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強制で選択はない

  ※波の音

  ねぇ君。こんなところで何してるの?

  ……もしかして死にかけてるの?

  ……あぁ、あそこから落ちちゃったんだ。

  すごいね。普通だったら即死だよ。まだ生きてるなんて……

  んー?誰かって?

  あぁ、しゃべらなくても目を見ればわかるよ。

  別に大したものじゃないよ。通りすがりの人魚だよ。

  ここは僕の憩いの場なんだ。人間にも見つからない特別な場所。

  まぁたまに君みたいにここに倒れてる人間はよく見かけるけど、大体死んでるんだよね。

  そして、君もまさにそんな感じかな。

  でも、君は面白い人間だ。生命力があるっていうか……

  うん、決めた。君は死ぬには惜しい。だから、僕が君を生かしてあげる。

  あぁ君に拒否権はないよ。僕が君を生かしたい。ただそれだからね。

  ※ナイフで腕を切る。

  さぁ、口を開けて。

  知ってるかい?人間が人魚の血を飲むと不死になるんだって。

  今から君の口に僕の血を流し込んであげる。

  僕は君を生かしたいけど、それが嫌なら君は血を飲まずにそのまま師が来るのを待てば良い。

  選択肢はないとは言ったけど、結局選ぶのは君自身だよ。

  さぁ、どうする?

  ※男の子、血を飲み込む

  ふふっ。ようこそ、こちら側へ。

  【完】

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