仮面を付けたら怪人みたいな正義のヒロイン?になっちゃった女子高生の話2

  [chapter:第二話:私?どうなっちゃうの??!]

  さっきまでのドタバタ音を聞きつけて、近所の人達が家に近づいてきた。

  「なんだい??今のさっきの音は?!!」

  「おーい!!内田さーん??え!玄関のドアが倒れてる!!?」

  やばい!

  中に入ってくる!

  私のこんな姿を見られたらなんて説明したら・・・

  いや、私だってばれない??

  でもさっきの人遠くに飛ばしちゃったし、絶対この惨状、私のせいにされるよね???

  「に、逃げるしかない!!」

  一旦頭の中を整理する為に、部屋の窓から外に出て、民家の屋根づたいに逃げる事にした。

  できそうな気がしてやってみたけど、ありえないジャンプ力で○リオブラザーズみたいにピョンピョンスイスイ逃げる事ができた。

  ありえねー・・・

  [newpage]

  住宅街を離れるとすぐ近くに山があり、ここはその麓にある大きい公園の公衆トイレ。

  さすがに深夜の山の公園のトイレには誰もいなかった。

  少し雰囲気怖いけど。

  いや、むしろ私が怖がられるほうか。

  「ま、まず、自分がどういう状況にあるか確認しよう・・・」

  私は今まで剣道の試合で色んな人と戦ってきたけど、今対峙している相手がどんな戦法か、癖か、すぐさま見極める事が得意だ。

  今回はその戦う相手がこのお面なだけ。焦るな私!

  まず、お面に憑りつかれた事によってとんでもない力が使えるようになった。

  普段のパワーの何十倍もの力が出せちゃう。

  そして、物を投げつけられても、刃物で刺されても攻撃が一切通じない。

  スタンガン、拳銃だったらどうなるんだろう・・・?

  着てる服も自由に変えられる。

  試しにキュ○ホワイトの格好やメイド服、ナース服、とか、変えようと思えばその都度竜巻が発生してどんな格好にもなれる事が分かった。

  そして、こういう都合の良い無敵に思える力こそ、何か弱点があるはず。

  それはなんだろう・・・?

  そして、このお面は自由に脱着できるのだろうか・・・?

  今一度冷静になり、頭部を触って確かめてみる。

  「このお面が変身デバイスみたいな物だと仮定して、まさか変身解除ボタンなんてある訳ないよね・・・?」

  すると、変身直後はテンパって気づかなかったけど、後頭部に切れ目のようなものがある事に気が付いた。

  これ、もしかして・・・?

  両手で切れ目を剥がしてみる。

  すると、

  「あ・・・あ・・・あ゛あ゛ぁああああ゛!!!い・・・いだいいい!!!」

  めっちゃ痛い、後頭部の皮膚全部剥がれるんじゃないかと思う程痛い!

  でも、こんな顔じゃ生活できないし・・・・

  やってみるしかない・・・!!!

  「あ゛あ゛あ゛!!!い・・・いいい・・・!!!」

  ほんとめちゃ痛いけど、頑張って剥がしてみる。

  すると、トイレの鏡に映った自分の顔がしわくちゃになっていく。

  こ、怖い・・・ホラーじゃん・・・

  でもこれ、元の木のお面に戻っていってるって事??

  だんだん後頭部の髪の毛が出てきた!

  大きくなった胸も元の大きさにゆっくり縮んでいき(これはちょっと残念)、体の周りにまた竜巻ができて元のセーラー服に戻っていく。

  「あ゛ぁあ゛あ゛・・・」

  耳も出てきて、とうとうお面がおでこからも離れ、顔も見えてきた。

  手に握っているお面もだいぶ元の形に戻ってきた。

  だけど、下唇、両頬がお面に引っ付いたままお餅みたいに伸びてなかなか離れない!!

  「あ゛あぁあっっ・・・」

  ダメッ・・・!力がっっ・・・!!

  ビタンッ!!!

  「ゔもうっっ!!!!」

  ググググググググ!!!

  力尽きて手を放しちゃった・・・

  ググ・・・グニャグニャグニャ!!!

  「うおおん!!!うおあああ!!!ムグゥウウ!!!」

  もうちょっとで取れそうだったお面は再度私の顔に取り憑き、離れまいと触手を後頭部まで伸ばしていく。

  胸もまた大きくなっていく。

  ムムムムムム!!!ボインッ!!!

  「あぁああ・・・ああ・・ああ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

  また元の顔面緑色のスキンヘッドの巨乳怪人に戻ってしまった・・・

  「でも、さっきはおそるおそるゆっくり引っ張ったからじゃ・・・痛みはあるけど血が出たり、皮膚が剥がれたわけじゃないし・・・勢いをつけて一気に剥がせば・・・」

  お面が元に戻ろうとする力に対して、私が剥がすスピードが速ければ・・・

  「もう一度・・・ふ!ふぅううんんん!!!」

  一気に剥がしてみる・・・

  「はあ・・・あ゛あ゛あ゛・・・あぁあああんあああああ!!!!」

  さっきので勝手が分かったからか、痛いけど、剥がすのが速くなり、とうとう最後にお餅の様に伸びた両頬、鼻、唇だけお面に残った。

  「あ゛あ゛あぅうあああぁあぁああぁあ!!!!!」

  左頬がお面から離れ、

  プチンッ!

  右頬、鼻、

  プチンップチンッ!!

  最後に唇。

  プッッチン!!

  「ウヴォああぁぁ!!!・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

  も、元に、元に戻れた!!!!

  やった!!!!

  マジでホントどうなるかと・・・

  「はぁ・・・はぁ・・・でも、このお面どうしよう・・・?こんな物捨てたら、見知らぬ人が拾って憑りつかれるんじゃ・・・・」

  私が捨てたせいで他の人が拾って被害を受けてしまうと考えると、とても捨てられなかった。

  「まず、顔に近づけなければ大丈夫そうだし、このまま持っていよう・・・」

  そうこうしていたら、どっと疲れがでてきた。

  明日も学校へ行かなければいけない普通の水曜日。

  「学校どうしよう・・・寝てないし、すんごい疲れた・・・」

  便座に座ってちょっとだけ休もう・・・

  [newpage]

  「やばっ!!外明るっ!朝じゃん!どうしよう…スマホ持ってきてないし・・・今何時だろう・・・?」

  今まで病気で休んだ事の無い皆勤賞ガールの私が遅刻だなんて・・・

  いや・・・でもそれどころじゃないよね・・・家もどうなってる事やら・・・

  仮面はどうしよう・・・とりあえず持って帰ろう・・・

  家に帰ってみた。

  案の定周りは警察だらけ。

  「あ、恵!!どこ行ってたの!!」

  「心配したんだぞ!ケガは無いか??!」

  お母さんとお父さんが心配そうな顔で出迎えてくれた。

  「た・・・ただいま・・・ケ・・・ケガは無いよ。」

  「私達が仕事から帰ってきたらご近所の皆さんや警察の人達がたくさんいて、何事かと思ったら家の中がめちゃくちゃだし、学校から帰ってるはずのあなたまでいなくて・・・誘拐されたんじゃないかって心配で心配で・・・」

  「ご・・・ごめんなさい・・・刃物を持った男の人が暴れてて、すごく怖くて遠くまで逃げたんだよね・・・その人めっちゃ追いかけてきてて、山の麓の公園の公衆トイレに隠れてたら寝ちゃっててて・・・」

  とりあえずこう言っておこう・・・

  「ちなみに犯人からは逃げきれたの??」

  「う・・・うん。一応向こうも探してたけど、諦めてどっか行ったみたい・・・」

  「ん?恵。その手に持ってる物はなんだ?」

  「あ!こ・・・これはね・・・さっき拾ったっていうか・・・わ、私!お面見るの好きなんだよね!なんかこう・・・神秘的っていうか・・・スピリチュアルっていうか・・・縁起物っぽくて・・・その・・・ね?」

  「そ、そうか・・・」

  入れる袋やカバンも無いし、手に持ってたら絶対聞かれるよなぁ、って思ってたけど、持ってる理由を全く考えてなかった・・・お父さんに咄嗟に聞かれて答えたけど、誤魔化せたかな・・・?

  「あ、内田ちゃん!大丈夫かい??夕方捕まえてくれた泥棒に仲間がいたかもって話には署であったんだけど、なかなか仲間の存在や居場所を吐かなくてな・・・本当に申し訳ない・・・怖い思いをさせちゃったね。」

  「い・・・いえいえいえ!とんでもないです!」

  あ、この人の名前は鎌田さん。

  泥棒を捕まえ時に運んでくれた人ね。

  「疲れてるだろうからまず今日はまず学校に連絡してゆっくり休んでね。その後にでも、色々被害があった時の事の詳細を聞かせてね。」

  「は、はい!」

  別の警官が鎌田さんに向かって走ってきた。

  「鎌田さん!先ほど署から連絡がありまして、ここから約20km先の海岸の岩場で気絶していた男性を近くを通った漁師が発見して通報したようなのですが、その男性の身元を調べた所、昨日逮捕した泥棒の仲間ではないかと!」

  あー・・・どうしよ・・・

  あのぶっ飛ばしちゃった人、気絶してた理由なんて答えるんだろう・・・

  [newpage]

  「おふくろ!ここに置いておいた南京錠のかかった木箱知らないか?」

  「はえ?あ〜、あの箱かえ?昨日うちに入った泥棒をこらしめてくれた可愛らしい学生さんにお礼に何かあげようと思って選んでもらったとこさね!」

  「は??な!なんて事を・・・あれを渡したのか?!!」

  「これでいいって言ってたもんでねぇ〜。南京錠も開かんし、中身も分からんし、本当にこれでいいのかえ?、って聞いたんだけどね〜。もしかしておめぇさん、中身が分かるのかえ?」

  「やってしまった・・・あれは決して人に渡すつもりじゃなかった・・・俺が荷物整理してたまたま表に置いておいたばかりに・・・まさかあれを持っていく者がいるとは思わなかった・・・中身は知ってるさ。ただ、ちと危険な物だから俺はオヤジからおふくろには中身は誰も知らないと言うように言われていた。」

  「はえ〜、そうだったのかえ?すまんねぇ・・・そんなものだとは思わなかったさね・・・だども連絡先教えてもらってるから、もしおめぇさんが返してほしければ連絡すればええ・・・あ!しまったのよさ!連絡先教えてもらうつもりがうっかり聞き忘れてそのまま聞かずに帰してしまったのよさ・・・」

  「ああ・・・手遅れかもしれん・・・なんて事をしてしまったんだ・・・」