AdAd
  
流離のピエロさんに元気をもらって

  ※足音

  さぁさぁ皆様お近くに。

  子供は前に大人の方は後ろで是非ともご覧ください。

  私は流離ピエロ。昨日よりこの街にお邪魔しております。

  しばらくの間はここで皆様にひとときの幸福を与えましょう。

  ん?なんだい可愛いお客様。

  流離の意味?

  んー、旅をするって意味だよ。私は今まで、この街以外のところにも行ってみんなにひとときの夢を見せていたの。

  ……えぇもちろん。貴方にも夢を見せてあげる。

  ※少し間を開ける

  ※拍手のと

  ありがとうございました。

  また明日もここでパフォーマンスを行いますので、是またいらしてください。

  もちろん知人友人、家族に恋人たくさんの人にお声がけくださいませ。

  ふぅ……さて、片付け片付け。

  ん?どうしたんだい少年。そんなに私のことをじっと見つめて。

  申し訳ないけど今日の夢はもう覚めてしまったの。

  また明日……

  え?私みたいになりたい?

  ……ふふっ、随分可愛い口説き文句ね。

  んー……そうだ。お腹は減ってない?

  基本的にこういう場でのパフォーマンスではお金はとってないけど、今日来たお客さんがいくら隠れたの。

  一緒に食事しましょう。

  ※少し間を開ける

  ※食器の音

  そう、貴方孤児なの。

  仕事は?この街じゃ、貴方ぐらいの子は普通働いてるって聞いたけど。

  ……そう。クビね……それにしては、随分酷い扱い受けてたんじゃない?

  服の下、怪我してるでしょ?

  ……ごめんなさい。あまり聞かれたくなかったわね。

  それで、私みたいになりたいって話だったわね。

  ピエロになりたいの?

  ……人に夢を見せたい……そう、貴方には色々と抱いているものがあるのね。

  そうね……それじゃあ、私の弟子になる気はない?

  とは言っても、そんな大したものじゃないけどね。

  一緒に旅して、一緒にパフォーマンスして。たくさんの人の笑顔を見る。

  そんな単純なこと。弟子は結局は建前よ。

  もちろん、君が立派な大人になるまでは私が君の保護者になる。

  今の生活が薄暗くなるほどに、君に幸せを与えてあげる。

  ひとときの夢じゃない。永遠と言ってもいいほどに、長い幸せを。

  ふふっ。それじゃあ早速この後簡単なものを教えてあげる。

  私は厳しいから、しっかりついてくるのよ。

  【完】

AdAd