(IF話)M.K(仮名) on コンタクト・ネオス
この物語は「遊戯王GX」のカードキャラであるE・HEROネオスの新カードが20周年記念パックに収録と知り、そのカードのキャラ名を元に
「もしE・HEROネオスがある00年代アニメヒロインが変身した巨大ヒーローだったら?」
と言うネタを思い浮かべた流れで書いてしまったいわゆる「ネタ小説」です。
それゆえ両作品それぞれに原作設定をベースにした独自アレンジを用いている事をご了承下さい。
なお、本作品には巨大ヒーロー(イン?)のアクションと軽いピンチ描写・並びにフェチな演出が入っております。
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「ダァッ!」
派手な地響きと土煙を立ててE・HEROネオスは地面に叩き付けられる。
突如として現れた怪獣、その脅威から人々を守るべく現れた巨大なるヒーロー。
しかし、その怪獣の力はあまりにも強大であった。
必殺の手刀・ラスオブネオスや光弾・ネオスフォースを止められたばかりかその強力な攻撃に押され追い詰められている。
ネオスの能力の一つであるネオスペースの効力により周辺の被害こそ止められてはいるが肝心のネオス自身が危機に陥っている以上その効力にも限界が見えつつある。
「グゥゥ……デアッ!」
追い打ちをかける様に放たれた怪獣の怪熱線を辛くも身を起こして回避し、気を振り絞りながら構えをとるネオス。
しかし、怪獣の姿はいつの間にか姿を消している。
警戒を強めるネオスの背後から怪獣が伸ばしたムチ―の様な触手が高速で迫る!
その気配を察して飛び上がろうとしたネオスだったが、飛び上がった所でその足を取られてしまい再び地面に叩き付けられたばかりかさらに四方から襲い掛かった触手がネオスの両腕を、両脚を、体中を一気に拘束し締上げる!
「グァァッ!」
さらに怪獣は触手を高速で体内に収納し、その勢いでネオスは全身をさらに強烈に締め付けられながら怪獣に引き込まれてしまう!
激突の瞬間、激しい衝撃がネオスの全身をうちのめす。
間髪を入れず触手はネオスの両腕と両脚、腰や首、そして胸板をじりじりと締め付けていく。
一気に引き裂くのではなく時間をかけてじりじりと痛めつけるかの様に。
しかも追い打ちをかける様にその口からワザと威力を下げた怪熱線を放ちネオスをジワジワいたぶる。
皮肉にも怪獣自身には怪熱線に対する防御態勢はある様だ。
「グゥ……ウゥ……ダァ……」
苦しみもだえるネオス。
その声が苦しさの中にどこか艶を感じてしまうのは間違いなく気のせいだろう。
ふと見ればその胸元に輝く光の玉の輝きも色あせつつある。
ネオスのエネルギーが刻一刻と失われつつある証、もしそれが失せきった時―もはや言うまでも無い。
まさに絶体絶命の危機に立つネオス。
そんなネオスの脳裏に色々なものが浮かぶ。
自分が今最もやるべき事項、やりたい思い、そして……そして……ふと浮かんだ人物の影―!
「ダァァァァーッ!」
カッとその青い瞳が見開かれた―かの様に見えた瞬間ネオスの体が光に包まれるやその背中から解き放たれた光が触手の戒めを強引に解き放つ。
怪獣が苦悶の鳴き声を上げるのをよそにネオスは光と共に飛翔する。
そして振り向いたネオスの背中には―白く輝く光の翼が広がっていた!
オネスティ・ネオス―ネオスの持つ切り札の一枚である―!
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「ダアッ!」
先ほどまでのダメージをものともしないかの様に腕を振り改めて構えるネオス。
オネスティ・ネオスの象徴とも言える光の翼がよりそのりりしさ、力強さを引き出している。
ようやく先ほどの苦痛と苦悶から解放されたのか怪獣は忌々しげなうなり声を上げつつも再度怪熱線を放つ。
その攻撃は悔しいほど見事にネオスを貫いた―その残像を。
怪獣が顔を下ろした時そこに見えたのは光の翼をはためかせ文字通り風を切る様に猛然と突っ込んでくるオネスティ・ネオスの姿だった。
その翼を叩き落とそうと怪獣の体から再び触手がムチの様に、投網の様にネオスを襲う。
その全てを巧みにかわしつつネオスは迫る・迫る!
ネオスは怪獣と距離を詰め、いよいよ一撃を放とうとした時―怪獣の胸からさらなる怪熱線が放たれた。
その瞬間、ネオスの光の翼が消え、その体は背中から大きく宙を舞った。
しかし、それはネオスがなすすべなく反撃を受けたからでは無い。
「ダァッ!」
直撃の寸前、急制動と共に光の翼を消しながらバック宙返りで怪熱線をかわしたネオスはそこから口と胸、両方から怪熱線を放とうとする怪獣のそれこそ口の中と胸元めがけて光弾を放つ。
ネオス・フォースに威力こそ及ばないもののその直撃に怪獣は大きくその身をのけぞらせる。
とは言え怪獣もまだ屈してはいない。
猛然とダッシュしぶちかましをかけながらその勢いでその豪腕と触手を合わせまさに阿修羅のごとき攻撃を仕掛けてくる。
ネオスもまた触手の槍やムチをかわし、怪獣ほどでは無いがその引き締まった腕で豪腕を受け流しながら襟首に手刀をたたき込む。
足下からなぎ払おうと迫る触手を寸前でジャンプしてかわしその勢いでサマーソルトキックを打ち込む。
ひるんだその隙に怪獣の腹部に鉄拳をたたき込むネオスの体を怪獣の豪腕がはさみつぶそうと迫る。
即座にネオスは体勢を立て直し手刀の連打でその豪腕と触手の一斉乱舞を迎え撃つ。
その隙を突く様に怪獣の口から最大級の怪熱線が至近距離から放たれようとしている……!
しかし、その怪熱線は空を切り自らの触手を幾つか焼き尽くした。
苦痛にもだえながら頭を上げた怪獣が見たもの、それは再び翼を広げ大きく文字通り鉄槌と言える様な右足を掲げかかと落としをたたき込むオネスティ・ネオスの姿だった!
怪獣は反撃もできぬままかかと落としが怪獣の頭部を直撃する!
なんとか怪熱線を吐こうとした瞬間今度は後方回転蹴りがその側頭を捕らえ熱線は大きくそれてしまう。
そしてそこから両脚を揃えたネオスは翼を翻しそのまま光の槍となって怪獣の胸に突っ込んでいく。
ネオスの必勝コンビネーションだがその勢いは一味違う。
そう、今のネオスは自らの力を高め解き放ったオネスティ・ネオスなのだ!
怪獣はそれでもまだ倒れこそしていないがあと一息と言わんばかりの状態まで追い込まれている。
これ以上の戦いはどちらの為にもならない。だからこそ……。
ネオスの右手に光の渦が集う。ネオス・フォースを遙かにしのぐ程のエネルギーだ。
そしてその手をかざした時、光の渦が螺旋を描き怪獣に放たれる。
怪獣はそれでもまだ障壁を張り光の渦を止めようとするがその障壁は光の渦と激突し相殺される。
その爆煙が文字通り切り裂かれた時、そこには光の翼をはためかせ剣のごとき手刀を振り下ろしたオネスティ・ネオスの姿があった。
「デャァッ!」
必殺の雄叫びと共に放たれた一撃の前に切り裂かれついに怪獣は光の粒子となって消えていった……。
その光景を静かに見下ろしていたネオスはネオスペースを解除し、静かに空を見上げると翼を広げ飛上がり―そのままその空間から姿を消した。
謎の巨大ヒーローE・HEROネオス。
地球と人類に仇なす存在と戦うヒーローである事以外その正体は知られていない。
願わくば人類が彼にとっての「仇なす者」になる日の来ない事を心ある者達は願い動くだけである……。
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色鮮やかにきらめく異次元ゲートの中。
姿を消したネオスはここに転位していた。
光の翼はすでに消えている。
切り札を切ってまで繰り広げた激闘のダメージはどれほどなのか。
心身の疲労はいかに。
それはネオスのみが知り得る事なのだろうが無表情とも言えるその顔からは何もうかがい知る事はできない。
しかし、辛くも無事帰還した以上ネオスには全てに優先して行わねばいけない事があった。
「ダァ……グゥゥゥ……。」
それをなす為にネオスは顔を上げ、すっくと立つ姿勢を取る。
その足下から突然光り輝く物体が現れる。
光が弱くなるにつれてその中から静かに回転するカードのようなものが姿を見せる。
カードの回転は光が弱くなるにつれてゆっくりになり、ネオスの膝上まで来た所でちょうど垂直になる様に停止する。
「ダアッ!」
それを右手の人差し指と中指ではさみつかむやネオスは自分の体でカードをスワイプする要領で一気に引き上げ高々と掲げる。
同時にその体の中で溢れるほどのエネルギーが解き放たれネオスの体中に染み込んでいく。
「グゥッ……。」
その瞬間、ネオスの体が一瞬震えた様に見える。
「グゥ……ダァ……ダァァァ……」
似つかわしくない様な軽くあえいだ声を上げながらネオスはそのまま立ちすくむ。
そしてネオスの体に変化が訪れる。
その体が一回り、二回りと縮んでいく。
それに合わせて彼をヒーローと呼ばせている物理的象徴とも言えるそのたくましい四肢が細く、しなやかなものに変わっていく。
肩、腕・そして足を覆うプロテクターの様なアーマーもどんどん小さくなり細くなっていく肩や腕・ふくらはぎの中に埋もれていく。
腰からは腹筋が消え形の良いくびれがかたどられていき、肩口も細く柔らかいものになっていく。
唯一変化がない様に見えていた胸元だがその形もたくましい張りを失い柔らかくも形の良い―美乳とも言えるものに変わる。
その一方で骨盤の変化はその臀部を軽く押し上げながらもややふっくらとしながらも引き締まったものに変えている。
「ダァ……ダハァ……ハァ……」
その顔立ちや首が小さく、細くなるにつれ口元―実際には見えてはいないが―から漏れる声も少しずつ柔らかく低くなっていく。
それに合わせる様に頭頂から伸びていた突起の様なものがその顔の中に埋もれ完全なスキンヘッドマスク状態になった。
そこにいたのは確かにネオスだった。その白を基調としたボディに胸から肩や膝まで彩る赤いライン、肩や膝・首筋から頭部までを引き締める青いライン。
しかしその顔立ちは確かにネオスだったがその姿はかつてのヒーローではなく言うなればヒロイン―そう、女性化したネオスと言うべき姿となっていた。
ネオスの女性版か、それともネオスをデザインした全頭マスクつきボディスーツを着た女性コスプレイヤーか。
その豊か目な美乳を主軸にしたグラマーなプロポーションは美しく柔らかみのあるしなやかなものであり、もしこの姿で戦いに出てもまた違う形で人々の注目を集めてもおかしくは無い。
まさに魅惑のヒロイン―そう言えるほどそれだけ今のネオスは美しかった。
「ハァ……ハあ……ああ……。」
声もまた完全に密の様に甘く、透き通る様に優しくもしっかりしたものを感じる女性の声として完成していた。
ネオスは完全に女性となった姿のまま静かにたたずみつつ自らを変えたエネルギーの流れに身を任せる。
そしてそのエネルギーは「彼女」にさらなる変化をもたらそうとしていた。
「あぁぁ……」
甘い声を漏らしながらネオスの体がさらに変わっていく。
先ほどカードスワイプした軌道を起点としてその白く輝く姿が剥がれ落ちる様に消えていき、その下から白に近い様なベージュ色の柔肌が露わになる。
胸部の光の球がその体の中に消えた時、戒めを解かれた様にその豊かで柔らかい膨らみが震える様に現れる。
白いボディが胸や腹部から腰、肩、腕、太もも、ふくらはぎ、両手足とベージュ色に置き換わっていく。
それなりに整いながらも優しく柔らかい肌に覆われたつややかな肢体が現れる。
ただでさえ露わになったその女体からはただならぬフェロモンと同時に母性的な暖かさも感じさせる。
そして胸元から鎖骨、首筋までベージュに置き換わった時そこには「ネオスのマスクを被った全裸の美女」がいた。
顔はネオス、体は美しい女性の裸身と言う余りにも異様な美しさを持った存在。
しかし、ついにその素顔が露わになろうとしていた。
突然後頭部から勢いよく明るいワインレッドの髪が弾ける様に飛び出す。
それと同時にあご元から、うなじから、白いマスクが剥がれていく。
可愛らしくもつややかな唇が、ちょこんとついた形の良い鼻筋が、紫がかった大きく可愛らしい瞳が現れる。
それらをまとめる顔立ちは大人の女性のつややかさを持ちながらもやや少女の名残も持ち合わせている様にも見える。
完全にその裸身を露わにしたネオス―だった女性は静かにたたずんでいる。
その美しい裸身にやや蛇足を承知で下着が張り付いていく。
豊かな膨らみが、形の良い臀部がしっかりと包まれ引き締められる。
さらにその体に薄い黄緑のシャツと赤いベストが、黒いチューリップスカートが纏われ、黒いパンプスとネクタイリボンが胸元と足下を引き締める。
そしてそのつややかな髪が自然に結い上がると女性は再び右手をかざし宙に浮かんでいたカードを手にする。
その手の中でカードは細い縁取りの眼鏡に変わり、女性はそれをそっと目元にかける。
変身は終わった。
さっきまで怪獣の脅威と戦い続けていたヒーローは一人の女性へと姿を変え、その姿で今最も行うべき事をする為の舞台に踏み出そうとしていた。
[newpage]
異次元ゲートが消えるとそこはある建物の階段の影だった。
「ふぅ……よしっ。」
女性は一息つくとネクタイリボンを整え直し改めて顔を上げる。
「―先生、お疲れ様です。」
ふと声をかけられる。
いつの間にそこにいたのか、ナチュラルブラウンの髪をしたスーツ姿の若い男性が立っていた。
やや気弱そうだがそれなりにしっかりした顔立ちと女性とはおそろい―でもないが細い縁取りの眼鏡の奥に見えるやや赤みがかった瞳が印象的だ。
「ただいま。ごめんなさい、授業の準備を一人で押しつけちゃって……。」
甘くも透き通った様な声で女性は男性に謝りの言葉をかけ、一本だけですよと男性から渡された「勝利のポッチー」を受け取り軽くかじる。
「いえ、担任のフォローは副担任の務めですし。でも無理だけはしないで下さい。どちらの仕事も大切ですけど僕としては……先生ご自身も……。」
男性―副担任はそう言いながら少し顔を赤くしながら頬をかく。
ポッチーを食べ終えた女性―担任は副担任を思わず抱きしめたい衝動に駆られてしまうがさすがにこの場―授業前の学校の一角では人目がはばかられる。
「そう、わたしにとっては教師の仕事もネオスとして戦う事も「最優先事項」なんだもの。でも、わたしにとってはやはりあなたが……。」
そこでふと担任は我に返り少しきつい顔で副担任に耳打ちする。
「―あなた、まさかさっきの“わたし”の姿を見て色々いけない事考えていたんじゃ無いの?ネオスじゃなくて“わたし”が怪獣の触手に捕まってあんな事とかこんな事・とか?」
それを聞いて副担任は少しぎくりとする。顔が赤いのはその光景を意識してしまったせいか。
それで無くとも時折マスクオフ、鎖骨辺りまで半脱ぎ状態の担任の姿を妄想している事は否定しきれないだろう。
「―え?え?先生、今回そう言う目に会ったんですか?今の所ようやく怪獣が現れた所らしいんですけど……他の先生達が騒いでましたよ!?」
そこまで言われ担任は少しだけ渋い顔になる。「早まった?」と内心思ってみたり。
その原理はともかく変身と転位の為の異次元ゲートがもたらす微妙なタイムラグにより表向きは出動してからすぐ戻っている様に見えるのでこう言う食い違いはよく起きるらしい。
「う……もう!そう言う事はあなたとなら……じゃない!と、とにかく授業が始まるから早く教室に行きましょう、桂く―じゃない、草薙先生。」
照れ隠し混じりに少しむくれた顔をしながら担任は受け持ちの教室にへと歩き出す。
「はいはい、参りますか、風見―みずほ先生。」
副担任もそれを受け止める様な笑みを浮かべるとその背中を追っていった。
始業のチャイムが鳴り、スマホでネオスと怪獣の戦いのニュースに湧いていた生徒達をたしなめる教師達の声が響いていた……。
[newpage]
某高校の国語教師にして銀河連盟の辺境駐在員である風見みずほがいかなる事情を経てE・HEROネオスの力と姿を得て怪獣達と戦っているのか。
その背景を知る事は余りにも容易ではない。
ただそれを知るのは現時点では彼女の副担任でありこれまたややこしい事情の末に秘密裏に彼女の「夫」となった草薙桂のみらしい……。
―風見みずほ on コンタクト・ネオス―
了