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ちょっとした諍いがあって、「酒飲み勝負して勝った方が言う事を聞かせる」と言う勝負をしてしまった。
別に酒に弱い訳ではないが、彼女は格段に強くて、夕方から飲み始めて、夜が更ける頃には決着が付いてしまった……俺の負けである。
後日彼女に呼び出された。街中の漫画喫茶だ。
「いいから着替えて」
そう言われたのは、美少女着ぐるみ一式である。
「まさか?」
「ここまで来て、まさかも何もないでしょう」
彼女は用意周到で、俺のサイズに合わせたタイツだの補正具だのを準備していた。
「絶対可愛くなるから!」
満面の笑みが怖い。
「俺はこんなの着ないぞ!」
「証人がこんなにもいるのに?」
早朝にもかかわらず、飲み会に参加した男女の友達が外で待っている。
「全裸になって」
そう言われ、「おい、ふざけるなよ」と言ったが、「ここで何もせずに出て行ったら、みんなからハブられるよ」と脅された。
乳首に小さな電極を貼られた。そして、仙骨にも貼られ、アナルにも電極を挿入された。
流石に初めての事なのだが、彼女は初めての事ではないようである。ローションを使ってとろとろにされる。
「こ、これは罰ゲームなのか?」
「罰ゲームに決まってるでしょ」
彼女は静かな落ち着いた声で、まるで事務作業をしているように答えた。
ケーブルを身体にテープで固定して、着ぐるみの着付けに入る。
ウェストニッパーを使ってウェストを締め上げる。次に肌タイツに足を通し、太股のパットを仕込みながら股間まで上げる。
タイツは少し固めで身体全体がぎゅっと締まる感じがする。
ベスト状になってる部分に袖を通し、ファスナーを閉める。両腕を通してシリコンのおっぱいを詰める。
顔までタイツを被ってファスナーを閉める。
それから下着を着せられる。黒いセクシーな奴だった。
ニーハイソックスを穿き、かなり凝った作りのゴスロリを着せられた。あとはネックレスと編み上げブーツを履いたら面を被るばかりだ。
「おい、本気か?」
最後の最後に抵抗するが、「みんな見たがってるし仕方ないでしょう?」と涼しい顔をされた。
お面を被るとそそくさと後ろに回り、カチリと鍵を閉められた。
「マジかよ」
「当たり前でしょ。逃げられたら困るもの」
そう言って、ポーチの中に収められた電源に配線を繋いでいった。
「テストで流すよ」
彼女がそう言うと、間髪を入れずに電極に電気が流れた。
「ギギギ!」
歯を食いしばった。
「喋ったら駄目よ」
彼女が電気を止めてそう言った。
「おい待て!」
そう言うと、再び電流が目一杯の出力で流れた。
「くっくぅ!」
「喋ったら駄目よ。あなた小さいから、黙って居れば女の子なんだから」
低身長をこんなに悔やんだときはなかった。
ルールはこうだ。
彼女が気に入らないと思ったら電流を流される。
ポーチは鍵が掛かっているし、電源コードはかなり丈夫だそうだ。何か抵抗すれば、電気が流れる。
さっきの電流は目一杯だと思ったら、まだ二割だと言う。
逃げても無駄で、電波は五百メートルぐらい届くという。それに、電波が途切れたらランダムな出力で電流が流れる。歩いて逃げるのは無理だと笑う。
二十四時間頑張ったら許して貰えるらしい。
表に出ると、友達ががやがやと群がって喜んでいる。
自撮りをしたり集合写真を撮ったりと、ちょっとした有名人みたいだ。
まだ朝は早いので、人通りが少ない。早めに開く店の店員だの会社員だのが通勤していると言う感じか。
あまり関わろうとはしていないが、チラチラと見られていたと思う。
今日は日曜日なので、繁華街には人が集まるだろう。
この街はコスプレに寛容なので、コスプレイヤーやメイドなどが平然と闊歩している。
なので、店内に入ろうとしなければ誰に咎められることもない。
写真屋動画を撮っていた友達は方々に散っていった。
それと共に、街は活気が高まっていく。
人通りが増えてきて、ちょくちょく「可愛い」と言われ、また同じぐらいの数「キモイ」「怖い」と言われた。
気を抜いた歩き方をすると、ピリピリと電気が流れる。
がに股で歩こうものならどうなることか。
戦々恐々としながら、背筋を伸ばし、内股を心がけて歩く。
腕はなるべく内側に巻き込むように振るし、手を振るときは肘から上を動かさないようにする。
写真でポーズを取るときは、首を傾げたりする。
全て、人が増える前に強要されたことだ。
窓ガラスに写る姿は確かに可愛かった。
「今の可愛いよ」「あぁ、素敵だよ」
彼女はちょいちょい褒めてくる。
カメラを持った観光客も「可愛い!」と喜んでいる。
ここまで来て、男とばれるのも恥ずかしい。
なおも頑張って可愛いフリをしなくちゃならない。
そうこうしていると、人通りの多い一角で「ちょっと待ってて」とその場を離れたのだ。
ああ、これ絶対に監視しているなと分かったが、しかし逆らうわけにはいかなかった。
色々な人が通り過ぎる。適当に無視していると、電流がビリッと流れた。危うく声を出しそうになる。
行き交う人々、興味がある人には愛想を振りまかないといけない。
子供が来たら腰を下ろして対応する。
少し気が抜けるとまた電流が流れた。
どれほど待たされただろうか、やっと彼女が戻ってきた。
「お疲れ様」
ついつい気を抜いて電流を流される。
彼女が目の前にいたので、ぐっと掴んでしまう。
「大丈夫?」
そう言いつつ、何かを操作している風ではなかった。
「本当に大丈夫?」
尋ねているが、口元は笑っている。誰か協力者が操作しているのだろう。
「少し歩こう」
彼女が手を繋いで歩き出す。
電流で頭が真っ白になりそうだ。ぐっと手を握ってなんとか意識を保つ。
それから長いこと掛かったと思う。電流が弱まったか、慣れたかしたのだ。
姿勢を保ちつつ、女の子に思われるように気をつける。
そして、場所を変えたところでまた「ちょっと待ってて」と彼女が離れる。
電流は流れているが、多分もう大丈夫だ。
気持ちを抑えるようにしている。
そこにメイド二人組が現われた。
「可愛いですねぇ。ちょっとお店に来ませんか?」
俺は身振り手振りで拒否するけど、「えー、喋れないんですか?」と理解を示しつつ、「ちょっとだからいいじゃないですか?」と強引に引っ張ろうとしてくる。
その時に少し力強く手を引こうとすると、電流が一段と強くなる。
意識が遠のきそうになると、メイドは引っ張って行く。
よく見ると、二人とも可愛いし、ちょっと好みの顔であった。そのまま雑居ビルの五階に連行される。
見た目は地味な扉の向こうは、実に雑居ビルの五階にありそうなコンカフェだった。
「おかえりなさいませ」
中には一人のメイドがいたが、客は一人もいなかった。
「可愛い子連れてきた-」
最初の二人のうち、一人のメイドが笑っている。
「へぇ」
店にいたメイドは二人より少し年上のようで、品定めするような目つきだった。
「ここってどうなってるのかなぁ」
スカートを捲ろうとする手を払おうとすると電気が強くなる。ここも監視されているのか!
もはやここまで来ると、言葉を発しない事が目的になっていて、身体の震えを止める術はなかった。
姉御肌のメイドは、再びスカートをご開帳なさった。
「案外おおきいのね」
微笑みつつ、指でその辺りを撫で回した。
もう一人のメイドが後ろから抱きついて「可愛い」と頬ずりしている。
電流は激しく、そしてリズミカルになるばかりだ。
「貴方のを触るだけじゃぁ悪いから、私のも触る?」
もう、頭は真っ白で成り行きに任していた。
確かに、目の前のメイドは巨乳だった。
「もっと触ってぇ」
いやらしい声が頭の中に響く。
「気持ちいいんでしょう?」
後ろの子はおちんちんをちろちろといじっている。
「ほら、女の子になっちゃったら?」
言葉責めが甘美な声で続いている。
意識が途切れたのだろうか、何か一線を越えたところで、身体の震えが止まらなくなった。
気持ちいい!
快感が脳天を突き破った。
それからは別次元の世界に入っていった気がする。
それから、メイドにもみくちゃにされて、そして、外に出された。
記憶は曖昧だが、脳味噌の中がピンクになりながら、元の場所に戻った。
愛想を振りまき、写真の相手をする。
彼女が戻ってきた。
快感は一度落ち着いたと思われた。だが、本当だろうか? 電流が収まっているように思える。
それからも可愛さを褒めてくれるし、手を繋いで歩いてくれる。
違う安心感が訪れる。
そうしたら、何故か電流もなしに頭の中が多幸感で一杯になり、再び意識が不明瞭になる。
気付いたらホテルにいた。
服を脱いだ私を彼女が抱いていて、そして満ち足りた雰囲気になっている。
ああ、女の子になっちゃったんだなと思った。
全てが仕組まれているのは間違いないけど、この状態は全てが完璧だった。あるべき所にある気がした。
それから殆ど、着ぐるみで生活することになったけれど、それはまた別の話だ。
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