私の音色

  4月。真新しいランドセルを背に子ども達が通学路を行く。

  ぴかぴかの一年生。それを見守るのが私の仕事だ。

  緑のおばさんと呼ばれるこの仕事。決して楽なものではない。時には命がけで子ども達を守らなければならない。

  子ども達が横断歩道を渡ろうとしているのに突っ込んでくる車。危ないったらありゃしない。ドキドキが止まらない。春は危険運転が増える季節でもある。

  兄妹だろうか?小さな女の子の手を引く男の子。

  「いっしょにべんきょうしようね」

  「ばーか。俺は上級生だぞ。同じクラスにはなれないっての」

  そんな会話に思わず微笑んでしまう。ワクワクが止まらないね。

  かと思えば中学受験に向けて早くもため息を漏らす子もいる。あまり根を詰め過ぎないようにね。見ていてハラハラする。

  通学路には子ども達のドラマがある。

  それを見守る私の心の中は擬音でいっぱいだ。

  出発の音色。それは子ども達の成長を見守る私の心の声だ。