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大学生男子がお金を払って同級生虎獣人のオナホになる話
◇◇◇
チャイムが鳴り始めるよりも早く、教授は資料を束ねて研究室へと返る準備を始める。
扇状の机。教卓を見下ろすように広がる無機質な木材の一つに座り、純太は一つため息を吐いた。
「はあ」
午前の授業は終わり、このまま家に帰ってインスタントラーメンでも作るか。そんな食生活だと、また肉がついちゃうか。
純太はマッチングアプリのメッセージを目的もなく眺めながら、ふと自分の腹の肉を擦る。ガタリ、と耳障りな音がした。
顔を向けず、視線だけでそちらを覗う。
「くーッ、疲れたー!」
「いや、お前、途中絶対寝てたじゃん」
「えー、また寝てたの?」
「私今度のテストはノート見せないからね」
「あ? うるせえ、8割起きてりゃ疲れんだ。昨日も練習がさー」
男女入り交じるグループ。
俯いた盗み見の視線で、純太は一人の男の姿を捉えていた。
虎の獣人。武雄吼――大学に入ってからアマレスにのめり込み、更に筋肉質になった彼は、いつもグループの中で自然と中心に立っていた。
純太はふと思う。きっと僕の事なんて知らないだろう。同じ高校の同じクラスで一年以上同じ空間にいた事すら知らない。
純太は、半ば睨みつけるよう、虎を見る。
雑然とする騒音。その中にあってもその声はよく通る声だった。
銀玉が落ちる音。機械が叫ばせるような音の奔流の中にあっても、それは同じだった。
偶々入ったパチンコ屋に彼の姿を見つけた時は驚いた。彼がこんな所に来るとは知らなかったから。
「くっそ!」
そんな事を考えていると知る由も無い吼は、蹴るように椅子から立ち上がる。そのまま手ぶらで出口へと向かうのを見るに、得たものは何も無かったらしい。
「今月……どうすっかな」
純太の後ろを通り過ぎていく最中に零す彼を見送る。
不機嫌に揺れる尻尾。薄手のズボンは、木の枝にでも引っかかれば簡単に破れそうなほどに張り詰めている。膨らんだ大腿、大きな尻。少し屈んで歩く背中で均衡の取れた逞しい筋肉が靭やかに動いている。
食費でも使ったのだろうか。そう推論立てた純太の脳裏に、ふと考えが浮かんだ。
ゴクリと、唾を呑んだ。
◆◆◆
「あ、えっと……ちょっといい?」
苛立ちながら帰ろうとした吼は、小太りの男に声をかけられた。
「あ? ……なに?」
人間。同じ歳位の背格好。いまいち印象の薄い顔立ちに見覚えはない。
吼は不機嫌を隠さず、歯を見せつけるようにそいつを見下ろした。
「お金、困ってる?」
「は?」
「あ、いや、さっきパチンコで負けてたから――」
煽るような言葉に、吼は拳を握りしめた。次に何か言おうとした瞬間に殴り飛ばしてやろうかと考えて。
「ちんこ、見せてくれたら……お金あげるよ」
続く言葉に、思わず絶句する。その男の手には万札が一枚握られていた。
◇◇◇
「マジで見せるだけで、くれんのか?」
吼は純太に確認してくる。何度目か。
近くの公園、二人はその公衆トイレにいた。
「だから、あげるって」
純太は、予想外の展開に混乱しながらも、興奮で投げやりになる言葉を返した。どうせ断られると思っていた。実際、「気持ち悪ぃ、ホモかよ」などと罵倒されて、断られたのだ。
その後、すぐに呼び止められて今に至る。
「……」
「見せてくれないの?」
吼は苦い顔で自分のズボンに指を突っ込んだままに、動かない。純太がそう催促すると、吼は何かを吹っ切るように強い口調になる。気持ち悪がっているという感じではない事に純太は少し首をかしげるが。
「見せるってんだろ!」
そう言って彼が下着ごとズボンを下ろしたのを見て、純太は吼が渋っていた理由が理解できた。
少し首を擡げ上げているのは、生理現象か。その皮をすっぽりと被った雄茎は、彼の体躯と比べると明らかに小い。平均よりも小ぶりだろう。
ゆっくりと萎んでいくそれは、日頃の彼からは想像できないほど控えめな蕾だ。純太はそれを食い入るように見つめる。少し蒸れた雄の匂いが鼻を突く。
「……っ、もういいだろ!」
純太がそれを観察していると、唐突にズボンが引き上げられて布の向こうに貝の身のような逸物が隠されてしまった。
「見せたんだから、おら」
「え、あ、うん」
差し出された手に純太が万札を手渡すと、ひったくるようにそれを受け取った吼は逃げるようにトイレから去っていく。
「……」
現実味が、遅れてやってくる。吼の幼さすら感じられる包茎が脳裏にくっきりと残っている。
純太はズボンを押し上げる肉棒を引き出して、トイレの床に白濁を吐き捨てた。
◆◆◆
もう二度とあんな気味の悪い体験はゴメンだ。
吼は、あの後握った万札を乱暴に財布に突っ込みながら、そう決めた。人のちんこを見て悦ぶ変態。勃起していた。シャワーやら着替えの時に見せつけてくる部活仲間のそれとは比べ物にならない、邪な感情が気持ち悪かった。
出来るだけ隠してきた。人より小さいそれがからかわれるのは、何よりも嫌いだ。金を貰ったから。そんな理由でコンプレックスを人に見せるなんて事は二度としないと、吼はそう決めていた。
「……早くしろよ、きめえな」
前回から増えた万札。またパチンコで負けた帰り道。吼はそいつにまた話しかけられた。絶対に断る。そう決めて振り返ったというのに。
「それじゃあ……」
ぬるり、と生暖かい感触がちんこを包んだ。男がその口に肉根を咥えこんでいる。
この前と同じトイレ。二度と関わらないと決めていたのに。舐めさせてくれたら、という申し出と、その手の金に吼は頷いてしまった。
ちゅぷ、じゅぷ、と水音が響く。気持ち悪さしか無かったその行為は、ほんの数秒で徐々に気持ちよさを伴う行為になっていく。
吼にとっての初めての体験だった。
童貞の吼は、フェラすらされたことはなかった。
粘液を帯びる、ざらつく芋虫のような舌が茎を這いずり包む快感に、吼の茎肉は純太の口の中で次第に硬さを増していった。純太は、男のそれをどう扱えば気持ちいいのかを知っている。頬肉で全体を扱き、皮に舌先を潜らせれば、吼はびくりと腰を跳ねさせ、声を漏らす。
脈を打ち始め、純太が支えなくても上を向くほど勃ち上がってもなお、吼の雄は先端まで衣を被ったままだった。カウパーを唾に混ぜて飲み込みながら、純太はストローの中身を吸い上げるようにして口を離す。口でその小ぶりな屹立の胴体を挟んで動かしても、先端を覗かせるばかりで皮はその雁首までの半分すら満足に剥けていかない。
「……っ、早く舐めろよッ」
「ぁ、んぶ……っ」
羞恥にか、吼は眉を顰めて、純太の口へと腰を押し付けた。広げた口腔の生暖かな感触に、怒りをぶつけるようにして吼が腰を振れば、純太はリズムに合わせて舌を絡ませてくる。
「く……、ぁ、……っ」
獣性のままに込み上げる白い快感を、吼は抑えなかった。それが男の口だろうと、構わない。
「イく……ッ、ぅ……!」
吼は顎を上げ、呻く。銃身を駆け抜け、皮の門を走った滾りを、純太の口の中にぶちまけていた。
◆◆◆
なんだ、これ。
吼は、現状に困惑を隠せないでいる。あれから何度かアイツにしゃぶらせて、金を受け取ってはきたが、それでもだ。
エスカレートしていく代金と、行為。無造作に置かれた五万円。
だが、それよりも、吼の視線を奪うのは、――艶かしく潤滑剤に濡れた例の男の尻だった。腰を曲げ、自らの指で尻の両頬を広げたそいつ。
「きれいに洗ってきたから……、ほら」
吼は唾液に濡れた漲りを掴み、逡巡していた。
女性経験の無い吼にとっての初めての挿入が、こんな小太りの気持ち悪い変態相手でいいのか。そんな戸惑いが蟠っている。
それと同時に、吼の意識は純太の逸物に向く。
開かれた足の間。吼のものよりも明らかに大きいそれ。勃起は半ばなのに、その赤黒く張った亀頭が露わになっている。
生意気だ。
コイツを苦しませてやりたい。
口に突き込んだ時の、苦しげな顔を吼は思い出す。同じことをやってやればいい、オナホだと思えば、と吼の中で誰かが唆す。
「……ぁ、ん……くっ」
気づけば吼は、先端をその朱色にひくつく窄みへと押し当てていた。純太に圧迫感がもたらされる。感じる痛み、期待が叶う快楽に純太の喉が震えて声が溢れていた。
そして、吼も未知の感覚に、声を押し殺す。
すんなりと入ったと思えば、その男の尻は吼の肉に絡みついて来る。熱い襞が吼の欲を掻き立てる。思いっきりぶちこんでやりたい。
男で童貞を卒業なんて。そんな考えは瞬く間に吹き飛んだ。吼はアマレスで鍛えた体幹で一気に腰を、その脂肪の張った尻に叩きつけた。
「ッ、ぁぐ、う!?」
ズパン、ッ!
小ぶりとはいえ強烈な突込に、苦しげに背を跳ねさせる純太に、吼は勝ち誇るような笑みを見せた。野心みのある雄の笑み。
気に食わなかった。どこか自分を見下ろしているようなその男が。吼は自分が一番快楽を得るリズムで、力で、純太の臀丘に槍を突き立てていく。肉が付いているからか、スバン、スバン、と心地の良い音が跳ねる。
「アッ、ぅ、……っ! ぃ、あッ! あ……ッ!」
「んだよ、変態……ッ、嬉しいんだろ!」
純太は犯されながら、苦痛に泣くような声を絞り出す。だが、確かに興奮していた。彼より大きな逸物で掘られたこともある。だが、『あの』吼に腰を降られているという状況が、純太の衝動を掻き立てていた。
背後から純太を突く吼からは見えないが、その屹立は熱り立ち、先走りを床に撒き散らしてすらいる。
そんな事は知らず、吼は自分よりも雄として秀でた象徴をぶら下げる男を嬲る充足の悦に入っていた。繰り返す抽挿に次第に高まっていく射精感に、更に激しく肉壺で扱きあげる。
絶頂は瞬く間にやってきた。
「ッ、イくぞ……っ!」
熱いものが吹き上がる快感が吼を包み込んだ。
◇◇◇
遠慮もなく吼は、純太の中へと欲望をぶちまけた。その後どうするかも知らない。ただ己の満足の為に、純太を便利に使った。
純太は、達せずにいる自分をおいて果てた吼を、視線だけで窺った。
金を握って、去る用意をしているか。それとも、怒りを露わにしているか。だが、吼はどちらでもなかった。
獣の目が。雄の欲に塗れた目が純太を見つめていた。
獲物を見る眼光。今にも首を噛みちぎられそうな感覚に、純太はしかし、薄らと笑みを浮かべていた。
「……次、いつ会う?」
お金が必要なら準備する。純太は思考しながら吼が断ることはありえないと、そう確信していた。
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