クラス委員が亀怪獣に!?

  「おーっす!」

  とある朝。元気そうな男の子が、勢いよく教室に入ってきた。

  彼は『大崎 竜牙』。怪獣やドラゴンが大好きな、ごく普通の男子中学生だ。

  「遅いぞ竜牙。もうHR始まるぞ。」

  そう呆れながら、竜牙のクラスメイトでもあり親友でもある『長谷川 羽流』は呟いた。

  「なんとかギリギリ間に合ったね〜。おれより来るの遅いなんて珍し〜。」

  ぐでっとだらけながらのんびりと隣で話しているのは『手塚 彪斗』。同じく彼等のクラスメイトだ。

  「いや〜、昨日バグラが俺のゲーム機に興味持っちゃってさ〜。徹夜でゲーム付き合わされてた!」

  「お前もなかなか翻弄されてるな…。ボクのモスガも一晩中甘えてきて大変だけど。」

  どこにでもいる普通の中学生である三人だが、実は三人ともとある秘密がある。

  それは、三人とも怪獣に変身できる、ということだ。

  宇宙から飛来してきたTF生命体に三人はそれぞれ寄生され、怪獣と化して暴れさせられたり、逆に理性を取り戻してそんな彼等を退治したりしてきたのだ。

  「そういえば彪斗、お前のガドンはどんな感じなんだ?」

  「あ〜、おれのガドン?今日持ってきてるよ〜。ほら。」

  そう言って彪斗は鞄の中をゴソゴソ漁り、手のひらサイズの虎のような怪獣ロボットを取り出した。

  「お初にお目にかかります。大崎竜牙様、長谷川羽流様。改めまして私は惑星侵略用寄生機械兵器・ガドンと申します。」

  「うおっ!?なんかベラベラ喋ってる!?しかもなんか丁寧だし…。」

  「なあ、ボクのモスガも人のこと言えないんだがコイツ大丈夫なのか?なんか侵略用とか兵器とか言ってるけど…。」

  「その点はご心配なく。私は今まで設計者の設定していたシステム通りに破壊活動を続けてきましたが、バグラ様、モスガ様に倒された際敗北によってシステムに異常をきたしその指令は消え去りました。よって、今は我が主人である彪斗様の意志に従っております。」

  「んー…よくわかんねえけど、無害ってことか!」

  「そーらしいよ〜。前怪獣化した時はおれの脳内に色々語りかけて洗脳してたけど、今はまるで執事みたいだしね〜。」

  篭った機械音声で丁寧に伝えるガドンの話を他の生徒にバレないようこっそりと聞いていた三人だったが、突如始業を告げるチャイムが鳴り先生が教室に入ってきた。

  「はーい!今日はみんなに転校生を紹介しまーす!」

  「へ?転校生?この時期に?」

  かなり微妙な時期での転校生に戸惑うクラス一同。

  そんな騒然とした教室の中に、担任教師に案内されて一人の男子生徒が姿を現した。

  「えっと…あっ、『秋守 昇太(あきもり しょうた)』です!よろしくお願いしますっ‼︎」

  緊張した様子で話す彼はどこか爽やかな好青年といった風貌であり、丁寧に深々とお辞儀をして自己紹介した。

  「えーっと…大崎君の後ろ空いてるね!それじゃあそこに座ってくれるかな?」

  「はっ、はいっ!」

  少しギクシャクした様子で歩き、昇太は竜牙の後ろの席についた。

  「えっと、君が大崎君?よろしくね!」

  「お?おう!」

  緊張しつつも爽やかに話しかける昇太に、竜牙は困惑しながらも元気よく答えるのだった。

  「へー!お前一人暮らししてんだ!すげーな‼︎」

  「ご両親は海外で中学生一人で何回も引越しか…凄いな…。」

  「色々大変だったでしょ〜?ねー、なんでそんなに一人で引越ししてるの〜?」

  その日の休み時間。竜牙達三人は昇太に質問責めしていた。

  「い、いやその、僕は…。」

  「こら、そこの三人!転校生いじめない!」

  「げっ、委員長っ!?」

  戸惑う昇太を助けるかのように現れたのは、真面目そうな長髪の女子生徒だった。

  彼女は『亀宮 渚(かめみや なぎさ)』。このクラスの委員長だ。

  「いや、別にボク達いじめてたわけじゃ…」

  「そーそー。やっぱ転校生って気になるじゃ〜ん。」

  「昇太君困ってるでしょ?ほどほどにしてあげなよ。」

  「あ、そういや昇太君、知ってる?この町の怪獣騒ぎ!」

  渚が三人を嗜めていたところ、別の男子生徒から放たれた怪獣の話題に三人はビクッ!と反応した。

  無理もない。ここ最近の怪獣騒動は、実質この三人が引き起こしていることだからだ。

  「あ、そのことなんだけど…」

  「昇太君がそういうの好きなわけないでしょー?ほら、もうすぐ次の授業始まるから席に着く!」

  そう渚が言った途端、チャイムの音が教室に鳴り響く。

  昇太の周りに集まっていた生徒達は渋々と自身の席に戻り、そんな中昇太は溜息をついていた。

  [newpage]

  「はあ…。新しいクラスメイトは嬉しいけど、色々クラス委員長としてやらなきゃいけないことばっかで大変だなぁ…。」

  放課後、渚は疲れ果てたで帰り道を歩いていた。

  早く家に帰って休もう。

  そんなことを考えていると、通りかかったゲーセンの店頭にあるクレーンゲームのマシンに目がいった。

  「えっ!?何この子!?かっ…可愛いっ‼︎」

  彼女の視線の先にあったのは、亀のような怪獣のぬいぐるみ。

  それが、他のファンシーなぬいぐるみに紛れるようにマシンの中で眠っていた。

  「あっ、あれっ!?取れないっ!もう一回…ああっ!?行き過ぎたっ!?」

  早速マシンに飛びついた彼女は、日が暮れるのを忘れクレーンゲームに没頭した。

  「ただいま〜!ようこそ我が家へっ!」

  日もどっぷり暮れた頃、ようやく取れた亀怪獣のぬいぐるみを抱えて渚は部屋に入る。

  そこは怪獣やドラゴンなどの大量のポスターやグッズ等で埋め尽くされていた。

  アニメや特撮、ゲームなどで出てきたようなフィクションの中の敵怪獣グッズから、別の地方で実際に現れたという赤いドラゴンやミツ首竜が町で暴れている写真、そしてそこに紛れてバグラ達のニュース画像までもが貼られていた。

  そんな部屋の中で、亀怪獣ぬいぐるみをそっと傍らに置いた彼女はゴソゴソと着替え始める。

  しばらくすると清楚な学生服に身を包んでいた彼女はどこへやら、そこには顔出しの怪獣着ぐるみパジャマを着た渚が都会を模したジオラマの前に立っていた。

  「よーし、見ててね『ガメス』!怪獣はこうやって暴れるんだよ?」

  そうぬいぐるみに話しかけると、突如渚はジオラマに向かってダイブした。

  紙で作られた簡素なジオラマは、彼女にのしかかられぐしゃっ…と無惨に潰れていく。

  「ガウゥゥゥゥゥゥンッ!!!」

  そう叫びながら、彼女はドスドス歩きビルを次々と踏み潰し、大きな尻尾で建物を薙ぎ払っていく。

  そして止めに車をぐしゃっ!と踏み潰し…

  「ガアァァァァァァァァァァッ!!!」

  大量の汗と涎に塗れたすっかり興奮しきった顔で、怪獣らしく勝利の雄叫びを上げた。

  「はぁ…♡きもちよかったぁ…♡どお?ガメス♡こんな感じで、貴方は怪獣として暴れるんだよ?」

  ぐっしょりと身体の中も汗に濡れ、着ぐるみを脱いで下着姿を晒しながらぬいぐるみを撫でる渚。

  しかし、その途端ぬいぐるみの目がカッ!と開いた。

  「なるほど、そう暴れればよいのか。確かにこうして身体を動かせば、儂の気も少しは晴れそうじゃ。」

  「えっ!?誰っ!?まさか…ガメスが喋ってるの!?」

  「そうじゃ。だが儂の力のみでは暴れることはできん。お主の身体、貸してもらうぞ!!!」

  そう叫ぶと、ぬいぐるみは渚の中へ入り込んでしまった。

  すると、次第に彼女の身体に変化が生じていく。

  手足はズンッ!と太くなり、腹もブクブクッ!と膨らんでいく。

  肌はゴツゴツとした爬虫類のものへ化していき、背中は硬く甲羅のように変化していく。

  顔もぐぐっ!と変化しいかつい亀のようなものとなり、その身体もぐんぐんと大きくなって家の壁をミシミシと壊していく。

  そして…

  「ガメェェェェェェェェェッ!!!」

  [uploadedimage:15222630]

  完全に巨大化した渚…いや、ガメスは、天高く咆哮し地を揺るがすのだった。

  [newpage]

  「オイ、いい加減目を覚ませ竜牙!怪獣が街で暴れておるのだぞ!?」

  「俺お前のせいで寝不足なんだよ…もう少し寝かせろよ…。」

  その少し後、街で怪獣が暴れていることに気がついた竜牙の相棒バグラと眠そうに目を擦っている竜牙が駆けつけた。

  「うわっ、なんだあの亀怪獣!?」

  「わー…こうして客観的に見ると、なかなか怪獣ってヤバいね〜…。」

  そこに同じく街の破壊を聞きつけた、羽流と彪斗も駆けつけてきた。

  「あの怪獣、今日彪斗様達に話しかけていた女性が寄生されてるようですね。」

  「へっ!?委員長が!?」

  あの怪獣の正体に気づき呟いたガドンに、一同は驚いて反応した。

  「それならとっとと倒して、元に戻してやらねぇとな!」

  「「「変身!!!」」」

  そう叫ぶと、三人はそれぞれの相棒怪獣と融合して変身していく。

  身体はどんどん肉づいて大きくなり、皮膚も人間のものではないものに置き換わっていく。

  暫くして変化は終わり…

  「ギャアァァァァァァァァァァッス!!!」

  「シュシュシュシュシュシュシュ!!!」

  「グオォォォォォォォォォォォンッ!!!」

  竜牙、羽流、彪斗の三人はそれぞれ、バグラ、モスガ、ガドンといった三体の怪獣へと変貌した。

  「オイそこの亀怪獣!委員長を元に戻せ!!!」

  「ん?ああ、貴様らも儂と同じ、人間を乗っ取った怪獣か。儂はそうじゃな…この小娘が付けた名前、『ガメス』とでも呼ぶがいい。」

  「なっ!?しゃ、喋った!?」

  自身の叫びに応えた亀怪獣ガメスに、竜牙は驚愕した。

  『人間の耳では我々が鳴き声を出しているようにしか聞こえんが、我々怪獣どうしでは会話できるのだ。まあモスガは喋れるほどの知能は無いし、ガドンは機械音声が寄生先に話しかけてくるだけだったから今まで敵怪獣と会話できなかったがな。』

  「あー…確かにモスガ喋れないもんな。」

  「おれの時は指令がどうのこうのって頭に延々と音声流されて洗脳されただけだったからねー。」

  『うっ…その節は大変申し訳ございませんでした、彪斗様…。』

  竜牙の身体の内側から解説するバグラに、一同は納得した様子で頷いた。

  『しかし貴様は見覚えがないな。貴様、この間の桜吹雪流星群の時訪れた怪獣ではないな?』

  「うむ。儂はそれより前、10年前にこの星に訪れたからの。」

  「じゅっ、10年!?」

  「作用。儂は当初、この星を老後の隠居先として選んで訪れ、のんびりと暮らすことを夢見ていた。しかし着いた矢先に通りかかった奴に拾われ、くれーんげーむとやらに入れられ10年間ずっと閉じ込められてきたんじゃ!!!」

  「わー…それはなんかかわいそう…。」

  おいおいと泣きながら身の上を話すガメスに、彪斗は同情して呟いた。

  「そこで溜まった怒りをどう発散するか考えていたのじゃが…ついに今日この小娘に拾われての!そこで良いストレス発散法を教えてもらったのじゃ‼︎」

  「それが街の破壊って言うのか!?委員長がそんなことを!?」

  「ふん、邪魔するつもりか?それならば…こうじゃ‼︎」

  するとガメスは手足を引っ込め、甲羅の状態で高速回転し三体に猛スピードで襲いかかってきた。

  「コイツ、亀のくせに速いよ〜!?」

  「こうなったら俺の突進でその甲羅叩き割ってやるぜ!!」

  そう叫ぶと、竜牙はバグラの身体で勢いよく突進しガメスに巨体をぶつける。

  しかし…

  「いってぇぇぇっ!?」

  「ふふ、効かんよ。儂の甲羅は頑丈じゃからな!」

  その攻撃は硬い甲羅にいとも容易く防がれ、逆に竜牙の方がダメージを負ってしまった。

  「だったら、ボクの糸で動きを止めてやる!!!」

  羽流はそう言うと空中に舞い上がり、口から粘度の高い糸を放つ。

  しかしこちらも相手が高速回転しているせいで上手く巻き付かず、糸を断ち切られてしまった。

  「なっ!?これでも動きが止まらないのか!?」

  「どうだ?儂の力は!お前たちなど儂の足元にもっ…!?」

  そう調子に乗って高笑いしていたガメスだが、突如何か異変が生じたかのように回転のスピードを緩めフラフラと手足を甲羅の外に出していく。

  「まずいな、歳を取ると体力…が…」

  そう呟き、糸が切れたようにガメスはどしぃぃぃんっ!!!と倒れてしまった。

  「えーっと…大丈夫…か?」

  突如倒れたガメスに心配して駆け寄る竜牙だったが、急にガメスがバッ!と目覚める。

  しかしその様子はどこかおかしく戸惑っているようで…

  「えっと…これ、夢?」

  「…へ?」

  渚の声でそう呟くと、バッ!といきなり竜牙に飛びついてきた。

  「凄い!私、夢の中で怪獣になっちゃってるー‼︎今日取ったぬいぐるみそっくりだー‼︎しかもあのゴツい黒怪獣に会えるなんて感激ー‼︎あっ、こっちに毒蛾怪獣!あっ、機械怪獣までいるー‼︎」

  「ひゃんっ!?そっ、そこ揉まないでぇ…♡」

  「わー…。委員長、こんなキャラだっけ〜?」

  『…どうやら身体の所有権が一時的に戻ったようだが、本人は夢だと思っているようだな、しかしこれは…』

  モスガやガドンと化した羽流や彪斗のことも身体中を弄りまくって抱きつき、憧れの怪獣との対面を堪能する渚。

  しかし突如また人格が入れ替わったように目をキッ!とさせ…

  「いかんっ!!!」

  

  ガメスの声で叫ぶと、いきなり背中を反対方向に向けて何者かの攻撃から身を守った。

  そこには…ピッチリとした赤い衣装に身を包み、ドラゴンのようなマスクを被った巨大なヒーローが立ちはだかっていた。

  「大昔の記録にある亀怪獣が出たと聞いて駆けつけたら、やっぱりバグラ・モスガ・ガドンまで来ていたとはね。報告通りだよ。」

  「なっ、なんだお前!?もしかして、俺達の味方か!?」

  『よせ、向こうにはギャアギャア鳴いているようにしか聞こえん。それに、そんな単純なものではなさそうだ。』

  「僕は『ジャスティス・ウイング』に所属するヒーロー、『ドラゴフレイム』!侵略を目論む君達怪獣は、一匹残らず焼き尽くす!!!」

  そう叫ぶとドラゴフレイムは助走をつけて、勢いよくバグラに殴りかかった。

  

  「ギャアァァァァァッ!?」

  それはバグラの重い身体を吹っ飛ばすほど強く打ち込まれ、彼の身体はビル群に叩きのめされてしまった。

  「オイ竜牙、大丈夫か!?」

  「まずいな…。羽流!彪斗!このヒーローは俺に任せて、あの亀怪獣は頼んだ!」

  「ちょっ、本気〜?それじゃあ、そっちは任せたよ〜。」

  こうしてバグラがドラゴフレイムと戦っているのをよそに、羽流と彪斗の二人はガメスに立ち向かった。

  [newpage]

  「フン、三人でも儂に敵わなかったのに二人で大丈夫なのか?まだ儂の自慢の甲羅を突破できてないぞ?」

  「そーなんだよね〜。ほんとどーしよ…。」

  「なあ彪斗、この間みたいにお前の肩や胸からバズーカ砲を放てないか?お前の火力なら、あの甲羅をどうにかできそうだが….。」

  『申し訳ございませんが羽流様、私達のバズーカ砲を放つにはその動力源となるエネルギーが足りないのです。何か生物やガス、ガソリンなどエネルギーになり得るものがなれば良いのですが…。』

  「生物と言っても、この間暴走した時みたいに人間飲み込むわけにはいかないし〜…あ。」

  少し考えこむ彪斗だったが、何かを思いついたかのように羽流のことを見た。

  「ねー、竜牙から聞いたんだけど羽流って卵産めるんだよね〜。あれ、おれに分けてくれない?」

  「…はあっ!?」

  彪斗の口から出たその提案に、羽流は困惑したかのように声を上げた。

  「無理無理!アレ凄く恥ずかしいし!!なんで竜牙はそういうこと言っちゃうかなぁ!?ともかくほら、今ボク卵産める感じしないし…」

  「あ、それなら大丈夫だよ〜。おれがマッサージしてあげるから…さっ♡」

  そう言うと羽流の抵抗虚しく、彪斗は自身の尻尾を羽流の虫のお腹ような尻尾の先端にぐりぐりっ♡と入れ込む。

  そして…

  ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴッ!!!

  「ひゃあっ♡あっ♡だめっ♡出ちゃう出ちゃうっ♡♡」

  勢いよく中を掻き回し、羽流の排卵を促す。

  こうして羽流の尻尾の奥から無理矢理排出させた卵を、彪斗の尻尾のバキュームで残さず吸い取っていく。

  そして…

  「えへへっ♡ごちそーさま♡充電かんりょ〜♡」

  「あっ♡あひっ♡もうだめぇ…♡ボクお婿行けない…♡」

  卵を吸い付くし舌舐めずりをする彪斗の下で、羽流は痙攣しながら倒れていた。

  「お、終わったか?なんかあまり見ていけないような気がしたのでのう…。」

  「待っててくれてありがと〜♡だいじょーぶ、すぐに終わらせるから…さっ!!!」

  するとガコンガコンッ!!!と胸の砲台が前面に伸び、尻尾から徐々にエネルギーを吸収して力が溜まっていく。

  

  「ガドン・虎視眈々超大砲!!!」

  そう叫ぶと、彪斗はありったけのエネルギーを込めて大砲をガメス目掛けて発射した。

  「なるほど、面白い!儂の甲羅とどちらが強いか力比べとしようか!!!」

  ガメスはその威力を見てニヤリと笑い、背中の甲羅で大砲を受け止める。

  しかし大砲は甲羅をミシミシといわせながら破壊させていき…

  バリィィィィィィィィィィィィンッ!!!

  派手に甲羅を爆散させた。

  「こ、この儂が負けるとは…ガメエェェェェェェェェェッ!!!」

  どしいぃぃぃぃぃぃぃぃぃんっ!!!

  断末魔の悲鳴を上げ、ガメスはその場に倒れ気絶するのだった。

  [newpage]

  「…あの亀怪獣もやられたか。まあいいか。これ以上君達に暴れる意志が無いなら、今日のところはここで引き上げてあげるよ。」

  地に足をつけさせるほどバグラ相手に優勢に戦いを続けていたドラゴフレイムだったが、亀怪獣が倒れるのを見てスッ…と姿を消した。

  「う〜ん…あれ?私、怪獣になった夢見て…てっ!?」

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  一方、ガメスに乗っ取られて暴れていた渚は目を覚まし、自分の置かれている状況に気がついて困惑した。

  「あ、無事起きたんだ。よかったね〜委員長。」

  「うう….けっこう倒すの大変だったんだぞ。ボクあんなに恥ずかしい目に…。」

  「夢じゃない…!?それにその声、彪斗君に羽流君!?」

  憧れの怪獣達からクラスメイトの声がして、渚は更に困惑した。

  「いてて…あのヒーローよくも…お、委員長!なんだ、意外と委員長怪獣好きだったんだな〜!俺も怪獣大好きでさー!!」

  「竜牙君!?えっ、さっきも現実ってことは私、竜牙君達にあんなことを!?」

  『プライバシーの欠片も無いな、竜牙。』

  竜牙の場を読まない発言で亀のような顔を真っ赤にする渚だったが、そんな彼女の中でガメスがぽつりと口を開いた。

  『なるほど、面白い奴等じゃな。儂の良い気晴らしになったわい。これ以上迷惑かけるわけにもいかんし、儂は他の星へ行くとするか。色々すまなかったな。』

  そうしみじみと呟き、渚の身体から離れようとするガメス。しかし…

  「まっ、待って!」

  『ん?なんじゃ?』

  そんなガメスを止めたのは、乗っ取られていた本人である渚だった。

  「お願いがあるんだけど…これからも私と一緒に暮らしてくれない?」

  『何?お主と一緒に…?』

  「うん。多分今、この街に沢山怪獣が来てるんでしょ?貴方がいれば、私もみんなみたいに戦えると思うから。それに、私怪獣大好きだし!」

  『そ、そうか。しかしじゃな…。』

  「別にいいんじゃね?俺としても怪獣の仲間増えるの大歓迎だし!なーバグラ!」

  『あ、ああ。まあ我が配下が増えるのは都合良いしな。ここに居させてやらんこともない。』

  『…そうか。それなら、儂はお前と共に生きよう、渚。よろしく頼むぞ。』

  「うん!こちらこそよろしく!」

  ガメスの身体で喜んでいる二人やそれを見守る羽流や彪斗達をよそに、バグラはこっそりと竜牙に話しかけた。

  『あのドラゴフレイムと名乗っていたヒーロー…。少々厄介だな。警戒を怠るな。』

  「ああ。俺、アイツに負けないようにもっと強くならねえとな…。」

  竜牙は拳を握りしめ、朝日が差し込む中徐々に治っていく崩壊した街を見つめていた。

  [newpage]

  『バグラと戦ったそうだな。どうだった?』

  「はい。思ったよりは脅威と思えなかった、という印象でした。力が衰退しているのかもしれませんね。」

  『うむ。しかし奴は危険度A級の大物。何を企んでいるかも分からん。充分に警戒することだな。』

  「わかりました、ボス。それでは失礼します。」

  そう言ってヒーロー、ドラゴフレイムは電話を切って変身を解く。

  その姿は竜牙のクラスに訪れた転校生、『秋守 昇太』そのものだった。

  [newpage]

  「それじゃあガメス、いくよ〜!」

  「う、うむ。またやるのか…。」

  次の日の放課後。渚は自身の部屋でガメスと融合し、その姿を変化させていった。

  サイズは昨夜とは異なり人間ほどであったが、華奢な女子中学生が変貌したとは思えない巨体をもった亀怪獣へと化していた。

  「なあ渚、その…この姿、恥ずかしくはないのか?」

  「んー、別に人に見られてる訳じゃないし!わー、可愛い〜♡これで怪獣ごっこもよりリアルにできるね‼︎あっ、そろそろ良いジオラマ買って破壊してみようかな〜♡」

  「…まさか、これが目的で儂を残したんじゃあるまいな…。」

  ガメスが困惑する中、渚は一人姿見を前に子供のようにはしゃぐのだった。