絶対音感

  絶対音感をご存知だろうか?日常の音がドレミファソラシドに聞こえてしまうというものだ。

  とはいえそれは一例であり、聞こえ方には個人差がある。

  中でも私の絶対音感はかなり特殊なものだと言えよう。

  医者の私は病人の胸に聴診器を当てる。私の耳にクラシック音楽が聞こえてきた。

  病気を意味するsick。それと私の絶対音感のclassicは融合してしまっている。故に心音が音楽として聞こえてくる。

  まあ、心音一つで病名が分かるんだ。とても便利ではある。この時期だとメンデルスゾーンの春の歌が多いかな?病名は花粉症だ。

  シューベルトの魔王が聞こえた時は焦った。すぐに案内状を書き、大きな病院で見てもらい事なきを得た。重大な病気に逸早く気付けて良かった。

  ヴェートーベンの運命が聞こえた時、私はこの人と結婚するのだと思った。恋の病だと信じていた。

  病的な程に意識し合う、宿命のライバルになろうとは思ってもみなかった。