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あ、お兄さん起きた?
ボロボロだね。今にも死にそうって感じ。
……そんなに警戒しなくていいよ。見ての通り、小さな女の子の小鬼だから。
大人たちに比べたら力なんてないよ。
それにしても随分ボロボロだね。お父さんたちに抵抗でもしたのかな?
……そうだよ。この村を襲ったのは私のお父さんとその仲間だよ。
私はちょっとついてきたって感じかな。
今お父さんたちとったものを船に積んでるところなんだ。それまで、ちょっとぶらぶらしてたんだけどね。
……んー?どうしてって言うのは、こんなことしたこと?
まぁ生きる為っていうのが根本にはあると思うけど、ご先祖様が人間に負けちゃって、鬼の脅威が低くなっちゃからね。また、鬼の地位を上げるためにっていうのが今かな。私は、幸せに生活ができればいいんだけどね。
お兄さんには申し訳ないけど。
……違うよお兄さん。誰かが幸せになるってことは誰かが不幸になるってことだよ。
この世の全ての者が幸せになるなんてことはないんだよ。
奪う者が幸せになれば、奪われた者は不幸になる。
それがこの世の摂理だってお父さんが言ってた。私も、そう思うよ。
現に今、お兄さんは不幸で、私たちは色々手に入って幸せ。
可哀想だね、お兄さん。可哀想で、可哀想で……可愛いね。
私ね、初めて人間の村に来たの。危ないからて襲うときは村に入れさせてもらえなかったけど、死体だらけ、瀕死だらけの村は大丈夫だからって許可もらってね。
人間って弱いなぁって思ってる時にね、お兄さんを見つけたの。
みんな死んでるのに、お兄さんだけ生きてたから。目が覚めるまでここに居たんだ。
そのまま死んじゃったら、「あーあ、死んじゃった」で終わってたけど……生きててよかったね、お兄さん。
ねぇお兄さん。私たちが憎い?殺したいほど憎い?
だったらお兄さん、私たちのところに復讐にきてよ。私たちを殺しにきてよ。
……んー、ダメかぁ。あ、じゃあこれならどうかな。
(男の目の前に生首を置く)
この人間、お兄さんの妹でしょ?
この子も近くにいたんだけど、うるさかったから私が殺したの。
大人ほどの力はないけど、このぐらいの子なら私でも簡単に殺せるんだ。
えへへ、すごいでしょ。
んー?どうしてって……私ね、ご先祖さまのお話大好きなの。
ただの人間が、鬼に立ち向かって討伐するってすごく面白いと思わない。
圧倒的、弱者を見下して居た強者が、弱者に打たれるって……すっごくドキドキするの。
ねぇ、お兄さん。私はお兄さんの大事な妹を殺した悪い鬼だよ。
憎いよね、殺したいよね。こんな小さな女の子鬼に好き勝手言われて、妹も殺されて、憎しみや怒りが込み上がってくるでしょ。(耳元
お兄さん。私はお家で待ってるね。お兄さんがお家に車で、この首は私が預かって置くね。
だーめ。鬼さんが強くなって、ちゃんと島に来たら返して上げる。
もちろん、私と勝負して勝てたらだけど(耳元
あ、お父さんが呼んでる。
じゃあね、お兄さん。約束だよ。
私、待ってるからね。
【完】
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