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断罪された悪役令嬢

  ※水の滴る音

  あら、だれかと思えば殿下ではありませんか。

  こんなところに何かご用ですか?

  もしかして、私をここから出してくださるのですか?

  ……反省?私が何か悪いことをしたのですか?

  私は何も悪くありませんわ……全てはあの女が元凶ですわ!!

  私が行ったことは正当化されるべきことです!

  あの女は!平民のくせに殿下の隣に平然と!私と言う婚約者がいると言うのに!

  ……傲慢?私が傲慢?何を言うのですか……好きな人の隣に自分じゃない女がいることを嫌だと思って何が悪いのですか!

  大体あの女は殿下だけではなく、他の男性とも仲良くしていました!

  皆婚約者がいるのにです!

  ……この際だからはっきり申し上げます。どうせ、もう私はここから出られないのですから。

  殿下は、何も感じなかったのですか?婚約者である私がいるのに他の女性と仲良くすることに。

  婚約者がいる男性達が、彼女と話してることに。

  ……そうですか。殿下は、私と言う存在が煩わしかったのですね……

  そうですよね。殿下にとっては、陛下が勝手に決めた婚約ですものね。

  ……えぇ、私にとってもです。でも私は、殿下をお慕いしておりました。お慕いしていたからこそ、私は王妃教育を頑張ることができました。将来、殿下の支えになれるように。殿下が立派な国王になるために。

  私にはそれしかなかったのです。それが無くなったら私に何が残るのですか?

  何も、残りませんわ……

  だから……

  後悔はしていませんわ。

  ここに長くいたせいか、今まで燃え上がっていた感情がひどく冷めてしまって、今は虚無感を感じています。だからでしょうか、こうやって嬉しくもないのに自然と笑みを浮かべることができます。

  なのできっと私は、処刑台の上でも、笑顔を浮かべることができますわ。

  最後の慈悲?

  ……あの女に謝れと言うのですか?

  どうして私が謝らないといけないのですか?

  申し上げましたよね。私は何も悪いことはしておりません。当然のことをしたまでですわ。だから、私があの女に謝罪することはありません。

  えぇ、そうですね。

  死んで、来世はきっと幸せに生きることができると思います。

  だって、こんなのおかしいですもの。私は正しいことをしたのですから。

  きっと、神様はわかってくださるはずですわ。

  ※思い扉が閉まる

  【完】

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