大地の悪熊、覚醒す 〜 地震怪人ランドグリズリー 〜

  「ウガァァァァァァォォォォオオ!!」

  大地を揺さんばかりの咆哮。

  それは聞くもの全てを震え上がらせ、慄かせるのに十分な覇気であった。

  「お、おい……あれが武蔵だっていうのかよ?冗談キツすぎるぜ」

  「そうでないことを祈りたいが、おそらくは……ともかく奴を正気に戻すぞ」

  ランドイエローと呼ばれたヒーローだった[[rb:存在 > 熊怪人]]は、[[rb:仲間だった者 > ヒーロー]]達をギロリと睨みつける。と、ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべたスメルスカンクが熊怪人に近づいていく。

  「グヘヘ、簡易怪人化薬でもちゃんと怪人になるんだベナ?さぁさぁ、イビルフロッグ様より授かったその力でアイツらをブチのめして……グヘェェ!?」

  「グガァァァッ!!」

  馴れ馴れしく近づいてきたスメルスカンクをギロリと睨みつけた熊怪人は、太い腕を横薙ぎに払いスメルスカンクを吹き飛ばしてしまう。

  「な、なんダベさ!コイツぁ、見境がねぇベ……イデデッ……獣戦闘員ども、ココは撤退だべェ!」

  「ギイ"ィ"ィ"ィ"イ"!」

  スメルスカンクに命じられた黒タイツ戦闘員が異次元ゲートを開き、腰を抜かして立てなくなったスメルスカンクを抱えてゲートをくぐっていく。

  ゲートが消え去り、残されたのは熊怪人とティア・ガーディアンズのヒーロー達だけとなった。

  「自我を失くしてるのか?」

  「おい、武蔵!てめぇ、何を寝惚けてんだ。そんな姿おまえに似合わねぇんだよ!」

  「グルルルゥゥゥゥ」

  仲間達の声にも耳を貸さず、口元から涎を垂らしながら禍々しいオーラーを放つ熊怪人は棍棒のように太い腕を振り上げ―――

  「ウガァァァアア!!」

  地面に叩きつけた。刹那、怪物の唸り声のような地鳴りが聞こえ、大地が大きく揺れ始める。

  「地震だと……まさか、こいつ」

  「ああ、大地のガイアを使っている。しかも、武蔵の何倍にも強力な……!」

  人為的に引き起こされた地震は街路樹を倒し、建物を崩壊させていく。

  ファイアレッドは揺れから逃れる度に翼を広げて宙に逃れるが、ブルーウインドと弁慶はそうもいかないため踏ん張る他なかった。

  「グオォォォォ!」

  地震により足元がおぼつかないウインドブルーに向けて熊怪人は咆哮とともに、その巨体を走らせた。怪人化により増強された脚力で地面を蹴れば、その巨体からは想像もつかない速さで突進していく。

  「ウインドブルー、避けろ!」

  「くっ、ダメだ……!地面が揺れて」

  激しい揺れに足がもつれたブルーウインドがその場で転んでしまう。

  熊怪人がウインドブルーに衝突せんとし、もう一度地面を蹴る。その後すぐに肉と肉がぶつかる鈍い音が辺りに響いた……

  しかし、そこにウインドブルーは健在だった。ウインドブルーは自分の目の前に立ち塞がったゴリラ獣人・轟 弁慶の背中を唖然とした表情で見つめていた。

  「はぁ、はぁ……やめてくれ、先輩……!あんた、そんなんじゃないだろ!?」

  「弁慶おまえ、その傷……」

  大地の揺れに踏ん張りが利かずに倒れてしまったブルーウインドは弁慶の姿を見て思わず絶句した。

  巨体の突進をその身1つで抑え込んだため、体に身につけていたプロテクターは破損し、熊怪人の鋭い爪が食い込んだ部分からは赤い血が流れ落ちていた。

  しかし、太い脚で地面に踏ん張り、その胸で熊怪人の体を必死に抑え込む力を弱めることはなかった。

  「グルルルゥゥゥ……」

  「あんたが仲間を傷つけるところなんて見てられねぇよ……頼む先輩、正気に戻ってくれ」

  「ウガッ……アガッ……べ、ベンケ……」

  正気を失くしていた熊怪人の瞳に光が宿り、力が弱まっていく。と、見る見る熊怪人の姿が縮んでいくと同時に激しい蒸気が再び上がる。

  白い靄が晴れた後、そこには裸の武蔵が倒れていた。

  「先輩、元に戻って……よかった……」

  気を失った武蔵を抱き止める形となった弁慶もまたその場で気を失い倒れ伏してしまった。

  急激に太くなった腕に弾けて破損したガイアチェンジャーは輝きを失い、倒れ伏す2人の傍らに落ちていた。

  ――――――――――――

  「イビルフロッグ様ぁ、オラぁ頑張ったんだけんど、ヒーローの小僧さ連れて来れなかったダァ」

  タイラントの基地。イビルフロッグの研究室に戻ったスメルスカンクは悔しそうな声を漏らしながら作戦失敗の報告をする。

  下僕である怪人が跪いて報告する様子を見下ろすイビルフロッグの表情は、しかし余裕を感じさせるものであった。

  「ゲココ!簡易怪人化薬を打てたのだから上出来ゲコォ」

  「だけんど、アレもすぐ解けちまったみたいでネェカ?」

  「さすがヒーロー、どうやら怪人化にある程度の耐性を持っているようゲコな……だが、このイビルフロッグを舐めるなゲコ。一度怪人となった体が、すぐに元通りになる訳がなかろうゲロ。それに……」

  スメルスカンクから視線を動かした先のモニターに映るのは、先ほど破壊の限りを尽くした熊怪人の映像が流れている。

  怪人化により増強された身体能力が、秘めていた大地のガイアを引き出したのであろう。

  その力を存分に振るう熊怪人の顔は歪んだ笑みを浮かべているのを捉えていた。

  「間違いない、必ずコイツは力と欲望に溺れる……ゲコ」

  [newpage]

  ランドイエロー怪人化事件から1週間が経った。

  あの日、ティア・ガーディアンズの基地に運ばれたランドイエロー……武蔵は綿密なメディカルチェックを受けることになった。

  怪人化による身体への影響を鑑みてのことだ。

  そして、今回の一件を受けて武蔵には1週間の謹慎処分が下されることになった。

  ティア・ガーディアンズ基地の司令室にて、謹慎処分を命じる辞令に判子を捺した土佐司令官は深くため息をつく。

  「まさか、ヒーローを怪人化させてしまうとは……タイラントの怪人め、なんと卑劣なことよ」

  「身近にいながら異変に気づけなかったリーダーの俺の責任です。申し訳ありませんでした」

  机を挟んで直立不動に立つ疾風も普段の無表情ではなく、神妙な顔つきで頭を下げていた。

  「疾風、おまえもまだ若い。街への被害は大きかったが武蔵も戻ってきたのだから、そう気にすることでない。今回の失敗を糧に励めば良いのじゃ。それより武蔵の調子はどうじゃ?」

  「まだ医務室で療養しております。メディカルチェックの結果、外観上で怪人化の後遺症はないようでした。あとは脳検査の結果待ちですが、これにはまだ時間がかかるようです」

  「そうか……なんともないと良いのじゃがな……」

  話し終えた土佐司令官が鼻をヒクヒクと動かす。

  この動作は彼が何か悪い予感を覚えている時の癖だと知っていた疾風は、背中にゾクリとするものを感じながら部屋を後にするのであった。

  ―――――――――――――

  「よう、武蔵!まだしばらく入院みてぇだな。暇で暇で仕方がねぇだろうから、俺様がとっておきのブツを持ってきてやったぜ」

  医務室にドカドカと入り込んだ翔真はニヤニヤと笑いながら大量のAVやエロ本をベッドの上に広げるのであった。

  「闇市で極秘で手に入れたんだぜ?ほら、これなんておめぇのタイプの爆乳の熊ねぇちゃんが出てるみてーだぞ」

  「ショーマ……おいら、そういう気分じゃねぇんだけど」

  「へっ、なぁに繊細ぶってんだ?図太いのがおまえのいいところだろ。そんなことより……んっ?」

  翔真のガイアチェンジャーが けたたましいエマージェンシーコールを告げる。どうやら、どこかでタイラントの怪人が出現したようだ。

  「わりぃ、ちょっくら言ってくるわ」

  「おいらも……あっ」

  武蔵はヒーローになってから片時も外していなかったガイアチェンジャーを身につけていないことに気づいた。

  「……あの時、故障しちまったみたいだ。安心しろ、土佐のジジイが修理してくれてる。おまえは少し休んどけ。いいか、1人で気負うんじゃねぇぞ」

  そう言うと、翔真は医務室から飛び出していった。1人取り残された武蔵は翔真の見舞いの品を眺めた。

  パッケージには官能的な表情を浮かべ、艶めかしい裸体を晒す雌の熊獣人が映されている。

  しかし、武蔵はそれを見ても何も感じなくなっていたのだ。股間の性器はピクリとも反応せず、雄と雌が絡み合うシーンなど全く見たいと思えなくなっていた。

  エロ本をパラパラと捲れば、さらにおかしいことに気づく。武蔵の視線は嘘くさい表情で感じている雌熊獣人よりも、その相手役の腹の出た中年熊獣人に目が行ってしまうのだ。

  「おいら、どうして……」

  と、再び医務室の扉が開く。

  大きな体躯を揺らしながら医務室に入ってきたのはヒーロー部隊長・鮫島海蔵だった。

  「入るぞ、武蔵……なんじゃこの不埒なものは!」

  「ちがっ……!これはショーマが」

  ベッドに広げられたAVやエロ本の数々を見て鬼瓦のような顔をさらに険しくする海蔵を見て、慌てふためく武蔵。しかし、海蔵はすぐに表情を和らげた。

  「わははは!わかっとるわぃ。あいつは表現が不器用じゃからのぅ。なんだかんだ、おぬしのことを心配しとるんじゃよ」

  快活な笑い声を上げながら椅子に座った海蔵は武蔵に向き直ると再び表情を険しくした。

  「武蔵、敵の術中にハマるとは情けないことじゃ。しかも、それをわしらに相談もせず、さらに被害を増やしてしまったことは由々しきことじゃ」

  「……おいら、ヒーロー失格ってことか?」

  「そう早まるでない。早とちりはおぬしの悪い癖じゃ。しかし、敵の策略を見抜けんかったわしらにも責任はある」

  「謹慎1週間、それが今回おまえに課された罰じゃ。1週間後にはヒーロー部隊に復隊してもらう。それまでゆっくり休んでおれ」

  「鮫島の……おやっさん……はぁはぁ♡」

  「ん、どうしたんじゃ武蔵?息が荒いようじゃが」

  「いや、なんでもねぇ!おやっさん、面目ねぇ……おいら、しっかり反省するから……また、みんな………ヒーローとして受け入れてくれるかな」

  「わははは、当然じゃ!おまえは市民からの……特に子ども達からも人気のヒーローじゃからな。きっとおまえの復帰を待ち望んでおるよ。それじゃあの、武蔵。しっかり休むんじゃぞ」

  海蔵が医務室を後にする。

  と、武蔵は途中から会話に集中できなくなっていた。厳つく雄臭い顔、身に纏ったティア・ガーディアンズの制服の腹部は加齢で でっぷりと肥えておりボタンがはち切れそうになっていた、水棲類特有のツルッとした肌質……見慣れていたはずの姿なのに、なぜか異様な性的興奮を覚えている自分に気づいてしまったのだ。

  「おいら、鮫島のおやっさん見て……興奮したっていうのかよ……♡はぁ……♡はぁ♡なんでだよ、なんで……クソッ♡」

  気づけば武蔵は、病院衣の下衣とパンツを下ろしてギンギンに血の滾ったチンポを扱き始めていた。

  [newpage]

  それから6日が過ぎた。

  破損したガイアチェンジャーの修理も終わり、武蔵の脳検査の結果も本日中に出るとの報告があった。

  しかし―――

  「はぁはぁ……あっ、ダメだ♡またイクッ♡」

  ビュルルルル!

  医務室のベッドの上、武蔵は秘密裏に入手した雄獣人同士が交わるAVを流しながら自慰に耽っていた。

  見舞いに来る仲間達(雄獣人限定であるが)に対して迷惑をかけた罪悪感以上の性的興奮を覚え、その都度チンポを勃起させていた。

  見舞客が去れば、なんとか気を紛らわそうと入手したAVを見て自慰に耽るという日々を送っていた。

  「このままじゃ、おいら……まともにヒーローなんてできねぇよ」

  今は自分で処理しているから良いが、もし仲間や市民に対して性的興奮を覚えてしまった時に理性を保っていられるんだろうか……放った獣精やチンポをティッシュで拭っていると医務室の扉がノックする音が聞こえる。慌ててティッシュをゴミ箱に捨ててベッドを整える。

  「先輩、入りますよ?」

  「べ、ベンケイ……?おお、入ってくれ」

  扉を開けるとゴリラ獣人の轟 弁慶がひょっこりと顔を覗かせた。なぜか汗だくの柔道着を着たまま部屋に入ってくる。

  雄の汗のツンとした匂いは今の武蔵にとっては毒そのものであった。

  「おまえ、なんで柔道着なんだよ?」

  「なんでって……あんたが子ども達に柔道を教える約束してたからって代理をお願いして来ただろうがよ」

  「そ、そうだったな、すまねぇ……それより腹の傷は大丈夫なのか?」

  怪人となった時の記憶はおぼろげであるが、自分を止めるために弁慶が怪我をした報告は受けている。

  何度も謝罪しているが「大丈夫」の一点張りで、逆に心配になってしまうのが武蔵の人となりであった。

  「大丈夫ですよ、先輩。ほら、この通り……傷も塞がってますから」

  帯を解いて腹の傷を見せる弁慶。たしかに傷は塞がっているようだった。

  しかし、武蔵の視線はその上……たくましい胸筋と褐色の乳首に釘付けになっていた。

  「ふーー……ふぅーーーー♡」

  「先輩どうしたんだ。鼻息が荒いぞ……もしかして、どこか悪いのか!?医者を呼ぶか?」

  「ちげぇ……♡そうじゃねぇんだ……!弁慶、その……だめだ、近寄るな……」

  ベッドの上で俯いてしまった武蔵に駆け寄る弁慶、彼の背中を心配そうにさする彼はふと異変に気づいてしまった。

  「先輩、その……なんで興奮してるんですかぃ?」

  「はぁ♡はぁ♡くそっ……もうダメだぁぁ!」

  近づいてきた弁慶の汗の匂いを直に嗅いだ武蔵の[[rb:箍 > タガ]]は外れてしまった。

  弁慶の道着の前襟を掴むとベッドに引き込み、寝技の要領で武蔵が上からのしかかる態勢になった。

  「ふー♡ふー♡ベンケイ、すまねぇ……もうおいら、我慢できねぇ……」

  「せ、先輩……!?いったいどうしたってんだ?柔道なら体をちゃんと治してからで……んっ……んんっ!?」

  弁慶が喋っている最中だというのに、武蔵は弁慶の首筋にマズルを埋めて舌で汗の雫を甜め始める。

  「せ、先輩!変な冗談ならやめてくれ……!んっ、んぁ!?」

  自分の太腿に硬くて熱いモノが当たっていることに気づいた弁慶は素っ頓狂な声を上げる。そして、武蔵が自分に対して欲情していることに気づいてしまったのだ。

  「はぁ♡はぁ♡ペロッ……ベロッ……ベンケイ、ベンケイ……♡」

  「先輩、俺のこと……そういう風に思って……」

  武蔵の愛撫を受けながら弁慶の鼓動が高鳴る。複雑な思いを抱えながらも、自分にのしかかる武蔵の背中に手を回して抱きしめる。

  「ん、んぁ?♡ベンケイ……?」

  「先輩……俺は嬉しいです」

  後輩の行動に困惑して動きが止まる武蔵に対して、弁慶の厳つい顔が緊張で強ばっている。

  そして、武蔵もまた同じように自分の太腿に熱くて硬いナニが当たっていることに気づいてしまったのだ。

  「もしかして、おまえ……おいらのこと……」

  「……はい、すみません」

  ベッドの上、互いの息がかかる距離で喋る2人。柔道の組手や寝技の時、よく起きるシチュエーションだというのにこうも違うものなのか。

  間近で見つめ合い、互いに瞳を閉じて……

  「だ、ダメだ……!わ、わりぃ弁慶……おいら、そんなつもりじゃ……冗談、そう冗談なんだよ……!」

  武蔵は怖じ気ついてしまった。いや、後輩の真摯な思いに性欲に塗れた今の自分が答えるのは失礼ではないか……そう考えたものの混乱も相まって弁慶から飛びのくようにベッドから降り、誤魔化すために茶化すような態度を取った。

  それが良くなかった。

  「先輩……あんた、最低だよ。俺の気持ちを弄んで……」

  「べ、ベンケイ……?」

  ベッドの上で弁慶は緑色の瞳を潤ませていた。彼にとって、武蔵の発言は裏切りの他なかったのであろう。

  6年の付き合いの中、弁慶にこんな表情をさせてしまったのは初めてのことだった。

  ―――ああ、どうしておいらは今まで気づかなかったんだ。

  この時、武蔵は自分が彼に向けていた思いに初めて気づいたが、時すでに遅しだった

  「ベンケイ、すまん……すまねぇ!!おいら、大馬鹿者だ……!」

  そう言うと武蔵は医務室から走り出していってしまった。弁慶はその後ろ姿を力なく見送ることしかできなかった。

  「武蔵、いるか!?ん、弁慶……?どうしたんじゃ、武蔵はどこにいる!?」

  少し遅れて、慌てた様子で海蔵が病室に駆け込んできた。

  海蔵は病室に武蔵がおらず、なぜか項垂れた弁慶が立ちすくんでいる状況に、ますます混乱しているようだった。

  「すいません、鮫島部隊長。ちょっと言い合いになって……どこかに走っていってしまいました」

  「なんじゃと!?まずいことになったのぅ」

  「先輩に何かあったんですか?」

  ただならぬ気配を察した弁慶が訊ねると海蔵は顔を赤くして言い放った。

  「武蔵の脳検査の結果が出たのじゃが、[[rb:間脳 > かんのう]]が異常に変形しているんじゃ!まちがいない……まだ怪人化薬の効果があやつを蝕んでおる!」

  ―――――――――――――

  まだ昼間だというのに厚い雲が太陽を覆い、どしゃ降りの雨が降りしきる中、武蔵は何も考えずに走っていた。

  「ちくしょう、ちくしょう……!おいらはどうしちまったんだ。雄に……仲間に興奮しちまうなんて……!」

  自分の性嗜好が変わってしまったこと、それを後輩の弁慶に向けて、こんな時にあいつの本当の気持ちを知ってしまったこと……そして、彼を傷つけてしまったことに深く後悔していた。

  「はぁ……はぁ……おいら、こんなんじゃ、もうあいつに顔向けできねぇよ……」

  雨に濡れて重くなった毛皮と病院衣は2週間近くベッドで安静していた体に負担をかけたのであろう、さすがの武蔵も息を切らしてフラフラと路地裏に入り込んでいく。

  「待っていたゲコ、ランドイエロー」

  目的もなく走り出し、たまたま辿り着いたのがココだった。しかし、路地裏の先にいたのは今の武蔵が最も求めて[[rb:しまう > ・・・]]存在であった。

  「あんたは……?」

  「ゲロゲ〜ロ、どうやら簡易怪人化薬の効果はしっかり脳に作用しているようゲコね」

  雨で視界が遮られる中、自分に語りかける存在を凝視する武蔵の黄色い瞳は大きく見開かれていた。

  紫色のイボイボとした肌、ギョロっとした赤い瞳、でっぷりと大きく出張った腹、その体の上に身に纏った白衣は雨で濡れて透けており、そのだらしない肢体のシルエットを強調させているようだった。

  ドクン

  その姿を認めた瞬間、武蔵は自分の鼓動が高鳴るのを感じた。

  目の前にいるのは明らかにタイラント帝国の[[rb:爬虫人類 > レプタイル]]、敵のはずだ。

  しかし、武蔵は仇敵に かつてないほどの性的興奮を覚えているのだ。

  「い、いったいおいらに何をした……?」

  武蔵は本能的に恐怖を感じていた。目の前の敵に近づいては行けない、後戻りができなくなってしまうと……しかし、心とは裏腹に仇敵への歩みを止めることができなくなっていた。

  「ゲロゲ〜ロ。ワシ、イビルフロッグが開発し、お前に使った簡易怪人化薬は獣人の細胞を怪人へと作り変える効果があるゲコ。短時間で効果は切れてしまうが、作り変えられた細胞が完全に元に戻るには時間がかかるゲコ。特に脳細胞への影響は非常に大きく、性的対象をワレワレと同じ……つまり、[[rb:爬虫人類 > レプタイル]]や屈強な雄にすることができるゲコ」

  つらつらと説明を始めるイビルフロッグ。

  手を伸ばせばイビルフロッグの襟首を掴める距離まで距離を詰めた武蔵だったが、攻撃する素振りは全く見せず唖然とした表情で話を聞いている。

  「おまえはヒーロー故に怪人化に耐性があるようだったので、ナイトメアバグの能力で精神的に弱らせた上で簡易怪人化薬を打たせてもらったが……どうやら効果てきめんだったようゲコね」

  「てめぇのせいで……おいらは、おいらは……!」

  あの怪人が見せた悪夢すら目の前の敵の策略だったのだ。怒りを燃やしイビルフロッグに飛びかかろうとするが、イビルフロッグは開いた口の隙間から長い舌を出して病院衣の上から武蔵の乳首をベロリと甜め上げた。

  「うあっ♡」

  途端に力が抜けて足元がおぼつかなくなった武蔵は、ヘナヘナとイビルフロッグの体にしなだれかかってしまう。

  大きな腹で武蔵を受け止めたイビルフロッグは、そのまま武蔵の背中に手を回して抱き締めるように拘束していく。

  粘液に塗れた太い腕が体に巻きつけられ、舌の先で乳首を転がされている今の武蔵では逃れることもままならないようで、快楽と苦痛の両方を同時に受けて顔を歪ませることしかできない。

  「あぁ……♡離せ、離してくれぇ♡」

  「ファットヒポポタスの腹に取り込まれた時、触手でしっかりと乳首を感じるよう開発されたことは確認済みゲコ」

  「さぁ、ランドイエローよ……おまえに残された道は2つゲコ。1つは今の状態でヒーローどもの基地に帰り、仲間から腫れ物に触るような扱いを受けながらヒーローに戻ること」

  「おいらの仲間達はそんなこと……あっ」

  反論しながらも思い至ってしまう。

  敵の策略にハマり、元に戻れたとはいえ一度は怪人になってしまい守るべき街を自ら破壊した不甲斐なさ。

  仲間を性の対象として見てしまい、あろうことか最も大切な後輩を傷つけてしまった後悔。

  そして、何よりこんな事態を招いてしまった自分自身の弱さ。

  仲間達は自分を受け入れてくれるのだろうか、ヒーローに戻ること等できないのではないだろうか……

  何も言い返すことができなくなり表情を曇らせていく武蔵を見れば、イビルフロッグはニヤリと口角を上げていく。

  「そして、もう1つは……このままワシと共にタイラント帝国の要塞に来ることゲコ」

  「タイラントの……基地に?」

  武蔵の表情に怯えの色が見える。

  イビルフロッグが自分を使って何かしようとしているのは明白だった。

  「ゲロゲ〜ロ!なぁに、悪いようにはしないゲコ……ワシに付いてくれば、オマエは…望む力と快楽を手に入れることができるゲコよ」

  「力と快楽……」

  それは悪魔の囁きだった。

  武蔵の体が熱を持ち、心臓の鼓動が早鐘の打つのが、密着した体を通じてイビルフロッグにも察知されてしまう。それほどまでに期待と興奮を覚えているようだった。

  それでも自分の胸の中で不安げな表情を浮かべる武蔵の顎を掴み、ねっとりとした視線を向けていく。

  「断言するゲコ。オマエがヒーローに戻っても二度と得られないモノをワシはオマエに授けることができるゲコ。迷う余地などないではないゲコか?」

  イビルフロッグの生臭い息がマズルに吐きかけられているというのに、武蔵の表情から緊張が解かれて蕩けたような表情へと変わっていく。

  簡易怪人化薬により変貌した武蔵の脳は、目の前の敵こそが自分の最高の性的対象であり、仕えるべく主君であると認識していたのだ。

  「……おいらを……タイラントの基地に連れていってくれ……」

  「ゲロロ!よくいったゲコ。ご褒美をくれてやるゲコ」

  長い沈黙の後、ついに2つ目の選択肢を選んだ武蔵。その答えに満足したイビルフロッグは満面の、しかし邪悪な笑みを浮かべると武蔵のマズルの先に口元をあてがっていく。

  ニュル……クチュ……ニュルル……ビチャ……ジュルルルルゥゥゥ

  乳首を舐めていた太い舌も口内に侵入されれば蹂躙するように舌先を暴れさせ、生臭いヌルヌルとした唾液をマーキングするように塗り込んでいく。

  『あ、おいら……初めてキスして……♡あぁ、くせぇけど……なんて、気持ちいい……♡』

  22年間、雌獣人との交尾の経験もなかった武蔵にとって初めての接吻の記憶は醜悪な異種族との物に塗りこまれていく。

  しかし、当の本人は深い口づけに喜び、注がれる唾液すら嬉しそうに啜っていたが……

  「あがっ!!♡」

  体が痺れて意識が遠のいていく。

  イビルフロッグの唾液に獣人を痺れされる成分が含まれていた。それを多量に摂取されたことにより意識を失ってしまったのだった。

  『ああ、ベンケイ……ごめんな。初めてのキス、おまえとしとけば良かったなぁ……』

  薄れゆく意識の中で最後に脳裏に浮かんだのは愛すべき後輩の笑顔だった。

  「ゲロゲロゲーーーロ!これで全ての準備が整ったゲコ。ランドイエローよ。オマエを最高の怪人にしてやるゲロ〜!」

  自らの胸の中で力なくうなだれる武蔵の体を抱きかかえたまま、タイラント帝国要塞へのワープゲートを呼び出すイビルフロッグは、全てが自らの思うままに進んでいることに思わず高笑いを漏らすのだった。

  [newpage]

  「んがっ、ここは?」

  どれだけ気を失っていたのだろうか。

  武蔵が意識を取り戻すと、見知らぬ天井が目に入った。

  状況を理解しようと体を起こそうとするが寝かしつけられた実験台の上で手足を大の字に固定されており動かせそうにない。

  着ていたはずの病院衣も脱がされ、茶色い毛皮に覆われた固太りした体を丸裸に晒されている。

  さらに体の至るところに電極や針が刺さっており、武蔵のバイタルを常時監視しているようだった。

  「おいらはたしか……あのイビルフロッグって野郎と……」

  気を失う直前のことを思い出せば、おぞましいながらも甘美な口付けを思い出し、鳥肌を立たせながら小ぶりなチンポも勃たせてしまう。

  「ゲコゲコゲーコ!やっと目を覚ましたようゲコね、怪人素体18号」

  と、薄暗い部屋のドアが開き丸々と太ったイビルフロッグが部屋に入ってきた。

  先ほどの白衣は身にまとっておらず、そのだらしなく太った腹を強調させるようにノシノシと拘束されている武蔵に向かって歩いていく。

  白衣に隠れていたが、右腕には獣怪人同様のタイラント帝国の入墨が、左胸にはおそらく自らを模したと思しきカエル頭の入墨を刻んでいた。

  何よりも特徴的だったのは股間に位置する部分だ。そこには雌獣人同様の割れ目が存在し、いわゆる男性器の存在は認められなかった。

  [uploadedimage:17620588]

  「あんた……なんて格好してやがるんだ!……うぅ♡」

  かつての武蔵にとっては何の魅力も感じないはずなのイビルフロッグの裸体は、しかし脳細胞が獣怪になりかけている今の武蔵にとって怒張したチンポから先走りを溢れさせるほど性的な裸体に見えるのであった。

  しかし、イビルフロッグは不快げに鼻を鳴らして水かきのついた手で武蔵の頬をひっぱたいた。

  「いてっ!なにしやがんだ!?」

  「あんたではない『イビルフロッグ様』ゲコ、素体18号。言葉遣いに気をつけるゲコ」

  「そんな呼び方する訳がねぇだろ。それになんだよさっきから『素体18号』って……つっ……がぁあぁぁぁ!」

  イビルフロッグの物言いに楯突いていた武蔵の体に強い電流が流れる。

  「聞き分けのない獣人には、お仕置きが必要ゲコね〜」

  どこか楽しげなイビルフロッグはリモコンを手に持っており、それで研究室の装置を操作しているようだった。

  「ガッ……ゲホッ……アンタ、オイラに何しようってんだ!」

  「察しが悪いゲコね〜。オマエをワシらタイラント帝国の怪人にするための下準備ゲコ」

  そう言うと、水かきが着いたヌメヌメした手で武蔵の毛皮を触り始めた。ゾクリとした嫌悪感と同時に、快感の波が武蔵を襲い始める。

  「あっ♡あぁ……いやだ、おいらは……あんな怪人なんかに……なりたくねぇ……♡」

  「あれほど精神を弱らせても簡易怪人化薬ではオマエを怪人にすることはできなかったゲコ。さすがはヒーローと褒めてやるゲコ」

  「だが、このワシが改良に改良を重ねた怪人化薬『MONSTER』であれば、オマエを完全な怪人にすることができようゲロロ〜」

  言い終わるや否や、イビルフロッグはリモコンを操作し始めた。すると、武蔵に繋がれた管がビクンと動き針先から武蔵の血液に何かが注入され始めた。

  「なっ、何しやがる!まさか……怪人化薬を……?あっ…なんだこりゃ、体がアチィ…あっ、あぁ♡」

  「そう慌てるなゲコ。まずは下準備と言ったゲコよ。今、オマエに注いでいるのはスメルスカンクの催淫ガスの原液ゲロ」

  「なっ……?」

  次第に武蔵の体は火照りだし頭が何も考えられなくなってくる。この感覚は まさしく先の戦いでスメルスカンクのピンク色のガスを嗅いだ時と同じであった。

  「あっ……♡あぅぅ♡はぁ……はぁ♡お、おい……てめぇ、なんてことを……」

  「ゲココ!精神的に堕としておいた方が怪人化薬も聞きやすくなるゲコな。催淫毒が脳まで回れば……あとはわかるゲロ」

  イビルフロッグが悪魔のような笑みを浮かべ、理性を失っていく武蔵の顔を長い舌で舐め回し始めた。

  催淫成分が血液を流れ、自分の体を蝕んでいく苦しみと快感に悶える武蔵は舌から逃れようとイヤイヤと首を横に振る。

  「や、やめ……♡おいらには…♡そんな趣味は……ねぇのに♡あっあぁ!♡」

  「我々と違い貴様らには雄と…雌とかいう両性があるようだがワシラ[[rb:爬虫人類 > レプタイル]]は単性生物ゲコ」

  「なぁにおまえもタイラントの怪人になれば、コッチしかできなくなるゲコ。こういうのは初めてゲコか?今のうちに慣れておけゲコ」

  「いやだ!あっああっ、んぐ、んチュ♡クチュ……ビチャ……んぐぐ♡」

  イビルフロッグが語りかける内容に脳が追いつかず……いや、催淫毒が脳にまわった武蔵はもう何も考えられなくなっていた。

  イビルフロッグの長い舌が武蔵の口内に入り込み、別の生物のように暴れるのを為されるがままに受け入れていくのだった。

  ――――――――――

  ピチュ、ピチャ、ベロ、ジュルルルル

  チュパ、グチャ、ピチャ、ペタッペタッ

  ビュルルルルルルル!ビュルルルルル!

  薄暗い研究室の中に淫猥な音が響き、青臭い臭いが立ち込める。すでに3度の射精を果たした武蔵の体は、自分の精液やイビルフロッグの体液で粘液まみれの毛皮に包まれて、ぐっしょりと濡れそぼっていた

  「はぁはぁ♡んあっ……あ、あん……♡もう、やめろ……♡やめてくれぇ……♡」

  「ゲロゲロゲロ!もう半日も経ってるのに、まだ正気を保っているのはさすがヒーローゲコ。そんなヒーロー様にはご褒美ゲコ!」

  「ガァァー!!あっ……♡ひぐっ♡あぁぁ……♡」

  褒美の言葉と同時に武蔵の体に電流が走る。この半日の間、入念な愛撫でイビルフロッグの体液と涎まみれになった武蔵の体はその痛みすらも快感として誤認するようになっていた。

  チュパ、ピチャ、チュルル、ニュルル

  そして、電流を流し終えた直後こちらが本当のご褒美だと言わんばかりに長いカエルの舌で乳首やチンポを責められていく。

  その度に武蔵は体をビクつかせ、小さなチンポを反応させるようになっていた。

  「ゲロゲ〜ロ、大きい体に似合わない子供チンポ ゲロね〜。怪人化したらオマエのチンポは凄まじくなるだろうゲコなぁ」

  「だ、だから、おいらは怪人になんて……なりたく……ねぇ」

  ニタニタと笑いながら水かきで武蔵の子供チンポをいじり倒していくイビルフロッグだったが、再びリモコンを操作すると天井からモニターが降りてくる。

  「この映像を見てもそう言えるゲコか?」

  モニター移された映像……それは怪人化した武蔵が大地のガイアで周囲に地震を起こし、仲間を襲い、周囲の建物や木々を崩壊させている光景だった。

  その映像を見ていた武蔵はおぼろげであった怪人となった時の記憶を鮮明に思い出していく。

  「あっ……ああ……これが、おいら……?」

  「そのとおりゲコ。怪人となったオマエは大地のガイアを使いこなし、破壊の限りを尽くしたゲコ……よっこらせ」

  武蔵の大きな腹に馬乗りなったイビルフロッグ。2人の巨漢が乗ったことで実験台がギシィと軋む音がする。

  イビルフロッグが武蔵のマズルへ臭い息を吐きかけながら顔を近づければ、武蔵は顔を横にそむけるが、その耳元に悪魔の囁きを放った。

  「気持ち良かったゲコか?」

  武蔵の表情が青ざめる。

  モニターに映る熊怪人は溢れる力を振るうことの快感に酔いしれたような表情を浮かべていた。

  本来の武蔵は決して抱くはずのない感情。しかし、この時の自分は確実に……

  「違う、違う、そんなことねぇ……!おいらはヒーローとして、この惑星を守るために……この力を……」

  「つまらないこと言うなゲコォ!おまえは誰にも邪魔されず、力を思うがままに振るい、破壊の限りを尽くしたい!だから強くなりたいゲコ……そうだろう!?」

  イビルフロッグは下卑た言葉を吐きかけながら再び水かきの付いた手で頬を張る。馬乗りになり、ムチのように平手を振るう その姿は動物を躾ける調教師の様だった。

  「おいらは……おいらは……」

  イビルフロッグの悪魔の囁きは、今までの武蔵なら決して聞き入れない言葉のはずだった。

  しかし、一度は怪人へと墜ち、今まさに催淫毒とイビルフロッグによる責め苦で何も考えられなくなり、ヒーローの矜持を粉々に砕かれてしまった今……

  イビルフロッグの囁きは武蔵の心の中で新たな価値観として植え付けられてしまった。

  武蔵は自覚[[rb:させられて > ・・・・・]]しまったのだ。

  「おいらは……オイラは強くなりてぇ…ガイアの力を使って……怪人になって……破壊の限りを尽くしてぇ!」

  「よく言ったゲコ、素体18号!怪人になったおまえならヒーロー共など敵ではないだろうゲロよ。さあ仕上げゲコォ!」

  イビルフロッグは武蔵の体から降りると、武蔵の脚の拘束を解きM字に開脚させていく。

  そして、武蔵は信じられない光景を目にした。スリッドからヌルリとペニスが先端をもたげ始めたのだ。

  そのペニスは武蔵の2倍はあるであろう長さと、2周り程の太さのペニスは所々にイボが付いたグロテスクな様相を示していた。

  [uploadedimage:17621315]

  「そんな……割れ目から……チンポが?」

  「ん?ああ、スリットを見るのは初めてゲコか。よかったなぁ、雌を知る前に怪人になる決意ができて、これがタイラント帝国の性行為ゲコォ!」

  グニュニュ……クチュ……クチュ……ニュルン♡

  「おおぉぉ!♡あっ……♡あれ?…はぁはぁ……全然……痛く……ねぇ♡あっあぁぁ!あぅぅ♡」

  武蔵の尻穴に宛てがわれたグロテスクなペニスを解しもせずに挿入するイビルフロッグ。

  イビルフロッグのペニスがその身体と同様に粘液まみれだったことで何の抵抗もなく武蔵の体内に入り奥深くまで刺さっていく。

  「うおぉぉぉ!♡はぁ♡はぁ♡あっああーー♡」

  「ゲコ!ゲコ!ゲロロ〜♡獣人のケツはやっぱり最高ゲコ〜!」

  パン!パン!パン!

  グチュ!クチュ!ペチン!

  腹肉と腹肉がぶつかり、腸壁と粘液が擦れ合う滑稽な音が研究室に響き渡る。

  拘束されたままの武蔵の腰を掴み、自らの出張った腹を擦り付けながら腰を振り快楽に耽るイビルフロッグ。

  イビルフロッグの歪なペニスのイボが肛門を、前立腺を刺激する度に発情した獣の鳴き声をあげてしまう武蔵。

  「ゲロロ!さあ、素体18号!いや、ランドイエローよ、ワシがおまえを最強の怪人にしてやる!だから、ワシに……タイラントに……忠誠を誓うゲロォ!」

  「ああ!♡がぁぁ!♡ぐぁぁ!♡誓う……誓います♡イビルフロッグ……様とタイラント帝国に……忠誠を誓います♡だからぁ、オイラを最強の怪人にしてくれぇー♡うがぁぁぁぁぁ!♡」

  「ゲロロロ〜♡よく言ったゲコォ!ワシの、ワシの……精を受け取るゲコォーーー!」

  ドク……ドクドク……ドロロロロロ……♡

  ビュ……!ビュルルルルル♡

  武蔵がタイラントへの忠誠を誓い、イビルフロッグを自身の新たな主人と認めた瞬間、イビルフロッグのペニスの先から粘度の高い精液が放出され武蔵の腸内に注がれていく。

  獣人の精液と違う冷たい感覚を味わった武蔵は、同時に自らの小さいながらも太ましいチンポから生暖かい精液を放出していく。

  ゲロ……はぁ……ゲロロ……ゲコぉぉぉ♡

  はぁはぁはぁ……うがっ♡……はぁはぁ♡

  ンチュクチュ……ジュルルルル……♡

  さながらケモノの交尾を終え、お互いの息を吐きかけ合い、深い口づけを交わし合う異種族の2人。

  口を離して、羨望と畏敬の念に溢れた武蔵の視線を満足げに受け止めるイビルフロッグ。

  しかし、イビルフロッグは気づいてしまった。武蔵の黄色い瞳はまだ清らかに澄んでいることを。

  「ゲココ……素体18号よ。どうやらワシはオマエを甘く見ていたようだ……オマエの全てを……ワシ色に塗り替えてやるゲコ」

  「ふ、ふへ……?♡」

  そう言うと、武蔵の首に手をかけ何かをハメる。それはどこから取り出したのか「No.18」とタグの付いた首輪だった。

  手首の拘束も外された武蔵は、イビルフロッグに体を起こされて実験台から降ろされる。

  「素体18号よ、これから1週間オマエのための怪人化プログラムを組んでやるゲコ。嬉しいゲコか。このプログラムを遂行すれば、オマエは立派なタイラントの怪人に生まれ変わるゲコ」

  「はい。オイラ、素体18号は立派なタイラントの怪人となるためプログラムを遂行します」

  裸姿に首輪をハメられたその姿は、今まさに武蔵がタイラント帝国の所有物「素体18号」へと変えられてしまったことを如実に物語っていたのだった。

  [newpage]

  それから1週間。

  イビルフロッグは自らの研究室にタイラント帝国の帝王ダイナスを招いていた。

  ティラノサウルス型[[rb:爬虫人類 > レプタイル]]の巨躯からすれば、この研究室は手狭なのだろう、招かれた時点で帝王ダイナスは不機嫌そうな様子であった。

  「ふん、このような狭く汚らしいところに余を招いて……余程おもしろい物を見せてくれるのだろうな、イビルフロッグよ?」

  「ゲコ、必ずやダイナス様にもお楽しみいただけるかと思いますゲコ」

  白衣に身を包んだイビルフロッグが扉を開けると、強化ガラスの向こうで1匹の裸の獣人が機械に繋がれて実験台の上に寝かされていた。

  「獣人の怪人化改造か?しかし、このような物では余を楽しませることはできんぞ」

  「いえ、ただの獣人ではありませんゲコ。ここに寝かされている素体18号はティア・ガーディアンのヒーロー……ランドイエローですゲコ」

  帝王ダイナスが目を見開く。タイラント帝国の侵略を何度も邪魔立てしてきたヒーローの1匹が今まさに怪人として軍門に下ろうと言うのだ。さすがの彼も興味が湧いた様子だ。

  「素体18号をこの1週間研究してわかったことですゲコが……怪人としてはこれ以上ない素質を持っているゲコ」

  「これは仮説ゲコが……ヒーローの素質を持つものは反転すると、怪人として素晴らしい素体になりうるかもしれないゲコ」

  「怪人化薬の効果を高めるために、この1週間に渡り、多数の戦闘員との交尾、洗脳ヘッドギアによる思考矯正、薬剤投与など様々な実験を重ねました結果……」

  つらつらと帝王ダイナスに説明を始めるイビルフロッグ。科学者の悪癖なのだろうか一度説明を始めると周りが見えなくなるようで、帝王ダイナス様も辟易とした表情を浮かべていたところでスピーカー越しに声が聞こえる。

  『ぐへへ、イビルフロッグ様……いや、ボス……早いとこやってもらえねぇか……オイラ、早く暴れたくてウズウズしてんだ』

  実験台に寝かされていた素体18号が体を起こして、強化ガラス越しに視線を向けてくる。

  淀んだ黄土色の瞳、邪悪に釣り上がった口角、下卑た声……その全てがヒーローが持つ正のイメージもかけ離れており、素体18号と呼ばれるこの獣人がイビルフロッグから如何なる調教を受けたのかは想像に難くないと帝王ダイナスは空恐ろしくなる程だった。

  「ゲロロ、せっかちな奴め!さぁ、怪人化薬MONSTERを注入するゲコォ!」

  ドクドクドクドク

  イビルフロッグの指示を受け、怪しい緑色の液体がチューブを通って素体18号の中に注がれていく。

  それは素体18号の新たな血液となり、獣人の体を怪人へと作り変える悪魔の発明品であった。

  「うがっ……うががっ……」

  変化はすぐに現れた。

  素体18号の筋肉と脂肪が膨張して、体は2周りほど大きくなっていく。それに合わせてバキバキと音を立てながら骨が変形していく。爪は鋭く伸び、牙はギザギザと存在感を増していき、攻撃に特化した姿へ変わっていく。

  「ぐぉぉっ……へへっ、力が……チカラが漲ってくるゼ」

  愛嬌のあった声は破れ鐘のような濁った低い声へ、かつての透き通った黄色い瞳はくすんだ黄土色へ変わっていく。

  「はぁ……♡はぁ……♡これだ、この力を……オイラは求めていたんだ♡」

  ツキノワグマ獣人の特徴であった茶色の毛皮は焦げ茶色に変わり、胸元の三日月模様は消え失せていく。

  子供チンポと馬鹿にされた男性器は、怪人と化したことで性器としての機能に特化された太く、大きな怪人チンポへと変わっていく。

  「うがっ……うがぁぁぁあああ!!!」

  外観の変化が終われば、内面の変化が始まる。脳細胞、体細胞、生殖細胞、DNAが獣人の物から怪人のソレへと変化が完了した。

  食物を取らずともエネルギーを生成できるようになったことで消化器官は小さくなり、その代わりに呼吸器官が大きくなり大気中の酸素を体内に溜め込むことができるようになる。

  排泄器官であった肛門は消化器官としての機能が加えられる。

  [[rb:爬虫人類 > レプタイル]]や他の怪人からの精液から効率的にエネルギーを吸収できるようになり、そのために極上の快楽を与える性器としての機能も付随された。

  変貌が止まると同時に実験台から焼きごてを持ったアームが伸び、ジューッと音と共に毛皮と皮膚を焼いていく。

  右腕にタイラント帝国の紋章が、左胸にはタイラント獣怪人の管理番号「BM−18G」が焼印として刻まれ―――

  「これはワシからのプレゼント……ゲコ♡」

  イビルフロッグが新たな操作を加えると、管理番号の焼印の上に別の焼印が刻まれていく。それは彼の左胸の入墨と同じカエル頭の焼印であり、彼が傑作と銘打つ個体にしか刻まない、彼の所有物たる証であった。

  そして、所有物であることを強調するかのように両手両足に帝国の紋章が刻まれた鉄枷がハメられた。

  「さあ、ワシらの最強の怪人よ。ヒーローから怪人に生まれ変わったオマエの名はなんと言うゲコ?……帝王ダイナス様の前で名乗るゲコ」

  毛皮と皮膚の焦げた匂いが立ち込める部屋で、新たに生まれた怪人はノシノシと四つん這いで歩み寄り、強化ガラス越しに帝王と[[rb:自らの主 > イビルフロッグ]]に向かい合う。

  黄土色の瞳を輝かせ、咆哮と共に高らかに名乗りを上げる。その名は―――

  「オイラは獣怪人18号……地震怪人ランドグリズリー!ウガァァァァァァァオオオオオオ!」

  その低い雄叫びと共に周囲が揺れ、研究室内の棚に置かれた薬品が入った瓶が床に落ち割れていく。

  ―――後ほどわかったことだが、怪人が起こした地震は要塞を中心にタイラント領土の4分の1まで揺れが伝わったという。

  これは、かつてランドイエローと呼ばれたヒーローが持っていた「大地のガイア」がタイラントの軍門に下った決定的瞬間だった。

  「ランドグリズリーか……イビルフロッグよ、キサマは素晴らしい力を余に与えてくれたな。ククク、クク、グハハハハ!」

  ランドグリズリーの雄叫びが木霊する中、その力の一端を見た帝王ダイナスは傲慢な笑い声を上げ、タイラント帝国の勝利を確信するのであった。

  (続く)