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君の十二支キマイラTF

  神社にお参りに来た君は、いつのまにか奇妙な集団にさらわれていた。彼らは動物のお面をつけ、古風な着物姿をしている。君はこの薄暗いじめじめした所から逃げ出したいが、金縛りにあったようで全く動けない。

  ネズミの面の小男が君に話しかける。

  「ハハッ、いいものをあげよう」

  男が君の尻をさわれば、ミミズのごとく細長ものが飛び出して、君の目の前に現れる。何と本物のネズミの尻尾である。君がなみ打つイメージをすれば、尻尾も同じ動きをする。新しい感覚に君の脳は興奮して、頭が燃え始めているだろう。

  次に牛の面の豊満な女性が間延びした口調で語りかける。

  「君にとっ〜てもいい〜のあげちゃうね〜」

  彼女が君の胸をさわると、服がやぶけて桃色の肉が飛び出す。それはホルスタインの乳房だ。牛の乳房と同等の重さに耐えきれない君は膝をつく(ここで初めて金縛りがとけたことに気づく)。4つの乳首からは牛乳が地面にこぼれ始める。君は顔をしかめていたが、やがて大きなクッションのように柔らかいそれをもみほぐし始める。

  今度は虎の面の筋肉隆々の男が話しかける。

  「何だ、その貧弱な腕は!? 俺がいいのくれてやる」

  男が君の両腕を鷲掴みすると、腕がはち切れるぐらい太くなる。血管が浮き出た肉の腕に黒と黄の毛が生え、トラの前脚のようになった。君はトラの両手をしげしげと見る。そして、牛のおっぱいを軽々と持ち上げ、自分の顔を自分の胸の谷間に挟むというおかしなことをやってのける。

  他の仲間から押されて兎の面の男が出てくる。

  「うーん、どこにしよ。えっと、あっ、ここが僕っぽいかな。生えよ生えよ。そして伸びよ」

  男が早口で唱えると、君の耳が頭上に移り、縦長に伸びていく。白い短毛が生えて、兎の耳に。耳を折り曲げたり、伸ばしたり、いつもと違う耳の感覚を君は楽しむ。だが、まだまだ変てこな姿だなとか、きもちわりーとかの小声が聞こえてきて、嫌な気分になってしまう。

  12人の中で一番背が高い龍の面の男が、のっしのっし歩いて近づく。男はひざをついて君を観察する。おもむろに君のあごを持ち上げて、地を這うような低い声を発する。

  「我の力を受けし子よ。いざ英知の髭と美徳の角を与えん」

  君の鼻の下から靴ひものように細長い髭が生える。あごの方も仙人風の髭が生えてくる。さらに頭からも、サンゴの突起に似た白い角が生える。君はトラの手で折らないよう、慎重にその角をさわる。角は静電気を帯びていて、特殊な竜の力が備わっているようだ。

  「ちょっと、ちょっと。あんただけ2つってズルくない?」

  ピアスやネックレスなど装飾品が多い蛇の面の女が、龍の男に文句を言う。

  「我は神に近い存在ゆえ複数の物を与えることが可能だ」

  「んもう。鎌首与えるつもりだったのにぃ」

  蛇の面の女は文句を言いながらも、君の股間を触る。大胆な行為に他の面の者は息を飲んだ。

  「熱いジュースをあなたにあげちゃうんだから」

  君のパンツが裂けて、小さなトゲが密集する肉棒が2本出てきた。しかも肉棒の細長さは靴べらのごとし。君はおっぱいをよ

  けて、股間のヘミペニスを見る。茶色い凶暴なツインタワーからこぼれる我慢汁から、かすかに芳香剤の匂いがする。君はそれをなめようと体を曲げるが、あと少しで届かなくていらだち始める。

  馬の面の男が鼻息荒く君に近寄る。

  「くそっ! 男の勲章を取られてしまったか。しかたない、俺様の情熱をここに注ぐか」

  怒った男が君の首に拳を当てると、首が太く長くなっていく。栗色の短毛が生えて、頑丈な大木の幹になる。

  「これで、ちょっとの絞め技でも負けることはないな!」

  君は馬の首を伸ばして、やっと蛇ジュースをなめられた。それは体内に幸福な物質を走らせるに十分な美味さであった。コクのある牛乳と甘味の蛇汁を交互に飲む君の目はとろんとして、IQが溶けていくような感じだ。

  次に、青いブラウスを着た羊面の女が君に近寄る。

  「ちょっと、皆さん、肝心なところ忘れてますよ。服が破けて寒そうじゃないですか」

  彼女はおっとりした口調で喋りながら、君の体をなでる。すると、君の肌は黒ずみ、白いもこもこの綿毛が牛ぱいと蛇棒をのぞいて胴体を覆い尽くしていく。体中が温もりに包まれて、これで、服を着る面倒な作業から解放されたと、君は心の中で万歳三唱する。

  最早、君の人間の部位は頭と両足を残すのみだ。

  猿の面の上からメガネをかけた男が、考える人のポーズを取る。

  「猿らしさをアピールでき、かつ非人間性をピックアップできる方法。うん、あの部位をトランスフォームさせるか」

  彼は君の背後に回って、手から気を送る。君の尻は真っ赤に腫れて、羊の毛を消し去る。猿の真っ赤なお尻の完成だが、君の目には映らないので、なぜか尻がヒリヒリしてうっとうしいと思うだろう。

  「イェーイ! 俺は皆と全くガブらなーい!」

  やたら調子の良い鳥の面の男が、君の背中をバンバン叩く。

  すると、背中から白い羽毛が伸びて、白鳥のごとく美しい翼になった。翼の新たな感覚に驚く君は、何度も翼を羽ばたかせて目を丸くする。ただ牛の乳房やトラの手が重いため、飛ぶことができない。

  「残るは顔と足だけか。ねぇ、あなたはどっちを選ぶ?」

  犬の面のセーラー服の女性が、猪の面の小太りの男に尋ねる。

  「君の好きなようにすればいいさ」

  「わかった! じゃあ」

  彼女が君の頰をつまむと、あずき色の毛がふっくら生える。鼻と口が同時に伸び、鼻が湿って黒ずむ。牙が生えて舌を出す。君はビー玉のような黒目を潤ませて荒い息を繰り返す。人間の言葉を忘れてウォンウォン吠える。さらに、辺りに漂うお面の者たちの匂いを嗅いで恍惚の表情を浮かべる。

  「さぁて、今年の干支でシメますか」

  猪の面の男が君の両足をつかめば、空気が入った風船のごとくふくらんでいく。丸々と肥えた太ももを茶色い獣毛が包む。今までずっと正座だった君は、ブタの丸焼きのごとく肉と脂のつまった脚で立ち上がり、走り出す。十二人の面の者たちは、君の旅立ちを祝うように拍手をしている。

  こうして、君は鼠の尻尾、牛の乳、虎の腕、兎の耳、竜の角・髭、蛇の男根、馬の首、羊の毛、猿の尻、鳥の羽、犬の頭、猪の足を持つ十二支キマイラになった。

  これから君は尻尾で壊れやすものを包み、乳で皆の渇きをいやし、手で悪しきものを破壊し、耳で災いを聞き、角と髭で電気をもたらし、男根で生命をはぐくみ、首で高いところへ行き、体毛で温もりを与え、尻で土地に恵みを与え、羽で風を起こし、鼻で挨拶をして、脚でどこまでもまっすぐ進み続けるだろう。

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