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兄弟同然のレッサーパンダ獣人にシロクマ獣人が合格お祝いご褒美セックスしてもらう話

  ◇◇◇

  

  春はまだ遠い。

  抑えられた灯りの中で、カリカリとペン先が紙を擦る音が聞こえている。

  ほの明るい1LDKの洋室で、体の大きなシロクマ獣人が背中をまるめて机に向かっていた。

  手元には付箋が所狭しと貼られた参考書が広げられていて、問題集の上にペンを走らせながら時折、苦しげに頭を傾げて低く唸る。

  真冬の深夜。だというのに、窓の外からは微かに浮かれた人の声が聞こえてくるが、集中している彼の耳には入ってこないのか。その視線は、ただただ手元の文字を追って動き続けていた。その目つきといえば、まるで問題集を視線だけでビリビリに破り裂いてしまいそうなほどに鋭く、気の弱い人なら今の彼に話しかけられただけで泣き出してしまうかもしれない。

  高校のラグビーで鍛えた体に厳つい顔立ち。風貌から受ける印象の通り、あまり勉強が得意ではないのだろう仏頂面をした彼が勉学に勤しんでいる光景は、いささかアンバランスなようにも見える。

  だがそれでも、机に向かうその表情は真剣そのもので、誰も彼を見て勉強が似合わないなどと茶化す事は出来ないだろう。

  「ラクトくん、年越しそばできたよ」

  そんな彼に朗らかな調子で柔らかい声が掛けられた。白い毛に包まれた耳をピクピクと動かしてからゆっくりと視線を上げると、そこにはリビングへと続くドアから、小柄なレッサーパンダ獣人がひょっこりと顔を出していた。

  「あ、ごめん。ワイス兄ちゃん。もうそんな時間か……」

  ラクトと呼ばれたシロクマ獣人は、きっとドアを開ける前にノックをしてくれていたのだろう、レッサーパンダ――ワイスにそう謝りながら手元の問題集を閉じて、椅子を引いて「くう……っ」と声を漏らしながらぐぐっと背伸びをした。

  背中を丸めていた体が広がると、彼のガタイの良さが更に映えるようだった。

  そんな体の大きなラクトに反して、ちんまりとしていてぽっちゃりとした体型のワイスは、むしろ、彼のほうが弟だと言われた方がしっくり来るだろう。

  だが、二人共その呼び名に何も疑問らしいものを覚えた様子はなかった。

  「すごい集中してたね」

  「うん、もうすぐだし」

  「そうだね……、もうすぐ――試験だ」

  ワイスは、感慨深そうに目を細めると、壁にかけてあるカレンダーに目を向けた。少し早めに1月に変更したカレンダー。その下の小さく載っている来月の中頃に、赤いペンで印を点けられた日付がある。

  2月の半ば――それは、ワイスが通う大学の入試日だ。それは同時に、ラクトの最後の勝負日でもある。

  そう。ラクトはワイスの通う大学を目指し、受験勉強を追い込んでいる時期だったのだ。

  「ラクトくんがウチに来て、もうすぐ一年経つんだね」

  「……ん」

  「ふふ、あと少し頑張ろうね」

  と微笑むワイスの笑顔に、ラクトは胸を掴まれるような痛みを覚えながら、それを悟られないように顔を顰めて頷いた。

  「ほら、ラクトくん。おそば冷めちゃうよ」

  そう言ってリビングへと帰っていくワイスに、ラクトは少し淋しげな表情を瞳に浮かべながら、ゆっくりと椅子から立ち上がる。

  ギシリと、ラクトの体重を支えていた椅子が軋みを上げる。

  ラクトとワイルは本当の兄弟ではない。だが、家が近く、親同士も仲が良かったせいもあって、兄弟同然に育ってきた間柄だ。

  一つ年上のレッサーパンダ獣人、ワイル。

  そして、彼を『兄ちゃん』と呼んで慕っているラクト。

  体格差はどんどんと広がっていく中で、それでも、二人は疎遠になる――というような事は一切なかった。事あるごとに互いの家に泊まりにも行っていたし、学校の行き帰りもよく一緒だった。

  仲の良い二人。二人の周りもそんな認識だった。

  だが。

  成長していくにつれて、ラクトにとってワイルという存在は、ただ仲の良い親友というだけの相手ではなくなっていった。

  始まりは、小学校の高学年頃。ラクトがその強面のせいで転向してきたクラスメートを泣かせてしまい虐めたと勘違いされてしまい、引きこもりがちになっていた時。

  そんな彼をワイルが手を引いて、よく外に連れ出してくれたのだ。

  「僕はカッコいいと思うけどな。キリッとしてて」

  ワイルにとっては何気なく放った言葉なのだろうが、自分の外見や体が『悪いもの』なんだと罪悪感に苛まれていたラクトには、彼のその言葉はまさしく救いの一言だった。

  俺を認めてくれる人もいるんだと。

  きっとそれからだったのだろう。ラクトにとってワイルは特別な存在だった。いつも一緒にいてくれる、誰よりも大切で大好きな『兄ちゃん』

  膨らんでいく想いは、それでも自覚に至るまでは長かった。

  成績の良かったワイルは進学校に入り、あまり得意じゃなかったラクトはそこまでレベルの高くない地元の高校に通い始めても尚、ラクトはその感情に気づくことはなかった。

  家は近くでよく会っていたし、ラクト自身、ラグビー部に入って忙しくしていた、という理由もあるだろう。

  「……ぁ」

  その自覚は唐突に訪れた。

  ラクトが高校三年に上がる、少し前だ。

  ワイルが都内の大学に合格し、一人暮らしを始める為に準備をしていた最中。それを手伝っていたラクトは、ふとどうしようもない喪失感に見舞われたのだ。

  彼に、年に数回も会えなくなってしまう。

  「俺、兄ちゃんのこと……」

  呆然とベッドの中で静かに涙を流し、その喪失感が何かということに気付いた。

  それが、恋心なんだと。

  だが、もうその事を整理し終えた頃には、ワイルはラクトの近くからはいなくなってしまっていた。そこからの変化は、ラクトの両親をして「頭でもうったんだろうか」と首を傾げるほどだったという。

  ラクトはそれまでなあなあで済ませていた勉強に打ち込み始め、大学を受験したいと両親に訴えかけたのだ。

  身を入れていたラグビー部の経験からスポーツ学を学びたいという正当な理由もあった。だが、本当の理由は他でもない。

  ワイルの近くにいたい。

  それが一番の理由だった。

  

  「……」

  そして、合格発表の日。

  ワイルはネットで合格発表を見ることもなく、大学へと向かっていた。ただ待つだけなんて出来なかった、数日間落ち着かない心地のままで家を出て、彼は大学の構内に張り出される合格者番号を確かめに行ったのだ。

  誰よりも先にワイルに報告し、そして、彼に会いたいと。

  そして、掲示板の前に立ち、ラクトは呆然と2つの数字を見つめていた。ラクトに割り振られた番号、昇順で並ぶ番号の中でその2つの間に挟まっているだろう数字は、小さな隙間に押しつぶされていた。

  ラクトの受験者番号は、合格者発表には載っていなかった。

  ◇◇◇

  そして、一年の月日が経ち――翌年の合格発表、その当日。

  

  「お、誰もいない。まあ、授業もないし当然か」

  とワイルは、大学校舎内の教室を覗き込んで、尻尾をゆらゆらを揺らして中に入っていった。

  30人ほどが座れるだろう小規模な教室だ。中には誰もおらず、他の並んでいる教室にも人の気配は全く無かった。

  「この空き教室、去年も来たの覚えてる?」

  とワイルが肩越しに問いかける。

  「あの時はラクトくんの番号あるかなって見に行ったら本人がいるんだもん。僕ビックリしちゃ――」

  去年も、この教室には誰もいなかった。茫然自失としたラクトを連れてきたのもワイルだった。

  ラクトはそこでバイトしながらでも一緒に暮らしたい、としゃくり上げながら語り、ワイルがそれを拒んでいた。そして、浪人したとしてももう一年、頑張ろうと告げたのだ。

  両親の説得にも付き合ってくれたワイルは、彼の学生マンションの一室で同棲しながら家庭教師としてラクトの勉強を見てくれた。

  そして、今日。

  ワイスがクスクスと思い出し笑いをしながら後ろに追いてきているラクトを振り返る、その瞬間。

  「わぶ」

  ラクトの大きな身体に、ワイスの体はすっぽりと包みこまれていた。

  零れる涙の雫に一瞬だけ目を見開いたワイスは見なかったようにしてその体に体重を預ける。まるで襲いかかるかのようなハグに、ワイスは大きなシロクマ獣人を抱き返した。

  その涙は去年のものとは意味が違う――喜びの涙だ。

  「合格おめでとう、ラクトくん」

  「う゛ん……っ、兄ちゃん、の……おかげで……ッ、ありがと……ッ」

  「頑張ったのはラクトくんだよ、僕は少し応援してただけなんだから」

  「……っ、んぅ……ッ! ……ぁ、待っ、兄ちゃ……」

  「んどうしたの、ラクトく――あ」

  言葉すら出ずこくこくと頷くしか出来ないラクトを更にぎゅうと抱きしめるワイルを、そっとラクトが止めようとする。そんなラクトに首を傾げたワイスだったが、なにかに納得したようにして少し体を離して、少し視線を下に向けていた。

  「ごめん……兄ちゃん、おれ……」

  密着した体の境目で、徐々に膨らんでいくその感触にワイスも気づいたのだろう。

  ラクトはもうここしかないと口を開いた。

  このタイミングで言い出すのは卑怯かもしれない。顔を真赤に染めながら、ラクトは眉尻を下げて、それでも抑えきれない熱情を瞳に燃え上がらせる。

  その、瞳には他でもない。目の前の小柄なレッサーパンダが映っていた。

  「おれ、兄ちゃんのこと……ずっと……」

  「待って」

  「え……?」

  告白の言葉を止められたラクトの表情が曇る。聞きたくなかったんだろうか、弟のように思っていた相手から、実は恋心を抱かれていただなんて事は。

  喜びではない涙が滲み上がってくる。いつもはそんなに涙もろい事はないのに、今日に限っては涙腺が緩みきっているようだ。

  だが、そんな緩みきった涙腺から涙はそれ以上出てこなかった。

  「ここ、……こんなにしながら言われちゃ、ムードがないでしょ」

  「ぇ、兄ちゃ……っ?」

  代わりに口から飛び出したのは、困惑の声だった。

  ワイスの小さな手が、ラクトのジャージを押し上げる屹立を撫でていた。それを認識しただけで、ラクトは絶頂しそうにすらなりそうだった。

  この一年間、ずっと妄想していたような光景が眼下に繰り広げられている。

  布を突き破らんばかりに怒張するその漲りに身を屈めたワイスが、ジャージ越しにくっきり浮かんだ雁首に口づけをする。

  「あ、え……夢……っ? まさか、合格も、俺……してなかったり……」

  「なにそれ、そんな訳ないよ。ちゃんと朝起こしてあげたでしょ」

  「だって、……兄ちゃんが、俺のチンコ……っ、そんな、事って……ッ」

  思わずしどろもどろになるラクト。

  道を歩けば自然と道が出来るような強面のシロクマ獣人が、顔を真赤にしてうろたえている姿はどこか滑稽でワイスは思わず吹き出してしまう。

  「頑張ったご褒美だよ。あと、それに……」

  だが、その後のラクトの言葉に少し恥ずかしそうに視線を逸らしたかと思えば、小さく言い訳をするようにこう言った。

  「僕だって、……ずっと我慢してたんだか、らっ!?」

  その言葉に、気付けばラクトはワイスの体を抱きあげていた。軽々と持ち上がるワイルの体から、生々しい熱が伝わってくる。

  もう我慢なんてできない。

  ラクトは硬く胸に触れているワイス自身の雄熱を確かに感じながら、彼を机に押し倒していた。

  ◇◇◇

  ワイスはそのまん丸としたお尻を突き出すように、机に手をついていた。受け入れるように背中側に持ち上がったレッサーパンダの大きな尻尾が恥ずかしげにピクピクと揺れている。

  それもそのはず。ジャージから取り出した雄茎を握りしめながら、ラクトがワイスの秘部を食い入るように眺めて、これから己の中に挿入ってくるのだろう肉竿をグチュグチュと磨いているのだから。

  「ん、……ぁ、鼻息、当たってるよ……ラクトくん」

  「だって、兄ちゃんのケツ。エロくって……」

  丸いお尻の双肉を掴んで谷を割り開けば、その奥に今か今かと来訪者を待ちわびるような窄みがある。

  それはまるで、雄を誘う雌のようですらあった。

  ラクト自身あまり知らないが、普通雄の菊穴なんてものはこんなに艶やかで淫猥なものなのだろうか。

  「……帰ったら、僕がラクトくんを襲うつもりだったの。だから……早起きして解してあ、るぅ……ッ!?」

  「ん、……ぁふぁ……ひくひくぃへう」

  「ラクトく、……舐め……っ、ぁ……ん……」

  ラクトはワイスの言葉の途中で、むっちりとした尻肉を押し拡げて、その綺麗な雄膣へ躊躇いなく舌を差し込んでいた。

  表面をなぞるように舐めた後にゆっくりと中へと押し込んでいく。ラクトのそれを飲み込む為に解されているそこは、芯を持たない舌であっても少し強めに押し込めば、その窄みの中へと招き入れてくれていた。

  敏感なワイスの声が、誰もいない教室に響き渡る。

  「んぁ、……兄ちゃん、エロい顔してる」

  「……ラクトくんの、方が……えっちな顔だよ」

  蕩けきった表情を見せるワイスに、舌を引き抜いたラクトが余裕のない声で言う。

  「……もう、挿れていい?」

  「うん……いいよ。ぼくも、ラクトくんが欲しくてたまんないから……」

  その誘うような言葉にラクトの理性が焼き切れる。ワイスを気遣って、紳士的にゆっくり進めよう、などと考えていた展望は瞬く間に頭から消え失せてしまった。

  そうして残るのは、真っ白な灰を残すばかりに燃え盛る情欲の炎だ。

  ワイスが欲しい。

  ワイスを自分のものにしたい。

  その欲求に煽り立てられるがままに、ラクトは机に突っ伏す体勢のワイスに覆い被さり、その雄膣に怒張した肉茎を宛がい――そして一気に押し込んだ。

  「ん、ぁあ……ッらく、と……っく……ッン゛ん……っ!」

  熱い粘膜が、ラクトの剛直を包みこんで、脳内が真っ白に染め上げられる。気を抜けばそれだけでワイスの中に果ててしまいそうな程の快感。

  だが、この幸福な時間をたったこれだけで終わらせてしまうのは勿体ないにもほどがある。ラクトは、雄としての本能を抑え込みながら奥へと更に、剛直を突き進めていく。

  「んぁ……っ、ふ、んんッ……。兄ちゃん……の中、熱、くて……締まる……っ」

  この一年。どれだけ我慢しただろうか。

  テレビを見ている時、しっとりと全身を湿らせたお風呂上がりのワイスがラフな姿のままラクトの膝の上に乗っかって来た時もあった。

  模試問題集を解いている間に採点の為に待機していたワイスが、ラクトのベッドで寝落ちしてしまっていた時もあった。

  あの時も、その時も。この一年で数え切れない程、ラクトは己の理性を試されているような状況で、血涙を流すように劣情を抑え続けてきたのだ。

  ラクトが力任せにワイスを押し倒せば、小柄な彼に抵抗なんてできるはずも無い。

  だから、だからこそ、絶対にラクトはワイスを襲うことは出来なかった。

  そんな事をしてしまえば、ラクトが好きなワイスはもう、ラクトの前に現れてくれなくなると分かりきっていたから。

  だけど、もう、そんな心配はいらない。

  「んぉ……っ」

  「くぅ……っァ……、おっき……ぃ」

  ワイスの口から漏れた嬌声は苦しげで、だが同時にどこか悦びが滲んでいる。その声音に、ラクトの欲望が更に強く掻き立てられていく。もっと。もっともっと、ワイスのエロい声を聞きたい。

  自分の肉竿で体を震わせるワイスが愛おしい。ピッタリとむちむちとした柔らかいお尻に腰を密着させれば、ラクトの剛直を肉襞がキュウキュウと締め上げてくる。無数の襞がラクトの形を覚え込もうと抱きしめてくる。

  それを無理やり引き剥がすように腰を引いては、また、柔らかな肉壺の中へと押し戻していった。その度、ワイルの背中の被毛がぞわりと波打つように逆立っていく。

  「……っ、兄ちゃん、……気持ち、良い……?」

  「分かんな……っ、お腹、ギュウギュウして……ッ、わかんない、けど……っぁあ……ッ」

  ワイスが机に着いた手に、ぎゅうと力が篭る。

  そんなワイスの言葉にラクトは腰を引いて、そしてまた押し込んでいく。その繰り返し。それだけでも、もうラクトには限界が近づいていた。

  我慢なんて出来ない。

  「ラクトくんの、ちんちんだと……思うと……ん、……ッ、なんか、……っお腹の奥、熱くなる……んだ……っ」

  「……っ」

  「だから、もっと突いて、いいァあッ……んぁ!? んぅ、くぅ……ッ」

  ワイスの言葉は最後まで言わせなかった。

  奥まで押し込んだ肉茎で、ラクトの恥骨がワイスのお尻と密着する程に激しく貫き続ける。雄膣は剛直を抱き締める度に形を変えて、その襞を不規則に蠢かせる。まるで一つの生き物になったかのようにうねりながらラクトの雄竿を撫で回し、雁首に絡みつく。

  接合部からビリビリと堪えようもない快楽が背筋を駆け巡り、ラクトの脳髄を痺れさせていく。

  熱に侵されているようだ。ぼうっとする頭の中で、鮮明に絶頂の気配だけがラクトの中で膨らんでいく。

  「兄ちゃん……ッ、イクよ。俺……兄ちゃんの、ナカ……ッ」

  「ん……ぅ……、うん……っいい、よ……ッ」

  口が空気を求めて開きっぱなしになりながらも、辛うじて声を吐き出してくれる。ワイルの声も上ずっている。ラクトが抽挿を繰り返す度跳ねる嬌声にすら、ラクトの劣情は敏感に反応して上り詰めていく。

  ワイスの嬌声が大きくなると共に、ラクトは更に激しく腰を押し込んだ。ペニスの形を覚えるようにぴったりと密着する雄膣を押し拡げ、その奥深くまでを剛直で貫いていく。

  そして。

  「兄ちゃん、……おれ、もう……っ」

  「きて、ラクトくん……ッ……僕、も……っ」

  「んぐ、ぅおおっ……ぉ、おお……っ!」

  その懇願が聞こえてすぐ。ワイスの中に熱い欲望を吐き出した。ドクンドクンと脈打ちながら注ぎ込まれる白濁の粘液が、雄膣に収まりきらずに溢れ出す。

  その熱を受け止めながら、ワイスも絶頂を迎えていたようで、机に向かってびゅるびゅると白濁を吐き出していた。

  「はあ、……っ、は……兄ちゃん、ごめん……大丈夫?」

  ズルリ、と肉竿を引き抜いたラクトは、汚してしまった教室よりも先に、欲のままに堪能してしまったワイルにおずおずと声をかけた。

  だが、当の本人は体を起き上がらせると机に腰掛け、ラクトのそんな心配を他所に朗らかに笑っていた。

  「へへ、僕の処女……ラクトくんにあげちゃった……っ」

  「ぇ、……俺が、初めて……?」

  「……いくら兄弟同然だって言ってもね。そんな簡単に同じ部屋に住んで、一年間タダで家庭教師なんてしないよ」

  馴らしていた。と聞いて、もしかして他の誰かとこういう事をしたことがあるんじゃないか。と頭の隅で考えてしまっていたラクトは、ワイルの言葉に目を見開いてしまう。

  そんなラクトの反応にワイルは、少し拗ねたように口を尖らせてしまった。

  「分かるでしょ?」

  穏やかに言うワイルの声は、いつものほんわかとした口調だ。だが、ラクトには何処か不安に揺れているような気がして、ワイルの手を包むように握りしめた。

  ワイルの喉がゴクリと唾を飲み込むように上下する。

  「兄ちゃん、俺……兄ちゃんの事が」

  ラクトは一拍置いて、ワイルの目を正面から見つめた。ラクトの目つきを真正面から受け止めるワイルはいつも通りの優しい笑顔を見せている。

  改めて、思う。

  俺は、この笑顔が誰よりも。

  「好きなんだ」

  そう言って。

  そして、急に恥ずかしくなったラクトは、目を瞑りワイルにキスをした。

  触れるだけのキスからゆっくりと舌を絡めていき、互いに探るように音にならない言葉を交わす。そうやって互いに互いの熱を確かめあった後、離れていく舌の間に渡された糸の橋がちぎれるのを待ってからワイルは、ラクトを目を見てこう言った。

  「僕も、好きだよ」

  二人はそうして、再び体を重ね合わせる。互いに満足するまで、何度も、何度も。

  窓の外では、まだ冷える風が枝を緩やかに揺らしている。その桜の枝に蕾が膨らみ始めていた。

  新しい生活が芽吹きはじめている。

  春はもう、そこまでやってきていた。

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