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道物語(ロードストーリー)第四幕 ドルセニア編 三巻
アルベルト達はドルセニアのミスコンと色男大会に出場している
マル(道化師)「アレドさんも出るなんて珍しい~!真面目すぎて、こういうの苦手かと思ってたよ~?」
――そのとき、静寂が会場を包む。
地鳴りが起こり、会場の地面がゆっくりと隆起する。
アレドが一歩前に出て、静かに右手を地面へ翳す。
アレド「――眠れる栄光、今ここに」
詠唱と共に、地面が深くえぐれ、土の中から巨大な石像が現れる。
⸻
🗿その姿は、まるで神話時代の英雄。
剣を掲げ、風をまとい、王の背を守る者。
観客「な、なにこれ……?」
観客「え、これ全部……地中に埋まってたの!?」
アレド「これは、我が国フェルドニアが栄光に輝いていた頃の『無名の英雄』だ」
アレド「その時代をもう一度……人が人を売ることなく、身分が人を傷つけない未来を、俺は目指している」
⸻
静寂のなか、石像が風に吹かれるように一瞬だけ輝く。
アレドは再びマントを翻して静かに列の最後へ戻る。
⸻
王女リンセンカ(感動して目を伏せながら)
「アレド……やっぱり、あなたは……」
マル(小声で)
「ははぁ〜ん、こりゃあ決勝戦は混戦だねぇ!」
アルベルト「これが本性なんだな」
⸻
誰が「ミス」「ミスター・ドルセニア」に輝くのか!?ここで一旦休憩を入れます」
控え室に入ると大勢の男女の観客が来てサインなどをさまる
「キャーッ!グランジャス様〜!こっち向いて!」
「アルベルトさん、握手してください!」
「マリーナさーん!この手紙受け取ってください〜っ!」
大勢の観客たちがなだれ込むように入ってくる。手にはサイン色紙、手紙、小さな贈り物――中には自作の応援うちわまで!
⸻
観客A「カリンちゃーん!LOVEの文字、最高だったよ〜!」
観客B「メルディスさん、彫刻まじで感動しました!これにサインください!」
観客C「マルさん、あの『貴族の朝食は5時に茶碗蒸し』ってネタ、爆笑でした!」
⸻
【ティミス】
「ちょ、ちょっと待ってください!順番にね!?え、私の写真!? いえ、あの、それは……!」
【シシオ】
「俺に?まさか……アクセサリーに感動したって?あ、あぁ、ありがとよ」
【グランジャス】
「え〜っと、この色紙に書けばいいのか?おぉ…2枚、3枚……10枚!? カリン、代筆頼めるか?」
【カリン】
「だ〜めです、ご主人様のサインはご主人様が!はい、列を作ってください、前の方どうぞ〜っ!」
【マル】
「サインはいいけど、鼻メガネ持ってくるのやめて!? それ“俺の正装”じゃないからね!」
⸻
【係員】
「皆さん、ひとまず落ち着いて!サイン会は別室で行いますので……!」
控え室は一時、ファンとの交流会のような賑わいを見せる。
休憩が終わり結果発表になる
司会「さぁさぁいよいよ結果発表です まずはミスコンの結果です」
アナウンス「ドルセニアミスコン 優勝者は (ドラムロールが流れる)」
選手全員が息を飲む
アナウンス「今回は異例の2人の優勝者です 1人目はティミス・メインクーン!そして2人目は カリン・シュガーナ!」
ティミス「やるわねカリン」
カリン「 ティミスもね」
お互い握手を交わす
司会「お二人共優勝おめでとうございます 優勝したお二人
一言をお願い致します」
ティミス「今年は強敵揃いで負けるかと思ったわ、でも勝てて良かったです」
カリン「ご主人様の為に頑張りました♡ この勝利はご主人様に捧げますわ」
観客男「凄い愛情だな…」
アナウンス「続きまして色男大会の優勝者は(ドラムロール) アルベルト・カルナット!」
アルベルト(ガッツポーズ)「おっしゃー!」
司会「アルベルトさん 一言をお願します」
グランジャス「ダメ元で出場しましたが 優勝したのは驚きだぜ」
司会 「ありがとうございます それでは今年のミスコン&色男大会は終了します ありがとうございました」
大会を終え アルベルト達は控え室に行き休憩をしている
──コン、コン。
控え室の扉が静かにノックされた。
【グランジャス】
「ん? 誰だ? どうぞ」
静かに扉が開く。
観客やファンたちの騒がしさとは打って変わって、
そこに現れたのは一人の気品漂う女性――
イーガル・リンネ・ドルセニア王女。
ギララゴンド族(竜人系)とユヒン族(人間)のハーフ。
淡い紫の瞳と、角のような竜の鱗がこめかみに浮かぶ高貴な容貌。
ドレスではなく動きやすそうな、しかし格式の高い衣装を身にまとい、護衛の姿は見えない。
【リンネ王女】
「……失礼します。グランジャス男爵殿、それに、皆さま方。
本日の演技、心より楽しませていただきました。とても素晴らしかったわ」
控室が一瞬しんと静まり、
やがてざわつきとともに全員が振り向く。
【シシオ】
「おいおい……あれって、マジで王女様じゃねぇか?」
【グランジャス】(微笑みながら)
「こいつぁ……また大物が来たな。
イーガル・リンネ王女、まさか貴女自ら来てくださるとは」
【リンネ王女】
「私は世間の風に触れるのが好きなのです。
“民を知るには、民の中に在れ”と教わりましたので
男爵殿もそうでしょう?」
【グランジャス】
「確かにな ガッハッハッ」
【カリン】(ひそひそ)
「す、すごい人来ちゃったよご主人様……!」
【メルディス】(赤面)
「これ、服とか汚れてないよね……?!」
【アルベルト】
「ようこそ、王女様。俺たちはちょっと騒がしいかもしれませんが、くつろいでいってください」
【リンネ王女】
「ふふ、構いませんよ。
それより……少しだけ、貴方たちの旅の話を聞かせてくれませんか?」
【リンネ王女】
「この前、“ローレス”の使者が私たちドルセニア王宮を訪ねてきました。
“友好の証として統合を”と――」
彼女は少し目を伏せ、静かに続けた。
「……けれど、あれは建前です。
本当の目的は、ドルセニアの“土地”と“影響力”を奪うための侵食。
統合という名の下に、私たちの文化も民も吸収され、
最終的には“ローレス色”に塗り替えられてしまうでしょう」
一瞬、部屋の空気が緊張する。
“ローレス”――フェルドニアとも対立した、
拡大主義を掲げる新興国家。その動きは明らかに急速だ。
【アルベルト】
「……やっぱり来たか、ローレス。
フェルドニアを乗っ取ろうとしてた時と同じ手口だ」
【グランジャス】(腕を組みながら)
「連中の目的は明白だな。領土拡張と情報支配……そして異種族排除の思想」
【シシオ】
「俺らが救った子どもたちや、種族の違う仲間も……奴らにとっちゃ“異物”ってことか」
【リンネ王女】
「私個人としては、もちろん拒否するつもりです。
けれど……王宮内部にもローレス寄りの貴族がいて、私の発言力はまだ弱いのです。
だから……皆さんにお願いがあります」
彼女は静かに頭を下げる。
【リンネ王女】
「――ローレスの陰謀を暴く証拠を集めてほしい。
私が王に進言できるように、そして民が動く理由になるように」
【グランジャス】(真剣に頷く)
「なるほどな……王女様、あんたは正直者だ。俺は好きだぜ。
その依頼、引き受けよう。ドルセニアの民も、この旅の仲間も守るためにな。」
【アルベルト】
「よし、じゃあ“ローレスの動き”を探る旅の再開だな。
次の目的地は――やつらのスパイや拠点を探すことだ」
「……リム要塞のときみたいには、絶対にさせない。
あの時みたいに、民を見捨てて、後悔するなんて……もうたくさんだ」
彼の声には、強い決意とわずかな悔しさが混ざっていた。
リム要塞――過去の戦いの地。
アルベルトたちが間に合わず、民が犠牲になったあの苦い記憶が、今も胸に残っている。
【ティミス】(そっと手を添えて)
「……あの時は、誰のせいでもない。
でも、今回は――間に合うように戦う。それだけよ」
【グランジャス】(目を細めて)
「お前ら、良い顔になったな……
ならば俺も、“守るための戦い”を見せるだけだ。
王女様よ、あとは任せておきな」
【リンネ王女】(静かに微笑んで)
「……ありがとうございます。
ドルセニアは、あなた方のような勇士たちに恵まれていますね」
グランジャス この後はとりあえず王と話をさせてほしい
「ええ、もちろん。
王もあなたと話したがっていました。
あなたが今も“あの頃”と変わらず、民を想う人間であるのなら――きっと歓迎してくださるはずです」
【シシオ】(腕を組んで)
「それなら俺たちは一旦ここで待機してるぜ。
変な政治の話はおっさんの担当だろ?」
【グランジャス】(ふっと笑い)
「政治ってのはあんまり性に合わんがな……
だが、話をしなきゃ始まらねぇこともある。
行ってくるよ、王と一杯ぶつけ合ってくるさ」
【アルベルト】
「おっさん、あんたの口に任せたぞ。
ただし――あんまキレて机ぶっ壊すなよ?」
【グランジャス】(肩をすくめて)
「それは約束できねぇな。話の内容次第ってところだ」
【グランジャス】
「カリン、メルディス……俺が何かやらかしそうになったら、止めてくれ。ストッパー役、頼んだぞ」
【カリン】(腕組みしてフンっと鼻を鳴らし)
「はいはい、ご主人様はアルベルトと同じですぐ頭に血がのぼるんだから。私がピシッと止めますからね!」
【メルディス】(優しく微笑みつつも目は鋭い)
「無茶しそうになったら、翼でぐるぐる巻きにでもして差し上げます。……“ダーリン”の暴走は困りますから」
【グランジャス】(少し肩をすくめて笑う)
「こりゃ安心して突っ込めるな……いや、突っ込まねえけどさ」
城に着き
謁見の間に通される
ドルセニア王 ギララゴンド族がどっしりと玉座に座り話し始める
ドルセニア王「よく来た男爵殿早速本題に入るがこの先この国はどうなるだろうか」
【ドルセニア王・ギララゴンド族】
「──よく来たな、男爵殿。お前の働き、街中で聞こえておるぞ」
「早速だが……本題に入ろう。この先、このドルセニアという国は、どうなると思うか?」
⸻
【グランジャス】(一歩前に出て、真っすぐ王を見る)
「陛下……今のままでは、民が納得しないでしょうな。
貴族の私が言うのも皮肉ですが、“上”ばかりが得をする構造に不満が溜まりすぎている」
「人身売買に干ばつ、働き口の不足……
街の問題は根っこでつながってる。国がこのまま動かなければ、民は自ら“変革”を始めるでしょう。
それが平和的ならいいが、火種になる可能性もある」
⸻
【メルディス】(小声で)「……これだけは真面目ですね、ご主人様」
【カリン】(うなずきながら)「だからこそストッパーが必要なのよ……」
⸻
【グランジャス】(少し口調を柔らかく)
「ですが、陛下。道はある。
街の者たちの声を拾い、使える者には仕事を与える。“人”を信じて任せる。
今こそ、“支配”より“共に治める”という姿勢が求められていると思います」
「……この国は、まだ立ち直れる。
私も、仲間も、その手助けをするつもりで動いております。陛下さえ、目を逸らさねば」
【ドルセニア王】
「実はな……」
(王は重々しく腰を上げ、玉座の横に立つ)
「わしもそろそろ“譲る”時だと考えておる。
この国をどう導くか、若き者の視点で決める時代が来た」
「──娘に、王位を継承しようと思っておるのじゃ」
⸻
(場に一瞬、静寂が流れる)
【マリーナ】(ぽそっと)
「つまり、リンネ王女が女王になるということ……!」
【シシオ】「いい流れじゃねぇか。あの王女さんは芯がある」
【カリン】(小声で)「じゃあ、ご主人様は王女様と組めばもっと…」
⸻
【グランジャス】(深くうなずき)
「陛下……それは賢明なご決断かと存じます。
リンネ王女は、民の声を聞こうとする器を持っておられる」
「だが、それと同時に、外の動きも激しくなる。
──“ローレス”が統合を持ちかけてきたのも、権力の移行を見越してのことでしょう」
「継承の際には混乱も伴います。
我々でよければ、王女殿下の即位と、その後の支えをお手伝いさせて頂きたい」
⸻
【ドルセニア王】(静かに微笑む)
「……お前たちがいてくれるなら、心強い限りじゃ」
兵隊が慌てて駆け寄ってくる
兵隊 陛下!西門にアンデット系の魔物が大量に攻めてきます!
【ドルセニア王】
「なんじゃと! 今すぐ騎士団を招集せい! 街の封鎖と避難誘導も急げ!」
【兵隊】
「はっ!急ぎます!」
(兵隊が駆け足で謁見の間を後にする)
⸻
【グランジャス】(表情が引き締まり、立ち上がる)
「アンデッド系か……こいつは厄介だな」
【シシオ】(斧を肩に担ぎながら)
「不死の連中は物理で砕いてもキリがねぇ……炎属性や聖属性の攻撃が必要だ」
【カリン】(グランジャスに向かって)
「ご主人様はまだ傷が治りきっていません、無茶しないでください……でも、守りたいんですね?」
【グランジャス】(カリンの頭を軽く撫でて)
「ああ。俺の家族と、街を護らずに男爵なんざ名乗れるかよ」
⸻
【王】
「頼むぞ、グランジャス殿……! この国を、皆の命を――救ってくれ!」
アルベルト カラストは上空から炎魔法で魔物を攻撃しろ マリーナは支援しながら原因をさぐる
カラストの詠唱:
「烈火よ、空より雨となれ! フレイムストーム!」
→ 上空から複数の火球が雨のように降り注ぎ、アンデッドの前衛を焼き払う。
→ 火に弱いゾンビ系が黒煙を上げて倒れ、進軍が一時的に停滞。
⸻
【マリーナ】(高台に立ち、歌いながら周囲の気配を探る)
「風よ、街を守る者に導きを――聖音の詩を、届けて…♪」
→ 「響魂の旋律」:味方全員の集中力と魔力感知を強化し、広範囲の探索が可能に。
【マリーナ】
「……この魔物、ただの野生じゃないわ。誰かが呼び寄せた……」
→ 魔物の中に1体だけ「召喚痕」が刻まれたアンデッド兵を発見
→ 魔術的な契約痕跡から「外部召喚」の可能性が高い
⸻
【グランジャス】(連絡を受けて)
「つまり誰かがこの街に魔物を送り込んでるってことか……!」
【マリーナ】(念話で報告)
「召喚痕の魔力式がドルセニア式じゃないわ。ローレスのものに近い……!」
魔物達が撤退していく
【グランジャス】
「あの方向……ああ、思い出した。あそこは――ローレスミ。ゴーストタウンと呼ばれて久しいが、元はドルセニアの鉱山街だったな。」
【ティミス】
「聞いたことがあるわ。資源枯渇と疫病で廃墟になった町……でも、ローレスの動きと重なるのは偶然じゃなさそう。」
【カラスト】(上空から)
「今の魔物の発生源、ちょうどローレスミの方向だった! 魔力反応もそこに集中してる!」
【ホルスター】
「となると、あの街が敵の拠点になっている可能性が高いわね。行くしかないわ。」
【グランジャス】(決意を込めて)
「よし、ローレスミに向かう精鋭部隊を編成する。アルベルト、頼れる仲間を選んでくれ。
残る者は街の防衛と避難誘導にまわれ!」
【水番頭】
「俺は街を守るぜ、グラン坊。安心して暴れてこい!」
【シシオ】
「俺も残って防衛だ。こっちは任せな。」
【ローレスミ:元鉱山街跡・現在はゴーストタウン】
一行が西門から街を出てしばらく歩くと、霧が立ち込める廃墟群が現れた。
朽ちた建物が沈黙し、ただ風の音と、足元をかすめる白い靄だけが街を包んでいる。
⸻
【グランジャス】
「……いつ来てもジメジメしてるな。まるで地面そのものが腐ってやがる。」
【アルベルト】(剣を軽く振るって)
「ああ。油断すりゃ剣が錆びつきそうだ。ここで長居はしたくねぇな。」
【カリン】(しっぽを振りつつ)
「うぅ、湿気で体毛がゴワゴワして気持ち悪いわ……しっぽも重たいし、これじゃ戦いづらい……」
【ティミス】(しっぽをむすっと結ぶ)
「ほんとよ……毛づくろいしても意味ないくらい……まったく、最悪。」
【メルディス】(羽を軽く広げて)
「湿気が強すぎて羽が重たいです……飛べませんね、これじゃ。」
【カラスト】(顔をしかめながら)
「それな……羽根がベタついてまともに浮けない。魔力も拡散しやすくてやりづらい……」
【目前の風景】
広場の中心に、朽ちた時計塔と半ば崩れた礼拝堂。
その周囲を囲むように古びた宿屋、鍛冶屋、事務所などが並ぶ。
ところどころに、地面を這うような黒い魔力の線が走っており、何かの魔術陣へと繋がれている。
⸻
【グランジャス】
「……あの魔力の筋、見えるか?あれが呼び水だ。どこかに中心があるはずだな。」
【アルベルト】
「礼拝堂が怪しいな……あそこ、まだ灯りがついてる。」
【カリン】
「この雰囲気……敵が潜んでるわね。気をつけて、何か来る――」
⸻
【ガラガラガラ……】
建物の影から、骨の騎士たちが数体現れ、朽ちた剣を引きずりながら一行を取り囲もうとする。
ウォロロロロロ……!
濁った空気を裂くように、低く響く咆哮が街に鳴り響いた。
鐘楼の影――
瓦礫の山を押しのけるようにして、巨大な影が姿を現す。
その身体は黒曜石のように硬く、輝く漆黒の体毛に覆われ、
狼のような四肢と獰猛な顔……そして背にはサソリのような毒針を備えた尻尾がうねっていた。
【カリン】(身構えて)
「なんて禍々しい魔物……あれがスコルフェン……?」
【メルディス】(顔を強張らせ)
「毒の気配が強い……近寄るのも危険です、これは……!」
【アルベルト】(剣を抜いて)
「来やがったな……いいぜ、こっちも本気で行くぞ」
【グランジャス】(銃剣を構えて)
「まったく……あんなもん野に放っときゃ国が滅ぶ。――野郎、相手になってやるよ」
【カラスト】
「魔力がすごい圧で散ってる……でも弱点、尾の付け根にある魔石が見えるよ!狙える!」
バンッ!
乾いた銃声が湿った空気を切り裂く。
スコルフェンの尾に命中した弾丸が、火花を散らす。
???「……尻尾を振り回してりゃ、強いとでも思ったかよ?」
闇の中から現れたのは――
まだ若さの残るライオンのニアマーラ族の男性。
短く刈り込んだたてがみ、引き締まった体に、手には手製の短銃とナイフを装備。
動きには無駄がなく、目には鋭い光が宿っている。
【リョーン】
「俺はリョーン。シシオの息子で、山で猟師やってる。魔物狩りが本職だ」
そう名乗りながら、リョーンはスコルフェンの尾の動きを読みきり、地を蹴って左右にステップ。
鋭く睨むその瞳には、都市の騒がしさではなく自然と共に生きてきた者の勘が光る。
【スコルフェン】「グォォォォ……!!」
怒り狂って尾を振るうも――その動きが一瞬止まる。
【グランジャス】
「やるじゃねえか、若造!」
🖤???「遅い!遅すぎるわよ!」
突如、湿った空気を切り裂く鋭い声――
そこに現れたのは、異様な雰囲気を纏った黒衣のナース姿の女性。
黒のへそ出しミニスカートに、胸元ギリギリまで開いた大胆なナース服。
スリットから伸びた脚は艶やかに輝き、戦場にまるで場違いなほどの妖艶さを放っている。
そして――その手には鋭利な手術用メスが、チラつく。
🖤???「アンタら、何やってたのよ。こっちはずっと待ってたんだから」
【スコルフェン】「ウォォォォオロロロ――!!」
その瞬間、スコルフェンが舌を突き出して咆哮したのを見逃さず――
ヒュッ――ズバッ!
光速の一閃。
黒衣のナースは宙を舞い、スコルフェンの舌を正確に切り落とす!
【スコルフェン】「ギャォォォォーーー!!」
のたうち回るスコルフェン。口元からは緑色の毒液があふれ出すが、舌を失ったことで咆哮もできない。
【グランジャス】「な……なんだあのナースは……!?」
【アルベルト】「ナースじゃねぇだろあれ……暗殺者か!?」
【リョーン】「あの人……あんな格好でどうしてそんな強ぇんだ……」
カリン(小声)「露出が高い……あれが勝負服?」
メルディス(小声)「ご主人様が見てないことを祈ります……」
【???】「私はシーフェ。医者よ――そして、“元・女狐”の異名を持つ者。」
腰にはいくつものメス、薬品の入ったガラス瓶、そして封印符のような紙札が揺れている。
その姿を見たグランジャスの目が見開かれる。
【グランジャス】「シーフェ……って、あの女狐のシーフェか!?」
【シーフェ】「ふふっ、懐かしい呼び名ね。今はもう狐の皮は脱いだつもりだけど……」
【アルベルト】「女狐……?」
【ホルスター】「聞いたことがあるわ。“女狐のシーフェ”は元・裏医者で、情報屋やスパイを兼ねていた凄腕……。何度も裏切りにあったのに、絶対に信頼を失わなかった女……。」
【カリン】「ご主人様……その人、知り合い?」
【グランジャス】「昔、裏の世界で何度か共闘したことがある。信じるには危ういが、敵に回すには危険すぎる女だ。」
【シーフェ】「それ、褒め言葉として受け取っておくわ。安心して、今回はアンタたちの味方よ。この国を蝕む“毒”を治療するために来たんだから。」
【シーフェ】「……ふむ、この毒は“自然のもの”じゃない。**人為的に強化された魔毒ね。**やはり、背後に誰かいる。」
【グランジャス】「……ローレスか?」
【シーフェ】「濃厚ね。王女が言ってた“統合”――裏で仕掛けてる奴がいそうよ。」
グランジャス 医療の腕は確かさ
同じユヒン族(人間)なのに相変わらず身のこなしはすげぇよ
【シーフェ】「ふふっ、ありがと。でも“同じ人間”って括らないでよ、グラン坊。私の身体には薬と毒が詰まってる。普通の人間じゃ死んでるわよ。」
彼女はそう言って、指先でメスを回しながらくるりと一回転。
その一瞬の身のこなしは、まるで影が舞うような静かさと鋭さ。
【カラスト】「うわぁ……あの人、本当に医者なの?」
【ティミス】「腕も身のこなしも、まるで暗殺者ね……」
【シーフェ】「あら、医者と暗殺者って紙一重よ?生かすか殺すか、決めるのは私の判断ひとつ。命を軽く見てるわけじゃないけど――“割り切る”ってのも、大事なのよ?」
【グランジャス】「……昔、俺の仲間が毒にやられたとき、治せる医者が誰もいなかった。唯一助けられたのがコイツだった。命の恩人みたいなもんさ。」
【シーフェ】「おだてても何も出ないけど? ま、恩はある程度返してもらった気がするけどね」
⸻
【グランジャス】「今回は本気で力を貸してくれるか?」
【シーフェ】「もちろんよ。私は医者だからね。“国そのもの”が病んでるってんなら、それも診るしかないじゃない? ……ただし、私のやり方でね」
【アルベルト】「やり方って?」
【シーフェ】「“情報の毒”を流しておいて、浮き出てきた膿を切除する。**つまり、裏で動いてる奴らをあぶり出すってこと。**正面からの正義じゃ手に負えないこともあるでしょ?」
【グランジャス】「頼りにしてるぜ、シーフェ」
【シーフェ】「じゃ、早速この“国の病巣”を診ていきましょうか、坊ちゃん♪」
【アルベルト】「まずはあの化け物──スコルフェンを何とかしよう。話はそれからだ。」
【シーフェ】「了解。エロオヤジのグランジャス、あんたはのんびりしてないでさっさと始末しちゃいなさいよ♡」
【グランジャス】「おい! 誰がエロオヤジだ!」
【シーフェ】(にやり)「図星じゃないの?」
【カリン】「シーフェさん、ご主人様にあんまり意地悪しないでください!」
【メルディス】「でもまぁ、たまにはいい薬かもですね♪」
【グランジャス】「お前らまで乗るなッ! …チッ、もういい、スコルフェンをブッ倒すぞ!」
【シーフェ】
「ふふっ、じゃあ“実験”開始──」
彼女は手にした特殊な管を素早く構え、スコルフェンの蠢く毒針の付け根にスッと刺し込む。
「どこまで毒が出るか、楽しみね……♪」
チュルルルルル……と紫色の猛毒液が管を通じて容器に流れ出していく。
スコルフェンが苦しそうにのたうち始める。
「ギィイイイイイ!!!」
⸻
【グランジャス】
「今だッ!!」
グランジャスはその隙を見逃さなかった。
銃を構えながら地面に滑り込み、股下をスライディングでくぐり抜けながら銃撃を開始する!
「《銃剣・双牙連弾》ッ!!」
──パンッ!パンパンパンッ!!
銃弾がスコルフェンの脇腹、腹部、そして後脚の関節へと正確に撃ち込まれる!
「ギャアアアアーーーッ!!!」
バランスを崩してその巨体がふらつく!
【リョーン】
「ここは俺が殺るッ!!」
素早く弓から銃に持ち替え、スコルフェンの額へ狙いを定め──
「《獅子牙弾》!!」
──パンッ!!
スコルフェンの脳天に一閃の銃弾が突き刺さり、巨体がガクリと崩れ落ちる──!
「……グゥウゥゥゥ……」
──完全に沈黙した。
⸻
ズズゥゥゥン!!!!
スコルフェンのとんでもない巨体が横に崩れたかと思えば──
「ぐっふぅ!?!?」
【グランジャス】
「なんで俺の方向に倒れてくるんだよォォ!?」
逃げる暇もなく、スコルフェンの腹部が思いきりグランジャスの上に落ちる!!
ドサァァン!!
【グランジャス】
「……ぐっふぅ……ちょっ……待て……コレ……」
なぜか、スコルフェンの鱗の隙間からグランジャスの顔の位置に風通しのいい“下腹部のすき間”が直撃。
グランジャスの顔面が、**スコルフェンの「股下直撃」**という悲劇。
⸻
【カリン】「ご主人様ー!?な、なにしてるのっ!?///」
【メルディス】「ちょ、ちょっと何その体勢!不潔ですよっ!💢」
【シーフェ】「あらあら♡……運が良いのか悪いのか。せっかくだから記念写真撮っとこうかしら?」
⸻
【グランジャス(顔真っ赤)】
「助けろって言ってんだろぉぉぉ!!///」
【グランジャス】
「ふぅ……助かった……」
泥と汗と“色んなモノ”まみれで地面に寝転がりつつ、服をバサバサ払いながら一息。
【アルベルト】(腕を引いていた)
「まったく、どんな死に方だよ……ったく、似合わねぇぜ、股下圧死なんてよ」
【グランジャス】
「……色々と恥はかいたが、助かったから良しとする」
(ゴホッと咳払いしながら)「これが……さっきこいつが飲み込んでた“魔石”か」
グランジャスがスコルフェンの腹部を慎重に開くと──
黒く輝く魔石が内蔵の奥から転がり出る。
それは禍々しい瘴気を帯び、触れるだけで心がざわめくような感覚を与えてくる。
【マリーナ】(遠目から)
「その魔石……普通じゃないわ。魔物の興奮を増幅させる“呪物”ね」
【カリン】
「そんなのを飲み込まされたから暴れてたのね……」
【アルベルト】
「なるほどな……誰かが意図的にスコルフェンを暴走させて街に向かわせたってわけか」
【グランジャス】
「となると、黒幕が居るな……魔物を使ってドルセニアを混乱させようとしてる」
【グランジャス】
「さてと……こいつの素材は無駄にできん。スコルフェンってのは貴重な魔物だからな」
【グランジャス】
「もちろんだ。素材はみんなで分けよう。俺はこの魔石の調査に集中する」
【シーフェ】
「気をつけなさいよ、あの魔石……脈があるみたい。まるで生き物みたいに波打ってたわ」
【グランジャス】
「もう少しこの街を探索しよう。魔石を埋め込まれた魔物がうろついてたってんなら、他にも“何か”あるはずだ」
【アルベルト】
「だな。あれだけで終わる気がしねぇ」
【ローレスミ】──かつて栄えた街の成れの果て。
建物のほとんどは半壊・崩壊し、湿気と瘴気が濃く漂っている。
だが、その奥へ進むにつれ、建物の一つだけに“異常なまでの新しさ”が見えてきた。
⸻
朽ちた教会跡の地下へ続く扉が出現する
【ティミス】
「この扉、最近になって開かれた跡があるわ……」
【カリン】
「足跡がある……誰かが中に入ったばかりね。しかも、この感じ、二足歩行じゃない……もっと這うような動き」
【グランジャス】
「下に“本命”が居そうだな。皆、慎重にな。今までの比じゃないかもしれん」
【マリーナ】
「これは……“外界より異形を導かん”……禁忌の召喚術よ」
【カラスト】
「魔石はその媒体だったんだね……!」
【???】(フードを外す)
──そこにはゴキブリのインセトク族の男の術師 不良リーダーが言っていた連中の一人だ。
【インセトク術師】
「私の実験場に勝手に入ってきた客人に、名乗る義理などありますまい……が、あなた方が“邪魔”になるのは確かだ」
術師が、再び魔石を祭壇に捧げようとする──!
【シーフェ】
「命を弄ぶ者に、医療の名は不要…!制裁よ!!」
(白衣がひらめき、手術用メスが光を反射する)
──彼女は跳躍した。
体術と外科技術を融合させた必殺技――
「スキャルペル・ダンス」!!
彼女の刃はまるで舞うように、術師の四肢、喉、腹部へと容赦なく連続で突き刺さり、
返す手でメスをねじ込み、腱を断ち、関節を壊す!
【インセトク術師】
「がっ、あっ、ぎ…あああああああッ!!」
叫び声すら断ち切るように、最後の一撃が心臓部を斜めに抉る――
──術師の肉体は、もはや“人型”を保っていなかった。
【術師の最期の言葉】
「無駄…だ……我らは……まだ……ローレスの主(あるじ)は、眠ってなどいない……」
ズズズッ……!
祭壇の魔法陣が術師の死と同時に不安定に発光を始め、何かが目覚めようとする!
【グランジャス】
「おい、何かヤバいぞこれは……!」
【ティミス】
「祭壇が“意識”を持ち始めてる……!魔石の力が暴走しかけてるわ!」
【マリーナ】
「このままじゃ、異界の扉が開く……!」
【カラスト】
「誰か、魔石を取り出さないと!」
【シーフェ】
「グランジャス、あんたの出番よ。私がタイミングを叫ぶから、魔石を撃ち抜きなさい」
【グランジャス】(銃を構える)
「了解、任せな!」
【グランジャス】
「……よし、ひとまず撤退だ。これ以上は危険すぎる」
【シーフェ】
「魔石の暴走は一時的に抑えたけど、長くは持たないわ。戻って体制を立て直すべきね」
【ティミス】
「この街にはまだ“何か”がある……でも今は無理。撤退が正解よ」
【マリーナ】
「王にも報告しないと……あの術師の“主”が何かの鍵になってるはず」
【カラスト】
「戻る道も気をつけないと。まだ魔物が潜んでるかもしれないよ」
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一行はローレスミから慎重に撤退し、湿った空気と呪詛の気配が遠のく中、再びドルセニアの地へと戻ってくる。
【ドルセニア王宮・会議室】
一行は王に直ちに報告。王は険しい顔で魔石と術師の言葉を聞く。
【ドルセニア王】
「“ローレスの主”……やはり、数百年前に封印された邪神のことか。あの地はまだ終わっておらんのか」
【グランジャス】
「それなら、準備を整えてもう一度突っ込むしかないな」
【王】
「だが急ぐな。軍の精鋭も動かそう。おぬしらだけでは荷が重い。すべての準備が整ってから“再突入”せい」
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【その夜、屋敷にて】
みな疲れた体を休める。
カリンはグランジャスのベッドの横で毛布を抱きしめながら寝落ちし、
メルディスは肩を借りながらウトウトしている。
【カリン】
「帰ったらすぐお風呂入る必要があるわね……クーン……体毛がゴワゴワする……」
尻尾を振っても湿気で重そうにゆらゆら。
【ティミス】
「ええ、本当よ。毛の感触が変で落ち着かないの。ずっと湿気に包まれてたんだもの」
ティミスは自分の腕をさすりながら、しょんぼり。
【グランジャス】
「ははっ、お前たちも見た目には気をつかってんだな。じゃあ屋敷戻ったら風呂、たっぷり沸かしておくか」
【マリーナ】
「その前に私は歌でも口ずさんで湿気を飛ばしたい気分よ。あの街、空気が重すぎたわ」
【カラスト】
「僕も翼がベタベタするよー……温泉にでも浸かりたいな」
【アルベルト】
「……俺たちも風呂入って一息つこうぜ。グランジャスの屋敷の風呂ってやけに広いしな」
⸻
ドルセニア・グランジャス邸:夜の入浴準備中
カリンはタオルを手にパタパタ走り回り、ティミスは洗面台で髪を整えながらグチをこぼし、
アルベルトとカラストは男湯の方へ向かい、グランジャスはお湯加減を確認中。
【グランジャス】
「よし、温度もバッチリだ。しばらくみんなでゆっくり湯に浸かろうや……次の戦いの前に心と体をほぐすのが一番だ」
──やがて、賑やかな笑い声と湯気が屋敷を包んでいく。
【グランジャス】
「俺は王に報告してくる。魔石とローレスミの件、それとアンデッドの原因についてな」
そう言いながら、まだ少し湿ったジャケットを羽織り直し、腰の銃を確認するグランジャス。
【アルベルト】
「じゃあ俺たちは屋敷の掃除と準備でもしておくさ。何かあったらすぐ知らせろよ」
【カリン】
「ご主人様……ひとりで行かないでください! 私も――」
【グランジャス】
「はは、大丈夫だ。報告だけだし、暴れたりはしねぇよ。…たぶんな」
少しだけウィンクしてみせる。
【ティミス】
「心配なら私たちもすぐに駆けつける準備しておくわ」
【マリーナ】
「王がどんな反応するかしらね。あの魔石とアンデッドのことは、ただの事件じゃ済まないわ」
【メルディス】
「ご主人様、お気をつけて……帰ったらちゃんと髪も乾かしてくださいね」
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ドルセニア王宮・謁見の間前
荘厳な石造りの廊下を進むグランジャス。その手には、魔物・スコルフェンから取り出された不気味に光る黒い魔石。
それを見た近衛兵たちが、少し身構える。
【王の側近】
「グランジャス男爵、陛下がお待ちです。どうぞ中へ――」
【王の間──】
ドルセニア王「どうであった?」
グランジャスは一歩前に進み、表情を引き締める。
グランジャス「──実は、王城への帰還直前、我々はローレスミにて“スコルフェン”なる魔物の襲撃を受けました。
しかも、ただの自然発生ではありません。奴らを操っていたのは…人為的な力。魔石によるものと思われます」
王「魔石、じゃと…」
グランジャス「はい。そして、その魔石の出どころは未だ不明。ただ…おそらく“ローレス”の仕業かと。奴ら、最近になってこちらへ“統合”を持ちかけてきたとのこと──」
王「……ふむ。やはりな」
グランジャス「王女殿下からその旨の報告を受け、私も警戒していました。王城への襲撃も、ただの偶然ではないかと」
王「やつらは、この国をじわじわと内側から崩そうとしておるのかもしれんな……。まさに毒蛇のように」
グランジャス「まさにその通りです。すでに奴隷商人の一部も関与しており、街の地下で人身売買が行われていた事実も確認しています。
……奴らの根は、深いです」
王「よくぞ報せてくれた、男爵。娘を継承させるのは早計だったかもしれぬな……」
グランジャス「リンネ王女殿下は賢明なお方です。ですが、この件においては国全体の連携が必要かと。今後の方針、どうかご指示を」
王はしばらく沈黙した後、深くうなずいた。
王「……よい。すぐに軍議を開く。おぬしも出席してくれ、グランジャス」
グランジャス「はっ」
王「そして、できることなら──その仲間たちにも力を貸してほしい。……国の命運がかかっておる」
グランジャス「もちろんです。あいつらは、信頼できる“家族”ですから」
王の厳しい表情が、ほんのわずかに和らいだ。
【王都ドルセニア・王城 円卓の間】
かつて「七王会談」と呼ばれた伝説の会議室が、今、再び開かれようとしていた。重厚な石造りの天井には各国の紋章が描かれ、円卓の中央には巨大な魔石が鎮座している。これは「真偽を見抜く」とされる古代のアーティファクト。
部屋にはすでに各国の代表が揃い、その顔ぶれはまさに世界の縮図だった。
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出席者一覧(順に着席)
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フェルドニア王女:リンセンカ・フェルドニア
若き王女にして、カースト制度の瓦解後、民に寄り添い改革を進める希望の象徴。
「この世界に必要なのは“支配”ではなく“調和”です。そう、私たちの関係のように──ね、アレド」
※一部からグランジャスへの興味も噂されている。
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ローレス皇帝:キンキムジョン
黒と金の法衣に身を包んだ傲慢な支配者。自国の覇権拡大を狙っており、「統合」を隠れ蓑に各地へ触手を伸ばす。
「我がローレス帝国が手を差し伸べるのは“慈悲”だ。拒むのは愚か者だけだろう?」
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ドルセニア王:ギララゴンド三世
温厚で民思いな王だが、老齢のため王位を娘リンネに譲ろうとしている。
「我が国は独立を守るが、争いは望まぬ……だが、見過ごすこともせぬ」
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メソング王:ハン=ユウグォン陛下
南の大国。重商主義国家であり、戦争には消極的だが情報網は広い。
「ローレスの台頭は経済を乱す。戦わずして崩す手もあるぞ」
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フォーゼリア王:レオナルト四世
山岳国家。軍事に特化しており、ローレスとは数度に渡る小競り合いがあった。
「ローレス帝国? 連中が“生かす”のは命じゃない。都合だけだ」
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北海山国将軍:サルマッド・ガルドロス
雪と山に囲まれた厳寒の国。将軍が実質支配している軍事国家。
「理屈はどうでもいい。国民に害をなす敵なら叩き潰す。ただそれだけだ」
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会議開幕
王城の従者が鐘を鳴らす。
「これより、“多国間連盟会議”を開会とする」
グランジャスは各国の代表たちの目が自分たちに集まるのを感じた。
ドルセニア王「諸君。我らが今日ここに集まったのは、“ローレス帝国の覇権的拡大”と“人身売買の実態”──そして、“魔物の異常発生”という三つの問題に向き合うためじゃ」
リンセンカ「フェルドニアでは孤児が売られ、民が消え、王家の目も届かないほどに混乱が広がっています」
キンキムジョン皇帝「我が国の名を語る者がいようと、我は関知せぬ。……だが、そちらが我が手を拒むなら、いずれ責任を取ることになる」
グランジャス(小声)「相変わらずの上から目線だな」
メソング王「このまま放っておけば、やがて交易が滞る……それだけは困る」
フォーゼリア王「奴らが動いた“理由”を洗い出すべきだ。魔物の異常も含めてな」
北海将軍「原因を潰す。それで終わりだ」
静寂が支配する円卓の間で、ドルセニア王が重々しく口を開いた。
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ドルセニア王:ギララゴンド
「今後の関係性をはっきりとさせておきたいのだ。我らの未来を築くために、ここで意思を示してほしい」
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ローレス皇帝:キンキムジョン
椅子にふんぞり返り、唇の端を吊り上げながら言い放つ。
「我は誰とも“組まぬ”。他国の意志など我が覇道には無関係。──ただし、貴様らが我に“下る”というのならば、話は別だ」
冷気すら帯びるような静けさが部屋に広がる。
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フェルドニア王女:リンセンカ
毅然とした声で、しかし笑みをたたえて答える。
「私はドルセニアとは“良き関係”でいたいと願っています。今はまだ国の再建の最中ですが、民のためなら歩み寄りも厭いません」
視線を交わすリンセンカとドルセニア王。どこか同じ志を感じさせる表情だ。
⸻
メソング王:ハン=ユウグォン
ゆったりと茶を口にしながら、慎重な態度を崩さず言葉を選ぶ。
「我がメソングは“中立”を貫く。だが、この地域の安定は経済と秩序の土台。ローレスが均衡を崩すのなら、介入も視野に入る」
フォーゼリア王 レオナルト四世(軽く鼻を鳴らして)
「相変わらずだな、キンキムジョン殿は――武力だけが取り柄のようだ」
⸻
ローレス皇帝 キンキムジョン(顔を紅潮させ、鋭く睨む)
「魔法以外に取り柄のない貴様がほざくな! 我が覇道を否定する資格など、フォーゼリア如きにあるか」
⸻
会議室が一瞬、凍りつく。
周囲の王たちが互いに視線を交わし、緊張が走る中──
ドルセニア王
「やめよ、両者とも。争いは我らの敵ではないか。今は互いの違いを認め合い、結束を示す時じゃ」
⸻
リンセンカ王女(穏やかな声で)
「武力も、魔法も、外交も――すべての力が必要です。
異なる“強さ”を持つ者同士が手を取り合うことで、真の平和を築けるはずです」
⸻
グランジャス(深く息を吐いて立ち上がり)
「王女のおっしゃる通りです。
各国の強みを生かし、弱みを補い合う。
それこそが、今我らに求められている“共闘”の形──
武力と魔法、商才と策略、宗教の信仰も、すべて一つの大きな盾になるはずだ」
⸻
円卓の中央に、各国の代表たちが視線を落とす。
ローレス皇帝も、フォーゼリア王も、なお険しい表情ながらも、
その言葉に微かな頷きを見せた。
⸻
合意の瞬間
ドルセニア王「よかろう。これを“多国連合防衛条約”とし、各国は互いへの侵攻を停止し、
共同で魔石および魔物問題に対処する。賛同する者は、印を置かれよ
グランジャス(静かに円卓を見回しながら)
「今、ドルセニアがこうして魔の手から解放されたのは――
アルベルトがいたからだ。あいつが仲間たちと共に道を切り開き、
民を守るために剣を振るったからだ。
そして、きっと他の国も同じように救われるはずだ。
もし正しい人間が、民のために立ち上がるならな」
⸻
メソング王(やや伏し目がちに)
「……我が国でも、そろそろ“次”を考えておる。
息子が王位を継ぐ時期が近い。だが、未だ未熟な点も多く、
こうして列席するのも、本人に外交の重要性を学ばせるためじゃ」
⸻
グランジャス(うなずきながら)
「大事なことだな。
“力”だけじゃ国は守れない。“選ぶ者”と“託す者”の覚悟が要る。
あんたの息子がその覚悟を持つなら、きっと未来は繋がる」
⸻
メソング王(穏やかな口調で)
「……アルベルト殿や、そなたのような者が隣にいれば、きっと成長するだろうな」
⸻
円卓には、世代を超えた希望の風が吹き始めていた。
次なる時代へ、王たちは未来を託そうとしていた――。
メソング王 アルベルト殿に伝えてくれぬか次はメソング国に来てくれ
グランジャス 了解した
メソング王(穏やかに笑みを浮かべながら)
「ふむ、我が国にも課題は多い。
外からの視点で見てもらうことが、良き刺激となろう」
⸻
グランジャス
「奴は口数は少ないが、信頼できる。
民の痛みに耳を傾ける男だ。
きっと、メソングでも何かを変える力になる」
⸻
メソング王
「それを願おう。……そして次に会う時は、王としての顔を見せねばならんな」
グランジャス(腕を組みながら少し笑みを浮かべ)
「音楽の国ってのは……魅力的だしな。
戦の鼓動より、歌と旋律の鳴る方がよっぽど健全だ」
⸻
メソング王(うなずきつつ)
「我が国は音楽と調和を大事にしてきた。
楽譜は法、音は民の心……だが、近年は“静寂”ばかりが国を包んでおる」
⸻
グランジャス
「つまり、音が消えかけてるってことか……なら、アルベルトたちにゃちょうどいい。
あいつら、どんな荒れ地にも音を鳴らす術を知ってる」
グランジャス(にやりと)
「ま、俺たちも少しは音楽の国ってやつ、楽しませてもらうか。
問題があるなら、それごと和音に変えてやろうぜ――“世直し楽団”の出番だな」
カリン(ぱたぱたと駆け寄って)
「ご主人様、お帰りなさいっ!」
(勢いよくグランジャスに抱きつく)
⸻
グランジャス(少しよろけながらも笑みを浮かべて)
「おっとっと、ただいまカリン。元気だったか?」
⸻
カリン(グランジャスの胸元に顔を埋めながら)
「うん……でも会えない間、寂しくて……。
ご主人様の匂い、やっぱり落ち着く……♡」
⸻
グランジャス(頭を軽く撫でて)
「ったく……留守番くらいちゃんとしてくれよな」
⸻
カリン(ニコッと笑って)
「うふふ、それはご主人様が帰ってきてくれるって信じてたからできたの♪」
⸻
(近くで見ていた仲間たち)
ティミス(ちょっと照れくさそうに)
「まったく……相変わらずラブラブね」
メルディス(むっとしながらも微笑んで)
「私だって……負けないんだから」
⸻
グランジャス(両手を上げて)
「ただいま戻ったぜ、我が家へ!」
グランジャス
「次はメソング国に向かうぞ。国王から正式に話があった。アルベルト宛てに、ってな」
ティミス(やや顔をしかめて)
「それって……また船旅? 揺れるのはあまり好きじゃないんだけど」
グランジャス(苦笑して)
「船なら安全だが、陸路って手もある。ただし――砂漠越えだ」
メルディス(驚いた表情で)
「砂漠!? 水分補給が大変になりそう……」
シシオ(腕を組みながら)
「道具の整備と補給ができれば、悪くないルートだが……砂嵐にだけは要注意だな」
カラスト(ぴょこんと手を挙げ)
「砂漠なら僕の風魔法で少しは涼しくできるよ!」
グランジャス
「心強いな。まぁ、どっちのルートを取るかは全員で決めよう。ただし、どちらを選んでも――」
グランジャス(少し真剣な目で)
「メソング国は”音楽の国”。けど今は不穏な動きもあるらしい。覚悟してくれ」
ティミス(アルベルトの袖をそっと掴んで)
「アルベルト、お願い……陸地にして。船は本当に……揺れがダメなの……」
⚔️アルベルト(少し照れながら)
「……そんなに頼まれたら断れないな。わかった、砂漠越えで行こう」
グランジャス(満足そうに頷いて)
「おう、了解だ。――水番頭!」
水番頭(ナイルワニのロコウ族)(工具を手に振り返り)
「なんだい、坊っちゃん?」
グランジャス
「この屋敷のことと、不良たちの更生、全部任せたぞ。俺たちはメソングへ向かう」
水番頭(親指を立てて)
「任せとけ。掃除も飯炊きも畑も、全部見とく。あとは無事に帰ってくるだけだぜ、グラン坊」
グランジャス(笑って)
「ドロップアウトしてた俺を引き上げてくれた恩人に頼めるなら安心だよ」
⸻
こうして一行は、砂と風の試練が待つ「陸路」へ――
音楽の国・メソングへ向けて、旅立つ準備を進めるのだった。
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