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今日の"患者"は小柄で華奢な男子高校生だ。
親が借金を重ねた末に差し出された何も知らない子である。
茶番であるが、親に毒を盛られて偽装救急車で協力病院に運ばれる。
そこで急性心不全として死亡したとされるのだ。
"死体"はそのまま当院へとやってくる。
人形化症候群とは冗談で付けた病名だ。本当はこちらが人形にしているだけなのだが。
真っ先に手を付けるのは運動野に対する電極の設置である。
通常は抑圧的な信号が発せられて強い意思をもっても、微かな動きが精一杯となる。尤も、不随意運動は抑制されないのだが。
声帯は取り外し、喘ぎ声が限度となる。
これにて、身体は牢獄となる。
体細胞から"皮膚"を作り出すのだが、遺伝子修飾と薬品により角質化した組織を作り出す。質感はソフトビニールのようになる。
これを型に当てはめて各種パーツを作り出す。
第一段階として、身体を女の子にさせる。
骨格から作り替えていく。
肩の骨を削り、骨盤を拡張し、肋骨を取り除く。
臀部と胸を盛り、喉仏を削り、局部の性転換手術を行う。
顔の作り替えを行う。
瞼を取り去り、眼球の前にカバーを取り付ける。このカバーが新しい眼球だ。
新しい眼球は顔に埋め込むように設置され、顔の整形と共に進められる。
鼻や口も小さく作り替える。鼻の穴はこのとき完全に閉じられる。
均整の整った人形のような――人形の顔となる。
歯は取り除かれ、シリコンの柔らかい歯に換装される。
腔内は不随意で蠕動運動する組織で満たされる。
このままでは呼吸が出来ないので、気管へはチューブを用意し、股間へと誘導される。この部分は、先に作ったカバーにて塞がれるので、外からは見えない。
栄養は、首の後ろに設置したコネクタより、栄養剤が腸へと送られる。
糞尿はこれも脳に設置した電極により制御するので、メンテナンス時に全て出すようにする。
不要な組織は次々に取り除く。代謝をなるべく減らし、身体を軽くするためだ。
腕や足の筋肉もかなりの部分取り除くので、華奢な身体がより華奢な身体へと変化していく。
髪の毛は皮膚を取り除き、先に作った組織で覆う。この部位は若干ゴム質になるように作られるので、ウィッグを載せるのに便利になる。
乳首や股間などには電極を埋設してある。
お仕置き用に使えるようにだ。動作の緩急とお仕置きなどは、購入者が装着したヘッドセットから脳波で設定する事が出来る。
これには慣れが必要なので、人形とよろしく楽しんで貰うしかない。
他の部分も関節部分を工夫しつつ硬い組織と柔らかい組織をつなぎ合わせる。
関節部分が球体関節に見えるようにするのだ。
手足がそのように作られる。
そうやって、一体の等身大ドールが出来上がる。
人形がやってきた。
これを手に入れる為には、社会的なステータスを上げて、顔を繋げていって漸く発注し、いいボディが手に入り、手術の完成を待たなければならない。
私は本来、引き籠もりがちな人間だが、人形を手に入れる為にやりたくもない社交や、必要もない手柄を用意する必要があった。私はカネも社会的地位もあるので、それは造作のないことだが、目立たずに暮らして一生を過ごしたいと言う願いを一次停止しなければならなかった。
だが、今、こうやって人形を手にして、私は再び隠遁生活に戻れるわけだから、過去のアレコレには目を瞑ろう。
手術自体私も慣れている。小さな頃に美少女化手術を受けて、でも子供が欲しかったのだろう、陰茎と睾丸だけは残っている。
親を恨んだことがないと言えば嘘だが、今ではこの可愛らしい容姿も悪いモノではないと思っている。
尤も普通の人間を抱きたいという感情はないが――跡取り用に精液をいくらか冷凍保存してあるので、親にはそれで我慢して貰うことにする。
私は政治も経済も仕事も人間関係も、もういっぱいなのだ。
好みの顔、好みの体型。全てが完璧だ。
家で意識を失い、ある所から身体も動かせず、声も出せない状態になった。
何度も手術をされたのは間違いない。
最後に新しい姿として見せられたのは、一体の少女の人形だ。
借金のカタに取られたらしい。
そんなふざけた話があるかと憤慨したが、それを外に出すことが出来ない。
手術の開始から分かっていた。何かの実験台だと思っていたが、そうでもないことを悟ったとき、もはや諦め以外の何も考えることが出来なくなった。
動ける状態と動けない状態の二つがあるようだが、動けるにしても立って二、三歩歩くのが精一杯。自分の腕も重たく、顔を触るのが限度だ。脱出なんて出来る筈がない。
そもそもここは何処なんだ?
何日間、否、何年経ったのだろう?
ある時、ビニール袋や緩衝剤で梱包されて出荷された。
到着したのは豪華そうな部屋だ。
メイド服を着た女性二人に開梱されて、ドレスに着替えさせられた。
肌触りの感触は手先にしか残されていないが、それで感じた服の質感は確かな生地の良さだった。
装飾のついた大きなベッド、北欧風のどっしりしたチェスト、壁には花を描いた油絵が掛かっている。床はふかふかの絨毯だ。
正面には姿見があり、ベッドに座る自分はやはり可愛い人形であったのだ。
メイドが立ち去ると、入れ替わるように入ってきたのが女主人らしい美人であった。
身長は自分ぐらいの大きさで、一言で言えば美少女である。それもアイドルグループにいそうな可愛さではなく、お嬢様的な可愛さであった。
「いらっしゃい。ようこそ私の屋敷に」
可愛らしい声の人だ。
女の人、それもこんな少女ならば酷い扱いは受けないだろう。愛玩用に置かれるだけだ。暇ではあるが、そんなに悪くはないだろう。
そんな希望が出ていた。
少女は自分にキスをしてくれた。
舌を入れ、口の中の構造を確かめているようだった。
自分の口には舌はなく、口の中は複雑な状態になっているのがなんとなく分かるような状態だった。
口が刺激されたからなのだろうか、唾液が分泌されるのが分かる。
その刹那、少女はスカートをたくし上げ、小さなショーツから特大の逸物がはみ出ているのが分かった。
「私の楽しい玩具になってね」
そう言うと、その大きなペニスを自分の口の中にねじ込んでいった。
やめろ! そんなもの触りたくもない! 心の中で叫び、全力で彼女を押しのけようとするが、身体が非力で何も出来ない。
それから彼女は腰を猛然と振り始める。
口の中が気持悪い感触と臭いでいっぱいになる。
無意識に口の中の構造が蠕動運動しているのが分かる。
「いいわぁ、その調子」
彼女は恍惚の声を上げる。
「イキそう! イキそうだよぉ!」
声を張り上げると、自分の顔をぐっと押し付け、ペニスは喉の奥に当たった。
そして射精だ。
もの凄い勢いの精子が喉に流れ込んでくるのが分かる。
噎せると思ったが、そんなことはなく、淡々と流し込まれていく。
射精が済んだと思えば、口の中程でペニスを擦り付ける。
残存の精液が口の中で混ぜられていく。
臭い、気持悪い!
彼女のペニスが萎むと――とは言えデカイのだが。
「可愛い子ね、またよろしくね」
と言って、部屋を去っていった。
胃から上がってくる精子の臭いを感じつつ、何もする事が出来ない。
メイドが口を拭いて、メイクを整えてくれた。
目を閉じることは出来ないが、眠る事は出来るようになった。
何も考えないように努めれば、人間こんな状況でも発狂しないものだなと思った。
何時間か後に、再び女主人が入ってきた。
フェラの次は膣内射精だろう。
想像は当然のように当たる事になる。
彼女は五分ほど自分を可愛がると、「こっちが欲しいんでしょう?」とペニスを自分の目の前に曝した。
どういうことか、股間が熱くなるのを感じる。
脳味噌の何か自分では制御できない領域が、意図的にいじられているような気がする。
彼女は暫くの手淫、口淫を楽しんだ後、股間に硬い棒を突き立てた。
股間が改造されているのは、排尿の時に思い知らされた。
自分が自分の身体をどうでも良いと思ったのは、この辺りだった気がする――だが、実際に挿入された絶望感はその時の衝撃を軽く上回るものだった。
「やめろ! やめろ! やめろ!」
心の中で叫びながら、非力な腕や足で抵抗した。
だが、こんな少女にも屈服せざるを得ない。
身体の中に熱い棒が出たり入ったりする。痛みは感じなかったが、汚らわしさを感じる。身体が徐々に汚染される感覚だ。
そして、彼女は気持ちよさそうに射精する。
その瞬間、突然に絶頂した。どういう脳の仕組みだろうか? そんな簡単に女の身体は絶頂するものなのだろうか?
絶望感が上塗りされていく。
気付けばどろりとした液体が股間を濡らしている。
「次は私を受け入れてね」
彼女はそう言い残して部屋を去る。
メイドは無言で、そして無表情に自分の世話をすると去っていく。
お前なんてただの性具だと言わんばかりに。
また何時間経ったのか、自分の心を閉じていたので分からない。
女主人がやってきて、自分を撫で、抱きしめる。
自分はそれを拒絶するように突き放そうと努力する。
そうしたら、彼女は「あら受け入れてくれないのね」と冷たい視線を向ける。
その直後、乳首や股間など身体の各部に電撃が走った。
自分の身体とは思えないほど跳ね上がる。
身体が震え、脳も震える。
股間が熱くなり、そして絶頂した。
快感? 否、恐怖ばかりだ。
呼吸が息を吸える限界を超える。
口を使って息をしようとするがそれも無駄だった。
口の中から唾液が噴出するばかりだ。
「あら、よだれを垂らして、そんなに気持ちよかった?」
そう言うと、もう一度電撃が走る。
身体がもう一度跳ねる。両手で布団を握りしめるのが限度だった。
それからぐったりした自分を彼女は犯し、意気揚々と去っていく。このときも何故か脳裏に気持ちよさが植え付けられていく。
次に彼女が現われたときは、もう恐怖で何も出来なかった。
彼女が「もっと抱きしめて」と言えば抱きしめ、「感じてる?」と言えば、感じる演技をするしかなかった。
脳内でどれほど拒絶して、嫌悪感を感じていても、そしてどんなにも不快に感じていても、彼女の射精と絶頂はワンセットになっていた。
排尿は必ず彼女の前で行わなければならなかった。
尿意は彼女の合図と共に到来して、大型犬に使うようなペットシートの上でする事を強制された。
メイドが甲斐甲斐しく拭いてくれるが、顔は無表情なままだ。
食事と言うか、栄養は後頭部から流し込まれた。胃が膨らむ感じはするが口は経由しない。あの時以来口で味わうのは精液と、チンカスだけだ。
肛門は存在しているが、セックス以外に使われる事はない。排泄も一切ない。アナルセックスの後、浣腸のようなもので洗われるが、うんこのような臭いがした事はない。
彼女は時々遊びで電撃をやるのだが、それも苦痛に感じなくなってきた。
快楽を感じるわけではないが、そのように演技すると彼女が喜ぶ。
彼女の喜ぶ姿が見たいわけではないが、機嫌が良いと優しくしてくれる。
もう、ただ、それだけのことが楽しみでしかない。
相変わらず、フェラもセックスもアナルセックスも楽しくはない。だが、喜ぶ様な演技は出来ているはずだ。彼女の機嫌を損ねないうちは甘やかしてくれる。
ただ思うのだ。いつか、彼女が自分の事に飽きて仕舞ったらと。
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