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着ぐるみ52-内臓女性着ぐるみ百合→同化

  私とミウとは昔から仲が良くて、その結果、肉体関係まで持つようになってしまった。

  ミウが株だのなんだので儲けていて、地味に一生遊んで暮らせる金を稼いでしまったらしい。

  「仕事なんて辞めて、一緒に暮らそうよ」

  そんな誘いに乗っかったのが半年前のことだ。

  実家のしがらみはもうないので、二人とも悠々自適だ。

  折しも、法律が変わって同性婚が可能になった時期だった。

  ある時のこと、私とミウはドールマスクに興味を持った。

  あれこれ検索して、そして様々なリンクから辿っていった先で、これはと言う子を見つけた。

  燃えるような赤い目で、複雑な青色の髪の毛の子。海のような深い青い目と、美しい栗色の髪の毛の子。

  イラストであるが、他の作例に見とれていたから、ワンオフと知ると即断即決した。

  住所、頭の大きさ、身体のサイズだのを入力し、入金をさっさと済ませた。

  さて、入金してから連絡がない。メールの一本も入れるのがスジだろと思って、リンクを探したらそれもなくなっていた。

  二人してしてやられたと笑った。お金に余裕があるから笑い話で済んだ。

  購入したのは個人サイトだし、恐らく、今更口座を照会しても何も出てこないだろう……

  警察に相談するのも面倒くさく、勉強代だと諦めていた。

  そんなこともすっかり忘れた頃である。

  突然、段ボールが二つ届いた。送り主はお面をオーダーしたところであった。その後、送り主の住所が出鱈目だと気付く事になる。

  取り敢えず、安堵した。安堵した? サイトも不明になった人間から突然送りつけられる。

  普通に考えると、お面を売る商売を投げ出した人間が、入金受けた分だけの仕事はやってやったと言うだけである。どう考えてもクォリティに心配があるのだ。

  そう二人で愚痴りながらモノを確認した。

  箱を開けると、目を見張った。想像以上の出来である。

  レジンだろうか? ガラスだろうか? 奥深いドールアイが埋まっていて吸い込まれそうだ。

  ウィッグは綺麗にまとめられていて、好きな色をしている。

  メイクも美しく、理想的なドールの顔をしていた。

  二人で驚き、二人で褒め散らかしていた。誰も聞く事はないけれど。

  それで、特に予定もないし、さっさと着てしまおうと言う話になった。

  箱の中身には肌色のタイツも、デザイン画に乗っていた衣装も入っていた。

  「えー、あの値段で全部なの!?」

  二人で驚いたのは、多少金銭感覚がバグっていたのかもしれない。

  二人でいちゃつきながらシャワーを済ます。

  着ぐるみを着たら、何をしようと相談しながら。

  熱っぽい口調の中で、「取り敢えず落ち着こう。写真だけは撮りたい」とお互いにお互いを落ち着かせようとしていた。

  先ず、肌タイの肌理が細かくて絹のような肌触りだ。

  全裸になり、期待に胸を膨らませて足を差し込んだ。

  「ヤバイ!」

  語彙力が喪失していた。するりと入り、ピタッとする。でも、嫌な締め付けはない。

  手の爪も足の爪も付いているので多少無理があるかと思ったが、本当の爪のように指に綺麗に嵌っている。

  二人で感動しながら肌タイを着る。胸のところも綺麗に乳袋になっていて、背中のファスナーまで締めると、谷間が現われる仕様になっていた。

  下着を着て、同梱のドレスを着て、お面を被る。

  私が青い目の子だ。

  「名前はどうしよう?」

  「変える必要ある?」

  そういう事で、お面も素の状態もネットで通っているミウとメウとした。

  鏡を見ると、可愛らしいお人形さんがそこに立っている。

  いささか着痩せしたように見える。

  元々手足は細い方だが、人形だと認識するとなおも華奢に見える。

  写真を撮ろうと言っていたのに、二人ですりすりする事ばかりしていて、それだけでかなり時間が経った気がする。

  はっと思い出して、写真を撮るのだけど、そんなに撮る気はなかった。

  アップの自撮りと、セルフタイマーで全身の二つのパターンを数枚ずつ撮った。

  それをSNSにアップロードすると、仕事は済んだとばかりにいちゃつき始める。

  先に攻め出すのはいつもミウだった。

  ショーツに手を伸ばし、つつつと一番気持ちのいいところを撫でる。

  私は我慢強くない方だから、すぐに声を出してしまう。

  二人とも、澄ました顔のお面だから、「まだ大丈夫だね」と次々に感じる所を撫でてきてくれる。

  「待って!」

  止めようとするけど、彼女はSっ気を出してあの手この手でいじめてきた。

  散々嬲られて何度か果てた。

  それを見て、ミウは満足したようにお面を脱ごうとした。

  「あれ?」

  お面のエッジに指を掛けて前の方に引っ張っていた。

  「ちょっと手伝って」

  そう言われて、自分もお面を外そうとしたのだけど、全く脱げない。

  何かが引っかかっていると言うか、顔ごと持って行かれる感じだ。

  「え!? 私も脱げない!」

  二人して混乱する。

  「どうして!?」

  無理矢理引き剥がそうとするが、そうもいかず、ただ痛いだけである。

  最終的に、お面を破壊しようとペンチを持って来たが、お面にも痛覚があるような痛さが走る。

  すっかり疲労困憊すると、何故かお面に表情があるように思えた。

  その違和感は口にせず、「疲れたから寝ようか」と二人でベッドに入った。

  随分とよく寝たと思う。夜は早かったはずなのに、昼近くまで寝ていた。

  「レスキュー隊でも呼ぶ?」

  私が尋ねると、ミウが「ちょっと待って、あなた瞬き出来てない?」と驚かれる。

  私が目をぱちくりさせると、「やっぱりそうだ!」と言われる。そのミウ自身が瞬き出来ていた。それどころか、開いていない口が、数ミリだが開いて驚いている顔をしている。

  「待って! ミウも顔が動いてる!」

  そこから顔面の動きの研究だ。

  目の瞬きは普通に出来るが、表情は実にゆっくりとした形で動かす事が出来る。そして、その気になれば、その表情を固定させることが出来るようだった。

  どうしよう。

  もう一度お面を脱ごうと努力したら、今度はエッジの部分まで埋まっていた。

  つまり、完全に顔に癒着していた。

  驚いて、タイツの方を引っ張ってみると、これも皮膚と癒着しているようだった。

  ファスナーは跡形を消していて、漸く二人はこの着ぐるみが脱げなくなるシロモノなのだと気付いた。

  連絡先も出てこないし、苦情も質問も出来そうもなかった。

  だが、私達は楽観的なので、「そのウチ脱げるでしょう」とか「仕事はないんだから、これで生活すればいいじゃない?」と思うようになった。

  それから二人は着ぐるみで生活することとなった。

  不思議とお腹は減らず、喉も渇かない。反面、口は開いても中にモノは入れられそうもなかった。

  お面やタイツが臭うと言う事もなかった。汚れればシャワーを浴びて、洗濯洗剤と柔軟剤で洗えば良い。シャンプーもするが、ウィッグは抜け毛がなくて縮れたり切れたりもしない。

  気が付けば、人間の身体よりもメンテナンスフリーなのだ。

  おまんこ部分のタイツは閉じているが、触ると気持ちいいのが分かる。排便も排尿も必要ないから大丈夫か。

  日常に飽きると、動画配信サイトでYoutuberみたいな事をするようになった。土日は施設の許可を取り、公園で撮影やグリーティングをやるようになった。

  気が付けばそこそこ有名人にもなってしまう。

  「失礼ですが、そのお面脱げたりします?」

  この質問に、「これが素顔ですから」と言うと、大抵の人は怪訝な顔をする。まるで自分が無粋な質問をしたと非難されているように思うからだ。

  そこで怒る人も黙る人もいるが、流石に無理矢理そうしようとする人はいなかった。

  否、邪な意図で近付いてくる人はいるが私達は嗅覚が良かった。

  家から現場までお面を付けたままの姿だ。

  次第に「ほんものだ」と思われるようになった。

  今日も仕事が終わり家に帰る。

  またミウが私の弱いところをいじってくる。

  最後は電マに挟まって一緒にイこう。

  どうも歳を取っている感覚はないけどまぁいいか。

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