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夏休みも真っ盛りの今日この頃。
海では毎日のように海水浴に来る家族やカップルで賑わっていた。
「わーい!」
「あんまり遠くに行くなよ! 深いところは危ないからなー!」
「うん!」
この五年生、[[rb:砂 > すな]][[rb:川 > かわ]][[rb:駆 > かける]]も両親とともに海水浴にやってきていた家族の一人だった。
夏休みになる前の時期から父と海水浴に行く約束をしていたので、駆はこの日をとても楽しみにしていた。
照り付ける日差しや海の冷たさもなんのそのと言わんばかりに駆は海水浴を全力で楽しんでいた。
「おいしい!」
「そうか、うまいか」
「たくさんあるわよ。もっと食べなさいね」
「うん!」
昼過ぎになり、駆は家族と食事を楽しんでいた。持参した弁当には駆の好きなものがたくさん入っていて、駆は親の言う通りに弁当をお腹がいっぱいになるまで食べたのだった。
「きてよかったね、お父さん!」
「駆が喜んでくれて何よりだ。父さんも来た甲斐があったってもんだ」
「駆が一番楽しみにしてたものね、海水浴」
「ねえ、僕また泳いでくるね!」
駆はしばらく休憩した後、再び海へと走って行った。
「あまり危ないところには行くなよ!」
「分かってる!」
元気な声で青い海へと向かう駆。
しかし駆の楽しかった夏休みはひとつの出会いにより一変することになる……
[newpage]
◆
「やっぱり海はいいなぁ、また来年も行きたいなぁ」
広大な海を泳ぎながら駆はそう呟く。1時間は泳いでいただろうか。元気だった駆にも疲れが見えてきていた。
「そろそろ戻ろうかな」
駆は泳ぐのを止めると、家族の下へ戻るため砂浜へと向かう。しかし、砂浜には人の気配は誰一人としていなかった。
「あれっ? 確かここらへんだった気がしたんだけど、おかしいな……」
どうやら泳いでいるうちに両親のいる位置から遠く離れてしまったようだった。仕方がないので駆は泳いでいる時に着けていた浮輪を手に持ち砂浜を歩くことにした。
泳いでいた方向は確か東だったから、その逆の方向を歩けばいい。駆はそう思い西へ向かって歩き出した。
そんな時だった。
駆が彼と出会ったのは。
ドンッ!
「うわっ!」
「うおっ!」
両親が待っているであろう遠くを見ていたせいか、駆は目の前を歩く大きな影に気がつかなかった。駆は鼻をぶつけた痛みを顔を押さえながらぐっと堪えている。
「スマン、大丈夫だったか!?」
「あっ、大丈夫です。こちらこそ……!?」
駆の目の前にいた者は、駆がいつも見慣れた者ではなかった。厳つい筋肉、それを包むむっちりとした脂肪、そして鈍色の肌。背中に大きなヒレを持ち口にはぎざぎざの歯が並んでいる。
「……うわあああああっ!?」
駆が目にしたのは、駆がぶつかったのは、人間と鮫を掛け合わせたかのような男。まさしく鮫人間と呼ぶにふさわしい者だった。
駆は現実離れしたその存在を目にした瞬間無意識に叫んでいた。
「ホントは見られちゃいけなかったんだがな……こーゆー風に面倒なことになるから……」
そして片やその鮫男は頭を掻きながら困ったようにそう呟く。目の前の子供は驚きのあまり腰を抜かしてしまっていて、男はその子供の手を取ってこう言った。
「大丈夫か、ボウズ」
「……う、うん」
「驚かしちまって悪かったな」
「あ、うん……」
駆は砂浜で出会った鮫の姿をした男と日陰で話し込んでいた。はじめはゲームの中のモンスターのような姿をしていた彼を見て驚いたものの、話してみると普通の大人の人間と変わらない彼に、いつしか駆は恐怖心や警戒心を解いていた。
「ラクスさんはいつも海に住んでるの?」
「ああ。お前ら陸の人間は知らないだろうが、海で生まれ海で育った人間もいるんだ。俺らは海人って言ってるんだが」
彼はラクスと言う名前で、海で育ち海で生き海で死んでいく“海人”という種族であった。彼のように魚と人を掛け合わせたような姿が殆どで、人間……彼らにとっては“陸人”と呼んでいる種族が半魚人や人魚と称する生物は、この海人が基になっているのだそうだ。
ただ、かつて海人が陸人と出会った時、当然のごとく忌避され虐げられていた存在でもあったのだ。海人と陸人は数千年経ってもその溝は狭まることはない。いつしか海人はとある掟と力を授けられていた。そのためか海人は陸人と出会うことを極端に避けながら生きるようになっていたのだ。
それを知っているラクスは少年をやや申し訳なさそうに見つめる。そんなラクスに駆は声をかける。
「どうしたの、ラクスさん。なんか元気ないみたい」
「ん? そう見えるか」
「うん……なんとなくだけど」
「……大丈夫だ。心配させちまったみたいで悪かったな」
ラクスはそう言うとすっと立ち上がり駆に背を向けた。
「……ちょっと待ってろ。いいもん持ってきてやる」
そのまま駆を置いてどこかへ行ってしまった。先程まで平然と話し込んでいた駆だったが、家族とはぐれてしまっていることを思い出すと、途端に不安な気持ちになった。そして、家族の下へ戻らないとという気持ちがまた溢れてきていた。
「ラクスさんには悪いけど……あの人もほんとは見られちゃいけないって言ってたもんね……」
駆はどこかへ走って行ったラクスを置いて家族の下へ帰るため砂浜を発とうとする。しかし、そんな駆の前にふたたびラクスが現れる。
「喉乾いたろ。これやるよ」
「あっ、ラクスさん……」
ラクスは白い液体が入った紙コップを持っていた。そしてそれを駆の前に近づけこう言った。
「これどうしたの?」
「俺特製ジュースだ。お前にやる。コップはこっそりくすねた」
どこから「くすねて」来たのだろう。駆にそんな疑問が浮かんだが、そもそもこんなジュース、どこから持ってきたのか分からなかった。
「何これ? 牛乳?」
「だから俺特製のジュースだよ。さ、飲めよ」
「でも、悪いよ……」
「遠慮するな。ちょっとしたお近づきの印みたいなもんだ」
「じゃ、じゃあ、少し……」
確かに喉は渇いていたし、せっかくしてくれた好意を無碍にするわけにもいかない。駆はそう思い一思いにジュースを飲み干した。
そのジュースはサラサラというよりもドロドロとした濃厚なもので、口の中には甘さと少しのしょっぱさが残った。ごくりとジュースが喉を通ると、ピリピリとした焼け付くような感覚が駆の喉を刺激した。
それに、ほんのり温かくとても夏の暑い日に飲む代物ではなかった。駆はそれでもラクスに嫌な思いはさせられないと最後まで飲み干す。
「これ、ぬるいよ……それに変な味……」
「きっと太陽の暑さで温くなっちまったんだな。スマンな」
そう言うとラクスは砂浜にどっかりと座り膝をポンポンと叩く。
「砂の上だと熱いだろ。俺の脚の上にでも座りな」
駆はラクスの言われるまま胡座をかいているラクスの腿の上に座る。そこはちょっとひんやりしていて、ややヌメヌメとしていた。二人の海パン越しとはいえ奇妙な感覚だった。
「ラクスさんは何で地上へ?」
「ちょっと海の上へ出て泳いでたんだよ。日光浴もな。その時お前に会ったってわけだ」
「そうだったんだ、なんかごめんね、僕のせいで……」
「いやなーに、お前のせいじゃねえさ。そうだ、お前は、悪くねぇ」
駆はそう言うラクスの表情が少し強張ったような気がした。気さくな笑顔が消え鮫の精悍な表情が見え隠れするその顔に駆は少し寒気をおぼえた。
「で、駆。お前なんか体に変化とか、ねえのか?」
「えっ? ラクスさん、何で急にそんな……」
ドクン!
駆の中に、そんな体の底に響くような音がした。
それと同時に、先程まで気のいい鮫の人としか認識していなかったラクスを、別の何かとして認識した。
彼を見ていると胸が締め付けられて苦しい。ただでさえ夏の日差しで熱くなっている体がさらに火照っている気がする。
鮫をベースとしたラクスの顔が異様に格好良く思えた。まるでテレビの中のヒーローやロボットを見たときのような高鳴りが駆の中にはあった。
「ラ、ラクスさん……」
「何だ?」
「なんか僕……ラクスさんを見てると……おかしいんだ。胸が苦しくなってくるんだ! なんで?」
「そうか……それなら良かった」
「えっ?」
ラクスはそんな駆を見ると徐に海パンを脱ぎ始め、すべての肌を晒した。
顔を赤らめ白い息を吐く駆を見てラクスはにやにやと笑っている。ラクスの股座には一筋の溝があった。その溝から、ねっとりとした透明な糸が垂れている。そしてそこからしばらくもしないうちに、ズリュ。とふたつのピンク色をした肉の塊が飛び出る。ラクスのペニス――しかも彼特有の二股に分かれたものだった。
「きっと、お前は俺が好きになっちまったんだ。で、俺が好きってことは、これが欲しいってことだろ?」
「え……何言ってるの……? 僕、そんなの欲しくな……」
ドクン!
ふたたび駆の胸が締め付けられる。
あのヌラヌラとした粘液に塗れたペニスが瞳に映る度、駆の体の熱はさらに温度を上げていった。
「……ほ、欲しい……」
「だろ? 遠慮せずにしゃぶっていいんだぜ?」
「ほんとう……?」
「ああ……思う存分な」
先程の爽やかで気さくな笑顔はラクスから完全に失われ、今や粘着質で不気味な笑顔へと変貌している。二股ペニスを屹立させながら駆を誘惑する。
駆はその誘惑に抗えなかった。抗うことをしなかった。ただラクスに供給されたそれを享受することだけを考えていた。
「ん……く、ちゅ、んぷっ……」
「そうそう。充分楽しめ……すぐにお前にも悦しませてやるからな……」
そう呟くラクスのペニスを一心不乱にしゃぶる駆。駆はこんなことをした事はないし覚えもない。それなのにいつもそれをやっているかのように丹念に舌を使ってしゃぶり続ける。ペニスから出るトロトロの汁を舐めるたび先程飲んだ“特製”ジュースの味を思い出す。そしてそれを思い出すたび駆の胸の高鳴りはさらに激しく昂ぶるのだった。
「んっ……おいひい……ラフフはんの……」
「よっし、出すぞ……! しっかり飲み込めっ……! んふぅっ……」
ラクスは大きく唸るとペニスから盛大に精子をぶちまけた。そしてそれは余す事なく口の中に入っていった。そして駆はその精子をまるでジュースでも飲んでいるかの如くごくごくと喉を鳴らして飲み込む。ラクスの言われた通りに一滴もこぼさないよう丁寧に。
「ふぇ……おいしかった……」
「そうか……俺も気持ちよかったぜ」
ラクスは精子を飲み込み茫然自失としている駆の海パンを掴み、そのまま脱がした。駆の未発達なペニスが露わになりぷるんと揺れる。
「仕上げだ」
そう言うとラクスはピンクのしなやかなペニスを扱きはじめる。ラクスの掌で揉みしだかれたペニスはビュルビュルと透明な先走り汁を溢れさせる。そのまま掌や指にその汁を擦り込むと、同じ露わになった駆の尻穴に指を突っ込んだ!
グチュ……!
「んあっ!」
はじめておぼえる感覚に駆はつい声をあげる。その感覚はとてつもない快感であり、その快感で駆のちっちゃなペニスがピンと立ちはじめる。
「俺の先走り満遍なく塗っときゃぁ、多分痛くならないだろ。人としての最後の快感、味わわせてやるからな」
そう言うとさらに指を穴の奥深く突っ込む。プリュッ!と水を弾くような音がした。駆はその音と同時に声にならない喘ぎ声をあげた。
「んんっ……うあぁ……」
あまりの気持ち良さに小さな声で呻くしかできない駆。そんな駆を尻目にラクスの指は抜き差しを続けていく。
ズポッ、ズポッと駆の尻穴は開発され同時にひだ中に鮫男の先走りが塗り込まれていく。
「そろそろいいだろう」
ラクスは指を抜くと、すっかり力が抜け動かなくなった駆の腰を掴み、そのままペニスを駆の穴に同時に突っ込んだ!
「あああっ!」
駆の脳内に桃色の電撃が走る。それは駆の思考回路をショートさせ正常な考えをさせる事を妨げた。快楽物質が脳内を駆け巡り、今自分が排泄をするための穴に挿れられているモノがとてもよいものだと錯覚するまでに陥った。
「きっ、きもちぃぃぃぃ、も、もっと、もっと!」
「わかってるわかってる。お前には最高の快楽を与えてやっからな」
そう言うとラクスは腰を振りはじめる。その度に駆は腸内を刺激され脳内の快楽物質が増幅してゆく。
揺れる駆の肉体とペニス。小さいながらにビンビンに勃ちあがっている包茎ペニスはピクピクと震えながらそれを出す時を今か今かと待ち構えている。ラクスはそのタイミングを見計らってリズミカルに腰を動かしていく。
駆のやわらかな体躯をまるでぬいぐるみを愛でるかのように抱きしめ行為を続ける。昼間の海には野太い喘ぎ声とボーイソプラノの小さな喘ぎ声が虚しく響くだけだった。
「あっ! な……なひかでちゃう! はにこれっ!」
「そろそろか……」
すると唐突に挿入していたペニスを引き抜く。駆は絶頂の寸前といったところで行為の中断を食らい困惑している。
「ラクフひゃん、なんで……」
「シメは俺の舌でイかせてやるよ。そこに座りな」
「え……んっ……」
駆は言われるがまま砂浜に膝をつく。そしてペニスを突き出す。
ラクスはそんな駆のペニスを柔らかな舌で包むように舐めはじめた。
さらに舌先で皮の中の穴を通り亀頭を刺激する。
「ううっ! あっ!」
駆はそんなはじめてだらけの快感を受けた結果、とうとうラクスの口の中に精子を出した。精通こそしているものの行為によって射精することははじめてだったため彼にとってそれは初の体験となった。
そして、それは最後の体験でもあった。
「――許してくれ」
「えっ」
駆の精子を飲み込んだラクスはそのまま駆を思い切り抱きしめる。その肉体で、ぎゅっと、がっちりと。
「んっ」
そのまま勢いよく唇を重ね合わせる。舌を絡めながら駆の口の中を吸い取ってしまうかのような激しい接吻が行われた。
その時駆は、その瞬間自分の中の何かが引っ張られ自分の体から抜け出ていく感覚があった。
(ああっ! 僕が! 出て行っちゃう!?)
そのまま駆の意識は暗転した。最後に駆が見たものはラクスの金色の瞳だった……
[newpage]
――――。
「ん……」
気がつくと駆は海にいた。
いや、正確には海の底に彼はいた。
「あれ、僕は……確かラクスさんと……
ラクスさーん!」
一緒に行為に及んでいたラクスを姿を消していた。それどころかここは先程の砂浜ですらない。そこは明らかに海の中で、まるで夢の中にいるかのような感覚を駆は感じていた。
「さっきのは夢……? それともこれが夢なの……?」
周りを見渡してみてもここは明らかに海。しかも底の方であり駆はそこで平然と立っている。普通の人間ならば絶対にありえないことだろう。
「おかしいな……どうなってんだよ……ここはどこ? お母さん、お父さん!」
「アレ、アニキ。日光浴は終わったんスか?」
そんな駆に声をかけるものがいた。そいつはラクスと同じような魚人――いや、海人であり、自分をアニキを呼ぶ謎の存在であった。
「えっ、僕は君のお兄さんじゃないよ」
「冗談はやめるっスよ。どう見てもラクスのアニキじゃないスか。俺っスよ。コルアっス!」
コルアと名乗ったその海人は自分のことを確かにラクスと言った。いや、自分は小学生の砂川駆でありさっき出会ったラクスという海人ではないはず――駆はそう思っていたが……
「アニキっ! 今日もいいカラダっスね!」
そう言ってがばりと駆に抱きつくコルア。
その時駆は気がついた。自分の体がコルアよりもずっと大きいことに。鱗に覆われムチムチとした筋肉と脂肪でコーティングされていることに。
「あれっ……僕、もしかして……ラクスさんになってる?」
「…………なってる……ねぇ。
……イヤどう見てもラクスのアニキじゃないスか! そんな冗談アニキらしくないスかよ!」
コルアは駆の体をパチンと叩く。あっけらかんと笑うコルアに駆は恐怖を覚えた。
「じゃ、今日も俺とセックスするっス! アニキ好きでしょう?」
「えっ、セックスって……!
でっ、でも僕今日ヤってきたから……」
このままではまずい。そう思い駆は後ずさる。だが、突っ込んできたコルアにバランスを崩しそのまま押し倒されてしまった。
「何言ってるスか。アニキ絶倫なんだから一日何回もヤるでしょうが。それとも俺とはできないんスか?」
急にコルアのあっけらかんとした表情が凍りつく。肩を掴む掌には必要以上の力がこもっていた。
「ぎゃああああっ! 痛いっ!」
「おっと、ごめんっス。力入れすぎたっスかね? で、アニキは俺とヤるのかヤらないのか、どっち?」
「ヤ、ヤるよ! だから離してっ!」
「じゃ、ウォーミングアップにアニキのチンポしゃぶらせてくださいね」
「う、うん……」
駆は言われるがままコルアとの行為を始めた……
「んんっ……アニキのおっぱいっ……コリコリしててうめえ……」
「んぐっ! ぬおおっ、やめてっ! そこはダメ!」
フェラチオを終えた後、駆はコルアに乳首を舐られていた。歯や舌を使って丹念に乳首を犯していくコルア。駆ははじめて刺激される器官に嬌声にも近い叫び声をあげていた。
「知ってますよ。それにアニキ乳首触られるの好きだったじゃないスか。ほら、あんなに出したのに今もチンポギンギンですし」
コルアの言う通り乳首の刺激により駆のペニスは巨大化しながら反り勃ち、ピクピクと小刻みに震えていた。
「やっ。やだ……おかしくなる……これ以上は……助けて、お母さん、お父さん……」
「……そろそろ挿れていいっスか?」
「……え?」
「俺もチンポ勃ってきちゃったんで……アニキのアナルに挿れていいスか?」
「あ……」
その時、駆はラクスとのセックスを思い出していた。尻穴を犯され侵される悦び。そして寸止めされ絶頂を迎えることのできなかったもどかしさ。そんな記憶を呼び起こされた駆の中には、アナルセックスへの渇望がしっかりと刻み込まれていた。
「うん……いいよ……」
「そっスよね! アニキってば焦らし屋さんなんだから〜。
……んっ!」
「ああっ!」
グチュ、グチュ。
――と海の底に響くいやらしい水音。弾力のあるピンク色のペニスが擦れる度、先程のセックスの記憶が鮮烈に蘇ってくる。ラクスに尻穴を犯された記憶。そして今は自分がラクスとして他の海人に尻穴を犯されている。それだけで、駆の中の快楽物質はオーバーフローするほどに分泌されていた。
「気持ちいい! 気持ちいい!! 気持ちいい!!!」
「それなら何よりっス。俺のテクニックも上達したってことスよね?」
「ああ! コルア、君は最高だ!」
「アニキのセックス、良かったスよね?」
「うん! とっても!」
駆はセックスの快感で気がつかなかった。彼が普通ならばありえない事を口走っていることに。
「そろそろ出そうっスか?」
「でっ、出る! 出ちゃう!」
「それなら思う存分この海にぶち撒けちゃってくださいっス。そん時、アニキは新しいアニキになる……スからッ!」
そう言うとコルアは駆の尻穴を思い切り突いた。その力を込めた突きは、駆を絶頂に追いやるには充分だった。
「んほぉぉ!」
情けない声をあげ、駆は絶頂を迎えた。ペニスからは真っ白な精子が海に溶けていく。
そしてそれは駆の正真正銘の最期の時でもあった。射精の度、駆の記憶や魂が精子に混ぜ込まれ消えていく……それは無慈悲に海と同化していき彼が砂川駆として存在していた証すら残さず消えていった……
「ふぅ……気持ちよかったぜコルア」
「それならよかったっス。新しいアニキ」
「? 何のことだ?」
「なんでもないっスよ。アニキ」
「よし、次は俺の番だな!」
そう言うと、駆――基い新たなラクスはコルアを抱きしめその巨大なペニスで尻穴を犯し始めた……
[newpage]
◆
八月の末。砂川家ではいつもの日常があった。
「駆! 明日で夏休みも終わりなんだから早く寝なさい!」
「はーい!」
砂川駆はその後親と合流し家に帰り、そして再び夏休みを謳歌していた。しかしそれは砂川駆であって砂川駆ではなかった。
「ふぅ……ガキのフリも楽じゃねえな。あいつには悪い事をしたぜ」
駆と同様、駆の体にはラクスの精神が入っていた。
どうしてこんなことになってしまったのか?
これは海人の掟にあった。
海人の掟には、陸人に出会ってしまった時、情報の伝搬を防ぐため自らの肉体と出会った陸人の肉体を入れ替えなければならないというものがあった。
方法は陸人と海人、お互いの精子を摂取し合い性行為を行うというもの。
海人の精子には、陸人に対してのみ催淫効果や体を入れ替える力というものが備わっていた。いつからそんな力が備わっていたのかは本人にも分からない。
掟が先だったのか、それともこの力があったからこそこの掟が生まれたのか……
どちらにしろ出会ってしまったら自分及び相手の人生を崩壊させることになる。ラクスもまさか自分の人生がこんなところで終わりを迎えるとは思っていなかっただろう。
もし自分が不用意に日光浴に行かなければ、弟分のコルアと今生の別れをせずに済んだのだろうかと思うと後悔でいっぱいだった。見ず知らずの子供を犠牲にしてしまったことも。
「あいつ、コルアと仲良くしてっかな……コルアを大切にしてやれよ。あいつ傷つきやすいから、俺がいなくちゃダメなんだ。俺がいなくちゃ……」
ラクスの目からは一筋の涙が流れた。
入れ替わった精神ははじめはそのまま残っているが、何度か射精を行なってしまうとその精神は肉体に引っ張られ変化してしまう。これも海人と陸人が関わったことを周りの人間達に気づかれないようにする力なのだろう。
この少年の肉体に入ってから海人精子の催淫効果もあってか性欲が異様に増幅し何日も射精を繰り返していた。その度にラクスは自分の精神が消えいつしか完全に無垢な子供と化してしまう恐怖に人知らず怯えていた。
それを恐れオナ禁しようとしてもついペニスを扱いてしまう。そして今もペニスを扱いている。
「そろそろ俺も駆になっちまうのかね……あいつはどうなったんだろうな。もう俺になってんのか? あいつがいるからなるのは早いだろうな」
包茎ペニスを扱く手が早まり絶頂の時が近づく。その度自分が消失する恐怖と隣り合わせになる。ラクスにとって性的な行為は楽しみの一つだった。今やそれが全く楽しめなくなっていることに彼自身嫌気が差していた。
「親父、お袋。すまねえ。俺が駆になったら駆の親御さんは俺のこと大切にしてくれるだろうか? まあ大丈夫だと思うしかないな……それに、何日か親御さんと暮らしたがいい奴っぽかったしな……」
睾丸が震え射精の準備が始まる……
ラクスは次の射精を迎える……
「んっ……そろそろ……出、出ちまう!」
ペニスからは先走り汁が出始め精子の通りをスムーズにしようとしている。
「いっ、嫌だ! 出ちまう! 出ちまう! んほぉぉ!」
ラクスはその時、甲高い声をあげ盛大に射精した。そのまま快感の余韻に浸る暇もなく、ラクスの魂は駆の肉体から抜けていった……
「駆! まだ起きてるの!?」
「……あっ、ごめんお母さん! もう寝るよ!」
ラクスの精神はすでに消え失せ砂川駆の物となっていた。しかし精神そのものはラクスから変化したものであるため本来の駆の精神とはやや差異ができる。逆も然りである。つまり完全に同じになるわけではない。二人の海人と陸人そのものは精子と共に混ぜ込まれ、二度とこの世に戻ることはないのだ。
「うわ、またやっちゃった……これ片付けてから寝よ」
しかしそれでも、二人の日常は続いていく。
「アニキ……これからも俺とずっといてくださいね?」
「ああ……約束だ」
出会ってしまった数奇な二人の人生は、歪み変わっても、幸福なまま続くのだ。
「もう夏休みも終わりかぁ……明日からもいい学校生活になるといいなぁ……」
結局この二人は、陸人・砂川駆であり、海人・ラクス・ジョーンズなのだから。
FIN
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