翌日、みおちゃんはいつも通り教室へ入ります。
するとちょうどその直後、にこちゃんが入って来ました。
「みーおちゃん、おはよぉ」
「おはよう、にこちゃん」
昨日現れた魔法猫少女のにこちゃん。
物理で戦うその姿に驚かされながらも、みおちゃんの事を守ってくれた強い猫少女。
にこちゃんと同じ名前だったのが気掛かりで、みおちゃんは隣の席のにこちゃんに探りを入れます。
「ねえ、にこちゃん」
「なぁに? みおちゃーん」
「にこちゃんって、みおの卵焼き食べた事あったかな?」
「えー、無いと思うよぉ? でも僕も食べてみたいなぁ、ねこちゃん、すっごく美味しいって言ってたものぉ」
「そっか、ここねちゃん美味しいって言ってくれてたんだ。嬉しいな」
ねこちゃんにも卵焼きは好評だったようで、つい嬉しくなってしまったみおちゃん。
でもにこちゃんは卵焼きを食べた事が無いようです。
(他に何か共通点は……どっちもにこちゃんだけど、あまりにも性格からして違い過ぎるもの。本当に同一人物なのかな。あ、そういえば)
みおちゃんは2人の共通点を見つけたようで、にこちゃんに聞きます。
「そういえばさ、にこちゃんって自分の事を僕って言うよね。何か理由でもあるの?」
猫少女のにこちゃんが「僕」と言っていた事を思い出し、みおちゃんはそこに食いつきます。
「うんー、だって僕はぁ、男の子だもんー」
「そっか、にこちゃんって男の子だったんだ」
にこちゃんからは当たり前のように、このような反応が返ってきました。
「って、嘘ー!? にこちゃんが男の子!?」
「あれぇ? みおちゃん知らなかったのぉ?」
「は、初耳だけど……そういえばみおのクラス、隣の席は全員男子だよね……何でみおだけ女の子なのかなって思ってたけど……」
にこちゃんが男の子だった、と言うならば納得です。
「うん、男の子だよぉ」
「女子の余り、じゃなかったんだ……」
ショートツインテで花の髪留めが似合う、可愛い天使のようなにこちゃん。
髪の毛はサラサラで、隣の席に座っているとシャンプーの良い香りがして、スカートもとても似合っています。
「男の子だったなんて……いや、待って、この場合は男の娘と言うべきなのかな……」
にこちゃんの普段の様子からして、とてもただの女装男子とは思えない。
そう考えたみおちゃんは、きっとにこちゃんは男の娘なのだろうと思ったようです。
「え、でもプールの着替えの時、女子のスク水だったよね? 体育もブルマだよね?」
「うん、そうだよぉ」
「えっと、女子更衣室で着替えてたよね!?」
「そうだよぉ」
「トイレも時々一緒に女子トイレへ行ってるよね!?」
「そうだったねぇ」
「……ごめん、頭の中がフリーズしそう」
「嘘だと思うならねこちゃんに聞いてみればぁ?」
普段冷静に物事を考えられるみおちゃんでも、さすがにこれには驚きを超えて衝撃的でした。
「みおちゃーん、大丈夫ぅ?」
みおちゃんは少しの間、ぽかーんと固まっていた後……。
「……ご、ごめんね? いきなり男の娘だなんて言われて戸惑っちゃって」
「みおちゃーん、もしかして僕の事ぉ、嫌いになったぁ?」
「そんな事は無い。うん、無いけど……今まで通りの付き合い方でいいのかな……」
「大丈夫だよぉ。僕、見ての通り、性別以外は女の子と同じみたいなものだからさぁ」
「……ちなみにトイレとかお着替えとか、それって学園公認なの?」
みおちゃんは衝撃の事実を知りつつも、結局猫少女のにこちゃんの事は分かりませんでした。
[newpage]
「と、言う事があってね。にこちゃんが男の娘だったなんて……」
ランチタイムの時間、みおちゃんは今朝の出来事を皆に話しました。
「うん、そうだよー。にこちゃんはー女の子なんだよー」
「ねこちゃん、言ってる事がおかしい気がする……でもあたしもビックリだよ」
姉妹……いや、兄妹のねこちゃんがこう言うくらいなので、にこちゃんが言ってた通り性別以外は女の子と同じ、と言うのは本当のようです。
ねこちゃんはにこちゃんの事を「女の子側」として認識しているみたいです。
「そっかそっか☆ にこちゃんって男の娘だったんだ! でもおかしいな、昨日戦った猫少女のにこちゃんは女の子だったのにな!?」
「みやちゃん、卵焼きちゃんと作るからもう襲撃は止めてよね……って、みやちゃん? 今、何て言った?」
「卵焼きうまうま☆」
「それじゃなくて……と言うかそれ、言ってないよね?」
「あ! またあたしのお弁当から勝手に卵焼き取ってる!」
今日もみおちゃんの卵焼きは大好評のようです。
「だからー、猫少女のにこちゃんは間違いなく女の子だったよ!? みや、猫少女の性別は間違いなく分かるんだもの☆」
「たまちゃん、みやちゃんの言っている事本当かな?」
「うーん……案外、みやちゃんなら本当に分かりそうな気がするかも」
根拠はともかくとして、もしみやちゃんが本当の事を言っていたとすれば。
人間のにこちゃんは男の娘、猫少女のにこちゃんは女の子で性別が矛盾します。
「やっぱり、猫少女のにこちゃんとは別人なのかな……」
「んー? みおちゃん、にこちゃんが猫少女だって思ってるのー? まさかそんな訳ないよー」
「うん、そう……なのかな」
「ねえねえ! ねこちゃんは何で猫少女の事隠すの!?」
「みやちゃん、こりゃまたストレートな……」
たまちゃんも驚くくらい、みやちゃんはストレートに聞きました。
みおちゃん達はねこちゃんが猫少女を隠す理由について、追及するのを止めたのです。
「えー? 一体何の事かなー?」
ねこちゃんはやはり素直に認める筈もなく、相変わらずトボけます。
「まあいっか! 卵焼きぺろぺろ☆」
「ちょ、みやちゃんペロペロしてお行儀悪いよ……」
『じーっ』
(はっ……また視線? 屋上……の方じゃないよね。違う、何処からだろう……)
みおちゃんは最近、誰かの視線を感じる事が多いです。
(万が一だけどストーカーだったりするとやだな……一応、はっきり突き止めた方がいいのかも)
みおちゃんは意を決して、視線の正体を突き止める事にしました。
「みお、ちょっとトイレに行ってくるね」
「うん、いっといれー」
「卵焼きもう無い☆ みやの卵焼きはー!?」
「全部胃袋の中だよ、みやちゃん……」
「たまちゃんも、トイレ一緒に行こ?」
「え、あたしは大丈夫」
「いいから、着いてきて」
みおちゃんはトイレに行くと言う事にして、強引にたまちゃんを引っ張って皆の元を離れます。
たまちゃんはみおちゃんの様子に何か異変を感じたのか、とりあえず着いて行く事にしました。
[newpage]
「みお、どうしたの? トイレ……じゃない、よね?」
「ここなら大丈夫だよね。お兄ちゃん、変身するよ。魔法猫少女! 始動!」
「え、急に変身だなんてどうしたの?」
たまちゃんは良く状況が呑み込めず、訳が分からないようです。
「いいから早く。急いで」
「分かったよ……魔法猫少女! 始動だにゃん!」
たまちゃんも呪文を唱えて、2人共変身を終えました。
「お兄ちゃん、着いてきて」
「うん、分かったにゃん。でも一体どうしたんだにゃん? みやちゃんはあそこに居るのににゃあ……?」
「お兄ちゃん、さっきの話聞いてたでしょ? 猫少女にこちゃんの話」
「うん、にゃかにゃか反応するタイミングがにゃかったけど、ちゃんと聞いてたにゃ。新たにゃ子が現れたんだ?」
「そうなんだよ。昨日みおの事を守ってくれたんだけど、はっきりと味方かどうかも分からなくて……」
「それで、にゃんで変身したんだにゃん?」
「また視線を感じて。その正体を突き止めようと思うんだ。猫少女の状態でならばきっと分かる筈」
「何が分かるんだい? 猫少女のみおちゃん」
「にゃあ!?」
みおちゃんは真後ろから急に声を掛けられて、まるでたまちゃんのような驚き方をしてしまいました。
「凄い声で鳴くんだね、みおちゃん」
「にこちゃん……? ビ、ビックリした……全く気配が分からなかった」
猫少女の身体能力であれば、本来気配が分からないなんてありえない事なのです。
それにも関わらず、にこちゃんは全く気配を出さずに真後ろへ来ていたようで……。
「そんなにビックリしたかい?」
「心臓止まるかと思ったよ……」
「……良かったね、まだ心臓が動いてて」
「え、どういう事……」
「さあ、何だろう。こっちのお話さ」
にこちゃんは良く分からない事を言いました。
「あにゃたが猫少女のにこちゃんにゃんだにゃん?」
「うん、そうだけど」
「あたし、たまちゃんだにゃん。初めましてだにゃん。にゃんか昨日はみおの事を守ってくれたようで、ありがとだにゃん」
「初めまして、か……そっか」
「え、あたしと何処かで会った事、あるのかにゃん?」
「……さあ、どうだろう」
「たまちゃん、会った事あるの? ないよね?」
にこちゃんはまるで初対面ではないみたいな、良く分からない反応を示します。
「にゃい筈にゃけど……」
「そうだよね? ところでにこちゃん、さっきからずっとこの辺りに居た?」
「さあ、どうだろう」
「否定はしないんだね。もしかしてにこちゃん、ずっとみおの事を見てた?」
「みおちゃんは見てないよ」
「みおの事、は見てないの? じゃあみお以外を見てたの?」
みおちゃんはにこちゃんの言い方に何かが引っ掛かるようで、にこちゃんに聞き返しました。
「さあ、どうだろう」
「もしかしてそれ、誤魔化しなの?」
「みおちゃん、その……いや、あの子は危ないよ」
「それ、昨日も言ってたよね」
「あの子って誰の事にゃんだにゃん? みやちゃんかにゃん?」
「さあ、どうだろう」
「えっと、誤魔化し? それとも否定はしないって事……?」
みおちゃんはにこちゃんの反応が良く分かりません。
どうやら誤魔化しているようですが、みやちゃんと言う事について肯定もしていないのです。
「僕はただ、奴を警戒しているだけなんだ。いつ奴が襲ってくるか分からないから」
「奴? にこちゃんの言ってるあの子の事?」
「うん、あの子……奴さ」
どうやらにこちゃんがこの場に居る事、言動などからして、視線の正体はほぼにこちゃんで間違いないようです。
しかしにこちゃんが一体何を見ていたのか、そこまではみおちゃんにも分かりません。
「奴って一体誰にゃんだにゃん?」
「……たまちゃんが知る必要はないよ」
「にゃんで? あたし、正義の魔法猫少女にゃんだにゃん。悪い奴が居るにゃらば、あたし達がやっつけちゃうんだにゃん」
「正義、ねえ……そっか、正義なんだね。たまちゃんは」
「うん、正義の魔法猫少女だにゃ!」
にこちゃんはまるで聞き流すかのような反応をします。
「ねえ、みおちゃん」
「何?」
「学園の屋上が気になるの?」
「え、何で?」
「そっちの方を見ているように見えたから」
にこちゃんに言われて、みおちゃんはハッとしました。
「何でみお、屋上の方を見ていたのだろう……」
自分自身でも理由が分からないようです。
「みおちゃんには、何か見えるのかな?」
「いや、別に何も見えないけど……何でもないと思う」
「何故そう言い切れるの?」
「何故、って言われても……」
みおちゃんはにこちゃんに聞かれ、少し返答に困ってしまったようです。
「みお、屋上ににゃにかあるのかにゃん?」
「何も無いよ」
「みおちゃん、あのね、真実は目に見えているものだけじゃない……言い換えれば、目に見えない真実もあるんだよ」
「にこちゃん、どういう事?」
「そうだね、常識が通用しない場合もある、と言えば分かりやすいかい?」
「にこちゃん、にゃんだか難しい事を言うんにゃね」
「そうかな。たまちゃんにも係わる事だと思うけどね」
「そうにゃの?」
「さあ、どうだろう」
にこちゃんは自分で言っておいて、何だか誤魔化すような反応をしました。
「にこちゃん、聞いてもいい?」
「うん、何だい?」
「にこちゃんは……あのみおの知っているにこちゃん、なの?」
「僕、昨日言ったよね。一体いつ誰が猫少女は皆人間が変身している、って決めたのかな? って」
「つまり、にこちゃんはみおの知っているにこちゃんではない、と言いたいの?」
「さあ、どうだろう」
「……どっちなの? みお、分からないよ」
にこちゃんはどうやら、本当の事を話す気はないようです。
みおちゃんにもねこちゃんの時とは違い、本当のところはどうなのかはっきりと分かりません。
「ねえにこちゃん、にこちゃんの正体の本当の事は分からないけど……みお達、同じ猫少女同士だよね。悪を倒したいなら一緒に協力しようよ」
「さて、長居は無用かな。僕はそろそろこれで」
「あ、待って! にこちゃんは……みおの味方なの? どうなの……?」
「……さあ、どうだろう」
「味方とは言ってくれないの?」
「僕は悪の存在を警戒しているだけだよ。そこに敵も味方も関係ないよ」
にこちゃんはそう言い残し、その場を去ってしまいます。
「にこちゃん、あの子にゃんだったんだにゃん?」
「にこちゃん……」
みおちゃんはにこちゃんに対して、はっきり味方だと答えてくれなかった事が引っ掛かるようです。
(にこちゃんは一体何者なんだろう……みおの事、見てたのは間違いないと思うんだけど……みおじゃないとすれば、何を見てたの?)
新たに現れた魔法猫少女のにこちゃん。
みおちゃんはにこちゃんに関して行動から考えまで、何から何まで分からない事だらけで頭が混乱しそうでした。
「お兄ちゃん、とりあえず戻ろっか」
「うん、お弁当の残りを食べるにゃ」
みおちゃん達はランチタイムの場へ戻ります。
[newpage]
「ただいまにゃん」
「お待たせ。戻ったよ」
「おかえりー……って、あれ? 猫少女のたまちゃんとみおちゃんー?」
「あ……」
みおちゃん達はついうっかりしてしまい、変身を解くのを忘れたまま戻ってきてしまいました。
みおちゃんも先程の事で、大分頭が混乱していたのでしょう。
「珍しいね☆ 猫少女のまま今のみやと会うなんて☆」
「みやちゃん、それはもうみやちゃんも猫少女と認めてる、と捉えていいのかな?」
「うん、いいんじゃないかな!?」
みやちゃんは呪文すらも唱えずに、猫少女の姿へ変身しました。
「ね、あっと言う間にこの通り☆」
「まあ何て言うか、みやちゃんは隠す気なさそうだなって分かってたけどさ……いざ潔く見せられるとちょっと拍子抜けしちゃうね」
「まあでもすっきりしたにゃん。あとはねこちゃんだけだにゃん」
「ちょっとたまちゃん、ここねちゃんの事は……」
「ああーん、猫少女のたまちゃん可愛いー。ぎゅーってしていーい? 私、このお胸でたまちゃんの事包み込みたかったんだー」
「え、は、恥ずかしいにゃ……」
「あ、そうだよね、ごめんね……それに私も抑えないとなんだ、そう、抑えないと……」
ねこちゃんは何だかぶつぶつと言っています……。
「……よし、大丈夫。じゃあ皆でご飯食べようかー」
「もう卵焼き無いのに!?」
「みお達はまだ食べ終わってないから……」
「みやつまんない! せっかくの変身ついでだし、食後の運動がてらみやと遊んでっ☆」
「え、戦えって事かにゃ!?」
「みお、まだおにぎり残ってるんだけど……暴れられても困るし仕方ないな。ここねちゃん、おにぎり食べる?」
みおちゃんはまだ口を付けていないおにぎりを、ここねちゃんに差し出しました。
「具は何かなー?」
「焼き鮭だよ。みおが程良い塩加減にしたからすっごく美味しいよ」
「よし、取引成立だよー」
ねこちゃんは即決でみおちゃんのおにぎりを貰いました。
「鮭おにぎりうまうまー」
「ねこちゃんまでもみやちゃんみたいににゃってるにゃ……」
「大好物を目の前にすると、皆こうなっちゃうのかな」
「さあたまちゃん達、みやと遊んでもらうよ☆」
「分かったから、とりあえず人の居ない広い所へ移動してからね?」
果たしてたまちゃん達はご近所の平和を守っているのやら……ともかく、みやちゃんと広い校庭で遊ぶ事になりました。
「皆行っちゃったー。焼き鮭おにぎりうまうまー……やっぱり、私も一応行った方がいいのかなー?」
ねこちゃんは急いで鮭おにぎりを食べ終えると、皆の後を追い掛けました。
[newpage]
「たまちゃんは渡さないんだから☆」
「そういえばみやちゃん、何でたまちゃんを倒そうとしてたんだっけ……」
どうやらみおちゃんは、みやちゃんの当初の目的も忘れかけていたようです。
「みおちゃんには関係ないよ☆」
「うん、まあ遊びとは言ってもみやちゃんの事だから……」
「行くよ☆」
『ちゅどーん!』
「バリア!」
みおちゃんの思った通り、みやちゃんは容赦ない攻撃をしてきます。
しかしみやちゃんにとっては、本当に「遊びのつもり」なのでしょうか。
「食後の運動にちょうどいいね☆ みや、もっと遊んじゃうよ☆」
『ちゅどーん! どーん!』
「バリア!」
「えいにゃん! えいにゃん!」
『パーン! パーン!』
「たまちゃんは相変わらず弱いね☆ 痛くも痒くもないよ!」
「これじゃあバリアで攻撃できない……どうしよう」
みおちゃんは困ってしまいました。
みやちゃんは遊び感覚ですが、止めないときっと終わらないだろうと。
みおちゃんはバリアを張ったままでは、攻撃できそうにありません。
「バリアー! 2人共ー、バリアは私に任せてー」
「やっぱり来たね、ねこちゃん☆ こうでもしないと猫少女で出て来てくれないと思ったんだ☆」
「ふぇっ!? だ、だからー私はー……ああもう、分かりましたよ! 私、ここねですっ!」
「認めちゃうんだ!?」
何やら面倒くさくなってしまったのか、急にあっさりと認めてしまったねこちゃん。
今まで正体を隠し通していたのは、一体何だったのでしょう……。
「だなんて言うと思った!? 私、ここねじゃないからね!? 違うんだからね!?」
「あらら……」
「結局認めにゃいのかにゃ……でももう皆分かってると思うんだにゃ……」
「違うんだってばー……」
「ねこちゃんも往生際が悪いね! 何でそんなに隠したがるのかな? かな!?」
「だからー、私は違うのー。元々のねこちゃんって言う猫少女なのよー」
「嘘だ! ……よね☆」
今日のみやちゃんは何故か、やたらねこちゃんにグイグイと行きます。
「ま、いっか☆ とりあえず強いの撃つからね☆」
『ドカーン!』
「バリアー!」
「あ、そういえば戦ってたんだにゃん……」
「たまちゃん、忘れてないでしっかりしてよ……」
「でも3対1って部が悪いよね!? ねこちゃんはバリアでみおちゃんが攻撃して……たまちゃんはみそっかすだけどさ!?」
「みそっかすって酷いにゃ……」
「みや、多分勝てないだろうから帰る! また今度遊んでね☆」
みやちゃんは変身を解いて人間態に戻ると、何食わぬ顔で戻ってしまいました。
「……でもさ、ここねちゃんに正体漏らしてるのに大丈夫って事は、ここねちゃんが猫少女なのは確定なんだよね」
「そ、それは……もう追及しないでってばー……」
「追及じゃなくてさ、もう皆分かってる事だから。せめて正体が言えない理由までは聞かないから、猫少女って事は認めようよ?」
「だから私はー……」
「じゃあ何でみおの上げた焼き鮭おにぎりの食べかす、口の周りに付いてるんだろうね?」
「ふぇっ!?」
ねこちゃんは皆を追い掛ける為、最後の方は急いで食べたようで……。
「……私もたまたま食べてただけだから! 猫なんだし、鮭おにぎりくらい食べるでしょ!? 塩加減が効いてて美味しかったんだから!」
ねこちゃんは誤魔化し気味に言いながら、戻ってしまいました。
「……ねこちゃん、塩加減が効いてて美味しかったって言ってたにゃ。でもにゃんでここまで隠し通そうとするにゃ?」
「さあ、何でだろう」
「よっぽどにゃにか訳でもあるのかにゃん?」
「さあ、どうだろう」
「みお、にこちゃんの口癖が移ったにゃん?」
「え、違うよ!? 無意識って怖い……」
みおちゃんはどうやら、にこちゃんの言葉が頭に残ってしまったようです。