翌日、たまちゃんはここねちゃんと一緒に登校します。
「ねこちゃん、助かったにゃん……迷惑掛けてごめんだにゃん」
「そんな、迷惑だなんてー。私は嬉しかったよ? たまちゃんと一晩中一緒で……」
「それにゃら良かったにゃん」
たまちゃんと家の方向が違うので、みおちゃんとは学園で待ち合わせです。
「それにしても、道行く人達がじろじろ見てくるねー」
「あたしだけ猫少女にゃから、ねこちゃんも目立ってるかもしれにゃいにゃん……」
「そうかもねー、でも私は気にしないよー。こうして大好きなたまちゃんと、一緒に歩けるんだものー」
「うん、私もねこちゃんの事、大好きだにゃ!」
『ドクン……』
「あ、ありがと……うん、私も大好き。破壊したいくらいに……」
「え、にゃにか言ったかにゃん!?」
ここねちゃんはスカートポケットを気にしつつも……グッと抑えました。
「何も言ってないよ!?」
「そっかにゃ……あたしの聞き間違い、だったかにゃ……?」
(ここねちゃん、無理しないで! 猫少女に変身した方がいいかも?)
(あ、もう1人の……私?)
ここねちゃんの中に存在する「誰か」が、ここねちゃんに変身を促しました。
(またやらかしちゃったら大変だよ? ここねちゃんは笑顔が似合うんだもの! ね?)
(笑顔が似合う、か……私が笑顔で居る資格なんて、あるのかな)
(ここねちゃん、大丈夫。ここねちゃんはアグレッシブ化さえしなければ、きちんと綺麗な心をしているよ!)
(しなければ、ね……。でももしかしたら発作を起こした時の方が本当の私、だったとしたら……)
(元気出して! ここねちゃんは優しいんだね☆ 愛している人を傷付けないように、いつでもきちんと考えているもの)
(私、優しいのかな……うん、ありがとう。もう1人の私……で、いいのかな)
「ねこちゃん、どうしたんだにゃん? 学園に着いたにゃん」
ここねちゃんは誰かとやり取りをしているうちに、いつの間にか学園へ着いていました。
「き、気にしないでー……あ、みおちゃんおはよー」
「ここねちゃん、お兄ちゃん、おはよ」
「みお、おはよ……一応外ではたまちゃんって呼んでにゃん……」
「あ、やっぱり外ではそれ、隠してるんだねー?」
「うん、お兄ちゃんの事、周りにバレたら色々ややこしいから。ね? お兄ちゃん」
「みお、絶対わざとだにゃん……?」
みおちゃんは相変わらずでした。
「みおちゃん、もう大丈夫? 昨日あれから……落ち着いたー?」
「うん、どうにかね……」
みおちゃんはいつも通りの様子で、ひとまず大丈夫なようです。
「私、ちょっと人目に付かない所で変身してくるね。たまちゃんを守れるように、猫少女で居た方がいいのかなーって」
「え、でもこれから学園始まっちゃうよ? お兄ちゃんはともかく、ここねちゃんはどうするの?」
「私は大丈夫だよー。猫少女になった時点で、不慮のトラブルは付きものって思ってるからさー」
「そっか、ならみおも……って、今日はみおのクラス、テストがあるんだった」
「あー、大丈夫だよー。たまちゃんの援護は私に任せてー? 守りは得意分野だからねー。だからみおちゃんは安心してテストに集中しておいでー」
「うん……じゃあ今日はお兄ちゃんの事、お願いできるかな?」
「もちろんだよー。じゃあ私、変身してくるねー」
ここねちゃんは一旦人目の付かない所に行きます。
[newpage]
「魔法猫少女、始動だよー」
ここねちゃんは変身を済ませましたが、たまちゃん達の元へ戻る前に……。
「ねえ……あなたは誰、なの?」
(あたしに言っているの? それはね、ここねちゃんの想像にお任せするよ♪)
「私とお話もできたんだね、今までは話し掛けてくるだけかと思ってた」
(できるだけバレないようにしてたんだけど……ここねちゃんが発作を起こした時、見てられなくてね……ついつい止めなくちゃ、と思って)
「うん、そこはありがと。でも正直、ちょっと気持ち悪いな。私の中に知らない誰かが居るなんて」
(ごめんね? 勝手に入り込んじゃって……)
「え、あなたは……最初から私の中に居た、訳じゃないの? 私が発作を持った時……それがきっかけで出来た人格、ではないの?」
ここねちゃんは何だか思い詰めたような顔をしました。
(ここねちゃん、スマイルスマイル! ここねちゃんの心はキラキラだよ! ここねちゃんはいい子なんだから)
「そう言われてもね……私、もう心から笑えないよ。あんな危険な発作、持っちゃってるんだもの」
(大丈夫だよ! その為にここ……ここに居るんだから)
「そうなの?」
(うん、ここに居るのはね、ここねちゃんの発作を抑える為。ここはね、その役割を担う為に居るんだよ!)
「そうなんだ。猫少女になれたのもあなたのおかげ、だったりして」
(うん、そうだよ? 私が中に居るから、ここねちゃんは猫少女になれる力を得たんだよ)
ここねちゃんは冗談のつもり、で言ったのですが……。
「本当にそうだったの……? じゃああなたは、私のパートナーって事で……いいのかな?」
(うん、それでいいと思うよ! 私はいつでもここねちゃんの味方だから! ね?)
「うん、ありがと……」
(さ、たまちゃんの所へ戻ろ? きっとたまちゃん達、待っているよ!)
「うん、そうだね」
ここねちゃんはたまちゃん達の元へ戻ります。
「お待たせー」
「じゃあここねちゃん、お兄ちゃんを宜しくね」
「うん、分かった。任せてー」
「万が一何かしら危機があったら、お兄ちゃんを辱めていいから。きっと最終兵器でどうにかなると思うから」
「みお! そ、それは言わにゃいで……」
「んー? たまちゃんの最終兵器ー? 辱めるのー?」
「にゃんでもにゃいの……」
みおちゃんはここねちゃんにペコリと頭を下げて、学園内へ入って行きました。
「さ、たまちゃん。とりあえず……どうしようかー」
「急に戻れるかも分からにゃいから、一応学園にゃいに居た方がいいかもにゃ」
「そうだね、いつでも元に戻れ次第教室へ行けるようにねー」
「やあ君達。朝から猫少女の姿でどうしたんだい?」
「にゃあ!?」
急に後ろから声を掛けられて、たまちゃんは驚いてしまいました。
「にゃに!? あ、にこちゃんだにゃ……」
「あなたが……猫少女のにこちゃん!?」
ここねちゃんは本能的に警戒態勢へと入ります。
「うん、僕はにこだよ。ここねちゃんは僕の事、知ってるみたいだね」
「知ってるも何も……良くもたまちゃんをー……!」
(ここねちゃん! ダメ、抑えて!)
「ねえ、少し落ち着いて? ここねちゃんは何か勘違いをしていないかい?」
「ふぇっ!? 勘違い……?」
ここねちゃんと初対面のにこちゃん。
ここねちゃんにとってのにこちゃんは、たまちゃんを殺そうとしたかもしれない存在として。
敵対するべき存在でしかありませんでした、ここねちゃんは自身の疑惑を棚に上げておきながら。
「僕がたまちゃんに危害を加えた。ここねちゃんはそう思っているんだね?」
「だって他に考えられないでしょ!? みやちゃんが違うともなると」
「ちょっとねこちゃん、落ち着くにゃ」
「たまちゃんは黙ってて! この子、人殺し……猫殺しかもしれないんだから!」
「酷い言われようだね。一体僕がいつたまちゃんに危害を加えたんだい? 証拠はあるのかい?」
「証拠……だって! 今にこちゃん、自分から危害って言葉を出したよね!? その場に居なかったのにそう言うって、自分がやりましたって事でしょ!?」
(ここねちゃん落ち着いて! 一旦冷静になって! ね? スマイルスマイル! だよ……)
ここねちゃんはヒートアップしているようですが、パートナーの働き掛けもあり……どうにか心の抑制が利いたようです。
「あのね、必ずしも目に見えている物だけが真実とは限らないよ。ここねちゃんには、どんな世界が見えているのかな?」
「私の見ている世界……?」
「たまちゃんがいつでも側に居て、幸せで居られる世界かい?」
「……うん、そうよ。それの何が悪い?」
「悪いとは言ってないさ。ただ、目に見えている物だけが真実とは限らない、それだけの事さ」
「にこちゃんはにゃにが言いたいんだにゃん?」
「私にも分からないけど……もしかして、たまちゃんの件を誤魔化してるつもり?」
するとにこちゃんはやれやれ、と言ったような反応をします。
「僕はね、たまちゃんが飛び降りる一部始終を見ていただけだよ」
「……確かに、見ていただけならば知っていてもおかしくはない。でも、じゃあ何で?」
「何がだい?」
「にこちゃんが本当にやってないならば、飛び降りたたまちゃんを見て助けに来なかったのは何故? あなたも猫少女でしょ?」
「僕はね、悪の存在……奴を警戒しているだけさ。僕の目的はそれだけの事。そこに敵も味方もないよ」
「助けなかったなら、やっぱりにこちゃんがやったとしか……」
「僕はみおちゃんと面識もあるし、彼女が治癒魔法のエキスパートだと言う事を知っている。だからみおちゃん達に任せれば大丈夫、そう判断しただけさ」
「確かに、にこちゃんの言う事は間違ってにゃいにゃ。あたし、みおと一緒ににこちゃんと会った事があるんだにゃん」
「じゃあみおちゃんと面識がある、と言うのは本当なのね……」
ここねちゃんは一旦、そう言いましたが……。
「でも、みおちゃんはにこちゃんが怪しいと言っていた。もしやっていないと言うならば、他に誰がやったと言うの?」
「きっと……奴自身かもね」
「奴? にこちゃんの言う奴って、誰の事なの……」
ここねちゃんは内心、かなりドキドキしていました。
もしかしてにこちゃんの言う「奴」とは、もう1人の自分の事……なのかもしれない、と。
(ここねちゃん、大丈夫だから……ね。深呼吸して?)
ここねちゃんは中に居るパートナーに促されて、ゆっくりと深呼吸をします。
「奴は……奴さ。悪の存在」
「だから、それは誰なの……?」
「少なくとも、今のここねちゃんに言っても無駄だと思う」
「今の状態の私? もしかして……私のアレ、知ってるの!?」
にこちゃんは発作の事、もう1つの人格の事……もしかしたらパートナーの事も知っているのではないだろうか? と思い。
ここねちゃんはますます警戒心を強めます。
「さあ、どうだろう」
「……どっちなの?」
「ねこちゃん、それにこちゃんの口癖みたいにゃんだにゃん」
「そうなんだ……」
「ここねちゃんには、念を押して警告しておくよ。奴はすぐ側に居る。気を付けて……」
にこちゃんはそう言いますが、ここねちゃんには意味が分かりません。
「みやちゃんじゃないんでしょ……? じゃあ誰よ、奴って。もしかして……」
ここねちゃんはもしかしたら自分の事を言われているのではないだろうか、と……若干ひやひやしていました。
(ここねちゃん、心の声を聞いてごらんー。本当に自分の事なのかどうなのか、きっと分かる筈だから!)
(心の声……私の、心の声……?)
「ねこちゃん、大丈夫かにゃん?」
たまちゃんはここねちゃんの様子を気にして、心配そうに声を掛けます。
「うん、大丈夫……」
「ところでたまちゃん、元の姿に戻れなくて困ってるんだよね」
「あ、そう言えばそうにゃんだにゃん」
「だったらみやちゃんを当たってみるよいいよ。元に戻せるのは、彼女だけだから」
「みやちゃんが? そうにゃの?」
にこちゃんはそう言い残すと、その場を去ろうとします。
「あ、待って! 逃げるの!?」
「違うよ。僕は奴を警戒しなくてはならないから。それを全うするだけさ」
「待って! ちょっと、にこちゃん……!」
にこちゃんは何処かへ行ってしまいました。
(感じは全然違う……でも知ってる、間違いない。あの子は私の……)
「ここねちゃん、後でみやちゃんの所へ当たってみるにゃ」
「ふぇっ!? あ、う、うん。そうだね……」
どうやらここねちゃんはにこちゃんから、何かを感じ取っていたようです。
「にこちゃんの言う事だけど、信じて大丈夫なの?」
「仮に違ったとしても、みやちゃんに聞いてみるくらいにゃらいいんじゃにゃいのかにゃん?」
「うん、それもそうかな。でもたまちゃんが戻れない事までも知っているだなんて……私達、ずっと監視されていたのかな……」
もし、仮にここねちゃんがにこちゃんに感じた「何か」が当たっていたとすれば。
にこちゃんがたまちゃんの今の状態を知っていても、何ら不思議ではないと思ったようです。
(にこちゃん、家でもたまちゃんの事を見ていたのかな……でも、どうしてにこちゃんが……何でなの?)
「ねこちゃん、大丈夫かにゃ?」
「ふぇっ!? あ、ごめんね……大丈夫だから」
ここねちゃんは猫少女のにこちゃんの事を……自分のお姉さんのにこちゃん、と感じたようです。
お姉さんのにこちゃんは男の娘、でもみやちゃん曰く猫少女のにこちゃんは女の子のようで。
しかしたまちゃんがお兄ちゃんだったのに今は女の子、と言う前例があるならば。
(にこちゃんが変身して女の子に変わったとしても、不思議な事ではない……と思う)
ここねちゃんは色々考えていましたが、結局考えても分からない事だらけでした。
(そもそも奴って一体……本当に私、ではなくて……? にこちゃんの目的が分からない……)
「ねこちゃん、顔色悪いにゃ? 保健室、行くかにゃん?」
「大丈夫、だから……ごめん。お昼休み、みやちゃんの所へ当たってみよ?」
たまちゃんの件については他に縋れるものも無いので、ここねちゃん達はお昼休みにみやちゃんを当たってみる事にしました。
[newpage]
「え、たまちゃんが元に戻れないの!? うん、確かにみやなら元に戻せるよ!?」
「あ、本当にそうなんだー……みやちゃんって一体何者何だろうー?」
お昼休みのランチタイム、皆はたまちゃんに合わせて猫少女の姿でご飯を食べます。
「みやちゃん、元に戻せるんだ? それでたまちゃん達は、にこちゃんにその話を聞いたんだね?」
「そうにゃんだにゃん。だからにこちゃん、多分危ない子じゃにゃいと思うんにゃよ」
「どうなのかなー……私は、まだ分からない事が多過ぎてー……ねえみやちゃん、にこちゃんって何者なのー?」
もしかしたらみやちゃんならばにこちゃんの事も分かるのでは、と思い。
ここねちゃんはみやちゃんに聞いてみます。
「卵焼きぱくぱく☆」
「……答える気が無いのかなー?」
「それとも分からないだけ、だったりして」
「えっとね、にこちゃんはねー……何だったかな!? 知ってる気がするんだけど忘れちゃった☆」
「知ってる気がする……みやちゃん、本当は何か知ってるんじゃないのー?」
「チョココロネもーらい!」
「バリアー! みやちゃん! めっ! だよっ! チョココロネはねー、命に代えてでも守るべき存在なんだから!」
「めっ、だよ? そういえばみやにも、そういう事を言ってくれる子が居たような……?」
珍しくみやちゃんが、少し真剣な表情で考え込んでいます。
「……うん、でも忘れちゃった☆」
「みやちゃんには不思議や謎が多いね……」
「本当にみやちゃんって、何者なんだろー……」
「それよりあたしの事、元に戻せるにゃらば戻して欲しいんにゃけど……」
「あ、そうだったね☆ 卵焼き食べたらね!?」
「みやちゃん、できれば先にお願いしたい。皆で猫少女の姿なんて、周りから凄い目立ちそうだもの」
「卵焼きの邪魔はしちゃダメなんだよ! 命に代えても守る存在なんだからね!」
「みやちゃんが私のマネしてるー……」
「よし、すぐやってくれたらみやちゃんに卵焼きの10倍返しだ」
「みや、すぐやっちゃうね☆」
さすが卵焼きガチ勢のみやちゃん……10倍返しの卵焼きで釣ったら、すぐに応じてくれました。
「……言ったまではいいけど。みお、明日からどれ程の卵焼きを作ってくればいいのだろう」
「みお、ファイトだにゃん……」
「さてと! じゃあ始めるからね!」
「お願いするにゃん」
「みやちゃん、たまちゃんに変な事はしないでよねー?」
「大丈夫だよ! 少なくとも、ねこちゃんの発作みたいな危険な事は」
「そ、それは言わないで……!」
「……発作?」
ここねちゃんはみやちゃんの発言を必死に制止します。
みおちゃんはそんなここねちゃんの反応が、少々気になったようです。
「……うん、分かった! てへぺろ☆」
「ここねちゃんは何かの発作持ちなの? ……聞いちゃいけない事だったかな」
「うん、お願い、聞かないで……」
みやちゃんは皆に言わないだけで、ここねちゃんの発作の事に気付いていました。
ここねちゃんが1番恐れている事は、発作の秘密を皆に知られてしまう事。
もしかしたら、愛するたまちゃんを失ってしまうかもしれない……のだから。
「あたしも気にはにゃるけど、聞かにゃい方がいいみたいにゃね」
「うん……ありがと」
「えーと、たまちゃんの中に恐らく昨日強力な魔法を放った時の、魔力の塊が引っ掛かってると思うんだよねー!?」
みやちゃんはステッキを向けて、たまちゃんの体をサーチするかのように調べています。
「あ、ここだね☆ 魔力エネルギー……猫少女エネルギーの塊! 今から吸い出すからね!」
みやちゃんがたまちゃんの胸元にステッキを向けると、体の中から光り輝いた何かが少しずつ出て来ます。
『シュポンッ!』
「取れた☆」
軽快な音を立てて、たまちゃんの体から光り輝く塊が抜け出ました。
たまちゃんの体から抜けたエネルギーを、みやちゃんは自身の体へ吸収し……胸の中へと吸い込みます。
「あー! これこれ! みやの探し物、これだったんだ! うんうん、すっごく馴染むよ!」
「探し物?」
「みやちゃん、何かを探していたのー?」
「あー気にしないで☆ こっちの話だから!」
「みやちゃんがあたしから抜いたにゃにか、体のにゃかへ吸収しちゃったにゃ……」
「うん、何でみや、たまちゃんに惹かれてたのか分かった! 少し……思い出したかも」
「みやちゃん?」
みやちゃんは何だか、普段見せないような表情をチラッと見せました。
「えっとね! 今、たまちゃんの中に爆発的に溜まっていた猫少女エネルギーを吸い取ったからね☆」
「猫少女エネルギー?」
「うん、昨日みやが掛けた魔法が強力過ぎて、たまちゃんの猫少女エネルギーが膨れ上がり過ぎちゃったみたい☆」
「猫少女エネルギー、が膨れ過ぎちゃったから人間の姿に戻れなかったのー?」
「そういう事☆ みやがそのエネルギーを吸い取ったから、もう戻れる筈だよ!」
「うん、やってみるにゃ。魔法猫少女! 解除だにゃん!」
するとたまちゃんは……。
「戻れた! 戻れたにゃあー!」
「たまちゃん、語尾がそのままになってるよ。でも良かった……みやちゃん、ありがと」
「ありがとー……みやちゃん、本当は悪い子でもないのかな」
発作の件でみやちゃんと色々ありつつも、ここねちゃんも一応お礼を言いました。
「それにしても、猫少女エネルギーを吸い出したつもりが、みやの探し物も混ざってたなんてねー。まだ全部吸い切れてないけど……ね?」
「ねえ、みやちゃんの探し物って……猫少女エネルギーが探し物なの?」
「うん? 何の事かな!?」
みやちゃんは探し物が何なのか、はっきりとは言いませんでした。
でもたまちゃんも元の姿に戻れたので、これにて一件落着のようです。
『じーっ……』
「みやちゃん、探し物に気付いたようだね……でもそうなると、ますます奴に警戒しないと……かな」
壁の向こうから見つめる猫少女、にこちゃん……ここねちゃん達はたまちゃんの事に気を取られて、全く視線に気付いていません。
彼女は一体、何を見ているのでしょうか……?