第一幕
ハルト「よっ」
レン「来たよ~」
今日はハルトとレンが泊まりに来る日。余った部屋に新しく買った家具を置いて迎える準備はばっちり。どうせ一緒のベッドで寝るだろうからベッドは大きめの物を一つだけ、消●力もちゃぁんと置いてあります。仮に致し始めた時用に、ね。まぁ声は聞こえちゃうわけで、俺らも一緒のベッドで寝てるわけだから変な気分になっちゃわないか心配ではある。
とりあえず致しちゃっても大丈夫なように用意はしてあるから問題はない。
春樹「よっ」
ワタル「寒い...」
レン「相変わらず寒さに弱いねぇ」
ハルト「お前も家出る前まで『やだ~外寒い~』って我侭ほざいてたじゃねぇか」
レン「あぅ...」
春樹「まぁいいじゃろ。部屋こっちな」
ハルト「ありゃりゃ、敷布団持ってきたけど必要なかったね」
春樹「後ろのでかい荷物布団かよ...」
横向きに置いてようやく入るようなサイズの巻いた布、どうやら布団らしい。他の荷物は着替えくらいか...?
レン「柔らかい...」
ハルト「お、ほんとだ」
レン「へへ」
ハルト「ふぎゃ」
『それでは早速』とでも言わんばかりにレンはハルトを抱いて背中からダイブした。
それを見た時に直感で『ほんとに幸せな夫婦なんだな、羨ましい』と思った。俺もワタルとこんな感じになれるのかな...
そういうのには正直憧れがある。二人で仲良くお風呂入ったりご飯食べたり...色々したい。今でもそういうことはできてるけど夫婦か否かでかなり変わってくると思う。
ハルト「こら、出先で早々セクハラすんじゃない」
レン「へへん、いーでしょ?別に」
ワタル「好きにしな~。消●力も置いてあるから数発ぶちかましただけじゃなんともないヨ☆」
レン「だってさ。」
そういってレンは意味深そうに舌なめずりをする。サキュバスか?お前は。
ハルトはハルトで顔が少し赤くなってる。今すぐにでもおっぱじめそうな雰囲気だ。それなら外野は邪魔だろう、とワタルに合図を出して『お昼ご飯作るからごゆっくり~。あ、激しい方かな?』と茶々を入れてリビングに移動した。嬌声が大きくないといいんだけど...防音がある程度できるとはいえ同じ室内の俺達にはそりゃもう筒抜け。
...なんか色々不安だなぁ
ワタル「...ハルト達何食べるかな」
春樹「ペットじゃないんだから...なんでも食べるでしょ、ワタルの料理なら。」
ワタル「そうかな?」
春樹「前俺らが泊まりに行った時はめっちゃ食べてたでしょ。」
ワタル「じゃ適当に作るかな。」
部屋の方からベッドが軋む音が聞こえてくるのをよそに俺はワタルと見る予定だった番組を見て、ワタルは料理を進めていた。ちなみにワタルの方からこっちも覗けるので一緒に番組を見る形になった。
...出先で速攻おっぱじめられる神経の図太さがちょっと羨ましかったり。本来見習っちゃダメなんだろうけどね。
第二幕
ワタル「飯、できたぞ」
ハルト、レン「あ」
春樹「...1時間ちょっとは向こうでゆっくりしてたはずなんだけどね?」
部屋に入るとまだ行為の最中だったハルトとレンが居た。長続きするんだね、君たち。俺とワタルなんて一発ヤって終わっちゃったよ。初めてだったからってのもあるんだろうけど...
春樹「...ハルトって全身灰色だったんだね」
ハルト「...なんとなく想像できね?」
春樹「そりゃそうか...」
レン「ちょっハルトっ動かないで...」
ハルト「あっすまん、抜く」
生々しいからその会話やめてくれ...
そこからはせっせと服を着て見慣れたハルトとレンになった。レンはまだぽや~っとしてたけど。
...ここでふと思ったことがある
春樹「ハルトってああいうことすると本物の狼みたいな顔するんだな」
ハルト「盛らないでくれ...」
レン「そだよ。ちょっと唸るだけだもん」
ワタル「レンお前獲物認定されてるじゃん」
レン「もう捕らえられてるヨ」
ハルト「ほほほ、軽口叩けるんならもっと激しくてもよかったってことだね?」
春樹「下の話はやめてくれ」
ハルト「...お前らまだ童貞処女なん?」
ワタル「直球ドストレートだな」
春樹「えっとぉ...」
急なこっちに向けられた質問に俺は顔を赤くして俯くしかなかった。
既に『初めて』は終えている。だから『もう経験済み』と言えばいいんだろうけどなんかそれはヤダ。
ワタル「もう既に抱かれたよ☆」
レン「あらぁ」
近所のおばさんみたいな返答やめてくれ...
あとなんでそんな恥じらいもなく言えるんだお前は
ハルト「ほほぉ」
ハルトは『初めて』がどんなものだったか、と興味津々なご様子。
もーやだ恥ずかしい
ワタル「とにかくすごかったとしか...」
お前は少しくらい恥じらいを持て。なに淡々と話し始めてんだよ
ハルト「...お前はどっちなんだ? 攻め?受け?」
レン「ハルト...ワタルさっき『抱かれた』って言ってたでしょ」
ハルト「あ、そっか」
春樹「...」
ハルト「で、春樹はどーだった」
春樹「あぅ...えっと......気持ちかった...?」
ハルト「なんで疑問形なんだきっぱり言え」
春樹「気持ちかった...でしゅ」
ハルト「それでヨシ。で、まだ一回しかシてないんか?」
レン「ハルト、そういう話はあんま長く続けるもんじゃないよ。あとご飯冷めちゃう。行こ」
ハルト「ごもっとも...あとお前はご飯はやく食べたい、が本音だろ」
レン「あ、ばれちった?」
ようやく話が逸れてくれた、とリビングに向かった。
...ハルトのせいで変な気分になっちゃったじゃん...一人で慰む行為は虚しくなるから嫌なんだよぉ...
ワタル「...ねぇ、春樹...」
唐突にワタルが俺にしか聞こえない声量で俺に話しかけてきた。
春樹「ん?」
ワタル「...後で、シよ?」
春樹「ゲフッ」
ハルト「!? どした急に」
春樹「にゃ、なんでもない...」
ワタルに誘われ、未だに慣れない俺はむせた。ワタル、お前はいつ道を違え...あ、全面的に俺の所為かこれ
責任取らなきゃなぁ......でもどうやって...けっこん...?
春樹「グフゥ」
ハルト「ほんとにどした、風邪か?」
春樹「なんでもない...」
今回は完全に自爆だ。結婚......結婚か...ワタルは俺と番いになるだなんてこと望んでくれるのだろうか...
ワタル「?」
春樹「飯食べよっか」
ワタル「...? うん」
第三幕
ハルトとレンがすぐ横の部屋に居るのにも関わらず昨晩、ワタルと行為に励んでしまった。もちろん事前に『声はあまり出さないように』とは言ったけどまぁ無理なわけで。扉からレンとハルトが覗いてるのに気づいたのはスッキリした後である。つまりは...あーんな顔やこーんな顔をまじまじと見られたわけ。
春樹「プライバシーのカケラもねぇな」
ハルト「鍵かけない方が悪い」
ワタル「それ、ブーメランだってことに気づいてね」
レン「あぅ...確かに俺たちの時も鍵かけてなかった...」
ハルト「わぅん...スマソ...」
春樹「謝る気あんのかそれ」
ハルト「ごみんあさい...」
春樹「なんだその誤字のオンパレードみたいな謝り方は」
ハルト「猛省しておりまする故、お命だけは勘弁を...」
春樹「それは時代を遡りすぎな」
ワタル「いーじゃん春樹。俺らも一回見ちゃったんだから...」
春樹「ならこれでチャラな」
ハルト「いぇい」
レン「ぬん」
春樹「いぇいはともかくなんだ『ぬん』は」
まだまだ言いたいことはある。
春樹「これだけは言わせろ。」
ハルト、レン、ワタル「?」
春樹「ワタルは気づいてなかったのか」
ワタル「なにが」
春樹「さすがに部屋の前で致すのはダメだろ」
レン「我慢できなくて...俺からちょっと強引に...」
春樹「まず部屋に戻ってからシてくれませんかね」
レン「猛省しておりまするゆえ寝取るのはご勘弁を...」
春樹、ハルト「なんでそうなる」
レン「てへ☆」
ハルト「可愛いから許すッ」
春樹「激甘だな。」
ワタルと行為に励んでいる時、ワタル以外の嬌声が聞こえてきた。そう、ハルトだ。
...ん?ハルト?
...あいつ攻めじゃなかったっけ...?
春樹「...?」
ハルト「おぬしの顔から見て取れることは『ハルトが攻めだったはずなのになんでハルトの嬌声が聞こえてきたんだ』じゃろ?」
春樹「ちょっと恐ろしくなる洞察力だな。そうだけど」
レン「攻めにも受けにも対応してるもんね、俺ら」
要するに『リバ』とやらだろうか。
ハルト「同性故の利点だな」
春樹「利点なのか?それ」
ハルト、レン「利点だよ」
ワタル「...春樹の受けは想像できない」
春樹「同じく、ワタルの攻めは想像できない」
ハルト「なら一回経験すればいいじゃん」
ハルトの唐突な提案に俺とワタルは顔を赤くした。『それもいいかもしれない』と思ってしまう自分に腹が立つ。
まぁ何事にも経験が大事とは言うけど...覚悟がまず大事なえっちな行為となれば話は別。攻めか受けの片方しか普通やんないんだよな...?と思いつつそんなことを考えていた。正直受けがどんなものなのかは気になる。ワタルの顔を見た感じ気持ちいいんだろうけどまず...入るかな...?
ワタル「...マァカンガエテミルヨ」
春樹「オーバーヒートしてるな」
過激な話が続くもんだからワタルの脳がパンクしちゃった...それでも『まぁ考えてみるよ』と言うあたりワタルも興味はあるんだろう。
...ほんとに、どうしたものか......『激しくしないでー』とか『優しくしてー』とでも言えばいいのだろうか...ワタルはそういうことあんまり言わないんだけど...
気長に考えるしかないか。とりあえず今は役割変えずに...ってなんで行為に励むことを前提に考えてるんだ...?
俺も既に毒されているのだろうか