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柔道少年に初めての快感を教えこんで才能を開花させる話

  柔道着姿の少年が河川敷を走っていた。

  黒髪短髪の快活そうな少年だ。

  軽い足取り、結構な速度を出している彼は頬に汗を垂らしながらも、その表情には苦しげな様子はなかった。

  これくらいの運動は慣れているのだろう。少しくたびれた柔道着に運動靴。茶色の帯を締めた少年――大賀は、近くの柔道場に通う、小学六年生の男児だ。たったったっ、と軽快な足音と同じリズムで短髪の黒い髪が小気味よく跳ねる。

  どこかでぶつけたのか、鼻柱に絆創膏を貼り付けた大賀は、残暑籠もる夕暮れの河川敷でジョギングも兼ねて走っていたのだ。

  「あづいー」

  と彼は立ち止まって、空を仰ぐ。八重歯をちらりと見せながらそう空に言った大賀。自分で走ってたんじゃないかというツッコミも誰もしてくれない。この時間、犬の散歩をする人とすれ違ったりもするのだが、今日はなぜか人通りも殆どなく、河川敷の遠くの方で男の子の声が微かに聞こえてくるばかりだった。

  大粒の汗が滴る顎を柔道着の袖で拭った大賀は、その袖もしっとりと濡れていて、水滴をあまり吸ってくれなかった事に、眉を顰めて口を尖らせた。

  「汗拭きたい……シャツもパンツもびしょびしょだ」

  

  カバンの中に予備で持っていけと、お母さんが持たせてくれた使っていないバスタオルがある。今すぐにそれで全身を拭きたいけれど、こんな目立つ所で裸になるなんて『ヘンタイ』な事は嫌だった。もしそれを誰かに見られて笑われたりでもしたらと考えるだけでも頭を掻き毟りたくなる。

  だが、それでも汗を吸った柔道着と下着が気持ち悪い事は何も変わらない。どこかに人目につかなさそうな場所はないか。と大賀は周囲を見回し。

  「あ、あそことか良いんじゃない?」

  大賀は、橋梁そばの物陰になっている茂みに大賀は目を向けた。

  周囲を見回しながら、大賀は植え込みの茂みで囲まれた場所に、担いでいたバッグを下ろす。丁度、橋梁の影になっていて、道路からも夏の日差しで元気に生い茂っている植え込みがカーテンのようになってくれている。

  「ここなら、誰も見てないよな……?」

  と周囲に人影がいないことを確認してから、彼はゆっくりと帯を解いて道着の上を脱いでいた。前合わせを外して袖から腕を抜く。そうすれば、まだまだ幼いひょろりとした胸板に汗に濡れたシャツが、薄っすらと浮かぶ筋肉のシルエットを浮かび上がらせていた。

  「汗、すご……」

  と大賀は、その湿気った半袖の肌着の裾を掴んで頭の上まで引き上げると、それも脱ぎ去った。子供らしい細い腕が伸びる胸板。少し肋骨の筋が浮かぶそこから柔らかなお腹までが、しっとりと汗に濡れて外気に晒される。

  普通の少年よりも運動量の多い大賀の体を覆うきめ細やかな肌は、その内側の筋肉を艶めかしく彩っているようだった。そして、彼はその下衣も脱ぎだした。

  さっき上半身を脱ぐよりも周囲を警戒しながら道着を下ろしたそこは、白色のぴったりとした布地が彼の腰を包んでいた。白ブリーフだ。その腰ゴムになけなしのオシャレとでも言うように青色のラインが入っている。今どきの……それも高学年にしては珍しいパンツを履いている大賀は、脱いだ道着をカバンの上に投げ置いて、そのパンツにすら手を掛けた。

  しっとりと、その手に汗で濡れた布の感触が返る。

  「んん、ひっついて気持ち悪い……」

  もはや脚と下着の境目から汗の雫が滴りそうなほどに汗に濡れたブリーフは、柔道に鍛えられた足腰の要である、きゅっと締まったお尻の曲線にまるで濃厚なハグをするようにピッタリと張り付いている。

  それは、お尻の反対側でも同じだった。小さいながらも、しかし存在を十分に主張するそのペニスの膨らみが濡れた布地によって、明瞭にその形を浮かび上がらせているのだ。

  ゴムを掴んだ手が下げられれば、まだ色を知らない純粋無垢な膨らみがぷるんとゴムに弾かれて揺れながら、誰かに見られるかもしれない河川敷という場所に飛び出した。饅頭のようにすべすべとした玉袋の上で揺れたその幼茎は、先端まですっぽりと皮を被りきっていた。

  オナニーなんて知らないのだろう。地肌そのものの色をした茎は、来年中学生になるというのに産毛すらはっきりとしないつるつるの状態だ。

  汗でしっとりと濡れたフニフニとした柔らかさを見せるちんちんを晒しながら、大賀はブリーフを足から抜いてカバンの中からバスタオルを取り出そうとした――その時。

  ――ピロン

  と、電子音が大賀の耳に飛び込んできた。

  それが、スマートフォンのカメラのデフォルト音だと気付いた大賀は、バッと弾かれるように顔を跳ね上げた。音のした方向、そこには橋梁の影から体を半分程出した男性が、スマートフォンを構えて大賀に笑いかけていた。

  彼は、口の端をヒクヒクと震わせるような下手くそな笑いを浮かべながら、大賀に歩み寄ってくる。

  「な、何撮ってんだよ……!」

  「い……、いけない子だなあ。こんな所で、すっぽんぽんになるなんて」

  「いけない子、って……こ、子供の写真勝手に撮る方が悪いだろッ?」

  「え、えへ。お、おじさん、悪いおじさん、だから……これネットに、ばらまいちゃおうかな……なんて、ふふ」

  咄嗟にバスタオルを手にとって体を隠す大賀。

  不審者は、スマホの画面を振りながら大賀に見せつけた。そこには、大賀も見慣れたSNSの投稿画面があり、裸の男の子の画像が添付されている。

  つまり、今しがた撮られた大賀の裸。

  ブリーフを下げた瞬間の画像だ。大賀がブリーフを履いているのだという事まではっきりと分かってしまう。

  「んな……っ」

  「んふふ、きっとすっごい速度で拡散されちゃうよ。露出魔変態少年のつるつるちんちん、いっぱいの人に見られちゃうね……?」

  「別に、そんなの勝手にしたら……」

  大人がそんな事したら、警察に捕まるに決まっている。大賀は、慌てながらもハッタリだと思っていた。そうやってからかっているんだろうと。

  だが、男の反応は大賀の思ったような残念そうな反応ではなかった。むしろ、愉快げにその指を『投稿』のボタンへと近づけていく。

  「い、いいんだ……。やっぱりヘンタイなんだね……ふふ、有名人に、なれちゃうね……じゃあ……」

  「……ッ、ま、待って……っ!」

  「ん? どうしたの? 勝手にしたらいいんじゃないっけ?」

  指が投稿ボタンに触れる。色が変わって、後はそのまま指を離せば、大賀の裸が全世界に拡散されてしまう。つるつるのちんちんをしていることも、六年生にもなって白ブリーフを履いている事も、瞬く間に拡散されて、明日から誂われるに決まっている。

  「拡散、されたくない? ふふ、じゃ……じゃあ、ボクの言う事、聞いてくれる、よね?」

  大賀は、そんな風に聞いてくる男に、素直に頷くしかなかった。

  ◇◇◇

  「そ、それじゃあ、お名前、教えてくれるかな?」

  スマホを構えた男が、大賀に半笑いのような声で問い掛けてきた。

  大賀は濡れたブリーフの気持ち悪さに、少し足をもじもじとさせながら、こっちを向いているスマホのカメラを見つめる。男の画面いっぱいに大賀がブリーフ姿で立っている映像が映っているのだろう。

  男の初めの要求は『そのシャツとブリーフを着て、じっくり撮らせて欲しい』というものだった。男のそんな姿を撮って何が嬉しいのかわからないけれど、この目の前の男がヘンタイなのはよく分かった。

  「……秋石 大賀」

  「た、大賀くん……大賀くんなんだ……ふふ、可愛いね」

  早く終われ、早く終われ。

  そう願う大賀を焦らすように男は、大賀の名前を噛みしめるように繰り返す。ぞわっとお腹の底から毛虫が湧いてくるような嫌悪感がありながらも、大賀はそれを抑え込んで男を睨みつけた。

  「それ、それじゃあ……年齢も教えて、くれる?」

  「12、歳」

  「じゃあ、来年はちゅ、中学生だ……、それで、白ブリなんて、珍しいね……す、好きなの……っ?」

  「好きじゃ……! ……ない」

  思わず大きな声を上げかけてしまい、こんな所を見られたくないという思いで声を殺して言い切った。

  大賀も周りみたいにボクサーパンツを履きたいと思っている。だが、お母さんに「これでいいよね、パンツなんて気にしないでしょ?」と言われると、大賀は「ボクサーがいい」なんて言い出せないのだ。

  ただ、それをブリーフが好きだなんてダサいやつだ、なんて思われるような聞き方にはむっとなってしまった。

  ニヤニヤと笑う男の視線が気持ち悪くて、大賀はカメラと男の視線から目を逸して、言い訳をするようにボソッと呟く。

  「お母さんに言ってないだけ……」

  「ふ、ふーん……言い出せないんだ……、ふふ、誤魔化そうとしちゃって、男の子だねえ」

  「ちが……っ、言うタイミングが無かっただけで……!」

  「ふーん、そっかそっか」

  とまるで信じてない返事をしながら男は、大賀のブリーフにピントを合わせて、少しずつ近づいてくる。

  「大賀くんの汗吸って、ピタピタになってるから……ふふ、ちんちんの色透けちゃってるね」

  肌に吸い付くブリーフには、大賀の少し左寄りに収まっている小さな竿を形がくっきりと浮かんでいる。しかも、新品ではなく履き慣れたブリーフは生地が少し薄くなっていて、真っ白なブリーフの布に肌色を薄っすらと染み出させているのだ。

  「大賀くんはオナニー、週に何回してるの?」

  「え……?」

  「オ、オナニーだよ。ちんちん、シコシコって、どれくらいしてるんだろうって」

  「し、してないよっそんな事……!」

  どうやって逃げ出せば良いのか、そんな事を考えていた大賀はその言葉の意味が初め理解出来ず。それから、保健の授業で習った言葉を思い出して、一気に顔が熱くなっていくのを感じながら、反射的に否定していた。

  「ほ、本当かなあ……?」と男は訝しむが、これは本当だった。まだ精通が来ていない大賀は、クラスの中でオナニーの回数を自慢げに話すクラスメイトが理解出来なかったし、そういう事は駄目なことなんだと思っていた。

  保健の先生は「別におかしいことじゃない」と言っていたけれど、おしっこをするちんちんを触って射精とかいうのするのが気持ちいい、なんて訳がわからない。そんな事をするようなヘンタイにはなりたくないとすら考えていたのだ。

  「そっかそっか、っふひ、オナニーしてないんだ。じゃあ、け、結構溜まってるかもねぇ」

  「……ッ!」

  だから、男にそう言ってブリーフの上からちんちんを触られた瞬間、大賀の体はびくんと跳ねて、その全身に鳥肌がゾワッと立っていた。

  思わず、手で隠そうとするが、男の手は大賀の指を潜って大賀の他人から触られた事もない場所を慣れた手付きで刺激されていく。

  「な、なに触って……」

  「ふふ、大賀くんのちんちんだよ。ふにふにでやわっこくて可愛いね」

  「やめ、ろよ……っ、そんなトコ、もみもみするなって……ッ」

  「だ、だめだよ……、ボクの言う事、聞くって約束、で、……でしょッ?」

  そう言って男は、少し語気を強めて大賀の腕を掴んだ。片手だけの力だが、柔道場に通っているからと言って、ただの力比べで大人の男に勝てる筈はない。簡単に引き剥がされてしまった事に恐怖と羞恥が、大賀の抵抗の意志を削り取っていく。

  更に――。

  「ぅ、ぁ」

  「ほら、か、固くなってきた。ふふ、大賀くん、勃起しちゃいそうで、隠したんだね」

  「ちが……う、から……」

  初めての手慣れた愛撫に、射精も知らない大賀のちんちんは瞬く間に精一杯の勃起を始めていた。しゅっ、しゅっ、と濡れたブリーフごと擦られる度、ぴくぴくと初心な反応を示しながら膨らみが固くなっていく。それは、触れている男には絶対に隠せない変化だった。

  「違わないでしょ?」

  「……ん、っ」

  男の指で先端の裏側をカリカリと引っ掻かれると、大賀は自分でも初めて聞く声を上げてしまう。まるで合宿で砂浜ダッシュをした時のように、腰から下がぶるぶると震えて立っていられなくなりそうな、変な感覚がちんちんから全身に広がっていく。

  知らない感覚に、大賀は両手で自分のシャツを握りしめて転んでしまいそうになるのを堪えていた。

  その頃には、嫌な気持ちだけではなくなってきていた。男は気持ち悪いし、ヘンタイだ。けれども、大賀はその指でもっとちんちんをクリクリして欲しいと、無意識にそう考えてしまっていたのだ。

  だからだろう。

  「も、もう終わり……? ぁ、……じゃ、じゃあ画像消して!」

  男が、ふと手を離した時、大賀は残念そうな声を出してしまったのは。

  取り繕うように早く目的を遂げたいという後付を言い放つも、男の気持ち悪いニタリ顔が深まるのを見て、恥ずかしさで全身が燃え尽きてしまいそうになる。

  「まだだから安心してね、ふふ……じゃあ、この上に座って――」

  男は、そんな大賀が始め体を隠していたバスタオルを草の上に敷いて、それを指さした。

  「ここに寝転んで、足広げて見せてね」

  「……」

  大賀にそう指示したのだった。

  ◇◇◇

  「い、いいねえ、かわいい、よ、大賀くん」

  「……っ」

  広げた足の間から聞こえてくる声に、大賀は唇を噛んだ。男は今、大賀の足の間に入ってテントを張ったブリーフを下から見上げるように撮影していた。ピロン、ピロンという間抜けな電子音が響く度、そのスマホの中に大賀の勃起が収められていく。

  「そろそろ、ちんちん、生で見たいな。良いよね、良いんだよね……!」

  「ぇ、……っや」

  男が大賀のブリーフを掴んだ。それを拒否しようと声を上げる頃にはもう遅く、大賀のブリーフは足から抜き取られ男の眼前に、天を向いた大賀のちんちんが晒されることになっていた。

  「ん、ぅぅ……っ」

  「ふひ、大賀くんのちんちんだ。あは、まだまだちぃこいね……っ」

  男の視線から逃れようと足を閉じようとするが、間に男がいるせいでそれも出来ない。男はスマホを持ったまま、勃起しても先端まで皮が被りきったままの元気なちんちんにゆっくりと指を滑らせていった。汗で湿ったブリーフに包まれていたそこは、男の指にしっとりと吸い付いてくる。

  まるで、触ってほしいと言わんばかりの保湿に、男はゆっくりと可愛らしい屹立を上下にしごき始めた。

  「っ、ぁ、やめ……やめろよ……!」

  「あれ、大賀くん……気持ちいい? ちんちん触られると気持ちいいんだね」

  「……ん、気持ちよくなんか……ないッ」

  「ふふ、そう。じゃ、もっと触ってあげるね」

  有言実行。男は大賀のペニスをしごくスピードを上げていく。そうすれば変化は顕著だった。

  「ん、ッ……ん、ぁ……や、だ……ッ」

  しゅくしゅく、と根本から先端まで絞り上げれば、大賀は声変わり前のハスキーな声で小さく喘ぎ声を上げ始める。全く剥ける気配のない先端には、汗ではない液体が滲み始めて、くちゅくちゅと音を立て始めていく。

  「あれ? 大賀くんのちんちんから、エッチな音聞こえてきたよ」

  「ちが……、ん……ぅんッ」

  「ね、気持ちいい? ふひ、もっと、さ、触ってほしい?」

  男の問いかけに、大賀は強く唇を結んだまま答えようとはしない。けれども、男が手を上下させる度に腰が浮き、足の爪先がぴんと伸びているところを見るに、気持ちよくなっているのは明らかだった。

  否定の声も上げないのは、目覚めてしまった性の快楽に抗えなくなっているからに違いない。現に大賀が男に弄られる自分のペニスを見つめる目は、嫌悪ではなく明らかに物欲しげな顔をしているのだ。

  「そろそろいいかな」

  「ん、ぇ……っひう!?」

  と、男が呟いた。その次の瞬間、大賀のペニスは生暖かくて柔らかい何かに包まれていた。腰が驚いて跳ねるのを男に無理やり抑えられ、仰け反ってしまった顔を下半身の方へ戻せば、そこに大賀の勃起したちんちんはなかった。

  その代わり、男の頭が見える。

  「ん、ぁ……やっ、……あッ」

  ちんちんを舐められている。

  それを理解して、大賀はパニックになっていた。理解が出来ない。なんでそんな事をするのか。気持ち悪い。最悪だ。今すぐ止めて欲しい。そんな思いは、しかし、勃起したちんちんが口の中で舌に撫でられて、考えられなくなった。

  「んっ、ぁ……っ離して、はな……ッ、せ……ぇ」

  大賀のペニスを咥えている所を横に構えたスマホで撮影する男は、ちゅぱちゅぱと音を鳴らしながら、大賀の尿道からカウパー液を吸い取り、舌で刺激に慣れていない敏感な幼茎を舐めあげている。

  まるで、腰が別の生き物になったようにビクビクと震える。ちんちんから押し寄せてくる、何かビリビリした感覚が全身を駆け回っては、ちんちんの奥の方で塊になっていくのを感じた。

  その塊が今にも爆発しそうになるのを押し留めながら、大賀は男の頭を押し剥がそうとするが、男の口は大賀のちんちんを離すことはなく。

  「ぁ、……ッ、ぁあっ……、っ!」

  大賀は、そのまま男の口の中へ一気に溢れ出したその塊を放出してしまっていた。

  男の舌を力強く叩く迸り。それは正しく大賀の精液だった。最後の一滴まで搾り取るように、大賀の精通ちんちんを吸い尽くしてようやく男は大賀のペニスを離していた。

  だが、その事に大賀は気付いてもいない。

  初めての射精。生まれて初めて知った性の快感。それも手慣れた男による口淫に、幼い大賀の脳が情報を処理しきれていないのだ。

  だが、そんな放心は、大賀の体感で五秒も続かなかった。なぜなら。

  「……ッ、ぁ、なに……?」

  いつの間に脱いだのか、裸になった男が大賀を抱え上げていたからだ。

  急に体が上昇する感覚。抱っこするような体勢で肌と肌が密着する感触に、ついさっきまで放心していた大賀に暴れる気力も残ってはいなかった。

  そんな大賀の弛緩を、男は見逃さなかった。

  「え、……ぇう……ッ!?」

  わけもわからないまま、熱い何かがお尻に押し当てられた。と思った次の瞬間。強烈な異物感が大賀のお尻からお腹の下までを貫いた。

  そのあまりの衝撃に、大賀の体はシャットダウンしたかのように痛覚を感じさせなかった。防衛本能のようにその痛覚の代わりに際立たされていたのは、今しがた目覚めたばかりの性感だった。

  シミ一つ無い絹のような手触りの清いお尻に、男の血管が這う太い剛直がメリメリと沈み込んでいく。その度、大賀の背骨を雷撃が貫くような強烈な快感が走り回る。

  「へ、ッ……ぁ、なに……こ、れ……ッ」

  「んふ……っう!! 大賀くんのお尻、お、おじさんのペニスで、ギチギチになってるよッ……気持ちいいね、気持ちいいねえ……っ」

  大賀の背中をバスタオルのシーツに押し付けるように、男は抱っこから置い被さるような姿勢に移る。そのまま、奥まで突き込んでいた男のペニスが大賀のお尻から引き抜かれていく。その途端、お腹の下を焼くような快感が強すぎて、大賀は目を剥いて体を反らせていく。今まで感じたことのない未知の快感だった。

  まるで体の中がちんちんそのものになったように、ビリビリとした凄まじい快楽信号が大賀の脳髄を焼き切るような、そんな感覚だった。

  「ん……っ! ……ッぁう!?」

  そして再び突き刺さる。

  今度はさっきよりも激しく、突き込むというより叩き付けるといった激しい動きで大賀のお尻の中をピストンしていく。その度に、男の固くて太いペニスがゴリゴリと大賀の前立腺を擦り上げていき、その度強烈な排尿感のような快感がそこから生まれていく。それは、これまで大賀の生きてきた経験ではとても御しきれない程のもの。

  「やだ、おれ……ッ……おれ、壊れちゃう……ッ」

  「だ……大丈夫だよ、気持ちよさそうな顔してるからね……ッ」

  「ちがう、おれ……ッこんなの……ッ、しらない、ぃ……ッ」

  「ちんちんも、おっきくなって……ふふ、初めてなのにね。こんなに、おじ、おじさんのペニス、締め付けて……っ」

  地面に背中をつけて犯される大賀。だが、男のスマホには、彼が嫌がりながらも、表情に隠しきれない悦楽が浮かんでいるのを赤裸々に映し出されていた。

  快楽に蕩けた目、ハの字になった眉。半開きになった八重歯が覗く口から少しだけ飛び出た舌。男が腰を打つ度、ぶるんぶるんと震える勃起したちんちん。可愛い男児が初めての快感に踊らされている姿。

  そんなものに我慢などできるはずもなかった。

  「イクよ……ッ、大賀くん、ボク、大賀くんに、た、種付……するからね……ッ」

  「やだ、やだぁ……!! しないで、おれ……ッ!」

  「イク、イクイク……っぅう、ううウウうッ!!」

  瞬間、大賀は自分のお腹の中で何かが跳ねるのを感じた。どくん、という音が響いたかと思った次の瞬間、お腹の中に熱い何かが吹き付けられる。まるで温泉を水鉄砲で吹き出したような勢い。

  大賀はそれが、保健の授業で習った精液なんだと、強烈な快感に酔ったままの頭で考えていた。

  「んぐう……っ、きも、気持ちよかった……ッ、大賀くんも、き、気持ちよかった、よね?」

  「……っ」

  大賀は何も答えない。

  引き抜いた男のペニス。ごぽりと大賀小さな体から大量の白濁液が溢れてくる映像を、お尻の穴がきゅうきゅうと開閉する様までじっくりと撮り終わった男は、大賀の返事を待つこともなく立ち上がっていた。

  「むふ、……ふふ、いっぱい凄いの撮れちゃった……」

  裸のまま男はスマホのアルバムを見返し始める。そこには大量の大賀の媚態が溢れている。とてつもないコレクションだ。なにせ、六年生の男児との熱々セックスだ。

  一生物の思い出になる。

  そう考えていた男は、後ろから背中を叩かれて振り返った瞬間。

  「ん、なに、大賀く――っ?」

  空がぐるりと周り、そして。

  「もしもし、警察ですか!? あの、商田川橋で裸の男の人が――」

  そんな大賀くんの声が聞こえた気がした。とそう思った次に目が覚めれば、男は病院に寝かされ、傍には警官が立っていたのだった。

  ◇◇◇

  小学校の体育館。

  あれから数日、大賀は緊急全校集会があると言われて、体育館に他の生徒達全員と集まっていた。

  「えー、ここ最近、目撃があった変質者が逮捕されたとのことです。皆さんも下校の時、遊びに行く時、一人にならないように――」

  教頭先生が、そんな注意を呼びかけている中、大賀は胸を撫で下ろしていた。

  あの時、男をきれいな大外刈りで倒し気絶させた後、警察に通報した大賀は、その男が無事逮捕されたという話に安堵したのだ。男のスマホのデータは消去した後、川に放り込んだ。きっところんだ時に転がっていったのだと思ってくれるだろう。

  「……もっと強くならなきゃ」

  大賀は、自分が大人に勝てなかったからエッチなことをされたんだと、更に道場に通うことを決意するのだった。

  そうして、近い将来、彼が柔道の才能を開花させる事になるのだが、その立役者に一人の男がいたことを誰も知るものはいなかった。

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