「あ〜〜〜お腹が空いた。
もう何日も水しか飲めていない。
このまま飢え死になんかしたくない。
何か食べ物は……………!!!!👀
な、なんと美味しそうな、ヒヨコと熊と兎が居るじゃないか!!
よしよし、アイツラを順番に食べてやるとするか。
オット、ちょっと待った!!
何だか、保護者みたいに奴等も近くに居るな。
今襲うのは得策じゃない、ちょっと隠れて様子を見てからアイツを襲って食べる算段を整える様にしよう。🐹」
腹ペコ狼のソクジンは、食べ物を探して森の中を歩き回り、漸く見つけたヒヨコ、熊、兎を何とか自分のお腹に納める為に、茂みに隠れて、こっそりと様子を伺うのでした。
[newpage]
「そうか、お前たちもソロソロ独り立ちする迄成長したんだな。
だから、この土地に其々家を建てる事にしたのか😺」
「ウッウッ、あんなに小さかったお前達が、こんなにも立派に成長して、オンマみたいにお前達を育てた俺は凄く嬉しいよウワァ~~~ん🐿️」
「あ〜〜ホソク泣かないでおくれよ。
俺まで泣きそうになるじゃないか。
ホラッ鼻かみなよ🐨」
「ホビヒョン泣かないで下さい。
ホビヒョンの涙見たら、俺達の決心が揺らいでしまいます🐥」
「そうです。
親から捨てられて孤児になっていた俺達を拾って、ずっと慈しんで育ててくれたから、こんなにも大きくなれたんです。でも俺達何時迄もヒョン達に面倒見てもらう訳にはいかないって3人で相談して、其々家を建てて独立するって決めたんですから🐻」
「ユンギヒョン、ホビヒョン、ナムジュンヒョン、本当にお世話になりました。
家が出来たら皆さんを招待するので楽しみにしていてくださいね🐰」
『そうか、寂しくなるけどお前たちも立派に独り立ちする時期になったんだね。
独立の手始めに其々自分の家を作るのか。新居作り頑張って!!俺達も新居楽しみにしてる😺🐿️🐨』
ユンギ、ホソク、ナムジュンの3人は幼い頃からこのバンタン森🌳で一緒に育った幼馴染。
成人して、それぞれ両親の暮らす家から独立して、3人で共同の家を建てて、森で取れる草花や樹の実で薬やお茶を作ったり、森の木を使って生活に必要な道具や家具を作って生計を建てて暮らしていた。
ある日、森の奥の池で、プカプカと今にも沈みそうになっている3つの木箱を見つけました。
その木箱を覗いて見ると、生まれたばかりのヒヨコと、子熊、そして子兎が哀れな鳴き声をあげているでは有りませんか。
きっと、親に捨てられた孤児達。
そのままにしておけば、獰猛な森の獣達に喰われてしまうか、さもなければ食べ物も無く飢え死にしてしまう非力な赤子達を見捨てる事が出来ず、ユンギ達はヒヨコにはジミン、小熊にはテヒョン、そして小兎にはジョングクと名前をつけ、親代わりになって、それはそれは大事に育てたのでした。
そしてユンギ達の献身的な育児のおかげで3人は大きな怪我や病気をすることなく、元気にスクスクと育ち、誰もが振り返るような素敵な若者へと成長したのでした。
身体は一番小さく普段はヒヨコの姿をしているが、誰よりも優雅に空を舞い踊り森の中では随一のダンサーと噂されるようになったジミン。
身体はそれなりに大きくなっても、幼い頃の純粋な心を持ち続け、森で一番ハンサムで優しい、でも何処ズレているのが更に魅力的だと評判の仕立て屋のテヒョン。
大きくてくるくるとした瞳で、今でも幼子の様なに見えるのに、時々雄感全開で女性達から大人気で、森で一番の力持ちで、何でも出来ちゃう食いしん坊な木こりのジョングク。
ユンギ達が孤児となった自分達を拾って、慈しんで育ててくれたおかげで、健康で丈夫に成長したが、そのせいで、元々3人用の住居は、完全に手狭となってしまっていた。
だから、丁度木を伐採して更地となった土地に其々が家を建てて独立しようと話し合って決めたのである。
「さてと、俺は余り体力は無いからな。軽くて風通しの良い家を作る事にしよう🐥」
そう言ってジミンは近くの村にひとっ飛びして、稲刈りや収穫が終わった田畑から、藁を貰い受けて、それを綺麗に編み込み雨風を凌げる程度の、質素だけど可愛らしい小屋を作りました。
テヒョンは、廃材を沢山貰い受けて、それを器用に寄せ細工の様に組み立てて、斬新的なデザインの木の家を作り上げました。
そしてジョングクは自らレンガを焼き、そしてそれらに虹をイメージ出来る様に7色で、塗り分け、頑丈だけど、温かみのあるレンガの家を作り上げたのでした。
『漸く、家が完成したね。
ヒョン達をお迎えするために、今度は家の中を飾り付けしないとね🐥🐻🐰』
互いの家を満足そうに眺め、そして今度は、ユンギ達を新居に招待するための準備するために3人は其々自分が建てた家の中へと入っていったのでした。
[newpage]
「よしよし、漸く一人きりになったな。
それに今なら、家の中に家具も無いだろうから、隠れる場所も無いし、襲いやすくなっているに違いない。
そうだな、まずはあの一番小さなジミンというヒヨコを喰ってやることにしよう。🐹」
それまで、空腹を我慢して茂みに何日も隠れて様子を伺っていたソクジンは、お腹をギュルギュルと鳴らしながら、ジミンの藁葺の家に突進していきました。
「ガォーー!!ヒヨコ!!俺が喰ってやる!!🐹」
「えっ?嘘!!狼!!逃げないと🐥」
突然藁の扉を押し破って自分に襲いかかってきた狼に驚愕したジミン。
自分を食べようと涎を垂らしながら牙を剥いてくる姿に恐ろしさの余り気を失いそうになりましたが、必死で羽をパタパタと広げて空中を逃げ回ります。
「クソっすばしっこい奴だ!!
だが、どうた!!もう逃げられないぞ🐹」
狼のソクジンも何処からか見つけたきた大きな網を持って、ジミンを追いかけて捕まえようとします。
「このままだと本当に捕まって食べられてしまう。どうすれば………そうだ!!よヨシッ変身!!🐥」
実は今のジミンは成人の姿になっていますが、姿を幼いヒヨコの姿に戻すことも出来るのです。
「えっ?消えた?何処に隠れたんだ🐹」
突然目の前から消え失せたジミンに驚きながらも必死で、その姿を探すソクジン。
でも、いくら探してもジミンの姿を捉える事は出来ません。
それもそのはずです。
小さなヒヨコになったジミンは重なり合った藁葺の隙間に丸まって隠れていて、身体の色も藁の色と似ていて、ソクジンからは見つける事が出来なかったのです。
「う〜〜〜んヒヨコは小さすぎて見つけられないのかもな。
それにあんなに小さかったら、腹も満たせないに違いない。
それなら、あのポヤポヤした熊なら、身体は大きいかもしれないけど、一番弱虫そうだから、簡単にペシャンコに出来るに違いない。
そしてあの肉をタラフク食ってやるんだ🐹」
ジミンを捕まえることを早々に諦めたソクジンは、お腹をギュルギュルと鳴らしながら、今度はテヒョンの家に向かうのでした。
「あ〜〜〜助かった。
でも、今度はテヒョンの家に行くつもりなんだな。フフッ、きっと狼の奴、腰を抜かさんばかりに驚くに違いないぞ🐥」
難を逃れたジミンは藁から這い出すと、元の姿に戻り、そしてテヒョン家に向かっていくソクジン狼の後ろ姿を見てニヤリと笑うのでした。
「さっきは簡単に倒せると思って、いきなり攻撃を仕掛けて失敗したからな。
今度は相手を油断させて、襲いかかることにしよう。
ウンウン、俺はちゃんと頭も使える賢い狼なんだからな🐹」
なんとしてでも食べ物にありつきたいソクジンは、今度は失敗しないようにと作戦を変えてテヒョンの家の扉をノックします。
「コンコン、こんにちは🐹」
「は~いどちらさまですか?🐻」
家の中からのんびりとした熊のテヒョンの声が聞こえてきます。
その気の抜けた声にソクジンは
『コイツなら問題なく倒せる』
と内心嬉しくてたまりませんが、そんな気持を必死に押さえて、優しい声色を出して挨拶をします。
「こんにちは。
新居を作られたんですね。
僕は近くに住むものです。新築のお祝いを持ってきました🐹」
「それは、本当に有り難う御座います。今開けますから、暫くお待ち下さい🐻」
「ヨシッ、熊の奴が扉を開けた瞬間にパンチを浴びせてやれば一発でノックダウンさせられる🐹」
流行る気持を抑えながら、ソクジンがファイティングポーズで待ち構えている目の前で、ゆっくりと扉が開きます。
「お待たせしました🐻」
「ギャー!!!!!!!!🐹」
扉が開いて、テヒョンの姿を見た途端、ソクジンは恐怖の雄叫びを上げて飛び上がります。
「えっ?どうかしましたか?
大丈夫ですか?🐯」
「いやぁ〜〜〜たすけてぇ〜〜〜🐹」
心配してソクジンに駆け寄ろうとするテヒョンの姿は、なんと虎🐅
テヒョンは成長するにつれ、熊から虎に変化したのです。
普段は虎の姿をしていると森の住民達に恐れられるため、外では熊の姿にしていますが、他人の目が無い場所では本来の虎の姿に戻って居るのです。
虎になっても優しくポヤポヤしているテヒョンは、目の前のソクジンが怯えている姿を見て、安心させようと駆け寄ろうとしたのですが、ソクジンからしたら熊の時よりも何倍も身体が大きくなった虎のテヒョンを見て、襲う事など完全に忘れ去り、脱兎の如くテヒョンの家から逃さったのです。
「こんな所、命が幾つ有っても足りなくなる。
もう残りの兎を襲うのも諦めて、とっとと、この森から逃げたそう🐹」
ソクジンは森の出口をを求めて必死に逃げ去って行きます。
「あ〜〜〜しまった。またやっちゃったよ。あの人、大丈夫かな?
多分ジョングクの作ったトラップに引っかかって大変な事にならないと良いけどな🐻」
もう熊の姿に戻っても意味は無いのに、熊の姿に戻ったテヒョンは、ソクジンが逃げ出したジョングクの家の方向を見てため息をつくのでした。
「ハァハァ、あいつ化け物かよ。
一瞬で熊が虎に変わるなんて、それにあのヒヨコも姿が見えなくなったし、もしかして此処は化け物達の住処なのかもしれない。
もう、腹ペコなんかどうでも良い。
兎に角此処から逃げ出さないと🐹」
実はとっても怖がりなソクジン。
こんな理由の分からない恐ろしい場所から一刻も早く抜け出そうと必死で出口を目指して走ります。
「ハァハァ、出口は未だ?僕ずっと同じ場所を走り続けているみたいなんだけど🐹」
目の前に出口は見えているのに、幾ら走り続けても出口には辿り着けません。
それもその筈です。
実は悪戯好きなジョングクが自分の家の周りに巨大な迷路を作って訪れてくる人達を達を楽しませようとしたのです。
でも、虎テヒョンに遭遇して恐怖に駆られたソクジンは無茶苦茶に走り回るため、出口は見えているのに何度も同じ道を走り回る負のサイクルに陥ってしまっているのです。
「も、もう駄目かも……もう何もいらない、せめて喉を潤す一口の水が欲しい🐹」
足が完全に縺れ意識も朦朧としてきたソクジンが望んだのは一口の水。
その願いを聞き入れるかのように、目の前に美しい虹の絵が描かれた扉が現れます。
「此処もあのヒヨコや虎とは別に兎の化物が暮らす住処なのかもしれない。
でも、死ぬ前に水を一口飲めたら、もうそれで思い残すことはない🐹」
そう言って、倒れ掛けながらも虹の扉を開け、そしてその場で力尽きて倒れてしまったソクジン。
「えーーーー!!ちょっと、狼さんどうしたんです?🐰」
いきなり扉が開いて、狼が倒れ込んでくる姿に驚き、大声を上げて駆け寄るジョングク。
丁度、筋トレをしていて、短パン姿に上半身裸の姿は、可愛らしい兎顔には全く似合わないプロレスラーみたいな逞しい肉体をしています。
「今度は筋肉兎………やっぱり化物だった。でもお願いします水を一口……🐹」
そう言うと、完全に力尽きて意識を失ってしまうソクジン。
「ねぇ、ちょっとしっかりしてください!!🐰」
「あ〜〜〜やっぱり、この狼さん完全に意識失っちゃてるね🐻」
「そりゃそうだろう、腹が減ってて俺を喰おうとして、滅茶苦茶走り回ってたし、虎の姿に戻ったテヒョン見て、驚愕して、ジョングクの作った迷路をぐるぐる走り回ってたら、気を失ってもおかしくないだろう。
多分大丈夫だと思うけど、意識失ってるから水位飲ませてやらないとあかんやろ🐥」
様子が気になって見にやってきたジミンとテヒョン。
そしてジミンの言葉で、3人は倒れて意識を失っているソクジンの身体を支えて水を飲ませてあげようとします。
ですが………
「ギャー!!首が、首がもげたぁ〜〜🐥」
「ひゃあ〜〜〜こっちは両足スッポ抜けたあ〜〜〜🐻」
「アンデェ〜〜〜俺腕も出でしまったみたいです〜〜🐰」
3人がソクジンを其々抱き起こして身体を握ったとたん、狼ソクジンの首、両足、両腕がポロリと胴体から外れてしまい、3人は真っ青な顔をして叫びます。
『どうした、お前ら、ジミンもテヒョンも新居に居なくて、3人一緒にジョングクの新居に来ていたみたいだが、何をそんなに大声で叫んでいるんだ?😺🐿️🐨』
『ヒ、ヒョン!!俺達狼さんを殺してしまいましたぁ〜〜〜〜〜🐥🐻🐰』
狼の頭、両足、両腕を握ったジミン、テヒョン、ジョングクの3人が大声で泣きながらユンギ達に訴えてきました。
[newpage]
「先ずは落ち着け。何も問題無い。
ホラッよく見てみろ😺」
『ふえっ?🐥🐻🐰』
「ウンウン、狼の振りをする為にこんなにも小さな身体で、着ぐるみ操っていたんみたいだね🐿️」
『狼の振り?着ぐるみ?🐥🐻🐰』
「こんなに小さいのに、お前達を喰おうとしてたなんて、どんだけこのハムスター食いしん坊な奴なんだ?🐨」
『ハムスター?可愛い!🐥🐻🐰』
ユンギ達の言葉に
恐る恐る狼の胴体を覗き込むと、一匹の可愛らしいハムスターが操作棒を握りしまたまま完全に気絶しています。
その余りにも愛らしい姿に、自分達を食べようとして襲ってきた事など完全に忘れ去り、ハムスターをそっと抱き上げ、ジョングクの柔らかなベッドの上にそっと乗せてあげるジミン達。
「俺、お水持ってくる🐥」
「お腹空かせてるみたいだから、俺のとっておきのハチミツ🍯持ってきて食べさせてあげるよ🐻」
「これからご飯作るつもりだったから、すぐに食べれる物……あっ、バナナチップスなら有ったけど🐰」
ジミン達がハムスターソクジンのお世話をするために、バタバタと駆け出し、そして秒の速さで戻ってくると、意識を失っているソクジンの鼻先に食べ物を置きます。
「フガッ!!ウオ〜〜〜〜水に食べ物!!化物達に喰われてしまうかもしれない。でも今は自分の腹を満たすことしか考えられない!!ムシャムシャガッガッ🐹」
食べ物の匂いに釣られて目を覚ましたソクジンは形振り構わず、水を飲み、ハチミツとバナナチップスに齧りつきます。
『なんか鬼気迫る食べっぷりだな😺🐿️🐨』
『俺達食われてたら骨と皮しか残って無かったもしれないな🐥🐻🐰』
脇目も振らずに一心に食べ物に喰らいつくソクジンの姿は、韓国に伝わる조마구 (チョマグ)*という食べ物を喰らいつくす妖怪の様に見えて、かなり引き気味なユンギ達。
「ふう〜〜やっと人心地つけたぁ〜〜
あっ!!ぎゃあ〜〜〜コテン🐹」
目の前の水やハチミツ、そしてバナナチップス全てを食らいつくし満足して、パンパンに膨れ上がったお腹を擦っていて、自分を見つめる生温かい視線に気がついたハムスターのソクジン。
自分が襲って食べようとしていた妖怪達に加え、新たな妖怪も加わり6匹の妖怪達が自分をじっとりと眺めているのに漸く気が付き、慌てて気を失った振りをします。
「おい、芝居なんかしてたら本当に食ってやるぞ😺」
猫の妖怪が尖られせた爪でソクジンの頭を突いて来ます。
「フェン!!ごめんない!!🐹」
「ねぇ、どうして狼のふりなんかしていたの?重くて大変だと思うけどな🐿️」
6匹の中では一番穏やかそうに見えるリスの妖怪から話しかけられ、幾分気持が落ち着いたらソクジン。
「それは……🐹」
それでも妖怪達に非力な自分の気持なんか分かって貰えないと、言葉を濁すソクジン。
「分かるよ、君の気持。
森には君より遥かに身体の大きな生き物ばかり。
何時襲われるか分からないからね。
だから狼の姿をして自分の身を守っていたんでしょ。🐨」
「でも、もうそんな事しなくて良いよ🐥」
「俺たちと一緒に暮らせば、襲われる心配なんか無くなるよ。
そして、君が出来る事を、俺らや森で暮らす生き物たちの為にしてくれれば、それで良いんだよ🐻」
「あっ、それから言っとくけど、俺ら妖怪とかじゃなくて、普通の猫、リス、コアラ、ヒヨコに熊と兎だから。
只、ちょっと身体を変化させるって不思議な体質持ってるだけだから🐰」
6人からの余りにも優しい言葉に感激して涙ぐみそうになるも、ジョングクの言葉に
「身体が変化するって十分に妖怪じみとるわ!!………
あの、襲ってしまって本当にごめんなさい。
なのに、僕を責めないでくれてありがとう。それに僕を、ここに置いてくれるって言ってくれて。
僕……ソクジンって名前です。
で僕、身体も小さくて、取り柄なかな何も無い大飯食らいで、前の飼い主さんから追い出されたんだ。
ん??クンクン、なんだか美味しそうな匂いがする🐹」
いきなりプリプリと文句を言い出す始末。
そう言う所が追い出された理由だと突っ込みを入れたくなるユンギ達。
そしてひとしきり文句を言うと気持が落ち着いたのか、漸く皆に向かい、謝罪とお礼を言い、自分は何も出来ないと悲しそうに肩を落としていたが、急に鼻をヒクヒクと匂いを嗅ぐ仕草を始めました。
「あ〜〜それは俺がヒョン達をもてなす為の料理様に、食材に下味を付けていたからだよ🐰」
「料理!!🐹」
途端にソクジンの目がランランと輝き始めました。
「ここなら、僕でも皆の役に立てるかもしれない。
僕の両親はハムスター界での食の最高峰ハムラン5つ星を獲得した一流の料理人だったんだ。
ペットとして飼われてる僕は料理なんて絶対にさせてもらえなかったけど、ここなら存分に腕を振るうことが出来る。悪いけど、キッチン使わせて貰うからね🐹」
それまで、シュンと小さい身体を更に小さくしていたソクジンが急に胸を張って任せろと言うように自分の胸を叩き、颯爽とキッチンに向かっていく走り出します。
その後を慌てて追いかけていくジョングク。
「ヤレヤレ、何ともお騒がせなハムスターだな😺」
「でも、なんだか憎めないハムスターですよ🐿️」
「ウンウン、分かるな〜〜
あの走っていく後ろ姿も凄く可愛くて、なんだか庇護欲を掻き立てられると言うか🐨」
「単なる食いしん坊とは違うみたいやな。おい、テヒョンどうしたんや?🐥」
「うん、なんか食べてしまいたいくらい可愛いなぁ〜〜って思ったんだ。
グクも凄く気に入ったみたいで、ほら、キッチンでチョッカイ出してる。あ〜〜俺も混ざりたいけど、料理出来ないしな🐯」
『うわッ、ヤバっ、お前虎になってるし😺🐿️🐨🐥』
好きな人の前では本能丸出しになるテヒョン。
怖がらせないようにと熊の姿になっていたのに、ソクジンの無茶苦茶な行動や動きが壺に嵌ったらしくいつの間にか虎の姿に戻って、餌を目の前にする虎と同じように舌なめずり姿に、ジミン達は完全にドン引きしてしまうのです。
そしてキッチンでは
「や〜〜〜僕の服を引っ張るな!!🐹」
「ヒョンこそ、俺がドレッシング作るの邪魔しないでください🐰」
いつの間にかヒョン、グクと呼び合い、共に「アンデェ、アンデェ」と言いながら、互いの行動を邪魔し合いながら、じゃれ合い、だが、きちんと美味しそうな料理の匂いが漂ってくるのです。
『いただきま〜〜す😺🐿️🐨🐥🐻』
『美味しく召し上がって下さい🐹🐰』
ハムスターのソクジンと兎のジョングク2人のシェフが作った料理を一口食べると
「うわッ、ヤバッ!!
無茶苦茶美味い!!😺🐿️🐨🐥🐻」
皆、一斉に声を上げ、夢中で食べ進めていきます。
その様子にジョングクも我慢しきれなくなって
「俺も沢山食べようッと!!
本当だ!!凄く美味しい!!🐰」
皆に負けじと凄い勢いで食べ進めていきます。
その様子を本当に嬉しそうに眺めているのにソクジンにユンギが声を掛けてきます。
「なぁ、ソクジンさん、アンタさえ良ければ、此処に留まって、俺たちに料理を作ってくれないか?
なんなら食堂を開いて、シェフとして働いてみたらどうかな😺」
その言葉にソクジンは驚きながらも、嬉しそうに言葉を返します。
「言いの?僕が此処に居ても。
凄く嬉しいよ🐹」
ソクジンの言葉に皆も嬉しそうに頷きます。
「じゃあ、決まり!!
自己紹介が未だだったから改めて、猫のユンギヒョンに、俺はリスのホソク。そしてコアラのナムジュン。
チビッコ共って言ってももう立派な成人だけど、ヒヨコのジミンに、一応熊のテヒョン。こいつは本当は虎なんだけどね。そして筋肉自慢の兎のジョングク。
これが俺たち家族だよ。ソクジンさんも今日からは俺達の家族の一員だね🐿️」
「家族……凄く嬉しい、本当に有り難う。
でも……さっきグクから皆の年齢聞いたらさ。僕が一番の年長者って。
だから僕の事はジンヒョンと呼んでくれよ🐹」
「えっ??年上??イヤでも年上の美人も中々……🐨」
「ジンヒョン宜しくやで。それから、ナムヒョン、テヒョン、ジョングクには気をつけといてや🐥」
「さっきは驚かせてゴメンね🐻。
あれ??また虎に〜〜〜でも全然怖くない虎だからね🐯」
「ジンヒョン、食堂開くなら、絶対俺の家を使って。
俺、ジンヒョンのお手伝いするからさ🐰」
早くも、ソクジンに心を奪われた🐨🐯🐰の3人はソクジンに謎のアピールを、始めた模様。
何も気がついていないソクジンは只管ニコニコと嬉しそうに笑っているのです。
「狼だった癖して、自分が狙われてるって全く分かってないな。
危機管理ゼロで、アイツラに食われても知らんぞ😺」
「とか言って、凄く気にしていますよ🐿️」
「まぁ、3人の暴走を停める位は助けてやろうと思っとるわ🐥」
別の意味で、保護者会を結成するユンギ、ホソク、ジミンの3人。
……………………
「ジンちゃん、今日のお勧めは?」
「ソクジナの顔を見ないと1日調子が出ないからな。」
今日もソクジンの食堂は美味しい料理とソクジン目当てのお客様で満員御礼状態。
「はい!!食べたら、すぐに出ていってくださいね。
待ってるお客さん沢山いるんですから🐰」
「ジンニョン疲れてたら、俺が後で肩もんであげるからね🐻」
「ジンヒョンをた讃える歌を作ってきました。後で朗読しても……🐨」
「グク、お客様を邪険に扱ったら駄目でしょう。どうぞごゆっくり。
お待ちのお客様、お待たせして申し訳有りません。
手作りのクッキーでも召し上がって待っていて下さいね🐹」
そう言って、ニコニコと接客するソクジン。
「やっぱり無自覚だな😺」
「見てよ、あのイケオジの、ニヤけてしまらない顔🐿️」
「まぁ良いんじゃないの、ジンヒョン幸せそうだし🐥」
『まあな😺🐿️』
昔昔、狼の格好をしてお腹を空かせたハムスターが居ました。
そのハムスターは美味しそうなヒヨコ、熊、兎を見つけで、食べようとしましたが、彼らの優しいな行動のおかげで、心を入れ替え、ハムスターの姿に戻り、美味しい食事を提供する食堂を開いて、森一番繁盛するお店となって、幸せに料理を作り続けたそうです。
めでたし、めでたし。
……………
「え?俺と結ばれた話は?🐰」
「いいえ、俺とジンニョンのラブストーリーは次回で🐯」
「番外編をお楽しみに🐨」
『全部、アイツラの妄想だから😺🐿️🐥』
はい、本当にめでたし、めでたし。
【🔚】
【補足】
*チョマグとは?
チョマグ、あるいはチョマグィは朝鮮半島に伝わる妖怪。その姿は記録によって異なるが、どうやら黄色い毛に覆われた四足歩行の獣であるらしい。最初はネズミほどの小さなサイズだが、叩けば叩くほどどんどん大きくなっていき、最終的には仔ウシほどの大きさになって、襲い掛かって来るという。
伝承では、ある家の台所にチョマグが入ってきた。チョマグはご飯や醤油、おかずなどをすべて平らげて笑っていたが、その家の母親がこれを発見した。母親は驚いてチョマグを何度も棒で叩いたが、叩くたびにこの獣は大きくなるばかりだった。結局、チョマグは母親を殺してしまい、その肉でスープを作った。後に帰宅した息子は、母親が作ってくれたものと勘違いして何も知らずにそのスープを平らげてしまった。
その後、いつまで経っても母親が帰ってこないため、その行方を捜すうちに、息子は自分が食べたのがチョマグに殺された母親だったという事実を知る。息子はチョマグの隠れ家を見つけ、チョマグが留守にしている間に食べ物をすべて食べ尽くして飢えさせた。
さらに、チョマグが眠れないように邪魔をし続け、疲れ果てたチョマグはついに釜の中に逃げ込んで、蓋を閉めて眠った。そこを狙って、息子は釜の下で火を焚き、チョマグを焼き殺して仇を討ったという。
焼き殺されたチョマグの灰が飛び散って、蚊、ノミ、シラミになったという「害虫の起源説」が不随することもある。チョマグは死後も人間を苦しめるのである。
同系統の怪物譚:チョマグとその変種
似たような怪物としてチュドゥンイ・ダッパル・コンジ・ダッパルというのも知られている。こちらは姿こそ鳥の姿をしているが、貪欲に人間の食事を盗み食いし、母親を殺し、仇討ちされるなど、似たような存在として語られるため、しばしば同一視されることもある。
チョマグは主に朝鮮半島の北側(現在の北朝鮮)、チュドゥンイ・ダッパル・コンジ・ダッパルは南側(現在の韓国)で知られているので、同じような話が伝播する過程で、一方は獣、他方は鳥として語られていったものと考えられる。
《参考文献》
『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)