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道物語(ロードストーリー)第六幕 本の村ブックル編

  アルベルト一行は 砂漠の街サマーサをでてメソング王国へと向かっていた

  アルベルト「おっ、砂の色が減ってきたな。草原か?」

  道の両脇にちらほらと緑が増え、乾いた風に草の匂いが混じる。

  枯れ色一辺倒だった視界が、徐々に柔らかな緑と青に染まり始めていた。

  カラスト(馬車の上から手を振って)

  「ねぇねぇ、なんか見えてきたよ! あれ、村じゃない?」

  シシオ(目を細めて)

  「ああ、間違いねぇ。あれは“本の村”――ブックルヴィレッジだな。

  本と知識を何より大切にする連中が集まってる村だ」

  マリーナ(目を輝かせて)

  「本の村!? すごい素敵な響き……♡」

  ホルスター「あら、子どもたちにも読み聞かせしたくなるわね。どんな本があるのかしら」

  ティミス「……図書整理とかしてみたくなっちゃいますね」

  グランジャス(腕を組んで)

  「確か村の中央にでっけぇ図書館があったはずだ。

  物語、伝承、地図、薬草学……なんでもある。

  旅の前に立ち寄るにはちょうどいいな」

  村の建物はすべて本棚のようなデザインをしており、屋根の形もどこか本の表紙を模していた。

  読みかけの本を手にした子どもたちが笑いながら駆け回り、広場では詩を朗読する老婦人の声が響いている。

  ⸻

  アルベルト「……なんか落ち着くな、ここ」

  カラスト(耳をピクピクさせながら)

  「うん、空気が優しいね! あっ、図書館が見えてきた!」

  ブックルヴィレッジの風景

  村に足を踏み入れると、そこはまるで巨大な学園都市のようだった。

  子どもも大人も、家の軒先や広場、ベンチや木陰で本を開いて勉強している。

  老夫婦が論文の添削をし合い、農夫の少年が植物学の教本を読みながら野菜を収穫している。

  まるで「学ぶこと」が生活そのものになっている村だった。

  ⸻

  グランジャス(ニヤリと笑って)

  「こりゃあ教師の血が騒ぐな……! ちょっと生物学の資料を見てくる。

  新種の交配例が出てれば、講義に使えるかもな」

  カラスト(目を輝かせて)

  「僕は魔導書コーナーへ! 古代呪文の構文が残ってるって噂があるんだよ!」

  シーフェ(すでに白衣に着替えてる)

  「私は医療系の資料室ね。最近、見たことない症状の病人が多いから、ヒントがあるかもしれないわ」

  シーン描写:

  カリン(目を輝かせて駆け寄りながら)

  「あれ? コタコイさんじゃん! 久しぶりね!」

  コタコイ(微笑んで)

  「あら、カリンちゃんにメルディスちゃん。 本当にお久しぶりね。こんな場所で会えるなんて思わなかったわ」

  メルディス(嬉しそうに)

  「わぁ、変わってないですね、コタコイさん! 今も時計雑誌読んでるんですか?」

  コタコイ(雑誌をパタンと閉じて)

  「ええ、**“時の記録”**って雑誌の最新号。古代メソングの水時計と音楽装置の関係について書かれていてね。ちょっと面白い考察があったのよ」

  コタコイ(真剣な表情で)

  「そういえば……メソング国の王族の間で“時の旋律”って言葉、聞いたことあるかしら? 音楽で時を調和させる儀式……失われたものだけど、今また動き出してる気配があるの」

  カリン(首をかしげて)

  「へえ、それって関係あるの? さっき噂になってた“黒衣の音楽隊”とかと……」

  コタコイ

  「あり得るわ。彼らが使っている楽器には、封印された音の魔術が施されているものもある。もし悪用されれば、時間そのものを狂わせる可能性もあるの」

  コタコイはふくろうの目をぱちくりさせながら、話しかけてきたカリンににっこりと微笑んで、声を潜めて言った。

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  コタコイ

  「あら、あなたたち旅してるのね。 だったら、ちょうどいい情報があるわよ。

  実は――メソング王の息子さんが“引きこもり”状態で、王族の中では結構深刻な問題になっているの」

  ⸻

  メルディス(驚いて)

  「えっ、王子様が引きこもり……それって、政治とか王位継承にも影響が?」

  カリン

  「何があったの?」

  ⸻

  コタコイ(少し眉を寄せて)

  「一説によると――昔、大舞台で失敗して以来、人前に出るのが怖くなったそうよ。

  今は**“風鳴りの塔”**っていう王城の別館に閉じこもって、音楽の自動演奏機をいじる日々。

  王様も困ってて、外部の人間に“どうにか励ましてくれないか”とお願いする案まで出てるのよ」

  ⸻

  カリン(腕を組みながら)

  「それって……もしかして、私たちの出番ってことかしら?」

  メルディス(ニヤッと笑って)

  「ご主人様が行ったら、王子も度肝を抜かれるでしょうね。いろんな意味で」

  ⸻

  コタコイ

  「ふふふ、グランジャスさんなら面白くしてくれそうね。

  でも、気をつけて。“王子の心を閉ざす音”が、国全体の音の流れも鈍らせてるっていう話もあるの。

  彼が再び**“旋律”を取り戻せば――何かが動き出す**かもしれないわ」

  グランジャスが生物学の本を数冊抱えて戻ってくる。帽子を少し傾けながら、見知った顔に声をかけた。

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  グランジャス

  「おう、コタコイちゃん、久しぶりだな。まだ時計雑誌好きなんだな?」

  ⸻

  コタコイ(微笑みながら)

  「グランジャスさん……お久しぶりですわ。ええ、時間の流れって美しいでしょう?

  それより――今回はどんな旅を? 学会か何かかと思いましたけど?」

  ⸻

  グランジャス(腕を組みながら少し笑う)

  「いや、今回はちょっと違ってな。そこの剣士――アルベルトの“世直し旅”に、俺も同行してるのさ。

  おかげで傷は絶えねぇけど、毎日が刺激的で飽きる暇もない」

  ⸻

  コタコイ(少し驚いて)

  「えっ? あの“フェルドニアの解放者”アルベルトさんとご一緒なんですの?

  それはまた……王族も動くほどの旅ですものね。今度はメソングの問題に?」

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  グランジャス

  「そういうことだ。お前が言ってた引きこもりの王子の件、気になってる。

  “風鳴りの塔”ってのが鍵になるみたいだな。何か音にまつわる“呪い”でもあるのか?」

  ⸻

  コタコイ(少し神妙に)

  「呪い……と言うより、“心が音を拒んでいる”感じですね。

  王子の名はレフィアス。民は彼の“再演”を密かに望んでいますけど――それを引き出せる人は、まだ現れていないの」

  ⸻

  グランジャス(口元に手を当てて考える)

  「……じゃあ、その“鍵”を回してやるのが俺らの役目ってわけか」

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  カリン(背後からひょっこり現れて)

  「ご主人様、その“鍵”ってたぶん――私たちのチームそのものですよ。

  それぞれ音、踊り、剣、歌、魔法……揃ってますもん」

  ⸻

  グランジャス(にやりと笑って)

  「上等だな。じゃあ一丁、音の国の心の鍵、開けてやろうじゃねぇか」

  グランジャスはコタコイの言葉に目を細め、すぐに反応する。

  ⸻

  グランジャス

  「音の迷宮……聞いたことあるな。メソングの王族が継承の証として挑む試練ってやつか」

  ⸻

  カラスト(わくわくしながら)

  「え、それって魔法的な仕掛けのあるダンジョン? 音を使うってことは、音階とかリズムが鍵になるのかな」

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  マリーナ(興味津々に)

  「それなら私の出番じゃない? 歌の力で扉を開けるとか、ハーモニーで敵を鎮めるとか、想像するだけでステキ♡」

  ⸻

  コタコイ(頷きながら)

  「ええ、まさにそう。音の迷宮は“心”と“音”が響き合う場所。

  王族だけが挑める場所だけど、今回は例外かもしれないわね。

  何しろ、レフィアス王子自身が“音を閉ざしてしまった”のだから」

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  アルベルト(腕を組んで)

  「つまり、王子をその気にさせて、迷宮を一緒に進んで、最後に“メソングの鐘”を鳴らさせればいいんだな」

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  コタコイ

  「ええ。でも注意して。音の迷宮はただの試練じゃないわ。

  そこでは**“音”が“感情”に影響し、感情が実体化する**……

  下手をすれば、自分の中の“トラウマや後悔”が敵として現れることもあるのよ」

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  グランジャス(ニヤリと)

  「面白いじゃねぇか。音の迷宮を越えて鐘を鳴らせば、王子も、メソングも変われるってわけだな。

  さぁて、王子を引っ張り出す準備でも始めるか」

  グランジャス 俺なら失敗談なら腐るほどあるし 多少は心の扉開けるかな

  コタコイ

  「ふふ、あなたのことだから、恋の失敗も、酒の失敗も、部下に怒られた話も山ほどあるでしょうね。

  そういう“くだらないけど人間らしい話”が、案外一番効くのよ。

  レフィアス王子は“完璧”を強いられてきた子だから、欠けた部分を見せてくれる相手には心を開きやすいかも」

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  マリーナ

  「たしかに…グランジャス様みたいに、“完璧じゃないけど頼れる人”って、安心感あるもの。

  私たちもサポートするから、王子の殻を破ってあげましょ」

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  カラスト(手を挙げて)

  「僕も“泣いて逃げた魔法の試験”の話ならいっぱいあるから、慰め役に加えてよね!」

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  ティミス(真顔で)

  「私は…ちょっと失敗談を語りたくないかも…。でも、心の扉を開けさせる技なら任せて」

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  グランジャス(にやりと)

  「よし、なら俺のターンだな。

  “国王の祝宴で酔っ払って庭園の噴水に飛び込んだ話”でもしてみるか。

  ……あと、使用人に惚れて告白してフラれた話もな(チラッとカリンとメルディスを見る)」

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  カリン

  「そ、それは誰のことですか!ご主人様の昔の恋の話なんて、興味ないですっ///」

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  メルディス(ふふんと鼻で笑う)

  「ま、振られた数=魅力の証明かもしれませんね、ご主人様?」

  ホルスター(本を閉じながら)

  「はいはい、今行くわよ。……でもこの“砂漠の保存食レシピ集”は持って帰ってもいい?」

  カラスト(両腕に本を山のように抱えて)

  「えっ、もう? まだ“風属性と音波の関係”のところしか読んでないよ!」

  シシオ(図書館の端で斧の歴史書を読みながら)

  「ふむ、古代の戦士ってこんな斧を……って、ああ、そろそろか。了解だ」

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  グランジャス(笑いながら)

  「まったく…勉強熱心なのはいいが、旅の本編も進めるぞ。王子が待ってる」

  アルベルト(にやりと)

  「よっ、先生方。そろそろフィールドワークの時間だ」

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  皆が図書館から出てきて、荷物を整える。

  村の人々が名残惜しそうに見送りに集まり、コタコイが再び言葉をかける。

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  コタコイ

  「音の迷宮は、知識よりも心が試される場所。

  ……でも、あなた達なら大丈夫。王子も、きっと何かをつかめるわ」

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  グランジャス

  「サンキュー、コタコイちゃん。またどこかで会おうぜ」

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