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幼い頃の記憶、忘れていた記憶、夕日が沈む公園で僕らは……
「ねぇー僕ら、一生友達だよね?」
「あったりまえじゃねぇーか、ずーーっと友達だ!」
「うんっ!」
鳥のさえずりと、僅かな日差し、それが心地よい夢から目を覚まさせた。
「……ねみぃ……」
布団から起きる、昔の夢を見ていた。今日も決った日常が始まる。
昔は仲良かった、昔のダチ(獣人)
別に差別がある訳ではないが、体質が違うことから獣人と人間のカップルは少ないご時世
獣人は、種類にもよるが、嗅覚が優れ、その分知能が衰え、身体能力は高い
人間は、知能がある代わり、獣人のように身体能力は高く無かった。
だから、いつしか、僕は、昔のダチ人と距離が出来ていた。
中学校、始めは同じ野球部だったが、着いて行けず、パソコン部に部活を変えた。
そして、部活を変えたため帰宅時間や土日の予定が異なり自然と距離が出来た。
気がつけば、人間は、IT系サービス系、獣人は、ガテン系、製造系に分かれていた。
別に、差別は無い、でも獣人と人間のカップルは、冷ややかな視線を浴びる。
気がつけば、獣人と人間の間には、壁が出来ていた。
ふと考え事をしながら牛乳をラッパ飲みする。
(ん?……)
ふと脳裏に思い出が過った。
小学校時代のとある、給食終わり時間帯だろうか?
僕とダチは牛乳瓶を持っていた。
「よしっ、牛乳一気飲み勝負なぁ!」
「おぅ、負けねぇーからなぁ」
給食の余りの牛乳がたまたま多く、僕と、ダチは、牛乳を1本ずつ貰った。
200mlの瓶の牛乳。蓋を開け右手に持って。
「「よーいっどんっ!」」
二人で掛け声を言って一気に飲み干す。
結果は、殆ど同時、勝ち負けでもめることなく、僕達は、互いを尊敬の眼差しで見る。
『流石だな』
『次は勝ってやるからな?』
…………
(なんで今日に限って……)
疎遠になったのは中学の頃、部活や用事で互いに声を掛け合ったのだが、2度3度のすれ違いで、気がつけば相手のことを気にかけなくなっていた。
僕は、友達を作るのが余り上手く無かった。
仲が良いと思ってた部活仲間とは、所詮同じ学校に居る間だけであった。
携帯は持っているが、そのダチの番号は登録していない。
携帯のメモリーには、親族と、仕事仲間、高校時代に番号交換して特に連絡も取り合わない連中だけだ。
…………
会社でミスをした、途中途中保存するのは、常識なのだが、それを怠り、パソコンがいきなり再起動し始めたのだ、勿論作業はパー……
3時間遡って仕事のやりなおしだ。
今日は、どうしてもうまく集中出来ない。
ダチが原因と言えば原因だ。
(なんで、あいつのことこんなにも思い出すのだろう……)
残業2時間して、なんとか仕事が終わった。
余分にノルマをこなした訳ではないから、残業代は出ない。
そりゃ、自業自得だが、同じ作業を2回やるというのは、苦痛でしかない。
「終わったんで帰ります。お疲れさまでしたぁー」
「あい、バックアップ癖つけるようにね、ドンマイ!とまっ!お疲れっー」
残っている仕事仲間に、挨拶をして帰宅する。
別に仲が良い訳ではない、あくまで社交辞令だ。
「以上、7点で1245円になります。 はい、1250円から……」
コンビニで、弁当とビールを買い終わった時だった。
~~♪~~♪
コンビニに来客のベルと同時に、3人の獣人が入ってくる。
「いらっしゃいませ、こんばんは」
「おぅ、いらっっしゃいましたぁーっ」
「酔ってるからってテンション高いですよ、智哉(ともや)さん、いやぁ、騒がしくてすいません」
「んっ?……」
智哉という名、それは、ダチの名前だった。
まさかとは思い一瞬だけ獣人達をちら見する。
「今度からコンビニで済ませましょうよ、居酒屋より味は落ちるけど、量は買えるし」
多分……ダチで間違い無いだろう。
そして、何故かもう一度見ようとした。
そしたら……
「おっ、兄ちゃん!俺らと一杯やんね?……んぁ……もしかして……」
思わぬ誘いの言葉、その言葉にドキッとした。
そして、僕のことに気付いたのか、『もしかして』という言葉に更にドキッとした。
しかし、体は勝手に動いた。足は駆け出し、獣人達を避け、コンビニを足早に去った。
「あっ、お客様……」
店員の呼びとめる声に振り向く余裕など無かった。
「んっ?どうしたんでぃ?」
「あっ、いえポイントカードを置き忘れたみたいで……」
「ちょっと良いか?」
そう言って俺はポイントカードを店員から取った。
(あぁ……)
「やっぱり……京介か……」
俺は、ポイントカードの名前を確認した後、店員に返した。
「あれ?先輩、知り合いで?」
「おぅ、昔のダチだ、中学から距離出来たけどな」
ポイントカードに描かれていた文字がずっと頭に残っていた。
(懐かしいなぁ……京介の字)
小学校時代、教科書が配られ、記名をしていた時だろうか?
「なぁ、ほんっとお前って字綺麗だよな?」
「ん?そう?」
「あ、あのさ、頼みあるんだ、俺のに名前描いてくれない?」
「ん? 良いよ」
そして、快く引き受けてくれた京介、少し距離を取り様子を見ていたが。
「あ"っ」
「ど、どうした?」
「間違えて自分の名前描いちゃった……」
「……おぃおぃ、まぁ……いっか、横線引いて俺の名前描いといて」
「うん……ごめんね」
……
「懐かしいなぁ……」
「先輩は、その人のこと、まだ好きでやんすか?」
「おぅ、友達として好きだぜ? 約束したからなぁ」
「約束?」
「あぁ、そうだ、ほら、俺らと人間の壁って、気がつけばできてるもんじゃんか?」
「あぁー、そう言えば、わしらの親って人間と仲良くしてないっすもんね」
「おぅよ、それには、実は気づいていたんだ、俺ら」
「といいますと?」
そんな、話をする俺らに興味を現さず、先ほどコンビニの方が安上がりと提案していた、獣人が籠にどんどん物を詰めていた。
「んとさ……大人ってなんか、仲良くしてないじゃん?」
「ん? 大人が誰と?」
「えっと、人間は獣人と、獣人は人間と、仲良くしてないじゃん?」
「……あぁ……そう言えばそうだな……母ちゃんに聞いたけど、体質とかの違いらしい」
「そっかぁ……」
「俺らもそうなるかな?」
「えっ……」
それは、真実かもしれないけど、当時のあいつには辛すぎる言葉だった。
鼻をすする音がしたかと思ったら、あっという間だった、両目から涙を流す京介が居た。
「……やだ……やだ………やだ…………ずっと……ずっと友達だもん………」
「ん……そうだよな。 ゴメン、ずっとずっと友達な?」
「うん、『指きりげんまん』しよう?」
「おぅ!」
そして、俺とアイツは、小指同士を絡ませ
「「指きりげんまん、ずーっと友達、嘘ついたらハリセンボンのーます、指きった!」」
「とまぁ、そんな感じでなぁ」
「……それなのに距離できちゃったんっすか?」
「んまぁなぁ、元々俺は平気だったしさ、あいつが耐えれるなら」
「人間って身勝手っすね」
「ん……それだろうな、でも、誰かしら身勝手なもんだぜ、あいつに限った事じゃない」
そんな話に区切りがついた頃、1人籠に詰めていた仲間が、籠を見せに来る。
「どうでしょうこんな感じで」
「ん……まっいっか、三〇〇〇円までなら出すからな」
「ありがとございます。じゃオーバーした分はオイラが出しときます」
そして、俺は、三〇〇〇円渡す。
そして、適当に買い込んだ食料と酒で俺の家で打ち上げ、別に祝い事ではないが、怪我が無いということは喜ばしいことだ。
1時間経つか経たない頃、仕事疲れもあり二人は寝ていた。
俺は1人ベランダに出た。
「なぁ? 今のお前は幸せか? 辛く無いか?……」
聞こえるはずが無いが呟いた、それでも夜空を見ながら呟いた。
そうしたら、無数の星の中に、昔のあいつが写った。
『智哉ぁ~』
聞こえない京介の声に、コンビニで見た姿を思い出し。
「立派になってたしなぁ、京介」
ふっと笑みがこぼれた。
「俺ぁーよ、実は、惚れてんだぜ?……おめぇーさんの泣き顔、めっちゃくちゃめんこいからさぁ……」
言い終わり、焦る、それなりのボリュームで呟いていた。
「……っとあいつらおきてねぇーよな?」
恐る恐る振り返ると月明かりに照らされ、熟睡する二人が見えた。
こいつらは大事な友達だ、でも、あいつだって、比べようがないぐらい大事な友達だ。
ベランダの戸を閉め、薄手の毛布を掛け、俺は、部屋の隅にあるベッドに転がった。
『おっ、兄ちゃん!俺らと一杯やんね?……んぁ……もしかして……』
……智哉……元気そうだったなぁ……僕なんかより楽しそうだった。
あの連れと仲良いのかな?……
そりゃ、あいつにだって友達はいる、でもそれを目の当たりにした今、心がもやもやする。
「僕は、今でも……智哉の……友達ですか?」
あいつが幸せそうなのは良かった、でもなんか羨ましい。
きっと3人で楽しく飲んでるんだろう?
そう思い半分まで飲んだ缶ビールを僕は眺めていた。
なんでだろう……思えば思うほど恋しくなる。
今なら、過去に戻って、辛い運動部でもあいつと一緒にいれるなら……そこまで考えた所で過去は変わらない。
番号知ってたら電話したい、でも知らないから掛けられない。
気がつけば、涙が頬を伝っていた。
『泣きむしだなぁ……ほんっと俺がいねぇーと駄目なんだから』
『うっさい……ほっといてよ』
『駄目だ、泣いてる京介は、俺だけのもん』
『……』
僕は返事はしない、でもその代わり、それが嬉しくて、頷いた。気づいてくれてたかな?
でも、ひょっとしたら智哉は冗談のつもりで言ってたのかな?
過去の思い出が色々と巡り、殆ど眠れず、寝不足のまま出社
昨日、あいつと出会い、あいつから掛けられた声
『おっ、兄ちゃん!俺らと一杯やんね?……んぁ……もしかして……』
が何度も脳内に響く。
昼食を買いに行った時、ポイントカードが無いことに気付いた。
(あのコンビニか……帰り道取りに行こう)
そして、夕方6時仕事が終わった。
店に入る間もなく、店員の方から声が掛かった。
「あ、あのお客様、昨日ポイントカードを置き忘れられて……」
「あ……わざわざどうも、良かった」
ほっと胸を撫で下ろす。
「はい、では失礼します」
背を向ける店員に僕は……
「あ……あの」
「はい?」
気がつけば声を掛けていた。
そして……
~~♪
店内に来客を知らせるベルが鳴る。
「いやぁ、今日も無事終わって良かったねぇ」
「そうですね」
「昨日は殆ど出してもらったから、今日はオイラが出しますね」
「あっ、わし、昨日出さずじまいだったから、わしも出すわ」
昨日の3人連れ、相当仲が良いのだろうか。
「あんまり買いすぎるなよ、昨日の摘みの残りがちょっとあるしさ」
声を掛けたい。しかし、その一歩が踏み出せない。
心臓が口から飛び出しそうな錯覚、こっちから話しかけるのは数年ぶり
昨日話しかけてくれたじゃないか、だから大丈夫だ。
「あ、先輩、昨日の人じゃ?」
「ぅ……」
言いだす前に気づかれた。慌てて目を逸らす。
「数年ぶり……だよな、近くなのか?」
「……」
何を言えばいいかわからない、だから僕は、ただ、ゆっくり頷いた。
「おーい、紹介するわぁ、俺の一番のダチ、京介なぁ」
「…………」
仕事仲間の二人が僕を見る。耐えかねて視線をそらし、軽く会釈をした。
「どしたぁ?……恥ずかしいのか?それとも元気ねぇーのか?」
喋り方がおじさん臭くなってる、でも……言葉の温もりは変わってない、寧ろずっと、暖かいモノに変わっている。
ぶっちゃけ泣きそうだ。
そして、そんな今になって思い出す。
あいつのこと避けてたの僕じゃん……
何度か都合を付けてくれようとした。
でも、あいつは、部活仲間と居るほうが楽しい気がして、自分に劣等感に苛まれる(さいなまれる)のがいやだった。
『暫く忙しいから……ごめん』
っと僕から断っていた。
あいつは、友達がいっぱいいた、僕は、苛められはしないものの、殆ど孤独だった。
智哉、今何て言った?
うまく聞き取れなかった。
「へぇー、一番のダチなんっすかぁ……良いなぁ、先輩に好かれて」
(一番?……僕なんかが?)
胸が締め付けられる。苦か幸で言えば、後者だ。
気がつけば手が勝手に動いた。
智哉のズボンのすそを引っ張っていた。
これは……
恥ずかしい時、怖い時、その他もろもろのSOSサインだった。
こんなサインを使うのは10年ぶりぐらいになるが
そして、それに気づくと同時に頼るだけ頼って対して恩返ししてないことに気付いた。
それでも、一番の友達といってくれたことが嬉しかった。
「んっ?……」
そうだよなぁ……十年前の合図覚えている訳が無いよな。
所詮独りよがり、さっきの言葉は社交辞令。そんな風に思えた、
気がつけば鬱な思考になっていた。
そんな時だった。
「ちょーっとこいつと話してくっから、買い物済ませといてくれ」
「分かりました」
そして、僕の手を引きコンビニの外へ出た。
久々に繋いだ智哉の手は、以前よりもふさふさで暖かかった。
「ごめんな、でも懐かしいな、お前がズボンの裾を引っ張る合図、変わってないんだな」
「…………」
優しい声、でも何を言えばいいかわからない。
「おっ、あれ?京介、小さくなったな、……って、俺がでかくなったのか、あははっ」
「…………」
笑えるジョークなんだろうけど、その優しさが胸を締め付ける。
そして、わざとらしく頭に顎を載せてくる、
「背丈は顔ひとつ分+αってことか……でもそれぐらいの方が、いざという時担ぎやすいな」
「……んっ……」
「おぃ、流石の一番の友達でもよぉ、無言じゃ分からないわ、どうしたん?」
「…………ご……ごめん……」
「んーっ? 何も謝るようなことしてないだろ?」
「僕……友達多い智哉が羨ましくて、で……同情でたまに誘ってくれたじゃん? それがなんか惨めでさ……ずっと避けてた……」
「あ、あのな? 同情じゃない、俺は、一番お前と遊びたかった。それに、避けてたんじゃなくて、気を使ってくれてたんだろ?」
「……」
何も言い返せない、相変わらず優しい、そして今の自分が惨めでしょうがない。
でも、こいつには良いんだ。ありのままの自分を晒して。いっつも本気で受け止めてくれたから。
「……相変わらず可愛いなぁ、その泣き顔……俺1人のモンだからな?」
「……」
また胸が締め付けられる。言葉じゃ表わせないが兎に角、気持ちいい、もっと独占して欲しい。
僕は小さく二度頷いた。
智哉は何度も優しく頭を撫でてくれた。
溜まっている涙、全部優しくかきだす様に、そして、頃あいがついた頃思いっきり
抱きしめられた。
智哉の体臭と汚れと後、匂ったことのない匂いが鼻孔をすっと通った。
凡人からみたら、臭いだろう、でも智哉の匂いは、僕の心を満たすと同時に宥めてくれた。
「俺……お前が好きだし……仕事時間以外一緒に居たい、ずっと思ってる」
「智哉ぁ……」
涙は、止まらない、涙でぬれた所に風があたっても、今はそんなの気にならない。
「はいはい、すっげぇ、可愛いよ、十年ぶりぐらいだから、別のモノも感じてるわ」
「……んぅ?」
甘えた声で相槌を打った。『別のモノ』とは何だろう=どういう意味なんだろう?
「わ、わかんね? え……えっとなぁ、京介……ドン引きすんなよ?」
「……んっ?……ん」
僕はドキドキしながら、大きく一度頷いた。
すると、突然左手の自由を奪われた。
そして、それは、智哉自身の股間を這わす様に擦りつけられた。
「ぁ……」
「なっ?……俺も変だなぁ、男で、おまけに一番のダチに興奮しちまうなんてよ」
そして、智哉は、そっと僕の手を解放してくれた。手の甲には、まだそそり立つ逸物の感覚が残っていた。
「でも、そんなの関係ねぇー……お前が嫌ならしないから、自慰はするけど……それは勘弁してな?」
まさか、自分が男同士、更には智哉とやるなんて……具体的な想像はしたこと無かった。
でも、尻にさっきの智哉の大きいのが入っている所を想像すると、体が疼く。
AVなどでみた、レイプされる女性のように智哉にさせられたい。
「………ぁ……」
声が強張って上手く喋れない、何か言わないと……。
「悪いなぁ……やっぱ……駄目か?……」
「ぁ……ぇっ……」
「あいやな?エッチもしたいけど、それよりも俺はお前と居たい」
「んっ……」
相槌代わりに返事をするのが今の精いっぱいだった。勿論嫌じゃない。そうなりたい。
「ま、まさか、京介、俺にドン引きしたか?」
「…………ぁ」
上手く喋れない、恥ずかしいのだ。でも、体が疼く、しびれた訳じゃないのに、立つのが辛い。
ふらつく足で僕は、智哉を抱きしめた。
「…………んっ……んっ……」
頷くついでに、頬ずりするかのように、僕は、智哉の胸板に頬を擦りつけた。
「きょ、京介? おっ、お前も……俺が欲しい?」
恐る恐る問いかける智哉の声は、渋いけど、色っぽかった。
それから間もなく、智哉は、がさごそと自分のポケットを漁り、携帯らしきものを取り、誰かに電話した。
「あ、ちと、京介と用事出来たから、今日は二人で頼むわ」
ぎりぎり受話器の音は聞こえないが、多分コンビニの中の二人のどちらかだろう。
「んーと、スペアは渡してるよな? んだ、じゃぁー あぁ……まぁ、朝には帰ると思う。お前ら起きねぇーじゃん、
俺が起こしに戻るよ」
朝……、とりあえず、えーと……ホテルかどこかで二人っきりになって……
あんなことやこんなことするのか?
駄目だ……想像しただけで、ドキドキする。
恋って凄い……。これからどうなるか分からないけど、今すっごく幸せだ。
そんなことを考えていると。
ゆっくりと解放され、智哉は僕に背を向け、座り込んだ。
「久々だなぁ、おぶるの」
「……」
まだ背中に触れてすらいないのに、何故か決定している。
それに、周りの視線だってあるだろう。
でも……
それよりも……
今は、傍で智哉の温もりを感じて居たかった。
背中に乗ると、幼いころのようにひるむことなく、すんなり立ちあがった。
そして、お尻の下を支えてくれる。
「智哉……僕達……恋人同士かな?」
「んー……改めて言葉にされると恥ずかしいな、でも……俺、嬉しいわ、ずっとお前を守りたかったからさ」
また、胸を締め付けられた。おかしくなりそうだ、あ、でももうおかしくなっちゃってるかな?
「僕も……傍に居たかった。 もう少ししたら同棲できる?」
「おぅ、今の部屋せまかったら、二人で住む家探そうな?」
ゆりかごとは違うけど、優しく左右に揺れながら智哉は一歩一歩ゆっくり歩いてくれる。
背中の体毛が優しく受け止めてくれていた。
「僕は、狭いほうが良いかな」
「んっ? どうしてだ?」
「ずっと、家に居る時は隣に居たいから、寝る時も、隣に居て良い?」
……思わず言ってしまった。でも嫌じゃないならお願いしたい。
「……った、たりめぇーだバカヤロ……京介こそ、俺から離れんなよ」
恥じらう智哉も可愛かった。でも、多分僕は、智哉に優しく抱かれるんだと思う。
ヘタれで何もできない僕に智哉は、引かないかな?それがちょっと心配だ。
以前何かで言っていた。好きな人のためならなんでも出来る。
本当なんだなぁ……。智哉のためなら……何でも出来る。
智哉がいれば……何もいらないかも……。
※食べ物などの食糧や日用品は除く
※アンケートにて今回みたいに改行があった方がいいか無い方がいいかの集計を募っています。
ご協力よろしくお願いします。
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