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触手世界1~5

  現生人類に男性が存在しないのは、"触手"を介して単為生殖を行う事が出来るようになったからである。

  触手は女性の体内で共生関係を築き、これが身体的、精神的に利益をもたらすため、二十歳に於けるキャリア率は九割を超える。

  単為生殖ではあるが、後述の理由により、遺伝子の多様性は担保されている。それを証拠に、1918年に始まるパンデミックは、"触手"と共生関係にある女性にとって全く無縁であったと言う。なお、このインフルエンザ大流行を境に、男性の人口は下降を始める。

  事の発生は、諸説あるが、幾つかが平行して出発したとの説が有力である。

  人口動態と遺伝子分析により、1600年代の日本とヨーロッパが主な発生源であると睨まれている。

  恐らく、日本に於いては側室や遊郭のように、狭い環境に女性が多数いる環境が、触手共生者の数を増やした一因である。

  上女中が実家に戻る際や、遊郭に於いては身請けなどにより、これらの触手は外界へと運ばれ、共生者を増やしていったものと考えられる。

  西洋では、ローカルな秘密結社によって広まったとされる資料が幾つか見つかっている。

  洋の東西を問わず、触手について記述する書物は少なく、どのようにして接触したのかは謎である。

  触手について、生物学的な分類、研究は行われていない。

  触手共生者にとって、触手は殆ど身体の一部であるからだ。また、触手は宿主が死亡すると、直ちに溶け出してしまうと言う性質を持ち、研究によると、心停止後三十秒で形を保てなくなるという。

  この為、一時的な心停止や心臓手術などを経験すると、一度触手との共生関係を失うことになる。

  触手の形状、色に関しては多種多様であるので、その分類に関しては別の資料に譲ることにする。

  しかし、どのような形態を取ろうとも、それは触手の表現型に他ならない。典型的形質であるA1型を有する女性から、触手を分けた別の女性は、数ヶ月後にG5e型の形質を有するよう変化した例も報告される。また、体調や季節、ストレスなどにより、マイナーナンバー以下の形質変化を起こす事は多くの女性が経験しているだろう。

  女性の体内での触手の状態であるが、活動を抑えている時は子宮を中心として、各臓器の隙間に縮み細くなった状態で広がっている。

  活動状態にある時は、最大五、六本の触手を女性器、或いは口から伸ばす。太さは直径5mmから150mmまでの間で自在に変化させる事が出来、直径30mmの時の3m以上に伸びる事は珍しいことではない。

  触手はムチンを主成分にする粘液に覆われ、足りないときは先端から追加で分泌される。

  触手はしばしば、子宮内に直径100mm前後の卵を五個ほど産み付ける事があるが、これは無精卵である、有益な栄養素が手に入るために、他の卵料理のようにして食される。

  土地によっては、この料理が客人へのもてなしに使われる事もある。触手共生者は歴史に刻まれる以前より、文化的な側面も醸成していたのだ。

  では、触手はどのように増えるのだろうか?

  非キャリアが、共生を臨む場合は(臨まない者に強制的に寄生させるという事例もある)、共生者から触手の一部をもらい受ける事になる。

  共生者の体外へと触手を伸ばしたものを、女性器や口、その他を通じて体内に導入される。

  この時、何処から進入したのかというのは問題なく、最終的に子宮を中心とした全身に触手は広がる。

  触手を受け容れた女性は、数日間身悶えをする経験を経て、徐々に順応していくようになる。

  このように、触手自身も単為生殖である。

  しかし、ここからが重要で、触手を介した女性同士の接触が、遺伝子情報の融通を行っている。

  女性同士の接触は、男子が存在していた時代に於ける性交ににたようなものがあるが、当代にあっては、極めてオープンに行われる。

  触手を絡ませ、またその触手を体内に導入することにより、遺伝子を混ぜ合わせる事が可能である。

  女性同士の接触は、半ば触手の意思によるものがあり、女性自身はいがみ合う関係でありながら、無意識的に触手を伸ばしていたという話もしばしば耳にする。

  尤も、そのような極端な場面は例外であり、基本的に触手の意思と女性の意思との乖離はない。お互いに好意のある同士が近づき、触手を接合させる。

  触手が接合するとき、相手の2次卵母細胞の採取と、受け渡しが行われる。

  この時、受け渡されるのは共生者自身のものだけではなく、過去のものも含まれている。

  触手は、宿主自身の接合の経験に寄らず、多くの卵母細胞を手にしている事になる。

  人間自身の生殖は、この時採取された卵母細胞を利用して行われる。

  触手は、触手が持っている遺伝子を用いて、疑似的な精子を作り出し、宿主の卵細胞と核融合が行われる。

  懐妊は、概ね、ストレスが少なく精神的に安定した時期にやって来る事が知られており、それ以降の経過に触手が関わることはないとされている。

  子供は、例外なく女性であり、先天性の遺伝子疾患などは少ない傾向にあると言う。これは、触手自身がより分けた結果だと考えられる。

  産まれた子供は、そのままの状態ではキャリアではなく、タイミングは家庭や地域によってまちまちだが、多くは十歳までに触手の受け渡しが行われる。

  触手には独立した知性が存在すると考えられているが、共生者自身の意識に非常に近い位置に寄り添っているために、これを判定する事は難しい。

  触手をコントロールすることに長けた人物は、自由自在にそれを扱う事が出来、第三第四の手として用いる事が出来る。

  逆にコントロールが出来ない者は、意思に反して触手が勝手に動き出してしまう。尤も、この時の動きは、宿主のメリットになる事ばかりなので、触手の意思によるものだとも、共生者の無意識によるものだとも言われ、定説は定まっていない。

  男性が減少した理由として、男性との性交渉よりも快感であるという説があるが、男性が滅んでしまった今となっては、検証できない。

  少なくとも、男性と性交しても、触手が卵細胞を独占しているので、共生者の子供は女児となるのは間違いない。

  男性が触手と共生できなかった理由は謎であるが、奇説として触手は男性そのものだったのではないか? との提言が成される事もあるが、それならば、触手が精子を持たない理由に説明が付かない。

  触手はしばしば、白濁した粘液を分泌する事もあるが、これらに精子様の細胞が見られたことはない。

  リカは積極的な子だった。それは人生に於いても人間関係に於いてもだった。

  そんな彼女が、私みたいな地味な子にご執心なのは、私がまだキャリアじゃないからだ。

  ああ言う強い子にとって、処女を奪うというのは何かしらステータスになるのだなと思った。

  お母さんにその話をすると、「いい子じゃない。触手貰ってあげたら?」と言うのだ。挙げ句に、「どうしても嫌なら、私のあげてもいいのよ?」とまで茶化してくる。

  私は触手に嫌悪感があった。

  何というか、触手を手に入れると恥じらいがなくなると言うか、人前でも平気で交接するようになるのだ。

  少し早めの子だと中学生から触手を手に入れる子がいる。

  触手を手に入れると、大抵の子が得意気になるものである。

  だけど、コントロールがまだ慣れていない子だと、授業中に触手が出てきて、声を抑えながら触手を押さえようとしている。

  見かねた先生が、「誰か○○さんと交接しませんか?」と尋ね、手を挙げた子と衆人環視の中、大声を上げて交接することもあるのだ。

  休みの時間もカジュアルに交接するし、それは高校にもなると日常の光景になるのだ。

  そこら中で嬌声が上がっている。

  授業中に密かに触手を伸ばして絡め合っている子もいるし、実際なんでもありな世界だ。

  大人になると流石にホテルを使うけれど、中高生は外でもお構いなしと言う事が多い。

  流石にそれは不味いので、学校に交接室があるけれど……私はそんなところに近寄るのも嫌だった。

  世間的に言えば、リカのような子の方が健全で、私のような子はちょっとおかしい子なのだ。

  性教育の時、子供を作る身体を作るために必要な行為と言われているけど、あの触手は見るのもおぞましく思ってしまう。

  再び母の話題になる。

  「そんなに気持悪いなら、私の触手を見てみる?」

  と言われて、モノの試しに見てみたのだ。

  あの清楚な母が、感じているような声を出しながら、股間から触手を出す姿を見ると、とても複雑な気持ちになる。

  母は恍惚とした表情を見せながら、「私のいらない?」と言い募ったのに接すると、吐き気が出てしまい部屋へと逃げてしまった。

  私には一人大切な友達がいた。チエと言う子なのだけど、過去形と言う事から察して貰えると思うが、最近触手を受け継いだ。

  それまではお互いに「無理だよね」と言っていたのに、幼馴染みに言い寄られて触手を身体の中に入れてしまったのだ。

  それから人が変わったように思える。

  「友達だから言うけど」

  と、自分の触手を私に分けたがっていた。

  色々と調べているうちに、純潔派と呼ばれる宗教があることを知った。

  迫害されている訳ではないが、「おかしな人たち」と言う顔で見られている宗教である。

  彼女らは別段布教活動をしている訳ではないが、来る者は拒まないらしい。

  話だけでも聞こうと思った。

  結論から言えば、彼女達はやはり変わった人達だった。

  触手の誘惑に惑わされないようにと言う事で、共同生活をする人々なのだけど、どうもその距離感が異常だった。

  何と言うか、普通の人々はドライな距離感でセックスを楽しむのだけど、彼女達はどこかしらウェットな感じがあるのだ。

  セックスをしなければセーフと言う価値観の中にあるのかも知れない。

  私は再び孤独になった。

  別にエッチな事を考えない訳でも、それ自体が汚らわしい事とも思わない。子供を作るためには必要な事だ。

  だが、あの触手という異質なものを身体に入れなければならない事に抵抗感があるのだ。

  触手の前の人類はどういう風にして子供を作っていたのだろう?

  男性の精液をどうにかして身体に入れると言う。それは触手的なものだろうか? どんな形で入れるのだろうか?

  想像は尽きなかった。

  そして、それを妄想したときにだけ、股間が熱くなるのを感じた。

  男性というものがいたときの歴史はもう色々と消されている。

  それは意識的な削除を感じる。

  もう、男性という存在がいないにも拘わらず。

  ああ、ひょっとすると、私のような人が出てくるのを警戒しているのかも知れない。

  私みたいに触手を拒む人が増えれば人類はお仕舞いだ。

  触手での交接は国際的に広がっていて、国境も溶けてしまった。

  世界は平和だ。だけど、それが本来の姿なのか分からない。

  それを母親に聞くと、「平和じゃない方がいい世界だと思う?」と窘められた。

  分かっている。でも、それが全てなのだろうか?

  「イチカ、気が変わった?」

  「リカちゃん……私は無理だよ」

  彼女は恐らく、この高校で唯一触手を受け取っていない子なのだ。

  もう一人、チエと言う子も受け取っていなかったが、仲のいい幼馴染みがいるから既に受け取ったと思っていた。その子も、遂にその幼馴染みに押し切られて触手を受け継いだ。

  イチカはチエを大切な友達だと思っていたようだけど、完全に裏切られた形になった。

  私はイチカの初めてが欲しいと言うよりも、ヴァージンである事が許せない気持ちの方が強い。こればかりは人には言えないけど。

  私がヴァージンに拘るのは、小学生の頃、母親から無理矢理触手を受け継いだからだ。

  嫌がる私を押さえつけ、私のおまんこをこじ開けるようにして触手を挿入された。

  その時の母親の顔が怖くて堪らなかった。

  母は内気な人で、外で交接を殆どやらない人だったが、私に対しては執拗にそれを迫り、私はそんな母親に嫌われたくなくて、それを受け取っていた。

  最初は触手のコントロールが上手くいかなかったので、随分恥ずかしい思いをした。

  流石に小学校の低学年で触手を受け継いだ子は少数派だからだ。

  しかし、小学校の高学年や中学生となると、受け継いだ子も多くなってくる。その時に、色々教えてあげられたのは強かった。ついでに、仲のいい子には触手をあげたりしたからだ。

  結果的にこういう性格になれたのは良かった事だと思う。

  それはそれとして、イチカを見ると何処となく母親の面影を見てしまう。それが恐ろしい。

  そう言えば、母親がヴァージンを失ったのは大人になってからだったというな。あの口ぶりだと、恐らく経験したことがある相手は一人とか二人とかなんだろうな。それがああなってしまうのだから恐ろしい。

  だから今日も誘ってみて、また断られるのだ。

  襲ってみると言う手はあるけれど、それじゃぁ、私は母親と同じになってしまう。

  「リカちゃん。なんでそんなに私に構うの? 私、子供とか欲しくないからいいんだよ。そういうの」

  「逆になんでそんなに嫌なんだよ。みんなやってるじゃない」

  「私、そういうの嫌い」

  「怖いんだよ、そういうのが」

  「そんなの貴方の問題じゃない!」

  「そうだよ、私の問題だよ!」

  こんな言い合いになっても、まぁ翌日には一応口を利いてくれるので悪い子じゃないだろう。

  そして今日も口論だ。

  「だって、そんなの不自然じゃない!」

  「昔から触手使ってるし、触手だって生き物だから自然だよ。逆に何が自然だって言うの? 男がいた時代の方が自然なの?」

  「普通の動物なら雌雄があるじゃない?」

  「動物と人間を一緒にしちゃいけないよ。それに雌雄のない生き物なんて沢山いるよ。

  第一、もう男が存在しない以上、こうしないと人類滅びるしかないよ?」

  「私一人ぐらいしなくたって滅びないよ」

  「自分だけ自然だって言いたいの?」

  「そうじゃないけど……」

  イチカも自分が何故いやなのか理解していないようであった。

  ある日のこと、「交接が大切なのは知ってる」と神妙に言われるので身構えた。

  「でも、私、生理的に触手がダメなんだよ」

  「私のでもだめ?」

  「多分……」

  「ちょっと触ってみる?」

  そう尋ねると、少し考えて「人が居ないところなら」と答えた。

  「じゃぁ、イチカの家でいいよ。自分の部屋の方がリラックス出来るでしょ?」

  そう言うと、イチカは再び考え込み、そして「うん」と答えた。

  久し振りに触手のコントロールが難しい。

  歩いている間、スカートの中で出たり引っ込めたりしている。

  「やっぱり興奮してる?」

  「イチカは鋭いな……正直言うと、そのまま交接したいぐらいだよ」

  「そんなに私とシたいの?」

  「なんだろう……好きって気持ちが強いかな」

  「そんなに簡単に好きとか言える?」

  「私は誰だって好きだよ」

  「不潔」

  「不潔なのかなぁ? そういう人に初めて逢ったよ」

  沢山の人と交接する人は、一般的に言って外交的な性格だと言われて、それこそ小学生の性教育で、沢山交接して友達を増やしましょうと言われるぐらいだ。それを不潔と言うのは、何というか文化が違う。

  「やっぱり、男の人って気になるかな?」

  「気にならないって言うと嘘になっちゃうなぁ……」

  男と言う存在が気になると言う発言はかなり引っかかるものだった。

  実在しないものに興奮してどうするのだろうと。

  家について、イチカの部屋に上がる。

  そして「じゃぁ、先ず、見て貰うかな」とショーツとスカートを脱ぐと、私の触手を見せつけた。

  「リカちゃんのは白いんだね」

  「そうそう、アルビノって言うみたいだね」

  「珍しいの?」

  「多少は……でも、そんなの誰も気にしないよ。触手は触手だからね」

  そうは言うものの、触ろうとはしなかった。

  「触ってもいいんだよ?」

  私が言うと、「触って欲しいんでしょう?」と言われた。

  「うん」

  「ちょっと嫌かな……」

  そうも言われると、ちょっとしんどい。

  一度触手を引っ込めて、イチカと話を再開する。

  「男の人って、どんな感じなの?」

  イチカはわずかに残された資料から、男の人の体つきや古い文献に載っているペニスの形などを見せてくれた。

  「私の触手、このペニスみたいな形にも出来るよ?」

  そう言うと、イチカは考え込み「ちょっと見てみたいかも」と言うのだ。

  文献の形を思い浮かべながら、太さと長さと調整しておまんこから触手を突き出した。

  イチカが唾を飲むのが見て取れた。

  「これなら触れる?」

  「う……うん」

  そう言って、イチカは恐る恐る私の触手に触れる。

  「文献だとかなり硬いって言ってた」

  そう言うので、力を込めて触手を硬くした。

  イチカの顔が近付いてくるのが分かる。

  「私、興奮してるのかな?」

  イチカが胸に手を当てる。

  私も、そんなイチカの顔を見ると興奮してしまう。

  「触手を受け渡さないから、一度入れてみる?」

  私も興奮して分からない事を言ってた。

  「うん……そうしてみたい」

  少し気後れするような発言をしながら、イチカも下半身を脱いだ。

  「じゃぁ入れるよ」

  イチカをベッドに押し倒し、おまんこの中に中途半端な長さの触手を突っ込んで行く。

  「う……うん……」

  ちょっとエッチな声が出ていた。

  そのまま深呼吸をしている。

  「本当は硬いまま突っ込むから……凄く痛いらしいよ」

  イチカは感じながらもそう説明した。

  「硬くしてもいいの?」

  「お願い……」

  そう言うので、さっきの太さと硬さにして再挿入してみる。

  「いたっ!」

  「やめる?」

  「やめないで……」

  痛がるイチカに気後れしながらペニス状にした触手を突っ込んで行く。

  「腰を振ってくれる?」

  普通に交接するときは、触手を伸び縮みさせればいいことだけど……イチカの望み通りにそうしてやった。

  「リカちゃん……リカちゃん……」

  切なそうに言うイチカは、もう完全にメスの顔になっていた。

  「どうして欲しいの?」

  「だめぇ……触手欲しくない!」

  強情だなと思った。とは言え、ここで"種"を注入するのは違うなと思った。

  触手を内臓深くまで突っ込む訳じゃないプレイは、醍醐味に欠けるなと思ったけれど、彼女が疑似の男性器に満足しているのは確かだった。

  もやもやしたままその日のプレイを終わらせた。

  明日からどういう顔で会えばいいのだろう?

  あれ以来、イチカは私に懐き、でも触手に関しては断固拒否していた。

  学校では強気だけど、部屋に行くと甘えた顔をしてくる。

  私としては、触手を受け渡して、腹の中をぐりぐりなぶりなぶられるプレイの方が好みなのだけど……彼女は私に男性器のふりをした触手を求め、それでセックスするのを好んでいた。

  私はイチカとの関係をそんなに悪いモノだとは思わなかった。

  彼女は他の子に嫉妬することもないから、私の性欲処理に関しては他の子を頼れば良かったのだ。

  イチカにとっては、こういう"特殊な"セックスをしてくれる相手と言う意味で私は特別だったのかも知れない。

  今日も私の上でイチカは腰を振っている。

  「リカ……リカ……」

  ベッドの上では、私の名前を呼び捨てにする。彼女は基本的に他の人を呼び捨てにしないので、私が特別だと言いたいのだ。

  私も別に気持ちが良くない訳ではない。こういう愛し方もあるのだなと思った。

  触手を受け継ぐと子宮を含めて内臓の作りが変わって、かなりタフになる。だから、割と過激なセックスも出来る。

  腹の中で触手同士を絡ませ合って、腹ぼて状態になるセックスとか、肛門から口まで触手を貫通させて、窒息状態でキスとフェラを同時にやるプレイとか。

  学校だと、授業中に触手を絡め合って、涼しい顔をしているなんてこともやったりする。

  触手があると、"特殊なプレイ"に比べて遊びの幅が広がる。だから、何がノーマルと言う事はない。調べたら、それこそ私達のような遊びをしている人もいるかも知れない。

  しかし、そう思い込んだところで、やっぱり相手はヴァージンなのだ。こういう状態を本当にヴァージンと呼べるかどうかは別として。

  時々思い出したように、「そろそろ触手いらない?」と尋ねると「その話はしないで」と言われる。

  でも、今日の私はちょっと違っていた。

  「私、イチカの子供を作りたいよ」

  私は真剣だった。

  イチカとこういう付き合いをしているうちに、実際にイチカのことが特別に思えてきたからだ。

  元来触手同士の交接はもっとドライな関係だ。不特定多数と交接するのが普通だから、当然誰が"父親"かは調べないと分からない。だけど、そんなことは誰も気にしていない。

  一人で子供を育てるように社会が出来ているからだ。そもそも男だって子供を育てるような生き物じゃなかったと言うし、何が不都合と言う事もない。休業している間は手当てが出る。その為の税負担だ。

  とは言え、一部ウェットな人達は、誰の子供かと言う事を気にして、その人と一緒に暮らす事がある。

  私はそんなウェットな人の気持ちは分からない側の人間だった。

  だが、イチカとそうしている以上、もう、イチカの子種以外欲しくなかった。

  イチカは「そんなこと言われても」と戸惑っていたので、「じゃぁ、今日限りでこんな遊びやめよう」と答えたのだ。

  「えっ!? そんなのずるい!」

  でも、そうじゃない? セックスって子供作るための講堂じゃない? だからもう、私達ぐらいの子なら、子供作ってる子もいるでしょ? なんで自分はダメなんだよ。そっちの方がずるいよ」

  そう言うと、イチカは悩んでいた。

  その日は、ぽつりぽつりと反論と反論を続けてしまい、えっちせずに終わってしまった。

  翌日は私の機嫌を見て、イチカは誘ってこなかった。

  まぁ、他に同じ遊びをする人を見つけられるなら、それでもいいやと思った。イチカがそんな子なら。

  更に翌日、意を決したように告げる。

  「私、リカに子供作って欲しいし、私もリカの子供欲しい」

  問題は、それが学校でのことだったからだ。

  周りは囃し立てて、いまここで受け渡しをしたらどうかと言うのだ。

  イチカは完全にメスの顔になっていて、ショーツを脱ぎ始めたのだ。

  「しょうがないな……」

  人前でえっちをするのは初めてではない。でも、イチカとは密かにするのに慣れていたから、若干戸惑っていたのだ。

  私も触手を伸ばすと、イチカにキスをしながら挿入した。

  「あん……」

  イチカが可愛く喘ぐ。

  するすると触手を奥に入れる。

  触手を蠕動させると、イチカは喜んで腰を振った。

  「イチカあげるよ……」

  「私も欲しい……リカちゃんの欲しい……」

  そう言うので、触手のタネを子宮内に打ち込んだ。

  「リカちゃん……私達一緒になれたね……」

  打ち込んだ触手が育っていくのが分かるのだろうか?

  私は触手を抜くと、お腹の辺りがぐねぐねしているのが分かる。ああ、成長早いなぁ……

  「私……私、おかしくなっちゃう!」

  イチカは一人でヨガっていた。

  そして私が手を握ってあげると、「リカちゃんありがとう……」と消えそうな声で伝えてくる。

  定着と順応は一晩がかりだから、私はそれを見守る事にした。

  交接室のベッドで、喘ぐイチカを横にまんじりも出来なかった。

  触手の定着、順応の第一段階は一晩がかりだ。

  イチカは身を悶えさせながらそれに耐えていた。

  私は、それを見て何も感じないではいられず、ついついそれを見てオナニーをしてしまったぐらいだ。

  まぁ、そういう時はオナニーするのが礼儀だと言う人もいるし、そういうものかなと思った。

  朝頃になり、それがピタッと収まる。

  着替えとシャワーでお互い家に帰り、朝食は一緒に食べようと言う話になった。

  やっと落ち着ける――と言う事はないだろう。

  触手に身体が慣れるまで、不意に飛び出し、そして不意に発情する。

  イチカは明るい笑顔で喫茶店にやってきた。

  二人してモーニングプレートのパンケーキを突く。そして、彼女は私の触手を受け継いだことを興奮気味に話していた。

  私の時は、そんな話をする相手もいなかったなとぼんやりと考えつつ、彼女の中の触手の具合を尋ねる。

  「大丈夫!」

  と元気の良い返事の直後、彼女は机の脇に目がけて、ゲーゲーと汚い音を立てながら朝食を全て吐いてしまった。

  そしてゴボッっと言う音と共に、触手がだらりと垂れていくのが分かる。

  彼女はもごもごしながら、自分の胸を掴み、苦しそうに鼻で呼吸している。潤んだ目は若干の憂いと、いくらかの性的興奮を感じさせるものになっていた。

  こういうのには慣れている。

  私は彼女の触手を掴むと、自分の口に突っ込んだ。

  そのまま彼女に歩み寄り、触手を咥えつつディープキスのように、彼女の唇を求めた。

  イチカの触手は私の身体の中を暴れ回っていた。

  無遠慮に、そして相手の思いやりもない。

  これはイチカによるコントロールができていないのと、彼女自身が多少混乱しているからだ。

  私は胸だの腹だので暴れる触手を、自分の触手で押さえ込もうとした。

  押さえ込むというか、"射精"を促して落ち着いて貰うのが一番大事だ。

  触手は出口を求めて突き進み、私の肛門から顔を出していた。

  そして、私の触手の動きのお陰で、そこから何度も出入りしている。

  私が感じてしまいそうだ。

  お互いにうんうんと唸り会って、そして遂に、彼女は精通した。

  私のスカートの中は、精液でぐちゃぐちゃになったが、まぁそれはそれでいいか。そんなこともあろうかと、何着か着替えを持って来ている。

  店員さんにお願いして、服を着替えさせて貰う。

  イチカは平謝りだが、私は「イチカの初めてを貰ったから嬉しいよ」と微笑んだ。

  触手は一度射精の喜びを知ると、暫く射精ばかりするようになる。

  学校へ向かう途中、イチカの股間が盛り上がり、触手が出てくるのが分かった。

  道端なので、手短に手コキで射精させるが、イチカの精液の量は多くて、道が精液だらけになってしまった。

  私は、道に面するお店に事情を話すと、少し困った顔をしながらも、「そういう事なら仕方ないですね。こちらで掃除するので大丈夫ですよ」と見送ってくれた。

  学校に着いてからも大変だ。

  着席してすぐ、もじもじしているので私は後ろの席から触手を伸ばし、彼女の触手をいじって落ち着かせたりした。

  その度に、大量の精液を垂らすので、何度も掃除をする事になる。

  掃除をした所で精液の臭いは部屋に籠もるので、それで発情した数人が乱交を始める始末だ。

  ああ、これは不味いな。

  イチカは触手を私に伸ばしてきたので、急いで交接室へと向かった。

  イチカはやや乱暴に私のおまんこを触手で突き刺して。

  私は「ちょっとキツいよ」と笑いながら頭を撫でると、もう既にイキそうな顔をしながら「ごめんね……ごめんね……」と繰り返すばかりだった。

  そして私も自分の触手を伸ばして、彼女に差し込んだ瞬間、イチカは私のお腹の浅いところで射精を開始した。

  私のおまんこから精液が漏れていくのが分かる。

  「イチカが出しちゃうなら、私もいいよね」

  そう言って微笑みかけると、「リカちゃん……リカちゃん……」と蕩けた表情で抱きしめてきた。

  私は彼女のお腹の奥の方で、具体的には卵巣の辺りを触手でゴリゴリし始めた。

  人間の身体は触手が定着すると内臓の位置とか構造とか変わってしまう。子宮口は触手に対しては開くようになるし、口から肛門まで触手が貫通しても、何も問題はない。

  触手は具体的な物体が存在していると言うよりも、身体の何処かしらで具現化させるものだ。だから、慣れれば構造も形も出てくる場所も変える事が出来る。

  イチカはまだそれができないので、伸ばしたての触手を私の腹の中で暴れさせることしかできないのだ。

  自分のお腹がゴリゴリ言っているのは分かっているし、若干しんどいがコレも仕方ない。

  私は彼女の卵巣に触れると、イチカは悶えながら「そこ! そこ!」と何度も叫んだ。

  「じゃぁ出すよ」

  と言うと、「リカちゃんの欲しい!」と叫んで、私の中で射精してしまった。

  私も一瞬で遅れて射精すると、イチカは絶叫して身体を震わせた。

  こうやって私は、イチカの初めてを少しずつ奪っていくのだ。

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