洗ってこすって・拭って鳴いて?

  「たっだいま~」

  「ふう、帰った帰った」

  ルームシェアをして暮らすクルミとリカが一日のスケジュールをこなし終えて帰ってくる。

  上着を脱ぎ、荷物をほどいてリビング代わりの部屋でひと段落。

  「今日も一日色々だったね」

  「うん、色々だった」

  お茶を飲みながらソファーに腰かけしばしまったりとしている二人だが……。

  「どうするクルミ、お風呂にする?先に食べちゃう?」

  「うん……リカの良い方で良いけど……先にお風呂しちゃおうか?」

  と、いともあっさりと決めてしまう。

  しかし、二人の顔は妙に赤く染まっている。

  ただ入浴するだけなのに妙な話だが―まあ二人が「そう言う関係」なせいなのかも知れない。

  そんな時、タイミングを見計らったかのようにドアホンが鳴る。

  「はーい」

  そう言って玄関に向かったリカが戻ってきた時、その手には小さな包みを持っていた。

  「リカ、それって?」

  クルミの問いかけにリカは軽く笑みを浮かべると包みをテーブルに置いて封を解く。

  「こ、これは……」

  「おまちかねのもの、ね」

  「と言うよりもまさに……」

  「ええ、ベストタイミングかしら」

  「わくわくしてきた〜」

  「わたしもうずうずしてきた」

  その中のものを見て二人は妙なテンションがかかるのを感じていた。

  二人してバスルームに入るやいそいそと衣服を脱ぐ。

  いつもなら二人して入る時はこの時点でスキンシップなど楽しんだりするのだが、二人の関心は先ほど届いた荷物にあるようだ。

  全てを脱ぎ去ったまま、持ってきた箱の中身を取り出す。

  「これは……」

  「タオル、ね」

  「タオルだねぇ」

  「タオルよね」

  それは確かにタオル生地でできていた。

  しかし、それを見ている二人の目は奇妙な興奮と期待感に満ちていた。

  そして二人は笑みをかわし、その「タオル」を素肌にまとう。

  もちろん―入浴するために。

  [newpage]

  湯気のこもるバスルーム。

  ただ湯あみの波の音とシャワーの流れる音だけが響く。

  クルミは激しく滴り落ちるシャワーにその身を預け、リカはゆったりと湯船にその身を沈めている。

  それだけなら二人がそろって入浴している時のいつもの光景。

  しかし、今回はいつもと様相が違っていた。

  そこでお湯を楽しんでいるのは紛れもなくリカとクルミであった。

  ただ、その姿はいつものクルミとリカとは大きく違っていた。

  シャワーを浴びているクルミの素肌は黄緑に、湯浴みを楽しむリカの素肌は水色にそれぞれ染め抜かれている。

  それこそつま先から―頭の先まで。

  さらに言えばリカのブラウンのロングヘアも、クルミの黒いミディアムヘアも見えない。

  文字通りつるんとしたスキンヘッドに耳と鼻のラインが浮かび、目と口がついているような顔になっている。

  よく見ると二人の肌質もまた変化していた。

  相応に柔らかくつるりとした素肌がなぜか妙にざわついたものになっている。

  それはまるでタオル生地―そう、ボディタオルの様な素材をした素肌のボディタオル人間になったような姿。

  そう思わせるほどに一体感のあるタオル生地の全身タイツ的なスーツを素肌にまとった姿で二人はバスタイムを楽しんでいた。

  「―♪」

  シャワーのお湯がタオルスーツの生地を通り素肌にしみていく感覚を楽しみながらクルミはボディタオルで軽やかに身体をこする。

  全身がボディタオルになっているような状態でやる事もないのだろうが、そのこすり合う感覚がちょっとくせになりそうな気がしていた。

  「ふぅ……」

  タオルスーツ越しに全身を包むお湯のぬくもりと質感がいつもの入浴とはまた違う心地よさを感じさせている。

  それに浸りながら知らず知らずにリカも全身をゆったりと柔らかくさすっている。

  肩を、腕を、足を、腰を。

  シャワーをかぶりながら、湯船につかりながら素肌とタオル生地がいい具合に触れ合う。

  そしてもちろんその手つきは……。

  「あ……あん……あぁ……」

  「んっ……んん……ああ……」

  それぞれの形のいい胸のふくらみ、その表も裏も、もちろんその頂点にも手を伸ばして揉み上げる様に洗っていく。

  優しく、柔らかく、ときに軽やかなテンポで洗ってゆく感覚、そして素肌とタオル生地がすれ合う感覚が二人を心地よく高めていく。

  一通り胸元をこすり終えた二人の手が次に向かう所、そこは言うまでもなく文字通りの「女の証」。

  たっぷりとお湯の熱さに満たされ、こすり合う感覚に間接的にほぐされたそこは今か今かと「洗われる時」を待っていた。

  しかし―。

  「ねえクルミ、もしかして「そっち」を洗おうとしてない?」

  シャワーを浴びながら手を伸ばそうとしていたクルミの耳にリカの声が聞こえる。

  一瞬タオル生地に覆われた顔がびくっとなるが何とか気を取り直し、

  「そう言うリカだってお風呂の中でほどよく温まっているのをお楽しみしようとしてない?」

  と返す。

  「はいはい、今から「そこ」を心地よく洗おうとしている所ですっ。リカだってそうでしょ?」

  「ええ、お風呂の中でゆっくりまったり心地よく「愛でようと」していた所よ」

  遠慮も気恥ずかしさもないやりとりをかわす二人。

  二人でバスタイムを楽しむ場合、下準備として軽く一人で「高めて」から二人して「お楽しみ」に入るのが通例のようなものであるだけに当然の話だろうか。

  まして今の二人は頭から足の先までタオル生地のスーツ姿。いつも以上に盛り上がりたいのはどちらも同じである。

  「クルミ、とりあえず一緒に湯船に入らない?心地よく温まりながら楽しもう?」

  そう言って湯船の中からその水色の腕を出して手招きするリカ。

  「リカ、一緒にシャワー浴びよう?ちょうど良い勢いでお湯も出ているしいい刺激になるかもよ?」

  クルミも黄緑色の手にシャワーを握って誘いにかかる。

  湯煙の中で両者しばらくにらみ合いの様なものをしているが、どちらともなくシャワーと湯船の間の床まで歩みより、ぎりぎりまで身を寄せ合う。

  「それじゃあ洗いっこして勝った方のコースを先にするって事で」

  「勝った方のコース、よね?」

  「もちろん」

  「じゃあ勝たないと、ね」

  「勝てるかな?」

  「勝つつもりだけど」

  そう言ってタオルマスク越しににらみあう両者。

  一応クルミの言った通り「勝った方の提案」が優先なのだが、本当に「勝つ気」があるのか。

  いや、「勝たなければいけない」だろう。

  この二人の「こういう展開」はある意味ぎりぎりの勝負になる事がほとんどなのだ。

  [newpage]

  「あ……」

  「ああ……」

  水色の手が黄緑色の背中をさする。

  黄緑色の手が水色の腹部を撫でまわす。

  軽い前哨戦とばかりに互いの身体を手にしたスポンジタオルで洗い合う。

  どちらもあえて「肝心な所」は外しているがやはりじらしじらされなのは間違いない。

  実際二人の身体はほぼ密着状態で床の上に横たわっている。

  言うまでもなくそのほぼ全身をタオル生地越しにこすり合わせている事になる。

  たくみにそれぞれの胸を重ね合い、足を絡めあう。

  さらにはタオル生地に覆われた顔を重ね、互いの頬を摺り寄せ合う。

  スポンジタオルに染み込んだ泡が少しずつタオルスーツに染み込み、ゆっくりと互いを泡に包んでいく。

  それぞれの身体からにじみ出る様な泡をこすりつけ合い、ぬぐい合っていく。

  柔らかい泡の感触も混じり、タオルスーツ越しに互いの肌をこすり合う勢いはさらに増していく。

  「あっ、ああ、ああっ」

  「ああっ、あ、ああ」

  互いの胸同士をこすり合い、背中をこするついでに両腕をこすり合う。

  足を絡めてこすり合うのだが……肝心な所にはなかなか及ばない。

  と言うよりどちらが先に仕掛けるかの駆け引きの様なものが進んでいる。

  「あぁっ、クルミ、先に洗わせてっ」

  「だめっ、リカを先に洗うのっ、あっ」

  互いを絡ませ洗いながら決め手を狙う二人。

  しかし、そうこうしている間にも二人はどんどん高まっている。

  いつもの様に肌を合わせているだけでなくタオル生地越し、泡越しにこすり合っていればいやでも感覚は高まっていく。

  そう、そうなると……。

  「リカっ、いくねっ、あぁっ」

  「クルミっ、いくよっ、あぁっ」

  おもむろに泡まみれのタオル生地で挟まれた間に手を滑りこませ、互いの「女の証」へ潜り込ませてこする……。

  「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

  「ああぁぁぁぁぁぁぁっ!」

  次の瞬間、二人の身体はほぼ同時に大きくのけ反る。言うまでもなくそこに手を伸ばした事が引き金となったのだ。

  「はぁっ、はぁっ、クルミ、先に声、出したよね?」

  「はぁっ、あぁっ、リカこそ、先に良い声で鳴いたよ?」

  「クルミが先だから一緒に湯船で続きしよう?」

  「いいえ、リカの方が先だから一緒にシャワーを浴びるの」

  達した余韻に浸りつつも身体をさすりあわせつつ互いの勝ちを譲らない。

  一つ間違えなくても「それならもう一戦」と称して再び洗い合いこすり合うのは目に見えている。

  結局二人は互いを泡まみれにしながらもうひと勝負と相成った。

  「リカ、リカ、今度こそ先に鳴いてっ」

  「クルミ、クルミの声を先に聞くのっ」

  もみ合い、こすり合い、さすり合う中でさらに快感が蓄積されるのを感じながら相手を先に達させようとする二人。

  今度は互いの足を絡めあいながら互いを見つめ合う様に床の上に座る。

  もちろん二人の肝心な部分もしっかり向き合い、そして密着しあっている。

  それなら―。

  「クルミっ、クルミっ、クルミが洗うの、いいっ」

  「リカぁ、リカぁ、もっと洗ってぇ」

  いい具合に互いを重ね合い、こすり合い、もみ合いながら高まっていく。

  肩を、腕を、脇腹を、そしてもちろんその胸も。

  なんども唇を重ね合いつつも二人の洗いっこは繰り返され、そして―。

  「あうぅぅぅぅぅぅっ!」

  「はうぅぅぅぅぅぅっ!」

  またしてもほぼ同時に達した。

  結局泡まみれになった身体を一度洗い流そうと言う事で先にシャワーを浴びる事になったが……。

  「あぁっ、リカの背中気持ちいいっ」

  「クルミの背中越し感じちゃうっ」

  泡を洗い流しながら背中合わせにこすり合う二人。

  器用に背中を合わせ、踊るような動きで足腰を揺らしながら互いの背中をあわせてタオル生地越しにごしごしこする。

  そうするうちにみるみる二人のタオルスーツから泡が洗い流されていく。

  「あ……ちょっとやりすぎちゃった。泡がもうなくなっちゃってる」

  「うーん、つい勢いづいちゃったかも」

  次は前を向いてシャワータイムとしゃれこもうとしたリカとクルミはタオルマスク越しに押しそうな表情を浮かべる。

  とは言え、洗い流してしまった泡は……。

  「またつければいいよね」

  「そしてそのあと存分に洗い流すっ」

  結局再び泡まみれになってそこからシャワーを浴びつつ互いをなで合う二人。

  そして泡を洗い流し終えて湯船の中に二人してつかれば―。

  「クルミ、お風呂の中もあったかいでしょ?」

  「うん、リカの体温込みであったかい」

  湯船の中で身体を寄せ合い、優しくさすりあう。

  いっぱいのお湯が緩衝材になっているのかこすり合う感覚もほんのり柔らかい。

  程よいお湯の温度と抵抗感の中、そっと抱きしめ合う。

  「それなら……もっとあったまる?」

  「もちろん。それこそ熱く感じちゃおう」

  そう言い合いながらクルミとリカは改めて湯船の中で身を寄せ合い、タオルスーツ越しに互いの肌を重ね合う。

  こう言うことは二人でバスタイムをしている時、そして気分が乗った時はしょっちゅうやっている事。

  しかし今回はやはりちょっと勢いが増しているのを二人とも感じている。

  今自分達が身に着けているタオルスーツのせいなのは間違いない。

  全身を顔までぴっちりと覆い、素肌をキュッと引き締めてくれるタオル生地。

  そんな姿で湯船につかり、シャワーを浴び、身体をこすり、そして―肌を重ね合う。

  普段は感じる事のない感覚が二人を刺激し、互いのツボを刺激し合う。

  いつの間にか二人は唇を重ねながら互いの胸、そして「出湯」を揉み上げる。

  「―っ!」

  「ーっ!」

  見事湯元を掘り当てたらしく、唇を重ねたまま二人は軽く身体を震わせた。

  そしてゆったりと唇を放すと笑みをかわし、そして再びぎゅっとその身体を合わせ合う。

  温度調整は万全だが、二人が「別の意味で」のぼせてしまうのはさほど先の事ではない―だろう。

  [newpage]

  「ふぅ……良いお湯だった」

  「良いお湯と……いいクルミね」

  「それならわたしもリカにたっぷりつかれたって感じ」

  「今回も一番クルミ風呂いただきましたってね」

  そんな会話をしながら二人はようやくバスルームから上がる。

  タオルスーツを脱いだ二人は身体をぬぐう事さえせずそのまま寝室へ向かう。

  なぜなら―二人は改めて「タオル」を身に着けているから。

  クルミは頭まで黄緑色、リカもつま先まで水色の姿。

  ボディタオルの素肌からバスタオルの素肌へ。

  二人は今一度タオル人間の姿となっていた。

  全身をぴっちりと覆うバスタオル素材は程よく二人の身体からお湯の水分を吸い取っていく。

  ふんわりとしたバスタオル生地の質感が程よく温まった二人の素肌に優しく触れる。

  バスルームから寝室へ移動する一挙手一投足のたびに良い感じで素肌をなでる感覚に心地よさを感じてしまう。

  「クルミ、これって結構……」

  「うん、良い感じに感じてる」

  「でも―がまんね」

  「うん―もうちょっと辛抱」

  そう言い合いながら水色と黄緑色の全身タオル人間姿で二人は歩く。

  先ほどのボディタオルスーツ同様このバスタオルスーツもまた二人の身体をぴっちりと包み、その体の線をしっかりと露わにしている。

  異様でありながらも艶やかな自分の姿、そしてパートナーの姿を見ているうちに二人の中にますますムズムズした感情が湧いてくるのは間違いなく、決して長くはない寝室への道のりを止める事なく歩く事が二人には微かに苦痛であった。

  そんな二人の苦労はたどり着いた寝室で報われる。

  「やった……はうん」

  「ついた……あぁん」

  寝室にたどり着いてそうそう二人はそのまま抱き合ってベッドにダイブする。

  「リカ、ふかふかのタオル越しでもきれい」

  「クルミのかわいい顔、タオル越しでもわかる」

  そう言い合いながらさっそくタオルマスクから開いた唇を重ね合う。

  「クルミの身体、いっぱい拭いてあげる」

  「これ以上はないってくらいリカを拭ってあげる」

  そう言い合いながらさっそく両腕を互いの背中に添え、両足を絡めあう。

  ごしごし、ごしごしと二人の身体がタオル生地ごとこすれ合い、互いの肌についた水分をぬぐっていく。

  「あぁ……あ……あぁ……」

  「あん……あぁ……あん……」

  たくみに背中をぬぐい合い、重ね合った手足をこすり合わせる。

  当然その胸のふくらみも器用に重ね、揉み合わせながら拭っていく。

  さらには口づけをかわしていた顔もあえて放すと互いの頬をぬぐい合う―だけでは飽き足らず。

  「リカの胸、奥まで拭いてあげる」

  「クルミの胸も隅から隅まで」

  そう言ってタオルマスク越しの頭を交互にそれぞれの胸の間に挟んだりして上下左右に動かしてしまったりもしている。

  リカがクルミの胸の間に顔を挟めばリカはその胸を外側から押さえて優しく揉みしだく。

  クルミも自分の胸元に埋まったリカの顔を胸と一緒にその両手で優しく撫でまわす。

  「あぁん、あぁん、クルミの胸と手、気持ちいいっ」

  「あんっ、はぁん、リカの胸、感じちゃうっ」

  その顔を相手の両胸に挟まれながら自分の胸、そして「女の証」をタオル越しに拭う事も忘れない。と言うか反射的にそう行動してしまう。

  「はぁんっ!」

  「あぁんっ!」

  案の定最終的にはタオルスーツの中で上気した肌を震わせて二人はそれぞれ達してしまい、その度に交代して事に及ぶ。

  「リカ、わたしが全部拭いてあげる」

  そう言い合いながら横になったリカの全身をクルミがマッサージの要領でたくみに撫で回し揉み回しながら拭いていく。

  「あ……あぁ……クルミ……そこ……そこ、もうちょっと強く……あんっ、そこはもっと優しくして……」

  うつ伏せにして背中を、肩を、腰を、両手足を撫でる様に拭くだけではなくじらす様にベッドと密着する胸やさらに敏感な場所に触れてみる。

  そして仰向けにすると同時に首から胸を器用に撫で、優しく揉み回し、あとはじらす様に腹から腰、足をなでる。

  「クルミ、もっと、もっと感じるとこ……拭いてよ……」

  ねだるような声を上げるリカの顔をしばらく見つめたリカはタオルマスクの中でにんまり笑うと―。

  「えいっ」

  とばかりにタオル生地越しにそこを掴むとそっと握るように揉む。

  「ひゃんっ」

  タオルスーツの中でリカの身体が震えた。

  「クルミの全部、拭ってあげる」

  ベッドの上に座ったリカの身体をクルミが拭っていく。

  背中を、腰を、添えた両手をくるくると回しながら器用に拭う。

  そして今度はリカがじらす様にその両腕、そして伸ばした両足を拭っていく。

  「あ……リカ……そう言う所じゃなくてもっと……わかってるでしょ……」

  そう言いながらクルミは伸ばした両足を広げ、大きく体をそらして身体の前部を見せつけてアピールする。

  「えっ、ちょ、ちょっと……そっちじゃ……ない……あんっ」

  背後から伸びたクルミの手がリカの肩から胸元をなで、くるくると回す様に拭っていく。

  その渦はリカの腹部から腰に伸びるかと思えばまた胸元に戻ったりと変則的な動きを見せる。

  一通り楽しんだ後、両手の渦は肝心な場所の手前でくるくると回りながら停滞する。

  「やだぁ……リカ……じらさないでよ……」

  まさに寸止め状態で回り続ける渦がもたらす感覚に浸りながらクルミは声を上げる。

  それに対してリカはその手を止める。

  一瞬の静寂がその場を支配し―。

  「はぁぁんっ」

  一気に嵐がそこを吹き荒れ、クルミはタオルスーツの中で大きくのけ反った。

  「はぁ……はぁ……クルミ……これって……拭ってる事になってるのかな……」

  「あぁ……あはぁ……リカは……どう思う……」

  互いに拭い拭われ、達し達され合う中一休みとばかりにベッドで大の字になる二人。

  タオルスーツの生地は二人の甘く激しい吐息に合わせて大きく震え、その保水力の限界とまでは行かないまでも程よい具合に湿り気を帯びている。

  「たぶん……拭けてないよね……拭けば拭くほど色々にじんじゃうって言うか……」

  「このタオルスーツ、反則よ……タオルとしては、ね……」

  「うん……だって……ホントにこれ……きもちいいし……」

  「拭えば拭うほど気持ちよくなるって……なんだか……いい……」

  そう言い合いながら二人は再び身体を寄せ合い、タオル生地越しに互いの「女の証」を重ね合う。

  「でもここが一番……拭けてない」

  「拭けば拭くほど……ね」

  「でも……もっと、もっとクルミのも自分のも拭きたい。クルミに拭いてもらいたい」

  「わたしもリカを拭きたい、リカに拭いてもらいたい」

  そう言い合ううちに二人は何度目かのタオルマスク越しの笑みをかわし合う。

  そして二人は盛大に互いのそこを拭い合い始める。

  拭けば拭くほど、拭えば拭うほど湿っていくその場所。

  「リカ、リカ、もっと、もっと拭いて!」

  「クルミ、拭って、いっぱい拭ってっ!」

  そう言い合いながら二人は身体を重ね、その場所を重ね、互いを拭っていく。

  拭って、拭って、拭いて、拭いて、拭いきって、拭き切って―。

  「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ‼」

  「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ‼」

  タオルスーツの中で抑えきれないくらいに激しい高ぶりと衝撃がその瞬間、弾けた。

  [newpage]

  結局タオルスーツのまま拭い合いまくった二人が果てたのは夜半すぎに入ってからであった。

  翌朝二人は素肌いっぱいにシャワーを浴び、お揃いのバスローブを身に着けてひと心地ついていた。

  昨夜の事もあり「タオル生地」を素肌にまとって過ごすのは危険と言えば危険ではあるが、少なくともゆったりとした衣装で素顔もさらし、身体を外気に触れさせている分マシと言う判断のようだ。

  とは言うものの。

  「クルミ、シャワー終わったよ?」

  「うん、ようやく昨夜の汗も流せたし、今回はリカとは別々に浴びて正解だった」

  「とりあえず今日は早く支度してモーニングにでも行こう」

  「気持ちを切り替えないとね。急いで準備しないと」

  「で、今夜のお風呂では「あれ」はなし。またはまっちゃいそうだし」

  「わかってるって。ただ「あれ」ってこするのも拭くのもそれなりにセットがあるんだけど」

  「それは今は聞きたくないかも」

  「でも……ないならないで……」

  「はまっちゃう?」

  「はまっちゃうかも?」

  そう言いながら笑みをかわすうちに二人はバスローブを外し、全身で朝日のシャワーを浴びる。

  結局二人が朝食を取ったのはいわゆるブランチぎりぎりの時間だった……。

  了