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その小さな遊園地が、規模の割には人を集められるのは、2m後半に迫る身長の着ぐるみと、身長170cm近いスタイル抜群の女性スタッフが、特殊メイクに近いメイクでコスプレでサポートをすると言うペアが見られるからであった。
しかし、着ぐるみの中の人が、事故で引退を余儀なくされ、かといって、こんな遊園地に、来てくれる人など、縁故関係でもそうそう見つからない。
と、思われたが、サポートのスタッフが一人の女の子を連れてきた。採寸などを済ませると、その子に適当な業務を押し付けて、製作に入ってしまった。
そう、前のクォリティの高い着ぐるみも、このスタッフのお手製だったのだ。
さて、連れて来られた女の子は、高校卒業後に勤めた会社が、就職直後突然潰れて、暇になってしまった近所の子らしい。
身長は150cmに届かず、細いが体力のある子である。
前の着ぐるみは、迫力もあったし、愛嬌のある顔であったが、それでも子供によっては威圧感があったためか、泣き出してしまう子も多い。それに、真夏でなくても汗だくになり、真夏では休憩を多く挟まなくてはならない。
小さな遊園地とは言え、子供に囲まれると、容易に進めない為、全てを回る事など不可能だったのだ。
この身長の子ならば、子供が怖がらないだろう。周囲のスタッフも考えていた頃、サポートの子が考え出したのは、なかなか趣味性の高いものだった――全てに合理的な意味があったが。
第一に、汗臭くなる事や、ハグして湿り気を感じるのを防ぐ為に、中の人にはラバースーツを来て貰うことにする。
第二に、暑さ対策の為に、その外側を水冷式にして、冷却剤を冷媒にして全身を冷やした。
第三に、鼻からカテーテルを入れて、自動的に水分とミネラルを補給するようにした。
これで夏対策は万全である。
中の子は、疑問に思いつつも、ベビーパウダーを振りかけた全裸の状態で、ラバースーツ、冷却スーツと着替える。
「すぐに慣れるから」と説得されながら、カテーテルを入れる。
次に、口には、笛状のものを咥えて貰う。息を吹き入れると「きゅ~ん」と鳴くように作られたギミックだ。外れるといけないので、猿ぐつわのように噛ませる。
更に、身長対策として、所謂ヒトイヌ状態で入って貰う事にする。
膝を折り曲げ、バンドで締めて、そうした状態を作ってから着ぐるみに入って貰う。
「コレで本当に着るのか?」女の子は訝しむが、膝に当たる部分は丈夫なゲルで支えるし、靴底もしっかり作ってあるから安心だという。
尤も、断れない理由もあった。子供っぽく見えて、なかなか仕事の決まらない自分を雇ってくれたこと、また、ヘッドが完成した時に「可愛い! 絶対自分が着る!」と言ってしまったからである。
ピンクのもふもふとしたそれは、どう考えても、可愛い以上の形容詞が見当たらなかったからである。
何はともあれ、着る以外の選択肢はない。
手伝われながら、足を通し、腕を通し、チャックを閉めると、頭部を被る。
頭は、見えない所で鍵を掛けて固定され、乱暴な人に頭を取られる心配もないのだ。
さて、着てみると意外に歩けるものである。これは、単に、彼女の運動神経がよかったからであるのだが、とは言え、それでも練習が必要であった。
練習中は、鏡の前に立つのが大好きであった。
ボディも丸っこいデザインで、自分の事ながら抱きつきたくなるのだ。
身長は100cmほどだ。歩き方もあどけなく、ロボットなのではないかと思うほどだ。
その人間っぽさのない具合を見ると、むしろ興奮してくるほどである。
(続きました)
[[jumpuri: 着ぐるみ噺3-2> https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8347030]]
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