人間界のはるか未来だった。

  大昔の人間が「犬の知能を発達させる実験」を始めた所、想像以上に発達。他の動物も次々と発達させ、最終的に「人間の知能を低下させる薬」を作り始め、わずか100年で世界を支配。

  それから何世紀も経ち、人間は害獣に落ちぶれ、ケモノは人間を上回る科学力と文明を手に入れた。

  ・また、人間がいかにひどい生き物だったかも聞かされる。「豚や牛など哺乳類の肉を食べていた」「動物実験」「20世紀以降の戦争」「人種差別」などについて聞かされ、栗田くんたちは人間に対して嫌悪感と恐怖感を持つようになる。

  ・元の世界に戻った後、4匹は決める。

  「もしまたニンゲンがこの世界に来たら、みんなでやっつけよう!」

  また、長尾くんは一発キャラで終わらせる予定でした。後に重要キャラとなるとは、全く思ってもいませんでした。

  その設定を思いついてから、それに関する部分の加筆・修正をしています。

  投稿当初、異世界タイムマシンは「異次元タイムマシン」、長尾 繰太くんは「異次元栗田くん(本名:栗田 永雄)」でした。

  しかしどの異世界も3次元空間にある事や、読みやすさを考慮して名前を変更しました。

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  [chapter:没エピソード「ニンゲンをやっつけろ!」]

  22話以降の時系列。

  ある日、何らかの方法(18話の亀田 清と同様?)で大上区に人間が来る。今度は毛皮に飢えている悪魔のような性格の人間。

  柴田くんやくるみちゃんなど多くの児童が狙われるが、栗田くん、稲荷山くん、真里ちゃんが立ち向かう。日用品などを使ってその人間を苦しめ、最終的に栗田くんの父親がゴルフクラブで撲殺する。

  栗田くんたち(特に父親)は正義の味方として扱われ、周囲からの評価がますます上がる。くるみちゃんも栗田くんの事がより好きになった。

  最後に地の文で「正義とは何か?」を問いかけて終わる。

  22話のプロットが没になった関係で、この話も没になりました。ただし一部のアイデアは、29~30話で使用しています。

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  [chapter:24話カットシーン]

  当初「ケモノは全種族が汗をかく」と設定していましたが、後に「全身に汗をかく種族は馬などごく一部」と変更しました。

  そのため、過去の作品から汗にまつわる描写はカットしました。大体は短い文章ですが、ここは長文をカットしたため、こちらに移しました。

  「いっぱい遊んだし、午前中の遊びはここまでにして帰ろう。」

  穴太郎の一声で、5匹は集落に向かって歩き出した。

  「そろそろ涼しい部屋に戻りたいな…おいらのふんどし、汗でぐっしょりだ!」

  「ぼくの腹掛けもお腹にくっついちゃうよ…」

  「しょうがないな。俺のハンカチ貸してやるよ。」

  「ぼくのもね。」

  穴太郎と川助は、トントンとぴょん太にハンカチを渡した。2匹は早速、腰回りやお腹の汗をぬぐう。

  「トントンたちもハンカチを持ってくればいいのにね。」

  「クリクリ、ふんどしや腹掛けにポケットはないよ。だから夏場に遊ぶ時は、いつもぼくたちのを貸してあげるんだ。」

  「あ、そうか。でもあんな場所拭かれて大丈夫なの?」

  「まあ、初めのうちは抵抗感もあったよ。でも今は平気さ。ぼくたちは友達なんだからね。」

  「みんな本当に仲がいいんだね!」

  それから5匹はそれぞれの家に帰り、昼食を摂った。

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  [chapter:31話初期プロット]

  2021年春に投稿予定でしたが、他作品の執筆が重なった結果、1年延期させました。その結果、当初の構想から大きく変わっています。

  タイトル「不思議な狐塚ファミリー」

  ・家族は元々田舎暮らし(場所は未定)だったが、小学校が廃校となり大上区へ。

  ・ケモノ小学校埼玉校に入学する。笛吾くんによるやけど事件→家族のイメージ悪化はここで起きた。

  ・笛吾くんと風子ちゃんがイメージを180度変えようと、能力で様々な事をするが、すべて失敗。ますますイメージが悪化する

  ・困り果てる家族

  ・ある時、大きなトラブル(詳細未定)が起きる。4匹が力を合わせ、それを防ぐ。

  ・イメージ回復

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  [chapter:「栗田くんの夢世界巡り」大幅に書き直した章]

  ディズニー100周年を記念したこの作品は、100周年の当日に間に合わせるため1年近くかけて書きました。

  その中で5番目に訪れる「ピノキオ」の世界は、1章丸々書き直しています。

  当初はアニメ版ベースでしたが、実写版の方が見ていて楽しく感じたため、そちらをベースに書き換えました。

  以下は初期段階の文章です。

  そこは夜の遊園地。にぎやかな音楽が流れ、イルミネーションが輝き、空には花火が打ち上がり、ジェットコースターや観覧車などの乗り物が動いている。

  (何に乗ろうか…おっと、あれは?)

  近くのテントから声が流れてきた。

  「さあ、こっちにおいで!ケーキにパイにアイスクリームが食べ放題だ!おまけに全部タダだぞ!」

  覗いてみると、中にはそれらのお菓子が山積みになっている。声はレコードから流れていた。

  「やったー!天国だ!」

  栗田くんは山に突撃し、お菓子を次々と平らげた。いくつか食べると、自動的に補充される。

  (ずっとここで暮らしたいな…)

  1時間も食べ続けると、また満腹になった。少しお腹が落ち着いてからテントを出た。

  (せっかく遊園地にいるんだから、他の場所も見なくちゃ。)

  観覧車まで歩いた時、ふと違和感を覚えた。しばらく考えるうち、その理由がわかった。

  (この遊園地、なんでぼく以外に客がいないんだ?乗り物は誰も乗っていないのに動いているし、通りにも誰もいない。

  まあ、深く考えるのはやめよう。さっきのテントに戻るか!)

  道を戻り始めた時、コオロギが走ってきた。

  「ピノキオ!どこだ!ピノキオ!」

  「何を探してるの?」

  「うわっ!また犠牲者が…って、君はロバじゃなくてリスになってしまったのか?」

  「え、何の話?ぼくは元々リスだよ。」

  「驚いたな。そんなに大きなリスは今まで見た事がない。」

  「ぼくはシマリスの栗田 永雄。ぼくだってしゃべるコオロギに会ったのは初めてだよ。」

  「そう、私はジミニー・クリケットだ。

  ともかくここにいると、ロバになってしまうんだ!早く脱出してくれ!」

  「えっ、別の種族になっちゃうの?まあロバになればしっぽの手入れが楽になるだろうし、それでもいいかな。」

  「何のんきな事を…ロバになったら知能もなくして、塩の鉱山やサーカスで強制労働させられるんだぞ!それも死ぬまで!」

  「な、なんて事だ!出口を教えてよ!」

  「ピノキオを連れ戻してからだ。事情を話すから、君も一緒に来てくれ!」

  ジミニーは大急ぎで跳ね始めた。栗田くんも太った体を揺さぶりながら後を追う。

  「ハア、ハア…ねえジミニーさん、なんでここにいるとロバになるって知ってるの?」

  「私はこの目で見たんだよ。さっきまでここは大勢の悪ガキで賑わっていた。みんな誘われて来たんだ。

  しかしそれは罠だった。ここで2時間ほど遊んでいると、悪ガキどもはみんなロバになり、売られていった。

  ピノキオもどこかにいるはずだ。そろそろロバになってしまうかもしれないぞ!」

  「さっきから気になってたけど、そのピノキオって何?」

  「それはだな…あっ!」

  ビリヤードのボールを模した建物から、四つ足のロバが飛び出してきた。狂ったように鳴き声を上げ、暴れている。

  程なくして、物陰から現れた黒服の人物に捕獲された。

  「ピノキオはさっきまであそこにいたぞ!まさか、まさか…」

  栗田くんも不安を覚えつつ、建物に入った。

  そこにはビリヤード台が並び、床には葉巻の吸い殻が散らばっている。近くのテーブルにはビールジョッキが置かれていた。

  床の上では、操り人形の男の子が震えている。彼がピノキオだ。

  「良かった、ピノキオは無事…じゃない!」

  その頭にはロバの耳、お尻にはロバのしっぽが生えている。どうやらピノキオもロバになりかけているようだ。

  「ああジミニー、来てくれたんだね!良かった!」

  「今助けに来たぞ!私たちと一緒に来い!出口はあっちだ!」

  ジミニーは出口に向かって走り出した。栗田くんとピノキオも後を追う。

  しかし園内はかなり道が入り組んでおり、なおかつ栗田くんは太っているためあまり速く走れない。すぐに両者を見失ってしまった。

  (どこだ、どこだ!? 早く見つけないと…

  いや、そろそろ光る扉が出てくるはずだ!それも一緒に探そう!)

  周囲を見ていると、大きな家が目に入った。窓はほとんどが割れ、周囲には壊れた家具が散らばっている。

  近くの看板を見ると、ここは壊すために建てられた家らしい。

  (さすが悪ガキたちを集めただけあるね…)

  よく見ると、家の奥で何かが光っている。次の扉だ。

  (あそこだ!急がないとぼくもロバになっちゃう!)

  床はガラスや木の破片が散乱し、靴を履いていても歩きにくい。なんとか奥まで進み、鍵を回した。

  また、当初は「ジャングル・ブック」と「眠れる森の美女」も出す予定でした。

  前者は栗田くんとバルーが戯れる、後者はフィリップ王子とマレフィセントのバトル~オーロラ姫の目覚めまでを見物する展開を考えていました。

  しかし前者は展開に盛り上がりが浮かばず、執筆前に登場させない事を決めました。

  後者は執筆直前まで入れる予定でしたが、いざ書こうとすると栗田くんの介入する余地がない事に気がつき、没にしました。

  代わりに出した作品は「ミラベルと魔法だらけの家」と「白雪姫」です。

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  [chapter:その他没設定の数々]

  ・家畜や海洋哺乳類は、通常の生物として存在する。

  ・ケモノの数え方は「人」。

  ・換毛が存在しない。

  ・稲荷山家の母親は催眠術が得意。

  ・島田くんの下着はトランクス。

  ・すべての狐が狐火を使える。

  ・喫煙は違法行為。

  ・ネコ科はマタタビを嗜好品として使用する。

  ・しっぽはシャツとズボンの隙間から出す。

  ・調理時には全身防護服を着る/フェイスシールドを装着。

  ・ケモノ界は、ねおじむ代理が操作する大型コンピューターで管理されている。

  ・ねおじむ代理は小学生に変身できる能力を持ち、栗田くんたちとよく遊んでいる。

  ・雪見家の母親はキタキツネで、理沙ちゃんは種族間ハーフ。また、稲荷山くんに恋心を抱いている。

  ・雪見家のメイドはすべて猫。