ケモノ小学校埼玉校の相撲部顧問である、ホッキョクグマの保良 部亜先生。
これは、彼がまだ中学生であった頃の話。
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保良は小学校時代は町内の相撲教室に通っていたが、中学生になってからは中学校の相撲部に入った。
小学校時代から熱心に取り組んでいたため、相撲部の3年生も驚くほどのパワーを持っていた。
それが評価され、中学1年の夏休みに県内の中学生相撲大会への出場が決まったのだ。
会場は大上区総合体育館。多くの観客が集まっている。
控室にいる中学生たちは、埼玉県各地の中学校から選ばれた強豪ばかりだ。
サイ、カバ、狐、ライオン、猪、セイウチ、ツキノワグマ…全員中学1年生だが、筋肉と脂肪の鎧を身に纏っている。
まわしを締め終わり、準備運動や会話など思い思いの行動をとっている一同。その中で保良はただ1頭緊張している。
「ああ、どうしよう…これが初めての大会だからな…
こういう時は、手に『ケモノ』って書いて飲み込むんだっけ?」
そう言っていると、参加者の中で一番太っているツキノワグマが缶ジュースを5本差し出した。
「ほら、これでも飲んでリラックスしろ。」
「あ、ありがとう。」
保良は5本のジュースを飲み干した。
「ああ、なんか緊張がほぐれた気がするよ。ありがとう。」
「礼はいいんだ。頑張ってくれ。」
そのツキノワグマが去り際にニヤリと笑った事に、保良は気がつかなかった。
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いよいよ相撲大会が始まった。
保良の最初の相手は、自分より一回り大きな体のカバ。
「はっけよーい…のこった!」
カンガルーの行司の合図で、組み合う2頭。
保良はカバのまわしをつかみ、土俵の外へと押し出した。
「すごい!」
「彼は天才だな!」
保良の勝利により、会場は拍手と歓声に満ち溢れた。
「全力で稽古をしたが、やはりお前には勝てなかった…今度はもっと力をつけてやるからな!」
カバは悔しそうに言った。
勝ち残った保良は、次の取り組みに進んだ。
次の相手は狐。保良よりは小さいが、狐としてはかなり太っている。
保良は狐にも勝ったが、その時尿意を感じた。
(まずい…先ほど飲んだ缶ジュースのせいだな…)
またいくつか取り組みが続き、保良の番が来た。
次の相手はライオン。筋肉と脂肪が半々ほどの姿で、保良と同じぐらいの身長だ。
保良は尿意のせいで少し苦戦したが、それでも勝つ事ができた。
(ああ、そろそろトイレに行った方がいいな…)
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休憩時間に入ったため、保良はトイレに向かった。ところが小便器も個室もすべて埋まっている。
「な、なんでこんなに?」
しかし、参加者が使えるトイレはここしかない。保良はトイレが空くまで我慢した。
2分ほど待っていると、1匹のスマートな柴犬が小便器を離れて保良の所に来た。
「我慢してるのか?もう大丈夫だぜ。」
「ああ、ありがとう、助かったよ…」
「だが、このトイレを使うには条件がある。俺が出すクイズに正解する事だ。」
「いや、そんな…」
「では問題。俺が小学校2年生の時の担任の名前と種族は?」
(なんだ、この問題は!まあ適当に答えておくか…)
「鈴木というカワウソ…?」
「はい残念!お前はこのトイレを使えないぞ!さあ帰った帰った!」
「そんな問題わかるわけないぞ!使わせてくれ!」
「それは無理だ。あきらめるんだな!」
保良は仕方なくトイレを後にした。
保良の姿が見えなくなると、個室の1つから先ほどのツキノワグマが現れた。
「お前ら、よくやったな。ありがとう。」
このトイレにいるケモノは、すべてツキノワグマの手下。
ツキノワグマは自分よりも強いと噂の保良に勝つため、保良を弱体化させる作戦を自分の仲間とつるんで立てていた。
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休憩時間が終わり、取り組みが再開した。
保良の尿意はさらに強くなり、全身の震えが止まらない。
「ああ、漏れる、漏れる…」
次は準決勝。相手は保良と同体格のサイだ。
保良は力が弱っていたが、足技を使ってなんとか勝った。
いよいよ決勝戦。保良の相手はツキノワグマだ。
彼は保良よりも大きく太っており、筋肉と脂肪に覆われている。
ボールのように丸いお腹に、ずんぐりとした手足。表情は自信に満ちている。
向かいに立つ保良の態度は、ツキノワグマとは正反対だった。
体は激しく震え、真っ白なはずの顔は真っ青になっている。
股間に手を伸ばそうとしているが、太鼓腹のため手があまり届かず困っているようだ。
膀胱は破裂寸前で、いつ決壊しても不思議ではない。
「はっけよーい…」
カンガルーの行司が合図を始めた瞬間、2頭はこう考えていた。
(奴の弱体化には成功だ!あんなに震えてるんだから、ちょっと押せば倒れるだろう!
ついでに小便も漏らすだろうから、奴の評判も下げられるな!)
(漏れそうで戦法が思いつかない…よけてやり過ごそう…)
「のこった!」
その瞬間、ツキノワグマは保良に張り手を喰らわそうと手を出した。保良は反射的にうずくまる。
この瞬間、行司も観客も誰もが同じ事を考えていた。
(これは絶対にツキノワグマの勝ちだな。)
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ところが保良がいきなりかがんだため、ツキノワグマはバランスを崩してしまった。
「お、おっと、うわーっ!」
ツキノワグマは土俵の外に倒れこんだ。
「保良の勝ち!」
予想外の結果に、会場から驚きの混じった歓声が上がった。保良自身も驚いた。
「まさかこんな方法で勝つとは…それより早くトイレに行かせてくれ…」
この次は表彰式。それまでには15分の空きがあるため、保良はトイレへ向かった。
走ると漏らす可能性があるため、ゆっくりとしか進めない。
それでも着実に一歩ずつ、トイレへ向かった。
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トイレに着くと、先ほど戦ったツキノワグマがいた。
「さっきはいい勝負だった。お前だけじゃ大変だろうし、まわしを外すの手伝おうか?」
「ああ、そうしてくれ…もう我慢できないんだ…」
ツキノワグマは保良の手伝いをした。
「ああ、これでやっと…」
保良は小便器の前に立ち、勢いよく放尿した。それは30秒も続いた。
「やっと…すっきりした…今度はまわしを着けるのを手伝ってくれ…」
すると、ツキノワグマはこう返した。
「わかった。しかしその前にする事がある。」
「それはどんな事だ?」
「こんな事だ!」
ツキノワグマは太い足で保良の股間を蹴り上げた。
「ああーっ!いってー!」
勢いよく玉を蹴られ、股間に激痛が走る。保良は痛みのあまり飛び上がった。
「なんで…こんな事を…」
「さっきは勝てなかったからな!俺はどうしてもお前に勝ちたくて、お前にトイレを我慢させて弱らせるという作戦を練ったのだ!
それなのにお前は勝ってしまったから、俺はこうでもしないと気が済まないんだぜ!あと10発やらせろ!」
「そんな!もうやめてくれ!」
保良が叫んでもツキノワグマは蹴り続け、トイレには叫び声が響き渡った。
10発蹴り終わるとツキノワグマの気は済み、保良のまわしを締めてからトイレを出た。
「あと3分で表彰式です。」
アナウンスが聞こえたため保良は会場へ向かおうとしたが、玉が痛くて仕方がない。
何度も蹴られた玉は真っ赤に腫れてしまい、まわしの布が触れるだけでも激痛が走る。
「ううっ!本当にひどい目に遭ったぜ…」
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保良は初参加となった相撲大会で優勝し、大きなトロフィーを受け取った。
しかし玉の痛みには耐えられず、その後2週間ほどは苦しむ事になった。
おしまい