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SweetWolf♡Night【FANBOX試し読み】

  [chapter:サンプル]

  「はぁ……」

  男子高校生の音木昴(おとぎ すばる)は落胆していた。彼は今日の日を期待していた。どうせ貰えないと知っていたとしても。

  今日は二月十四日。男子ならば誰もが期待せざるを得ない日だからである。

  なお彼はこの日において人生で一度もチョコレート、またはそれに類似するものを貰った事は一度もない。

  「まあまあ、そう落ち込むなって」

  「幸助……」

  落胆する昴の肩を抱いたのは彼の友人の幸助(こうすけ)。高校入学の頃から同じクラスだという理由で仲良くなり今でも友人付き合いを続けている。

  「ほら、俺も貰えてないし、今日は二人で慰めがてらチョコ食おうぜ」

  「えぇ、男同士でかよ」

  苦笑いをしながら幸助を小突く昴。そんなやり取りが今日の教室で繰り広げられた。そして昴は例年通り一つもチョコを貰えないまま放課後を迎えるのだった。

  「今年もダメかぁ」

  「そうガッカリすんな。いつか貰える日が来るさ。みんなはさ、きっとお前の魅力に気付いてないだけなんだよ。いつかお前の魅力に気付いてくれる人が来るさ」

  「いつっていつだよ?」

  「さあ、いつだろうな?」

  「おい、無責任な事言うなよっ、このっ」

  帰り道、昴は幸助の軽口に答えながらぶらぶらと放課後の通学路を歩く。いつもならば二人は十字路に着いたと同時に『じゃあな』と別れを告げお互いの家に帰るのだが、今回は違った。

  「なあ、今日俺の家に遊びに来ないか」

  幸助がそう提案をしたからだった。

  「これを見てくれよ」

  「……お前がそんな奴だったなんてな」

  幸助の家で彼に見せられたのはいくつものチョコレートだった。昴は彼の行動の意図が少し分からなかった。むしろほんの不快感さえ覚えている。バレンタインデー当日にチョコレートを一つも貰えなかった自分に対する嫌がらせなのかと、彼がそういう事をしない人間だと心の中では分かっていてもやはりそういう穿った考えを持ってしまう。

  「ははは、ちげーよ。これは俺が前に買ってストックしてたやつ。ほら、バレンタイン貰えなかったお前へのプレゼントだ。これ全部食っていいんだぞ」

  「あのさぁ……」

  次に出た幸助のあっけらかんとした言葉に呆れながら溜息を漏らす昴。冗談だとしても憐れみにしても今日である必要があったのかと思ったが、これが幸助のいいところなのだろうと少しモヤモヤとした気持ちを抱えつつも受け入れる。そして今日一日チョコレートに執着していた自分が馬鹿らしく思えて笑いが込み上げてくる。

  「はっ、あははははは! こ、幸助、あ、ありがとなっ、ははは、俺のためにここまでしてくれて」

  「そっかぁ、そう言ってくれて良かったよ。で、このチョコ五百円な」

  「おい、金取んのかよ」

  「冗談だよ。もちろんタダ!」

  そんなやりとりをしつつ、昴は綺麗に包装された大量のチョコレートの包みを開けて中身を取り出す。そこには艶のある茶色の大きなチョコレートが一個入っていた。しかし……

  「おい、何でハート型なんだ」

  「あぁ、それデパートのバレンタインコーナーで買ったやつだし」

  「おい、やめろよ!」

  一瞬昴は彼の事をソッチの人間だと思ったが、ジョーク好きな彼の事だから自分をからかって遊んでいるのだろうと何の躊躇もなくそのハート型のチョコレートを齧った。

  「っ!」

  瞬間、口の中に入ったチョコレートは一瞬にして溶け芳醇な甘みが昴の口いっぱいに広がった。続いて上品なカカオの香りが鼻腔を刺激して食欲を増す。こんなに美味しいチョコレートを食べたのは生まれて初めてだと昴は感動でいっぱいになるのだった。

  「これ、美味いな!」

  「おぉ、そりゃよかった! じゃんじゃん食ってくれな!」

  「あぁ、分かったよ!」

  昴はその美味しさに感動しあっという間に一個目のチョコレートを平らげる。そして期待しながら手を伸ばし包装紙を開けチョコレートに口を運ぶ。次のチョコレートも筆舌に尽くし難い味であった。その度に昴は感動と多幸感で頭がいっぱいになる。

  「すげぇ! これも美味い!」

  「そうか……」

  一口、一口と目の前に映るチョコレートを口に運ぶ度に昴は天にも昇る気持ちになり歯止めが効かなくなっていく。そのせいか目の前の幸助の顔が歪んだ笑みに変わっているのにも気が付いていない。それどころか、彼の思考はいつしか『チョコレートを食べ続ける』というもののみに変わっていたのだ。

  (もっと食いたい! もっと食わせろ! 誰にも食べさせたくない、全部俺が食ってやる!)

  チョコレートの魔力に取り憑かれたかのように一心不乱にチョコレートを食べ続けた昴の中で異変が起き始めていた。昴の全てを作り替えるチョコレートにかけられた『魔法』が。

  「ふぅ……」

  「全部食べたのか。予想以上だな」

  いつしか机にあった大量のチョコレートは全てなくなっていた。全て昴が食べたのだ。常人ならきっと二、三個で嫌になってしまう量を一人で眉ひとつ動かさず食べ切った。それは彼にとって明らかに異常だったし、彼がそれを異常と感じない事自体が異常だった。

  そして、それは幸助の計画通りの出来事でもあった。彼は最初からこのバレンタインデーを狙っていたのだ。ここにいる『愛する親友』を独占するために。

  「うぐっ!?」

  「……どうした?」

  昴が突然摩っていた腹を押さえ苦しみ出した。普通ならば食べすぎて腹を壊したと思うだろうがそうではない。彼の肉体は、幸助が手に入れた“魔法のチョコレート”の魔力により作り替えられようとしているのだ。

  「何だこれっ、体が! 体がおかしい!」

  昴は今、その全身に異常な熱を感じているはずだ。しかもその感覚は“苦痛”ではなく“快感”。全身を刺し貫くような気持ちよさに苛まれているのだ。思考は正確に働かず、悶々とした感情が延々と続く。時の流れさえゆっくりに感じるほどに彼は快楽の無間地獄を味わっていた。当然ながらこれも幸助のチョコレートがもたらした効果である。これこそが昴を作り替えるトリガーになるのだから。

  「うあっ、ああぁっ……こうすけっ、助けっ」

  「はは、苦しそうだな昴。今楽にしてやるよ」

  いつものような笑いを見せながら、幸助は昴のズボンを脱がした。その瞬間、ムワッと汗混じりの甘い匂いが幸助の鼻をついた。

  「おっ、いい感じ」

  露わになった昴の逸物は勃起していた。しかも生半可なものではなくバキバキに反り立ったグロテスクな勃起だ。血管は浮き出、昴の臍あたりに限界まで屹立している。脱ぎ捨てられた彼の下着の中は既に先走りの汁に塗れていた。

  そんな彼の下半身からは先走りと汗と何か得体の知れない甘い香りが混じった異様な匂いが発せられていた。うっかりその匂いを嗅いでしまった昴はさらに快感が増幅され声にならない嬌声をあげて悶える。その瞬間、ビュクビュクと透明な先走りが勢いよく部屋の絨毯を汚してしまう。

  「あぁっ、なんだ、これっ、あうぅ」

  「苦しいだろ? 俺が楽にしてやるよ」

  悶える昴を見ながら頬を赤らめた幸助は彼の勃起した逸物に顔を近付けると、そのまま自らの舌でベロリと舐めた。

  ねっとりとした舌の感触を、少し刺激を加えただけでも爆発してしまいそうな彼の逸物が受けてしまったら、どうなるかは目に見えていた。

  「あっ!? あああああぁぁぁ!!」

  ビューーーーッ……水鉄砲の如く飛び出したのは彼の真っ白な精液。昨日一度家のグラビアで出していたにも関わらずその量と勢いは凄まじいものであった。

  その後も二度、三度と連続して白い水鉄砲が彼の逸物から発射された。今度は手も口も使わずに。

  「おぉ、なかなか良く出したな」

  「うっ、あぁ……あうっ!?」

  射精の快楽に喘いでいる昴の身に更なる異変が起きた。一瞬だが全身を焼き尽くすような猛烈な熱を感じ悶える昴。その後やってきたのは全身を破り砕いてしまうような鋭く鈍い痛み。そしてそれを超えるほどの異常な快感であった。

  「『苦痛を感じさせないよう、痛みはすぐさま快感に変換されます』……か。親切心のつもりなのかね」

  苦笑しながらちらりと昴の方に目をやる幸助。当の昴は言葉にならない叫びをあげながら何度も何度も未だ勃起を続けるモノから精液を噴射していた。そしてそんな彼は快感の渦の中にいるせいで気が付いていない。

  今、彼の肉体は人ならざるものへと変わっていっている事に。

  「ウア゛ァ! グッグゥオオォオオオォォ!!」

  まず変わったのは指の長さなどの些細なものだった。そこから射精の回数に比例して変化が進んでいく。

  爪は長く鋭く変わる。

  足の形状が骨格と共に変化していく。

  全身に生えていた毛が髪の毛や陰毛含めて例外なく全て抜け落ちると、新たに空色とピンクのグラデーションをした毛が生えて彼の全身を毛むくじゃらに変えていく。

  毛むくじゃらになった彼の頭に生えるのは獣の耳だ。それは彼が元々持っていたものを元にして作られた。奇妙な音を立てながら耳が頭上に移動していく光景はめったに見られないであろう。

  顔は骨や筋繊維が変形する音と共に前へ前へとせり上がっていく。同時に引っ張られた鼻も変化につられて全く異なる形状へと変わる。生えていた人間の歯は肉を切り裂く鋭い形状に研ぎ澄まされて彼のマズルとなった口の中に並んだ。

  尾骶骨の肉が毛ごと伸び育っていき、とうの昔に退化してなくなってしまったはずの尻尾が昴の尻に生えていった。

  最後に彼の勃起していた逸物がさらに太く大きく長く、雄のシンボルとしての威厳を表すかの如く巨大化し、半分被っていた皮はズルズルと根元にまでめくれ上がる。変わり果てた股座のそこにはつるりとした真っ赤な逸物が聳え立っていた。イヌ化特有の『亀頭球』もしっかりと完備されている。

  つまるところ今の彼は――カラフルな毛をした二足歩行の狼と化していた。飴細工のような琥珀色の瞳がギラギラと卑しく輝いている。

  「ふふ……まずは人間をやめる事ができたな。昴」

  「ウアッ……な、なんだこれは一体……」

  困惑する彼をよそに幸助はニヤリと笑いながら狼男になってしまった昴に近付く。彼の手が伸びた先は、彼の未だ勃起を続けている真っ赤な獣の逸物だった。

  「おい、説明しろっ、これはどうウゥゥ!!?」

  昴の質問は途中で中断された。幸助の手により勃起していた逸物に刺激を加えられたからだ。逸物の真ん中をギュッと握った幸助の手はすぐさま勢いのあるストロークに移行し、昴の落ち着いていた性的興奮を再び呼び起こしてしまう。

  「アッ、ヤメッ、ウォォォーーーーンッッ」

  逸物の刺激から誘発される快感に昴は正常な思考を保てなくなる。脳にピンク色の電流が走り遠吠えをあげる事しかできなくなってしまう。

  快楽に溺れ悶える昴に追い打ちをかけるかのように逸物の刺激を続ける幸助。その顔は血走り歪んだ笑いを浮かべていた。そんな彼の顔面に昴の精液がかかるのは遅くなかった。

  「イグゥヴゥゥッ!」

  「んっ……いいぞ。この調子で全部出しな」

  かなりの量を出したにも関わらず昴の逸物は全くもって萎える事はなく快楽も一向に治らないでいた。幸助はそんな昴を見ても一切の情けをかける事なくその手による奉仕を続けた。

  そして彼の愛撫は数十分にも及んだ。もう何度目かも分からない射精を終えた時、昴の身に新たな変化が起きた。

  「あ……? なんだ、視界が……低くっ?」

  「そろそろ次のチョコレートの効果が出たな」

  困惑する昴の身体は縮んでいった。しかしそれは物理的に小さくなっているのではない。“肉体的に”小さくなっているのだ。今まで行ってきた成長を逆行させるかのような変化――若返りだ。

  彼の肉体は若い頃のものへと逆戻りしていっているのだ。手足は縮み、肉球付きの手は小動物を思わせる可愛らしいものへと変わっていく。しかし股座の真っ赤な逸物だけはその大きさを保ちながら残っている。おかげでその小さくなっていく身体に似つかわしくないサイズにまでなってしまった。

  人間の頃は170センチあった身長は120センチにまで縮んでしまっていた。体つきも子供の頃のものに戻ってしまっており、もこもことした毛の下にぷにぷにとした柔らかな肉がついた触り心地の良い身体になった。

  しかも厄介なのが、その身体全てが彼の性感帯という事である。

  「はは、すっかりかわいいワンちゃんだな」

  「ひゃうっ!?」

  昴の体毛に包まれた柔らかな肉を揉む幸助。その刺激に昴は声をあげて飛び跳ねる。それだけでとてつもなく気持ちが良いのか逸物の先端からダラダラと先走りが溢れている。

  「きゃうぅん、こ、こうすけ、これどういうことだよ……」

  「さっき俺があげたチョコ食っただろ? あれにお前を狼にしたり年齢を吐き出させる魔法がかけてあったんだ」

  「は? 年齢? 魔法?」

  幸助は種明かしをするかのように昴にチョコレートの秘密を暴露しはじめた。昴がとある通販サイトで見つけたそのチョコレートは食べた者に様々な効果をもたらす魔法がかけてあるチョコレートだという。

  その内容は様々。『人間の成分を吐き出して別の種族の成分で埋めてしまう』もの、『年齢を吐き出して心身ともに退行させてしまう』もの。そんな魔力が込められたそれらのチョコレートを全て昴に食べさせたと言うのだ。

  「おい、ふ、ふざけんな! なんで俺にそんなもん食わせたんだよ!」

  「そりゃ……お前を俺のものにするためさ。あ、ちなみに年齢や人間の成分はお前の精液として吐き出したからもう戻れないぞ。あと射精する度にお前の変化は続くからな」

  「なっ……!」

  幸助の言葉に昴は青ざめた。今まで快楽に溺れて何度精液を吐き出したのか分からない。その中には自分が人間であった時の成分や年齢が含まれていたらしい。そしてこれからもそれらが精液となって出続けるというのだ。

  「やめっ……うああぁ!!」

  昴は抵抗するも逸物を包む快感に声をあげてしまう。幸助の口は彼の逸物をまるでキャンディケインを頬張っているかのように口に含みその舌でなぶり始めた。

  「んっ……むっ、ふぅっ……」

  「やめてっ……幸助、やめてぇっ! あぁ、イク! イクゥゥッ!」

  今まで友人だと思っていた男にフェラチオをされ悲しみと困惑に包まれる昴。しかしそれ以上の逸物をしゃぶられる快感にそれらの感情はあっという間に塗り潰されてしまう。そして吸われるかのように金玉の中の精液を甲高い声と共に幸助の口内に吐き出した。

  「ん、やぁっ……やめてよぉ……お願いだから……」

  「ふふ、これが昴の味かぁ……これが味わえなくなるのは残念だけど……んっ」

  「ふぁっ、やっ、いやぁ! 俺、もう出したくないぃ!」

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