三匹のオオカミ

  ぐ~、と腹が鳴る。出発の合図だ。

  俺は狼。腹が減ったら獲物を捜しに外に出る。それまではこうして家でぐうたらしている。

  しかしまあ、何とも恨めしい腹だ。

  つい先日、七匹の子ヤギとその親をぺろりと平らげたのに、もう腹が減った。ヤギって奴は腹持ちが悪くてかなわん。

  それに引きかえ、その前に食べた赤ずきんと婆さんと狩人。あいつらは腹持ちも良かった。

  昨日は三匹の子豚を食べたんだが、やっぱり大人になるまで待つべきだったな…あっという間に空腹だ。

  外に出る。獲物はすぐに見つかった。

  老婆がヤギに招かれ、家に入る姿を見た。

  今日はあれを食ってやるか…と、獲物のいる家へと押し入る。

  「俺達の獲物を奪いやがったな!こんちくしょうめ!」

  俺はそこで、変装を解いた赤ずきんのオオカミと白粉を落とした七ひきの子ヤギの狼にコテンパンにされた。

  二匹の腹がぐ~、と鳴る。

  「出発の時間だ」

  二匹は俺を、煮えたぎる大鍋の中へと放り込んだ。