(IF話)ユミ・フランソワin「アナザー」テックセット……?

  この作品は「宇宙の騎士テッカマン(ブレード含む)」映像作品の設定や世界観をモチーフにした二次創作です。

  (ただしシチュメインにつきストーリーはあくまでもベースのみとなっています)

  劇中の設定や演出には独自設定・独自解釈が含まれております。

  決してそう遠くはない未来。

  人類は辛くも国家間の枠を越えた太陽系進出を果たし外宇宙進出への段取りも進められようとしていた。

  その中で発生した異生命体との遭遇と交戦は人類に外宇宙進出に伴う脅威と覚悟・そしてさらなる可能性をもたらすものとなった。

  そして人類は改めて宇宙を目指す道のりを歩み出そうとしていた。

  [newpage]

  人類が宇宙進出の第一歩として定めた衛星軌道上の宇宙ステーション。

  異生命体侵攻の際はまさに最前線として攻防の舞台ともなった場所だが今はその戦いの傷を癒やしながらも本来の役目を果たすべく再建を進めている所であった。

  ユミ・フランソワが作業待機所に飛び込んだのは作業準備開始ぎりぎりの時間帯であった。

  さすがに食パンこそくわえてはいないが往年の学園漫画のワンシーンの様にトレードマークでもあるポニーテールを揺らしつつ慌てふためきながら待機所まで駆け込む姿は可愛らしくもあった。

  とは言え状況的にはあまり褒められた状況ではない。

  点呼確認ぎりぎりに辛くも飛び込み仲間からの優しくも辛辣なツッコミに軽くへこみながらもなんとか点呼を受けたユミは作業ミーティングのあと専用のブロックに向かう。

  専用ブロックの中には人一人が入れるサイズのカプセルが据え付けられている。

  彼女がこれから作業に入る為にはこのカプセルの中に入る必要があるのだが……。

  「うう~まだちょっと慣れないけど……でも、やるしかないか!」

  一瞬先ほど以上にへこんだ顔になりかけるがそれを振り払う様にかぶりを振ると来ていた服に手をかけいそいそと脱ぎはじめ1分もしないうちにその裸身を露わにする。

  同世代の中では童顔気味で色々小ぶりな体型をしているがその分小動物を思わせる可愛らしさとしなやかな瞬発感を感じさせるプロポーションが印象的である。

  着ていた衣服を指定の収納スペースに放り込むとユミはそのまま静かながらも確かな足取りでカプセルに向かう。

  少なくとも今の彼女には時間は無いのだ。

  カプセルの中にその裸身をくぐらせるとステップを踏みグリップに両腕を伸ばす。

  そして声紋分析システムに登録していたパスワードを唱える。

  「―テック・セッターッ!」

  その容姿も重なりさながら変身ヒロインを思わせる様な声でそう叫んだユミの声に反応しカプセル内のシステムが起動する。

  「うっ……きゃっ……これ……」

  みるみるその手足が銀色の膜というか帯状―何か細かい鎖帷子のような紋が浮かんでいる―のものに巻き付かれる様に覆い隠されていく。

  その独特のひんやりとした感覚が素肌に直接絡みつく感覚はユミの知覚にはまだ受け止めきれないらしく肘や膝が覆い隠されるだけで思わず声が上がってしまう。

  「きゃっ……うう……やっぱり慣れないなぁ……」

  そうつぶやきながらもユミは自身の変化に身を委ねざるを得ない。

  “あの人もこんな気分を感じているのかなぁ……”

  ユミの脳裏にある人物の影がよぎる。しかし、その思いに浸る余裕はない。

  網状の帯はいつの間にかユミの細い二の腕や太ももを覆い肩や腰に迫っていた。

  「できればもっと早くなってくれないかなぁ……」

  少しぼやきを口にする。

  実際これが仕事に必要な段取りならもう少し手早く進んでも良いものであり誰にも見られていないとは言えずっと裸をさらして平気でいるには彼女はあまりにもうら若き乙女でありすぎた。

  それに彼女がそうぼやく理由は他にもある。それは……。

  [newpage]

  「やんっ、きゃっ、きゃぁぁぁん……っ!」

  こぢんまりとしたお尻からまだ未知の領域でもある場所まで覆い尽くされた時ユミは一瞬甲高い声を上げてしまう。

  「うう……」

  ほんのり涙ぐんでしまう、お年頃だもの。

  そんな言葉が脳裏をよぎるがそれと同時に帯は腰からおへそを通り背中、そしてその小ぶりながらも形の良いふくらみを押し上げる様に隠し軽く整える。

  「あんっ」

  ユミの声が上がる。帯も上がる。胸を覆い腕を覆った銀の帯は彼女の肩で合流しまで伸びる。

  「ふぅ……あと一息……」

  ため息をつきながらもユミはその瞬間に備えた直後、銀の帯はユミのあどけなさを残す口元から鼻、目元まで一気に覆い隠す!

  そしてそのポニーテールを形作る豊かな髪もあっと言う間に覆い隠されぴっちりと締め付けられる。

  「むっ、うむっ、むむむむ~!」

  これは何度やっても慣れきれるものではない。スキンヘッド状態となり表情を覆い隠された顔の中のうっすらとにじむ涙をぬぐう間もなくユミは終了の時を待つ。

  そして…終わった。

  頭の先まで帯が覆い切った所でシステムは停止し同時にユミの肢体は一気に引き締める。

  「きゃんっ!」

  その密着感にユミは再び声を上げる。

  カプセルの蓋が開き少しよろめきながら現れたユミの姿―それは「ユミだったもの」と言えるほど変化していた。

  その童顔と言える顔立ちやそれを彩るポニーテール。

  色々と小ぶりな体型を形作る柔肌。

  そう言ったものが全て銀色の網を刻んだボディスーツにぴったりと覆い隠されている。

  異星人の様な、あるいは何らかのオブジェの様な存在。それが今のユミだった。

  「ふう~」

  ふと声を上げてしまうがシステムから解放された安堵感や変貌した自分の姿に浸る間もなくユミは入ってきたのとは別のドアにその銀色の体をくぐらせる。

  [newpage]

  その先にあったのはまさにドックとも言える場所。

  目の前には何か人の形をした物体が数体鎮座している。

  そして今のユミと同じ様に銀色の網の肌を持つ女性達が次々とその前に集まっていく。

  どこか異様な光景でもあるがこれはこの部署におけるごく普通の光景である。

  全員がそろった時点で班長らしき人物が搭乗の指示を出し女性達はその物体の中に銀色の体を入れていく。

  もちろんユミもまた自分にあてがわれた物体の中に入り指定の箇所に足や腕を通す。

  それに合わせて物体が起動しユミ達の体を覆う。

  その中でユミの銀色の足に、腰に、胸に、腕に……緩衝ユニットが締め込んでくる。

  「あっ……」

  腰と胸が軽く締め付けられた時ユミは軽く声を上げる。

  しかし顔を動かす間もなくその顔と後頭部も緩衝ユニットに固定される。

  銀色の女性達を飲み込んだその物体が変形を終えた姿、それは金属の鎧を纏ったパワードスーツだった。

  かのペガスに比べればスタイリッシュだがそれでも無骨な体格を持ち白地メインに各種をワンポイント的に彩るカラーは各搭乗者の識別を意味しているのだろう。

  ちなみにユミはピンクのカラーである。

  背中にはこれまた無骨とも言えるアーム型のオプションが据え付けられておりそれを用途に応じて使用すると言う事が安易に見て取れる。

  「えっと……ここはこうだから……そしてこれは……よし、大丈夫!」

  白い面頬を彩るオレンジのバイザー、その中でユミの銀色の顔はバイザーから映し出されるモニターを見ながらシステムの起動調整を進めていた。

  今回もオールグリーン。今日も存分に仕事ができそうだ。

  少なくとも外観的に見て今その中にいるのはユミ・フランソワの自我を持つ銀色のフレーム・このパワードスーツを稼働させるパーツの一つなのだ。

  「よし、ソルテッカマンワーカー隊出場!各員配置につき次第作業に入れ!」

  「「「「「ラーサ!」」」」」

  「ら、ラーサッ!」

  班長の声が響き他のメンバーのハモった返事にわずかに遅れてユミも応える。

  パワードスーツ―ソルテッカマン達はエアロックまでエレベーターで運ばれるとそこから宇宙に出る。

  そしてステーションの各地に散らばり作業を開始する。

  [newpage]

  ソルテッカマン―テックシステムをベースに開発された装甲宇宙服システムであり性能や能力こそテッカマンに劣るがテックシステムに対し適性因子との相性や身体への負担の軽い装着・使用可能なシステムとしてステーション等の警備や各種船外作業などで活躍している。

  そもそもユミはかつて一瞬会合したテッカマンの姿、それに心を奪われた事をきっかけにこの職に就く事を目指した。

  着任当初こそ一般の整備員の一人として勤務していたが幸運にも適性を認められ作業用のソルテッカマン部隊の一人として船外の修繕作業につくようになった。

  緩やかながらもノズルを吹かして空間を進むソルテッカマン。

  その中でユミは緩やかながらもしっかりとその体を固定しながら伸縮する様に締め付ける感覚に浸りながらしばしの宇宙遊泳を楽しんでいる。

  「……着るのはちょっと慣れないけどこの感覚は……やっぱり楽しい……」

  作業場所にたどり着くまでのわずかな時間の中でユミは宇宙を進んでいる。

  「っと……今日はこの場所ね…」

  センサーとモニター・そして通信にふと我に返るとソルテッカマンはノズルを吹かして作業場所にたどり着く。

  ソルテッカマン達は背中に背負ったアームを動かし作業を始める。

  無骨な体躯と装甲を持つソルテッカマンはそれゆえにより困難な部所の作業をもこなしていく。

  時に強い衝撃をともなう作業の中逞しい体躯の中で銀色の網状インナーに護られた女性達の肢体が軽く震える。

  「うっ……これって……でも……悪くないかも……?」

  全身をしっかりと、それでいて軽くもむ様に締め付ける感触に浸りながらもユミは作業を続ける。

  少々天然気味な性格で仲間内からは「大ボケユーミ」とも言われる彼女だがその作業に対する熱意と意識は本物である。

  だからこそ慣れきらない羞恥と軽い快感をともなうインナー装着や無骨なソルテッカマンをまとっての作業にも耐えているのかも知れない。

  “いつか……わたしもテッカマンになって宇宙に……あの人と一緒に……”

  そんな思いを抱きながらユミは銀色の肢体を通してソルテッカマンを動かす。

  乙女の思いと願い・そして肢体をぴっちりと覆い隠したスーツと無骨なアーマーでできたその騎士は今日も道を開く為の再生の戦いに臨んでる。

  その背中を試験飛行から帰還するブルーアース号が通り過ぎていった……。

  [newpage]

  作業終了の通信が流れソルテッカマン達は作業を一段落させる段取りを済ませ帰還の途についた。

  再びドックに戻ったソルテッカマンの体が一斉に開きその中から銀色の女性達が身を乗り出して来る。

  「ふわぁぁぁ……!」

  アーマーの密着から解放されたユミは安堵で緩みかけた心と体をなんとかこらえつつ作業後の軽度メンテと終業点呼を行うとその身をブロックに向ける。

  少し慌ただしさを抱きつつもカプセルの中に入りシステムを起動させるとその体を覆い尽くしていた銀色の網からユミの体が解き放たれていく。

  「うっ……あっ……ふわぁぁぁぁ……っ!」

  豊かな髪とポニーテール、そしてその顔立ちが解き放たれたと同時にユミは可愛らしい声で解放の声を上げる。

  その余韻に浸る間もなくその細身の肩、小ぶりながらも形の良い胸の膨らみ、可愛らしい臀部にしなやかでしっかりした腕や太もも、ふくらはぎが露わになっていく。

  ユミがソルテッカマンの内部フレームから生身の女性に戻った瞬間。この瞬間はユミにとってはちょっとした歓びの一時である。

  このまましばらくこの部屋でゆっくりくつろいでいたいと思いながらもユミはカプセルから出るとコンソールを操作しシャワーを起動させる。

  シャワーの温かさに素肌と心を委ねながらユミはふとこれからの事を考えていた。

  このあと私服に着替えて仲間内と少しおしゃべりしようか。

  ちょっとお出かけしたいけど待機勤務中だからあまり遠出はできないな。

  明日は遅刻しない様に気をつけないと……。

  いつか叶えたい・叶うと信じている夢、そして今の自分の思い。

  色々なものを心に抱きながらユミはしばしのシャワータイムの中にいた……。

  了