「はい、なんだって!?少女が山の中で遭難している?」大樹(だいき)は連絡に答えた。連絡によると、桃子という少女が山の中で行方不明になったらしい。既に警察や周辺住民による有志が捜索に当たっているものの、なかなか見つからず、車両やヘリなども地形の関係で入れないらしい
「どうやら私たちの出番のようね」華子(はなこ)が答える。
二人が錠剤を飲み込むと変化が起きる。
大樹には、黄色と黒縞の毛が背中や腕、脚を覆いつくした。手や足に到達すると指は短く、密着し、手のひらには肉球が生えた。また、鋭い爪が指から生え始める。体つきは筋肉質になり、体格も大きくなる。尻には、黄色と黒縞の尻尾が生えた。毛が首に到達すると、黒い髪の毛は体内に収れんされ、代わりに黄色い毛に置き換わる。顔にも変化が起きる。黄色く黒縞の毛は顔は丸っこくなり、瞳は黄金に輝く。耳は大きく、三角形になり、頭頂部に移動する。鼻はピンク色になり、三角形から逆三角形になる。鼻と顎は前へ前へと付きだし、鼻の周りにはひげが生えた。身体は二足歩行から四足歩行になった。
一方、華子には黒い毛が身体中を覆い始めた。黒ずんだ手足には肉球が生え、鋭い爪が飛び出した。華奢な身体から一回りも二回りも大柄で丸っこい身体に変わる。身長もぐんぐんと伸びた。顔にも変化が起きる。顔は丸っこくなり、黒い体毛が顔を覆いつくす。瞳も黒くなった。鼻は黒ずみ、顎とともに前へ前へと突き出す。口の中には鋭い歯が見え隠れする。
「ガルルルル!」
「グアアア!」
二人、いや、二匹は吠えた。
大樹と華子は、少女が残したバッグを嗅いだ後、警察や融資の捜索隊が探していないエリアを探した。大樹は、山の中にある洞窟を中心に、華子はそれ以外の山林を中心に捜索に当たった。
「お父さん、お母さん....」遭難している少女、桃子は泣いていた。すると
「グアアア!」野生の熊の雄たけびが聞こえる。
「助けて!」桃子は思わず声を上げる。
この声を華子は聞き逃さなかった。華子はすぐ向かう。
声がするところに向かうと一匹の熊がいる。体格からしてオスのようだ。
「グアアア!」華子はオス熊に突進する。不意打ちを食らったオス熊はよろけ、逃げていく。
桃子は気絶していたのか、死んだふりをしていたのか、横たわっていた。その後、華子は桃子を抱きしめ、自然公園に帰った。
「ありがとう!」桃子は病院で診てもらったものの、特に外傷等は無かった。
「お姉さん、どこかで見たような気がするな...」桃子は華子にそう言った