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村一番の力持ちの猪おっちゃんが刑務所に入れられるお話

  ワイの名前は猪田 元治。生まれ育った村で酒屋をやっとる。

  もうおっちゃんって呼ばれてしまうええ歳なんやけど、肥えとる上に、ゴツくて芋臭い顔をしとるせいか、まだ嫁さんも貰えてへん、男やもめや。

  子供の頃から人一倍体のデカかったワイは、力がえらい強うて、力比べでは誰にも負けたことがあらへんかった。

  そのせいかワイは村一番の力持ちなんて呼ばれとって、力仕事で困った時なんかには、村のもんによう頼りにされとった。

  昔、村で火事が起こった時に、瓦礫の下に閉じ込められた子供がおったんやけど、その時もワイがでっかい瓦礫を持ち上げて、助けてやったんや。

  ほやけど……ある日、ほないなワイの所に人間の警官が大勢やって来て、わけもわからんうちに、無理やり警察署に連れて行かれてしもうた。

  なんでも強盗事件の容疑者として、ワイが浮かんだって言うんや。

  なんの身に覚えもなかったワイは、断固として無実を訴えとったんやけど……気付けば、ワイは強盗事件の犯人として、一年の懲役刑にされてしもうとった。

  獣人は人間と違うて、まともに裁判を受けることも出来んで、面倒な事件の犯人に仕立てられる事が、ようあると聞いておった。

  ほやけど……まさか自分がほないな目に遭うやなんて、夢にも思うておらんかった。

  ワイ、これからどうなってまうんやろう……

  ***

  高い塀に囲まれた古い造りの刑務所に到着すると、ワイはすぐに狭い部屋に連れて行かれた。

  「着ているものを全て脱いで、その籠に入れろ!」

  「は、はい……」

  二人の人間の看守の中年の方が、ワイに裸になれと言ってきよった。

  人前ですっぽんぽんになるやなんて、ほんまに嫌やったんやけど……逆らう事は出来んさかい、いやいや帯に手を掛けて解くと、そのまま着物も脱いで、褌一枚になった。

  ほやけど、やっぱしえらい恥ずかしゅうて……褌に掛けた手が止まって、動かんくなってしもうた。

  「もたもたするな!!」

  突然、怒声を浴びせかけられたかと思うたら、次の瞬間、背中に鈍くて重い痛みが走った。

  「うぐぅっ……!!」

  背中を襲う激しゅう痛みに、思わず顔をしかめて呻いてまう。

  ワイ……警棒で殴られたんや。

  人間に差別される事はようあったんやけど、こないな風に暴力を振るわれたのは、初めてやった。

  「さっさと脱げ!!もう一発喰らいてぇか!?」

  「す、すんまへんっ!!すぐ脱ぎますさかい……」

  刑務所の看守の人間に逆らったりしたら、下手したら殺されてしまうかもしれへん。

  恐ろしゅうて……ガタガタ震えてしまう手をなんとか動かして褌を脱ぐと、すぐに看守の方へ向いた。

  「よし。頭の後ろで腕を組んで、両足をもっと広げろ!」

  「はい……」

  言われる通りに頭の後ろで腕を組むと、足を大きゅう開いた。

  酒の配達やらで毎日肉体労働しとったものの、さすがに歳には勝てんで……ワイの体は若い頃に比べて、全身に贅肉がたっぷりとついてしもうていた。

  子供の頃は柔らかかった茶色い体毛も、今では艶を失うて、くすんだ色のゴワゴワと固い毛になってしもうとる。

  年を重ねて、すっかりくたびれて、えらいみっともない体になってしもうた。

  ほやけど……ほんまにみっともないのは、股座についとるちっこいちんぽこやった。

  年と共に体はどんどんデカくなってくのに、ちんぽこは全然成長せんで、いつまでもちっこいままやった。

  ちんぽは、小指の先っぽぐらいしかあらへんし、金玉も大きゅうない。

  ほないにちっこいせいで、股座の濃い毛に覆われてしもうて、顔を出すことも出来んで隠れてしもうとる。

  ほないなワイのみすぼらしいすっぽんぽんを、中年の方だけやなくて、年端もいかんようなおぼこい顔した小僧の看守までもが、しげしげと眺めまわしとる。

  ほんまに恥ずかしゅうて……頭のてっぺんからつま先まで、全身真っ赤っかになってしもうた。

  「よし、山田やってみろ」

  「は、はい!」

  中年の方が小僧に声を掛けると、小僧がワイの体の真ん前に来た。

  それから、そのまましゃがみ込むと……なんと手を伸ばして、股座の毛を掻き分け始めよった。

  「うぅっ……」

  それまで股の毛でかうろじて隠せてたワイのちんぽこを、看守の小僧が大きく目を見開いてジッと見とる。

  ほんまに恥ずかしゅうて……穴があったら入りかった。

  すると、それまで眺めとるだけだった小僧が、いきなりワイのちんぽこに触ってきよった。

  それだけやのうて、玉袋を根元から片手で鷲掴んだかと思うと、グイッと上に引き絞りおった。

  「ぐぅっ……!!」

  急所を力いっぱいに締め上げられたワイは、相手は年端もいかん小僧やというのに、恐うて堪らんくなった。

  大事な金玉を潰されてまうかもしれへんと思うと、ちんぽこも体もブルっと縮み上がってしもうた。

  「こ、これでいいですか?」

  「よし。次は尻の中を調べろ」

  「わかりました。……猪田さん、すみませんが、後ろを向いて膝に手をついて、お尻を突き出してください」

  「へっ?」

  突然、看守の小僧からえらい丁寧にお願いされて、ワイは面食らってしもうた。

  「馬鹿野郎!!囚人に敬語つかう看守がいるか!!」

  「す、すみません。武藤さん」

  なんやようわからんけど、叱られとる山田やらいう小僧が可哀そうになったワイは、急いで後ろを向いて、言われた通りに膝に手をついて尻を突き出してみた。

  「こ、これでええやろうか?」

  「は、はい!」

  小僧はワイの尻の前にしゃがみこむと……なんと尻の穴の中にズブリと指を入れてきよった。

  いままで出す事にしか使うたことのあらへんとこに、指を入れられて押し広げられて……気色悪う感覚がゾクゾクと背筋を登ってきた。

  「んぅっ……!」

  「ごめんなさい……すぐ終わりますからね」

  唇を嚙み締めながら、我慢しておとなしゅう堪えた。

  小僧の指が芋虫みたいに、尻の中を這いまわりよる。

  初めて他人に尻の中を弄くり回される責苦のような時間は、えらい長く感じた。

  「武藤さん、異常なしです!」

  「よし。初めてにしては上出来だぞ」

  「ありがとうございます。猪田さん、お疲れ様でした!」

  「お、おおきに……」

  ようやく解放されたワイは、大きゅう息を吐きだして、額から流れ出る脂汗をゴシゴシと腕で拭うた。

  一安心してホッとしとると、おぼこい小僧に尻の穴を見られた上に、弄くり回された事が……急にえらい恥ずかしゅうなってきた。

  こないなええ年になってから、こないに恥ずかしゅう思いをする事になるやなんて……

  「山田。もう一度言うが、囚人に対して敬語を使うんじゃない!」

  「あっ……すみません。つい……」

  「ったく……看守はなぁ、囚人に舐められちまったらお仕舞いなんだぞ?」

  「す、すみません。でも、この人は……僕の命の恩人なんです!」

  「へっ?」

  「はぁ?こいつが命の恩人って……どういう事だ?」

  ワイが……命の恩人?この小僧は何を言うとるんやろ。

  「あれは……僕が12歳の時でした。

  夏休みで遊びに来ていた田舎の祖父母の家で火事が起きたんです。

  なんとかみんなで家から逃げ出せたんですが、ホッと安心した途端、僕は飼っていた猫のミケが、家の中にまだ取り残されている事に気が付きました。

  どうしても助けたかった僕は、大人たちの制止を振り切って、家の中に一人で戻って行ったんです。

  火がどんどん燃え広がる家の中を探し回って、ようやく机の下でミケを見つけて抱きかかえて逃げようとした時、天井が燃え落ちてきて……」

  そこまで話を聞いた途端、まるで映画を見とるかのように、瓦礫の下から助け出した猫を抱いた子供の姿が、ワイの頭の中に鮮明に思い起こされていった。

  「あっ!!お前さん……あの時の坊か!!」

  「はい!猪田さん、思い出してくださったんですね。物凄い火の中を危険も顧みずに飛び込んで、こんな見ず知らずの僕を助け出して下さって……本当にありがとうございました!」

  「ガッハッハ!!ほないな大げさやで!ほないに深々と礼を言われるような、大したことはしてへんさかい。お前さん、あの時はほんの子供やったのに、大きゅうなったなぁ!」

  「はい!こんな形になってしまいましたが、猪田さんにまた会う事ができて、本当に嬉しいです……」

  「そうか……」

  ワイの手をちっこい両手でギュっと握ると、山田くんは目を潤ませながら礼を言うてきた。

  ほないな山田くんの姿に、こっちまで目頭が熱うなってきてしもうた。

  ワイも両手でちっこい手を包むように力強く握り返すと、この思いがけない再会を一緒に喜び合うた。

  「ゴッホン!!」

  すると、ほないなワイらを横で眺めとった中年の看守の武藤さんが、聞こえよがしに大きく咳払いをしてきた。

  つい気持ちが昂ってもうたけど……ここは刑務所やった。

  ワイと山田くんは揃ってバツが悪うなってしもうて、慌てて握り合うとった手を離した。

  「す、すいません。ずっと会いたかった人に会えたので、つい……」

  「……まぁ、お前の気持ちはわからんでもないがなぁ。こいつは罪を犯したから、こうして此処にいるんだ。……あんまり気を許すんじゃないぞ」

  「はい……」

  「ちゃ、ちゃいます!ワイは強盗なんかしてまへん!!」

  「えっ!?」

  「黙れ!!……白々しい嘘を吐くんじゃない。囚人はみんなそう言うんだ!」

  「そんな……嘘やないです……」

  「……ふん、こんな図体のデカい豚のフリチンを、いつまでも見せられたんじゃ目が腐っちまう。山田、後のこいつの面倒は任せたぞ!」

  「は、はい!」

  山田くんにそう言い付けると、武藤さんは足早に部屋を出ていった。

  「…………」

  嘘やない……ほんまに嘘やないのに……

  これまでも、どんなに必死で無実やって言うても、警察も裁判所の人間たちも……誰も信じてくれへんかった。

  汗水たらして働いて、家を改築して始めた酒屋も、被害者の賠償に充てるいうて、国に取られてしもうた。

  たとえここを出ても、もうワイの居場所はどこにもあらへん。

  ワイは一体……どうしたらええんや。

  「猪田さん……大丈夫ですか?」

  「あ、あぁ……なんでもあらへんよ」

  「僕……猪田さんが無実だっていう話、信じます!」

  「へっ?……ほ、ほんまか!?」

  「はい!猪田さんが、悪い事をする人だなんて思えません!」

  「グスッ……そうかぁ……おおきに……おおきになぁ」

  「猪田さん……」

  自分より一回り以上も年下の子の前やというのに、ワイは顔をクシャクシャにしてボロボロと泣いてしもうた。

  初めて信じてもらえた事が、ほんまに嬉しゅうて堪らんかった。

  しくしく泣いとると、小さな手がワイの背中をそっと撫でてくれた。

  「猪田さんの濡れ衣を晴らすのは……難しいと思います。……本当にごめんなさい。……でも、僕なりに精一杯、猪田さんを支えます!」

  その言葉を聞いたら、我慢出来んくなってしもうて……この心優しゅう子に、思わず力一杯抱きついてしもうた。

  「い、猪田さん……」

  「山田くん……ほんまにおおきになぁ」

  「い、いえ……そういえば……あの時も、こうして抱きしめてくれましたね」

  「そ、そうやったか?」

  「はい!火事から助けてくれた後、僕に拳骨して『アホッ!ガキんちょが無茶しよって……死んでたかもしれへんやで!!』って雷のように大きな声で叱ってくれました。

  大人の人に本気で叱られたのは、その時が初めてで……相手が天も突くような大きな猪のおじさんな事もあってか、あの時は本当に恐かったです。

  ……でも、すぐに大きな手で頭を撫でてくれて『大切なもん、ちゃんと守ったんやな……坊は強い子や、偉いで!』って褒めてくれて……泣いている僕を、優しく抱きしめてくれました」

  「ありゃあ……すまんなぁ。おっちゃん、ええ気になって……偉そうな事言うてしもうたわ」

  「そんな事ないです!僕、本当に嬉しかったんです。そ、それに……あの日の猪田さんは、本当に格好良くて……自分も、あんな強い男になりたいなって……」

  「ガッハッハ!!今じゃあブクブク肥え太った、ただのくたびれたおっちゃんになってもうたよ」

  「そ、そんな事ありません!猪田さんは、今も凄く格好良いです!腕だって、こんなに太いし……」

  「そ、そうか?」

  カッコええやなんて……人から初めて言われたわ。

  山田くんがほないな事言いながら、ベタベタとワイの腕を触るもんやから……男同士やというのに、なんでか顔が赤なってきてしもうた。

  ワイが照れ臭なってるのに気付いたのか、山田くんはハッとした顔をしよると、慌てて一歩後ろに飛び退いて、おぼこい顔を赤らめた。

  「す、すみません!……えっと……そ、そうだ。そろそろ猪田さんを監房まで案内しないと……」

  「そ、そうやな!じゃ、行こか」

  「待って下さい!その……裸のままではまずいので、この獄衣を身に着けてください」

  「おわっ!そういや、ワイ……すっぽんぽんやったわ」

  色んな事が目まぐるしゅう起こったせいか、自分がすっぽんぽんでいる事すら、すっかり忘れてしもうていた。

  慌てて股座を片手で隠すと、山田君から枯草色の獄衣と白い褌を受けとった。

  すぐに山田くんに背中を向けて褌を締めると、獄衣の半纏と股引を着てみた。

  なんや、家で着とったのとあんまし変わらんな。

  着終わって身支度を整えたワイは、山田君に向き直って確認してもらう事にした。

  「ど、どうやろ?」

  「バッチリです!とても似合っています……って、ご、ごめんなさい!!」

  「ガッハッハ!!おおきにな。山田くんに褒めて貰えるんやったら、このカッコも悪うないわ!」

  「本当にすみません……」

  「なんも謝る事なんかあらへんよ!」

  顔を赤らめて謝っとる山田くんを見とったら、なんや無性におぼこくて、つい頭をワシワシと撫でてしもうた。

  「い、猪田さん……」

  「うん?……あっ、頭撫でられるやなんて、恥ずかしいか。山田くん、えらいおぼこいさかい、つい撫でてしもうたんや。堪忍してな」

  「い、いえ、全然大丈夫です……それでは、そろそろ行きましょうか」

  「おう!よろしゅう頼むな」

  「はい!」

  ***

  山田くんに連れられて、コンクリートの壁に木製の扉が狭い間隔で並んどるのを横目に眺めながら、夜の薄暗い廊下を歩いていった。

  天井の裸電球が橙色の灯りで、弱々しく辺りを照らしておって、そのせいかただでさえ古ぼけとる建物が、余計に古う見えた。

  「猪田、ここだ」

  「へっ?……あっ。看守さん、おおきに!」

  突然、山田くんに厳しい口振りで話しかけられて、一瞬戸惑ってもうた。

  他の囚人の前で、敬語なんか絶対使うたらアカンもんな。

  恭しくお辞儀を返すと、山田くんに言われるままに、監房の中に入っていった。

  バタンと木製の扉が閉まると、ガチャリとすぐに鍵を掛ける音が聞こえてくる。

  コツ……コツ……コツ……コツ……

  ワイは扉の方を向いたまま、段々と遠ざかっていく足音に静かに耳を澄ませていた。

  山田くん、おおきにな。刑務所に連れて来られて、えらいおっかなかったけど、山田くんが居るんやったら、なんとかやっていけるかもしれへん。

  「よお……新入りのくせして、挨拶もねぇのか?」

  「あっ!えらいすんまへん。ワイ……」

  物思いに耽っとったワイの背中に、同室のもんの低くて太い声が掛けられた。

  こういうんは初めが大切やさかい、すぐに向き直って挨拶をしようとした。

  ほやけど……その熊獣人の異様な姿を見た途端、喋る事も動く事も出来んくなってしもうた。

  その熊獣人は、とにかくデカかった。ワイも人一倍デカい方やというのに、そんなワイよりもさらに縦にも横にもデカい。

  そのうえデカいだけやなくて、半纏の前開きから見える体も、半端やなかった。

  でっぷりと太っているんやけど、その贅肉の下に、どえらい筋肉がついとるのが、素人目にもわかった。

  ゴワゴワした黒い体毛も、針金のように太うて、触れれば刺さってしまいそうやった。

  ほやけど、ワイを固まらせたのは、そのゴツい顔や体にある……痛々しい傷の跡やった。

  切り傷やろうか……ようわからんけど、あちこち傷跡だらけで、生々しいひきつれからは、皮膚が見えてしもうとる。

  裏の世界に全然詳しくないワイでも、一目で堅気やないってわかる風体やった。

  「なにボーっと突っ立ってんだ?とりあえず、こっち来て座んな」

  「は、はい……」

  その熊の風貌やドスの効いた声、鋭い眼光に、ワイはすっかり委縮させられてしもうとった。

  恐る恐る、そろそろと歩み寄って、言われるままに熊の正面に腰を下ろす。

  緊張に身を縮こまらせながら正座してるワイの事を、熊は上から下へと舐り回す様に眺めてきた。

  まるで……なんかを値踏みをしているようやった。

  チラッと熊の顔に目をやってみると、そのゴツくて凄みのある顔は、近くで見てみると、余計に傷跡の生々しさが目立った。

  凶悪そうな鋭い目に、色褪せた大ぶりの鼻。なんでも丸呑み出来そうなおっきな口からは、デカい牙を覗かせとった。

  「おっさんよぉ。おめぇ、名前はなんっていうんだ?」

  「は、はい……ワイは猪田といいます」

  「そうか、俺は熊代っつうんだけどよぉ。おめぇ、何やらかしてここに来たんだ?」

  「な、なんもしてまへん!なんもしてへんのに、強盗した事にされてもうて……」

  「ぐひっ……そうだろうなぁ。俺もそうだぜ。ここにゃあ無実のもんしかいねぇよ……ぐひひっ……だっはっはっ!!」

  熊代と名乗った男は、ワイの言葉を聞くと、大口開けて盛大に笑い出しよった。

  ワイを心底馬鹿にした下卑た笑い声を聞いとると、山田くんから貰えた『なんとかやっていけるかもしれへん』という微かな希望の灯が、無残に吹き消されてしまいそうやった。

  ほんまに悔しゅうて……膝の上の拳を、力いっぱいに握り締めた。

  得体の知れへん恐ろしゅう熊が相手やというのに、ワイは怒りを堪える事が出来んかった。

  「笑うんやないっ!!ワイはほんまに……」

  「……そんな事ぁ、どうでもいいんだよ。それよりよぉ……」

  それはあっという間の事やった。胡坐をかいとった熊代が片膝を立てたかと思うたら、その巨体からは想像できへんような俊敏さでワイの体を押し倒して、そのまま腹の上に馬乗りになってきおった。

  「うぐぅっ……な、なにするんや!?」

  「暴れんじゃねぇよっ!!」

  身をよじって抵抗しようとすると、熊手のような巨大な掌がワイの首を掴んで、押さえ込んできおった。

  負けじと全身の力を振り絞って、もっかい身をよじらせる。

  ほやのに……まるで、磔にされたみたいに、体を少しも動かす事が出来へんかった。

  なんや、体が……ピクリとも動かせへん。

  ほれやったらと、今度は自由な両腕で、首を押さえ込んでる腕を引きはがそうとした。

  ほやけど、大木のような太い腕は、同じように少しも動かすことが出来へん。

  なんでや……相手は片手やというのに、ビクともせぇへん。

  ありえへん事の連続に恐うなって、熊代の顔目掛けて我武者羅に拳を打ち込んだ。

  ほやけど、片手で首を抑えつけてきとる熊代の顔が遠すぎて、拳は虚しく宙を切るばかりやった。

  くそぅ……なんや、この馬鹿力……

  ワイの抵抗を熊代はニタニタと嘲笑うように見下ろしておる。

  その時、首を押さえ込んでいる掌に、とんでもない力が込められた。

  「ぐぅっ!?……く、苦しい……」

  物凄い力で首を絞められて、息をする事も出来へん。

  全身に力を込めて暴れて、なんとか逃れようとしても、ジタバタすればするほど、体の中からどんどん空気が抜けていくだけやった。

  このままやと死んでまう……嫌や……死にとうない……助けてくれぇ……

  「おっと……これ以上はやばいか」

  「……っげほ……ぐほっ……」

  目の前が暗くなっていく中、突然、首を締め付けていた掌がパッと離れた。

  急いで空気を吸い込むも、咳き込んでしもうて、上手く呼吸することが出来へん。

  必死に呼吸をしとると、素早く熊代が覆いかぶさってきて、そのままワイの鼻っ柱に顔をひっつけてきた。

  「ひぃっ!!」

  眼前にある熊代の血走った鋭い目が、ワイの両目を矢のように射すくめてくる。

  恐ろしゅうて堪らんくて、ガタガタと体が震えてしまう。

  「俺はよぉ、もう三人も殺してんだ。あと一人ぐらい殺しちまったとしても、なんも変わんねぇんだよ……言っている意味、わかるよなぁ?」

  「か、勘弁……勘弁してくだはい……」

  「俺の言う事をなんでも聞くんなら、殺さないでやるよぉ……わかったか?」

  「はい……言う通りにします……ほやから……勘弁してくだはい……」

  「よしよし、わかりゃあいいんだぁ。ぐひひっ……そんじゃあ、早速おめぇのオメコの具合を確かめてやるかなぁ」

  「へっ?」

  オ、オメコってどういう事や……ワイは雄なんやぞ。

  呆然としとると、熊代が乱暴にワイの半纏を脱がしてきた。

  な、なんで……?

  あっという間に半纏が剥ぎ取られてしまうと、今度は股引きに手を掛けられて、それもすぐさま剥ぎ取られてしもうた。

  あ、あかん……

  瞬く間に身ぐるみを剥がされてしもうたワイは、慌てて股座を両手で覆い隠して、最後の砦の褌を守ろうとした。

  「すんまへんっ!!……褌は……褌だけは勘弁してくだはいっ!!」

  「どうしたぁ?俺たちゃあ雄同士なんだ。なんも恥ずかしがる様な事ぁねぇだろ?」

  熊代は獰猛な笑みを浮かべながら、ワイの両手を片手で引き剥がすと、褌を千切らんばかりの力で剥ぎ取った。

  最後の一枚の褌まで脱がされて……ついになんも体を隠すものがない、すっぽんぽんにされてしもうた。

  「だっはっは!!なんだぁこりゃあ?おめぇのポコチン、どこにあんだよ?」

  「ぐっ……」

  熊代は腹を抱えて大笑いすると、ニタニタしながら、ワイの股座の茂みをジロジロと覗き込んできた。

  恥ずかしゅうて、悔しゅうて……涙が出てきそうやった。

  「おっ!小せぇけど、一応ついてんだな」

  「ひぅっ……さ、触らんでくれぇ!」

  太い腕が股座の茂みに伸ばされると、巨大な掌がワイのちんぽこを鷲掴みにしてきよった。

  雄の一番大事な部分をグニグニと揉みしたがれて、背筋がゾッとして嫌悪感でいっぱいやった。

  「皮被りのふきのとうみてぇなチンポしてやがる。こんなんで雌とオメコ出来んのかよ?」

  「や、やかましいわい!!……んぅっ!!」

  言い返すワイを黙らせるように、ゴツゴツと節くれ立った指が、ちんぽの皮をズルンっと勢いよく下ろしていった。

  その途端、蕩けてしまいそうな快感がちんぽから湧き起こって、あまりの気持ち良さに、堪えられんで声を上げてしもうた。

  「なんだぁ?ちょっと剥かれたぐれぇで色っぽい声出しやがってよぉ。それに、この亀頭もまるでガキみてぇな色してんじゃねぇか……もしかしておめぇ、童貞なんじゃねえか?」

  「ほっ……ほないなわけ……」

  「だっはっは!!こりゃ傑作だぁ。おめぇ、そんないい年して童貞かよ。まぁ、こんなチンポじゃ、雌にハメた途端に抜けちまうだろうし……なっ!」

  「んぁっ!!」

  熊代は口元を歪ませて嘲笑うと、ピンっと指先でちんぽの先っぽを弾いた。

  それだけやというのに、ちんぽからは痺れる様な快感が沸き起こって、はしたない声を上げてしまうた。

  「まぁ、こんなガキチンポに用はねぇんだよ。どら……」

  「ひゃっ!?」

  さっきまでちんぽこを弄っとった指が、玉袋の下をなぞるように下りていって、尻の穴にたどり着くと、円を描くように撫でまわしてきた。

  なんとも言えへん感覚が、尻から背筋へとゾクゾクと駆け上ってきて、まるで氷をひっつけられたみたいに、体がブルっと震えてしもうた。

  「生娘みてぇな反応しやがって……こりゃ正真正銘の初物だなぁ。本当はおめぇみてぇなおっさんは、あんまり好みじゃねぇんだけどよぉ。たまには悪くねぇかもな」

  「な、何を言うとるんや……」

  「まだわかんねぇのか?これからおめぇのケツに、チンポをぶち込むんだよ」

  「なっ……ワ、ワイは雄やぞ!?尻に入れるやなんて……」

  「安心しな。すぐに俺にケツ振って、チンポをねだる雌豚にしてやるからよぉ。わかってんだろうが、絶対に逆らうんじゃねぇぞ?……もし逆らったりしやがったら」

  「ぐあぁっ!!」

  尻を撫でる指が離れたかと思うたら、途端にワイの金玉にとんでもない激痛が走った。

  熊代の熊手のような掌が、ワイの金玉をギリギリと握り締めてきとる。

  あまりの痛みにジタバタと体をよじるも、暴れれば暴れるほど、握り締める掌にどんどん力が籠っていった。

  潰されてまう!!ワイのっ……ワイの金玉がっ!!

  「やめとくれぇ!!絶対……絶対逆らったりせぇへんからっ!!」

  「よぉし……いい子だぁ。大人しくしてりゃあ痛い目に合わせたりしねぇ。それどころか極楽を味あわせてやるからよ」

  熊代は力一杯に握りしめとった金玉を放すと、股座から腕を引っ込めた。

  ようやく地獄の苦しみから解放されたワイは、慌てて両手を股座に伸ばすと、金玉が無事かを確かめた。

  恐る恐る袋の中の感触を確かめると、腫れとるんかジンジンと痛んだものの、二つの玉はなんとか健在やった。

  こないな目に遭っている時やというのに、自分がまだ雄のままやとわかって、ホッと安堵してしもうた。

  ほないなワイをニタニタと見下ろしながら、熊代は自分の獄衣に手を掛けると、おもむろに脱ぎ始めた。

  半纏と股引を脱ぐと、最後に薄汚れた褌までも荒々しく脱ぎ捨てた。

  「ひっ……」

  そうやって露わになった熊代の体を目の当たりにしたワイは、恐怖心から情けなくも悲鳴を漏らしてしもうた。

  その隆々とした筋肉と分厚い脂肪に覆われた巨体には、いままで見えへんかった傷跡やひきつれが、あちらこちらに走っていた。

  ほやけど……なによりもワイを怯えさせたのは、股座の鬱蒼とした茂みからそそり勃つ、異形のちんぽやった。

  分厚い皮に半ば覆われとる赤黒い亀頭は、パンパンに膨れ上がっておって、先っぽのパックリ割れた鈴口からはダラダラと先走りを垂れ流しとる。

  どデカいちんぽを覆うように、いくつものツタの様な血管がドクンドクンと脈打っておるんやけど……それだけやなかった。

  ちんぽの幹に真珠か何かがぎょうさん埋め込まれとるのか、あちこちゴツゴツと盛り上がっていて、それはまるで鬼の金棒のようやった。

  ほないな化け物みたいなちんぽの下には、狸のようなデカい玉袋がぶら下がっておって、その中には鶏卵ぐらいありそうな金玉がユサユサと揺れておった。

  太さも長さも……なんもかもが、ワイのもんなんかとは比べ物にならんかった。

  自分のちんぽこが、ちっこい事は自覚しとったけど、こないにまざまざと差を見せつけられたのは、初めてやった。

  一番の自慢やった力で、手も足も出ぇへんかった上に、雄としてもぐうの音も出ぇへんほど負けてしもうてる。

  ワイの雄としての矜持は……もうズタボロやった。

  「そんな恐がるこたぁねぇよ。俺ぁ、雌には優しいんだぜ?」

  「ひゃっ……」

  ワイの尻の穴に、熊代の節くれだった太い指が触れてきて、また穴の周りをなぞるように撫でてきた。

  撫でられるたびにゾクゾクと悪寒が背筋を駆け巡って、全身の毛がブワッと逆立つ。

  熊代はそんなワイを見下ろしながら、ニチャリと嫌らしゅう笑みを浮かべると、穴の入り口に指先を当てて、ズブリッと挿し込んできた。

  「うぅっ……」

  「デケェだけあって、ケツの穴も広いな。ここが狭ぇと裂けちまって大変なんだぜ?どら、もう一本いっちまうかぁ」

  「ぐぅっ!!」

  「ちっ……さすがにきついみてぇだなぁ。仕方ねぇからオメコ解してやるよ」

  ゴツゴツした二本の太い指が、尻の穴をグリュグリュとこねくり回してきた。

  穴が裂けてしまいそうな痛みに襲われて、上手く呼吸が出来んで、息が詰まってしまう。

  ワイは目を固く瞑って歯を食いしばりながら、この地獄の苦しみを耐え忍ぼうとした。

  その時……

  「ひぅっ!!」

  尻の中を弄くっとった芋虫みたいな太い指が、ちんぽこの裏側辺りに触れた途端、まるで脳天を突くようなとてつもない快感が込み上げてきよった。

  「堪んねぇだろ?ここが雄の泣き所ってやつだ。このグニグニしてんのを、こうしてやると……なっ!」

  「んぁっ!!」

  泣き所やという部分を二本の指でゴリゴリと挟み込まれた瞬間、また蕩けてしまいそうな快感が体中を駆け巡って、体が魚のように跳ね上がってしもうた。

  なんでや……なんで尻を弄られて、こないに気持ち良うなってしまっとるんや……

  「おん?……だっはっは!!おめぇ、勃っても剥けねぇのかよ」

  「へっ?」

  突然、大笑いを始めた熊代の目線の先を追うと……なんと股座の茂みから、大きゅうなったちんぽが、天を突くように顔を出しておった。

  その事に気づいた瞬間、カァーッっとして、煮立ってしまいそうなほど顔が熱うなった。

  恥ずかしゅうて堪らんくて、大慌てで大きゅうなってしもうたちんぽを、両手で覆い隠した。

  「み、見んでくれぇっ!!」

  「ちょっとケツ弄ってやったぐれぇで、ビンビンにおっ勃てやがってよぉ。おっさん、溜まってんじゃねぇか?仕方ねぇなぁ……俺が入所祝いに抜いてやらぁ」

  「んぁっ!!…あぁっ……うっ……んぅっ……」

  熊代はワイの両手を払い退けると、ちんぽを指で摘まんで、グニュグニュと扱いてきよった。

  ちんぽの皮を剥いたり被せたりを繰り返して、クチュクチュと粘っこい音を立てながら、激しく扱き上げてくる。

  普段やっとるせんずりと大して変わらん動きの筈やのに、ゴツゴツした太い指でちんぽを扱かれると、自分でやるのとは比べ物にならん快感が湧き上がってきた。

  気持ええ……人にちんぽを触られるんが、こないに気持ちええやなんて……知らんかった。

  あまりの気持ち良さに、ワイは呆けた顔のまま、喘ぐ声を抑える事もせんで、ちんぽこから溢れ出てくる、痺れてしまいそうな甘い快感に浸っておった。

  ほやけど、金玉がグングンと迫り上がってくるのを感じた途端、呆けとった頭が冷や水を掛けられたようにハッとした。

  「あかん……離しとくれぇ……で、出てまう……」

  「遠慮するこたぁねぇよ。思う存分出しちまえ……気持ちいいぞぉ?」

  クチュクチュ クチュクチュ クチュクチュ クチュクチュ クチュクチュ

  「い、嫌や……出しとうない!……やっ……やめとくれっ!!……ほんまに……ほんまに出てまうっ!!」

  「うるせぇっ!!さっさとイっちまえ!!」

  クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ

  「で、出るぅ……んぐぅっ!!!!……んっ……っふ……んぐっ……あぁっ……んぅ……あっ……」

  ドピュッ!!!!ピュッ!!ピュッ!!

  「だっはっは!!ちっちぇえ癖に凄ぇ飛んだなぁ!」

  「……あっ……あぁ……うぅ……」

  ……ワイ、出して……出してしもうた……

  あまりのショックで茫然自失になっとる間も、ワイのちんぽはピクピクとひくつきながら、チョロチョロと子種を垂れ流した。

  どこか遠くから聞こえてくるみたいに、熊代の下卑た笑い声がボンヤリと聞こえてくる。

  同じ雄に……しかも、こんな奴の手でぞんざいに扱かれて……堪える事も出来んで、無様に射精させられてしもうた。

  ずっと……こんなワイでも、誰かとエッチ出来るんやったら……初めては……ほんまに好きな人としたいと願っておった。

  ほやのに……

  「今度は俺の番だなあ。ぐひひっ、初物をたっぷりと楽しませてもらうぜぇ!」

  「……い、嫌や……頼む……もう、勘弁しとくれぇ……」

  「あっ?何言ってやがる。おめぇ、自分だけ気持ち良くなりゃいいってのかぁ……よぉっ!!」

  ズボォッ!!

  熊代が掛け声と共に、極太のちんぽを勢いよく挿し込んできた。どえらい衝撃が襲ってきて、まるで尻に巨大な杭を大槌で打ち込まれたようやった。

  そんな衝撃が収まらんうちに、メリメリと尻が裂けそうな痛みとゴリゴリと内臓を押し潰す圧迫感までもが、追い打ちを掛けるように容赦なく次々と襲い掛かってくる。

  「ぐわぁっ!!……ぬ、抜いとくれぇっ!!……尻が……ワイの尻が壊れてまうっ!!」

  「ぎゃーぎゃーうるせぇなぁ……これでも食っとけ!!」

  「んぐぅっ…」

  苦痛に耐えられんで悲鳴を上げるワイの口の中に、熊代が自分の汚れた褌を無理やり詰め込んできた。

  途端にションベンや汗、濃い雄臭さが混ざり合った匂いと味が口いっぱいに広がって、気色悪うて堪らんくて、何度もえずいてしまう。

  こないな汚い物、すぐにでも吐き出してしまいたいのに、乱暴に腰を打ち込まれる度に襲ってくる苦痛を、ほんの少しでもええから紛らわしたくて……藁にも縋る思いで、汚れた褌を力いっぱいに噛み締めた。

  「気持ちいいぜぇ。オメコがチンポをギチギチに締めつけてきやがる。やっぱり初物は堪んねぇなぁ!」

  「ぐぅっ……んんっ……」

  苦痛に悶えるワイに、熊代はガツンガツンと容赦無く腰を振って、極太のちんぽを何度もズリュズリュと抜き挿ししてくる。

  それはまるで採掘機のようで、ズボォっと奥まで突き入れられると、苦しゅうて息が詰まってしまう。

  腰を打ち付けられる度に、狸みたいにデカい玉袋が、平手打ちをするようにビタンビタンと尻を打ってきた。

  痛うて苦しゅうて、なんとか堪えようと、口の中の褌をギリギリと噛み締め続ける。ワイの涎でベッチョリと水気を含んだ褌は、これまでの比やないえげつない匂いと味を、口いっぱいに広げていった。

  ほやけど、それに意識を集中させとる間だけは、苦痛を少しだけ和らげる事が出来た。

  その時……

  「んぁっ!!……あっ……」

  突然、痛みとも苦しさとも違う……あの脳天を突くような快感が尻の中から迸った。

  あの泣き所っちゅう所を、熊代のちんぽが、ゴリゴリと刮ぎ取るように抉ってくる。

  ガツンガツンと腰を振られる度に、痺れるような快感が泣き所から溢れ出して、体中を駆け巡っていく。

  あんだけワイを苛んだ苦痛はどっかに行ってもうて、代わりにうっとりするような恍惚感にワイは満たされておった。

  あぁ……気持ええ……もう……痛いのは嫌や……もっと……もっと泣き所を突いとくれぇ……

  「いいツラになってきたじゃねぇか。ちっちぇえちんぽが、涎を垂らしながらおっ勃ってんぞ?」

  「あっ……んっ……ひぁっ……んぅっ……」

  「そろそろ一発、上澄み出すからなぁ。ついでにおめぇもイかせてやるよ」

  すると、熊代の腰の動きが、今までのがお遊びやったかのように、比べ物にならんくらいの激しいもんへと変わっていった。

  ただ激しいだけやなくて、上反りの金棒ちんぽが、腰の動きに合わせてズボズボと抜き挿しを繰り返しながら、泣き所をゴリュッゴリュッと狙い澄まして抉ってきよる。

  ほんまに気持ち良うて……蕩けてしまいそうや。

  「イクぞぉ!!グオォッッッッ!!!!」

  熊代が野獣の様な咆哮を上げると、決壊したダムみたいな凄まじい勢いでドビュッ!!ドビュッ!!とおびただしい量の子種がワイの中に注ぎ込まれていった。

  「ひぅっ!!……あぁっ……っあ……うぁっ……」

  腹を膨らます勢いで注がれる子種は、めちゃくちゃ熱うて、はらわたが焼けてしまいそうやった。

  泣き所を抉られながら、熱いもんをビシャッビシャッと注ぎ込まれとると、頭が真っ白になるくらい気持ち良くて、体がガクガクと震えてきてしもうた。

  気付くとワイは、ちんぽに触れられてもおらへんのに……ピクピクと痙攣しながら、出してしもうていた。

  茂みの中から顔を出しとるちんぽが、ダラダラと力なく子種を垂れ流しておる。

  そうやって出すもんを出してしまうと、さっきまでワイを包み込んでおった恍惚感が急激に冷めていって……代わるように、猛烈な羞恥心と喪失感が、怒涛の様に押し寄せてきた。

  ワイは雄やのに……同じ雄に尻をやられた挙句に、中にぎょうさん子種を注がれてしもうた。

  それだけやない。ワイは……尻で感じてしもうた。孕まされそうな勢いで腰を振られて、雌みたいに善がらせられて……尻だけでイかされてしもうたんや。

  ワイは……ワイは…………

  「ぐひひっ、その処女を散らされたツラ、本当に堪んねぇなぁ!おっさんよぉ、身も心も雌になった気分はどうだぁ?」

  「……ワ、ワイは……雄や……雌やない」

  「何言ってんだ?おめぇは雄なんかじゃねぇよ。強ぇ雄にケツを振る雌豚だ」

  そう吐き捨てると、ゆっくりとまた腰を動かし始めた。

  その動きは徐々に激しさを増していって、また採掘機の様な勢いで尻を抉り始めた。

  「な、なんで……」

  「あぁ?一発で終わりなわけねぇだろうが。俺ぁ、毎日5発は出さねぇと気が済まねぇんだよ」

  「ひっ……や、やめ……」

  「前の奴は毎日犯してやったら、1週間持たなくてよぉ。おめぇみてぇなガタイのいい頑丈な雌を待ってたんだ。ぐひひっ……これから毎日、たっぷりかわいがってやるからなぁ?」

  「い、嫌や……誰か……助けて……」

  それからワイは体をオモチャの様に扱われながら、乱暴に腰を振られて、何発も尻の中にぎょうさん子種を注ぎ込まれて……その度にワイ自身も何度もイかされてしもうた。

  ようやく満足した熊代がちんぽを引き抜くと、その太さの分ポッカリと開いた尻の穴からは、ダラダラと子種が溢れ出してこぼれていった。

  ズタボロになるまで犯されたワイは、体を動かすことも出来んで、赤子が粗相をするように、尻から子種を垂れ流し続けた。

  あまりにもみじめで、情けのうて……気付けば、目からボロボロと涙が溢れ出しとった。

  泣いとる事を隠すために、せめて声を殺したかったんやけど……そんな気力も体力も、もう残っておらへんかった。

  ワイは嗚咽を漏らしながら、子供みたいに泣く事しか出来へんかった。

  ***

  刑務所に入れられてから、いつの間にかに16日も経ってしもうた。

  あの夜から、ワイは熊代の言いなりにされてしもうて、毎晩、慰み者にされる日が続いとる。

  あの怪物の様な体で、相手を壊さんばかりに行われる交尾を、ワイの体は悲鳴を上げながらもなんとか耐えとった。

  今日もしんどい体をなんとか動かして、刑務作業で椅子作りをしとる。

  歩くのもやっとではあったんやけど、こうやって作業しとる間だけは、辛い事をなんとか忘れることが出来た。

  ほないなワイに、山田くんは毎日のように、周りに気づかれへんように、こっそりと声を掛けてくれた。

  「猪田さん、凄く具合が悪そうですが、大丈夫ですか?」

  「他の囚人に暴力を振るわれたりしていませんか?」

  「何かあったら、すぐに僕に教えてください!」

  恥を忍んで、山田くんに打ち明けようかと、何度も考えた。

  ほやけど、山田くんにも……いや、山田くんやからこそ、熊代にされとる事を、絶対に伝えるわけにはいかへんかった。ほやから……

  『ガッハッハ!山田くんは心配性やなぁ。ここの食いもんがえらい美味いさかい、食いすぎて腹の具合が悪ぅなっとるだけや。なんも心配あらへんよ!』

  精一杯に虚勢を張って、必死で誤魔化しとった。

  ワイの事を、強い男やって憧れてくれとる子に、自分が無理やり尻に挿れられて、雌にされとるやなんて……絶対に知られとうなかった。

  なにより……ワイは恐かったんや。

  山田くんに幻滅されて、見限られてしまう事が……恐ろしゅうて堪らんかった。

  あの子の前でだけは、なんとしても強い雄でいたかった。

  あの子の前でだけは、こないなワイでも、いまでも強い雄のままでいられるんや。

  もしそれまでも失ってしもうたら……ワイは耐えられんで、壊れてしまうかもしれへん。

  「猪田!」

  「へっ?……は、はい!」

  心の中で独り言ちとったワイの耳に、突然、山田くんの声が聞こえてきた。

  顔を上げてみると、山田くんがワイに向かって手招きをしておって、なにやら呼んどるようやった。

  慌てて、手についた木屑をパンパンとはたくと、慎重に椅子からゆっくりと立ち上がった。

  ほやけど、やっぱり足腰が立たんくて、立ち上がった途端に、フラフラとよろめきそうになってしもうた。

  それを悟られんように歯を食いしばって堪えると、平静を装いながら山田くんの所まで歩いて行った。

  「看守さん、なんでっしゃろう?」

  「他の作業場で手伝いが必要らしい。ついて来い」

  山田くんは厳しい表情を崩さんままで、それだけ言うと、背中を向けて出口に向かって歩き始めた。

  第一作業室を出て、廊下に出ても、山田くんは振り向かんでそのまま歩き続けとる。

  速足で歩いとる山田くんに後れをとらへんように、ヨロヨロとよろめいてしまいそうな足を懸命に動かして付いて行った。

  それにしても、助っ人に呼んでもろうたのはええけど、ワイは木工は得意やけど、ほかでやっとる裁縫やらは、からっきしダメやった。

  ほないなワイでちゃんと役に立てるんやろか?

  ほないな事を考えながら歩いとると、急に山田くんが木製の扉の前で立ち止まった。

  そしてポケットから鍵を取り出すと、ガチャリと開けて部屋に入っていった。

  そのままくっついて入っていった部屋は、布団やら獄衣やらがぎょうさん積まれとって、物置みたいなとこやった。

  てっきり第二作業室に行くんやと思うとったんやけど……

  不思議に思いながら部屋の中を見回しておると、背中からガチャリと鍵が掛かる音が聞こえてきた。

  「猪田さん、どうぞ座って下さい!」

  「へっ?」

  座ってええって……作業はどうするんやろう?

  今の状況が、なんやよう分からんくて、ワイは面喰ってしもうておった。

  山田くんは、呆けた顔で突っ立っとるワイの背中にそっと手を当てると、そのまま壁際の布団が積まれとる所へと促してくれた。

  そこまで行くと、高く積まれた布団を背にして、二人して腰を下ろした。

  ゆっくりと背中を預けてみると、固い煎餅布団がワイのデカい体をしっかりと支えてくれた。

  他に誰もおらん静かな部屋で、山田くんと二人きりになれたお陰か、刑務所に来てからずっと張り詰めとった緊張の糸がスゥーっと解けていった。

  布団にもたれかかりながら天井を見上げると……フゥーっと大きく息を吐いて、ゆっくりと瞼を閉じた。

  こないにホッと出来たのは、いつ振りやろうか……

  「ごめんなさい。猪田さんとちゃんと話がしたくて……嘘をついて、こんな所に来てもらってしまいました」

  「ほないな……山田くんが謝る事なんか、なんもあらへん。ほんまにおおきにな……ほやけど、こないに畏まってワイに話って、なんやろうか?」

  「その、猪田さんは……何か、隠し事をしていますよね?」

  「なっ!?……何を言うとるん……山田くんに隠し事なんか、なんもしてへんで?」

  「……いえ、これでも僕は刑務官です。猪田さんの様子が尋常ではない事は、ずっと見ていたのでわかります」

  「……ほ、ほんまに……何でもないんよ。腹が……ちょっとおかしいだけやから」

  全部、見透かされとったんや……

  精一杯張っとった虚勢も、元気な振りをしとったのも、なんもかも見抜かれとった。

  上手いこと誤魔化し通せておると、高を括っておった自分が……あまりにも滑稽で恥ずかしかった。

  山田くんの顔をまともに見ることもできんで、ガックリとうなだれとると……ワイの手の甲に、山田くんが手を重ねて、そっと握ってきた。

  「猪田さんから見たら僕はまだまだ子供で……頼りがいがあるようには、全然見えないかもしれません。だけど、猪田さんが辛い思いをしているのなら、なんとしても力になりたいんです!」

  「山田くん……」

  「どうか、僕の事を信じてほしいんです……お願いします」

  ゆっくりと顔をあげると、すぐに山田くんと目が合うた。

  山田くんは目を震わせておって、今にも泣きだしてしまいそうやった。

  ほやのに、唇を嚙み締めながら、ワイの目を片時も離さんように見つめてきとる。

  その顔を見とったら、この子にだけは、もう絶対に嘘をついたらあかんと思うた。

  ほんまの事を言おう。そう思うて、口を開けた。

  「…………………」

  ほやけど、やっぱり言えへんかった。

  信じてないからやない。この子だから……この子にだけは、絶対に言えへんのや。

  「言えへん……山田くんの事は信じとるし、気持ちもほんまに嬉しい……ほやけど、どうしても言えへんのや」

  「猪田さん…‥」

  「ほんまに……ほんまに堪忍してな」

  山田くんに申し訳のうて、自分が情けのうて……ワイは只々、深く頭を下げて謝る事しかできへんかった。

  ポロポロと目から止めどなく溢れ出る涙が、ワイの手を握ってくれとる山田くんの手にポタポタとこぼれ落ちて、おぼこい手をしとどに濡らしていく。

  すると、ずっと握ってくれとった山田くんの手が、ゆっくりと離れていってしもうた

  柔らかな温もりを失ったワイの不恰好な手に、ぬるい涙がポツポツと落ちていく。

  あぁ……ついに見限られてしもうたんか。

  しゃあない……ええ年して、メソメソ泣いとるおっちゃんやなんて、みっともないさかい。

  そうやって自分を納得させようとしたんやけど、やっぱりどうしようもないぐらい辛うて……心が張り裂けてしまいそうやった。

  その時やった。大泣きしてしまいそうなのを必死に堪えるワイに、山田くんが正面から抱きついてきたんや。

  「や、山田くん……!?」

  突然の思い掛けない出来事に、心の底から驚いてしもうた。

  あまりにびっくりしすぎて、もう泣いとるどころやなかった。

  こないな時、どうすればええのか全然分からんくて、アワアワと両腕を宙で漂わせてしまう。

  「……ごめんなさい。僕、もう無理に聞いたりしません。だから……泣かないで下さい」

  山田くんの声は、震えておった。

  ワイの胸元に顔を埋めて、子供のように縋り付いてくる体も、小刻みに震えとる。

  なんで……なんでワイのなんかの為に、この子が泣いとるんや。

  山田くんに泣いて欲しゅうなくて、泣いとるのを止めたくて……

  ワイは居ても立っても居られんで、彷徨わせていた両腕を回すと、そのちっこい体を力一杯に抱きしめた。

  「男は……男は泣いたらあかん!!ワイはもう絶対に泣いたりせぇへん。ほやから、山田くんも泣かんといて……せっかくの男前が台無しさかい」

  鼻水を思いっ切り啜ると、目から流れ出る涙を歯を食いしばって止めた。

  もう絶対にワイは泣かん!ワイが泣いたら、山田くんが泣いてまうさかい。

  「……猪田さん」

  スズっと、山田くんの鼻水を啜る音が聞こえてきた。

  「……僕も、もう泣きません!」

  「よぉしっ!!ええ子や!」

  山田くんの心持ちが嬉しゅうて、その毬栗頭をワシワシと撫でてやる。

  頭を撫でてやっとると、山田くんがまるで自分の子供みたいに思えてきて、おぼこくて堪らんくなってしもうた。

  ええ年の子やと言うのに、坊にするみたいにギュウッと抱き寄せて、スリスリと頬擦りまでしてまう。

  ……んっ?なんやろう。腹に硬いもんが当たっとる。警棒やろうか?

  このまんまやと、ワイはともかく山田くんが痛いかもしれへん。

  ちょっと横にずらしたろ。よっと……

  「っあ……!!」

  「警棒ぶつかって痛いやろう?ちょっと失礼するで」

  「あっ……そ、それは……」

  この警棒、服の中にあって、上手く掴めへん。

  山田くんのズボンの中に手を突っ込んで……おっ、あったあった!

  むぅ……なんや布に包まれとるせいで、引っ張っても上手く動かせへん。

  なんや、ベチョベチョしとるな。ワイのせいで汗かかしてしもうたんやろうか。

  もうちょい力を入れて、ギュッと握ってみよか。よっこいしょ!!

  「あっ……だめぇ……あぅっ!!!!」

  「や、山田くん!?どないしたんや!」

  突然、山田くんが悲鳴みたいな声を出したかと思うたら、子供みたいにしがみついてきよった。

  息もえらい荒いし、大丈夫やろか…………って、なんや!?この警棒、動いとるで!!

  なんやヌルヌルしよるし……それに、このどっかで嗅いだことのある匂い……

  まさかこれ……山田くんのちんぽか!?

  「おわっ!?す、すまん!!ワイ、警棒と勘違いしてもうて……」

  「ふぅ……ふぅ……だ、大丈夫です」

  自分がとんでもない事をしてしもうた事に気付いて、まるでカニに手を挟まれたみたいな勢いで、慌ててズボンから手を引き抜いた。

  引き抜いた手を見てみると、掌に白いヌルヌルしたもんがベッタリとついておった、

  やってしもうた……こないなええ子に、なんちゅう事をしてしもうたんや。

  「ほんまに堪忍してな……ワイみたいなおっちゃんに、大事なとこ触られてしもうて……えらい気色悪かったやろう?」

  「い、いえ、そんな事ありません!」

  「ほやけど……」

  「ほ、本当に大丈夫です!……その、大丈夫というか……嬉しかった……です」

  「へっ?」

  「ぼ、僕……その……猪田さんの事が……す、好き……なんです」

  「ワイの事を好きって…………ええっ!?……も、もしかして……」

  「……猪田さんの、思っている通りです。ごめんなさい……気持ち悪い……ですよね」

  「ほ、ほないな事はないけど…………ほやけどワイ、こないに肥えとるし……顔やって芋臭うて……ええとこなんか、一つもあらへんから」

  「そんな事ないです!!……猪田さんは、とても素敵です!」

  「そ、そうやろうか?ほないな事言われたの、初めてやで」

  「はい!大きな体も男らしい顔も、全部凄く格好良いです!!」

  「ほ、ほないに言われてしもたら、照れてまうで!……でへへ」

  「ですから、僕……」

  ブッー!!ブッー!!

  山田くんが何かを言おうとすると、それを遮るように作業時間終了のブザーの音が、けたたましく鳴り響いた。

  「あっ!!……しまった。猪田さん、すみません。急いで、戻らないと……」

  「わかった!あっ、山田くん、パンツだんないか?ワイの褌で良かったら貸すさかい!」

  「えっ!?……だ、大丈夫です!更衣室に着替えがありますから……ひ、ひとまず戻りましょう!!」

  「そ、そか!」

  それから二人して駆け足で急いで作業室に戻ると、中で監視しとった武藤さんに見つかってしもうて、ワイだけやなく山田くんまで、おっかない顔でギロッと睨まれてしもうた。

  えらいドヤされるんやないかと、心臓がバクバクしとったんやけど、武藤さんは何も言わずにプイッとそっぽを向いて、そのまま歩いて行ってしもうた。

  なんやわからんけど、とりあえずなんもお咎めなしで済んだみたいやさかい、ワイらは顔を見合わせてホッとしとった。

  武藤さん、意外とええ人なのかもしれへんなぁ。

  ***

  刑務所に入れられてから、早くてもう21日も経った。

  今日もワイは作業室で、せっせと椅子作りに励んでおる。

  熊代に欠かす事なく毎晩尻をやられとるせいで、相変わらず身体はしんどい。

  ほやけどあの日から、山田くんの顔を見るだけで、えらい元気が出るようになった。

  あの子のおぼこい顔を見とると、こう……心がじんわりと温かなるんや。

  それに、心だけやなくて……顔もなんか熱うなってきてまう。

  初めて人から好きやなんて言われたからやろうか。

  色恋なんて自分には無縁やと思うて、ずっと一人で生きてきたさかい。

  やから、あんなおぼこい子に告白されて、のぼせ上がっとるのかもしれへん。

  それとも……もしかして、ワイも山田くんの事が……

  「…だ……おいっ、猪田!!」

  「へっ?」

  物思いに耽るワイを咎めるような大きな声が耳に届いてきた。

  なんやろ思うて顔を上げると……なんと武藤さんが、鬼の形相でワイの事を見ておった。

  「す、すんまへん!ワイ、ちょっと考え事しとって……」

  「いや、それは構わんが……それよりお前、山田が何処にいるか知らないか?」

  「山田くんでっか?ここでは見てまへんけど……」

  「そうか……ならいい。作業に戻れ」

  「は、はい!」

  ワイの返事を聞いた武藤さんは、いかめしい顔をしたまま向こうに歩いて行った。

  山田くんを探しとったけど、どうかしたんやろうか?

  真面目なあの子がサボりなんかせえへんやろうし、腹でも壊して便所に篭ってるのかもしれへんな。

  ブッー!!ブッー!!

  「作業終了!!速やかに後片付けを済ませろ!」

  おっと、急がな看守にドヤされてまうわ。

  武藤さんが探しとるみたいやし、山田くんはしっかりした子やさかい、だんないやろ。

  急いで後始末を済ますと、看守に連れられて、そのまま自分の監房へと戻った。

  監房に戻ると、熊代がこっちに背中を向けて畳の上に横になっとった。

  ふぅ……こいつの顔なんか見とうないから、助かったで。

  「おう……看守はもう行ったか?」

  「へっ?……はい、もう行きはりましたわ」

  熊代が横になったまま、こっちに顔も向けんで話しかけて来よった。

  なんや……寝とったら良かったのに。

  「なら大丈夫だな。実はおめぇに見せてやりてぇもんがあってよぉ……待ってたんだぜ?」

  「……なんでっしゃろう?」

  なんやろう。こいつがワイになんか見せたいやなんて、嫌な予感しかせえへん。

  固唾を飲んで次の言葉を待っとると、熊代は口を開く代わりに、おもむろに体を起こしていった。

  そうして今までその巨体の向こうで隠されていたもんが見えた瞬間、ワイは考える間もなく声を上げとった。

  「や、山田くんっ!?」

  「おいおい……あんまり大きな声出すんじゃねぇよ」

  そこにおったのは、紛れもなく山田くんやった。

  体を縛られて身動き取れんようにされとる上に、口に猿轡までかまされて……怯え切った目でワイの事を見とる。

  なんで……なんで山田くんがこないな目に……

  「こいつがよぉ、俺がおめぇになんかしてねぇかって聞いてきたんで……正直に答えてやったんだよ。そしたらこいつ、すげぇ剣幕で怒り出しやがって……」

  「そ、そんな……」

  「こいつは新入りで知らねぇみてぇだから、教えてやったんだよ。

  ここじゃあ囚人同士の事には、看守が不干渉でいるのが暗黙の決まりとしてあるってな。

  こんなボロい刑務所で、俺らが大人しくしてんのは、そういうワケがあんだよ。

  だけど、こいつ引き下がんなくてよぉ……だから、条件を出してやったんだ。

  一回だけでいいから、その美味そうな体を好きにさせてくれんなら、アイツにはもう手を出さねぇ……ってな。

  ぐひひ……そん時のこいつのツラ、おめぇにも見せてやりたかったぜ」

  「ま、まさか……もう山田くんに手ぇ出したんかっ!?」

  「あぁ?馬鹿かおめぇ……何のためにこんなご馳走を前に、お預けしてたと思ってんだよ。こいつがやられる所を、おめぇに見せてやる為に決まってんじゃねぇか?」

  「な、なんやって!?」

  「おめぇらデキてんだろ?このガキ、人間の分際で俺の雌に横から手ぇ出して来やがって……おめぇ諸共、きちんとお仕置きしてやんねぇとなぁ」

  「ほ、ほないな事したら……あんたもタダじゃ済まへんで!!」

  「おいおい?前にも言っただろうが。俺ぁ、もう3人も殺してんだ……こんぐらいどうって事ねぇよ。ぐひひっ……人間のガキを喰うのは久しぶりだからなぁ。手加減出来なくて、殺しちまうかもしんねぇ」

  こいつ……ほんまにまともやない。

  とにかく山田くんを、なんとしても助け出さな。

  どないすればええか、必死に考えるんや。

  看守はしばらく戻って来うへんし、大声出しても詰所まで聞こえへん。

  一か八か、熊代に全力で体当たりを喰らわしてみるか。

  ……あかん、無理や。ワイなんかじゃ……熊代には到底敵わへん。

  どないすれば……どないすれば山田くんを助けられるんや。

  ……そうや。これなら時間稼ぎくらいは、出来るかもしれへん。

  今のワイに出来る事は、これぐらいしかあらへんのや。

  ワイは急いでその場に膝をつくと、畳に手をついて額を擦り付けた。

  「すんまへん!!山田くんは……その子は、何も悪うないんや!ワイが、その子を無理矢理かどわかしたんや!仕置きも罰も、全部ワイが受けるさかい。どうか……どうかその子を、放してやってくだはいっ!!」

  「だっはっは!!おめぇ、そんなんでこいつを庇ってるつもりかよ?言われなくたって、おめぇも後でたっぷり可愛がってやらぁ。ぐひひ……自分のせいでこのガキがいたぶられる所を、しっかりと目に焼き付けるんだなぁ」

  土下座して懇願するワイを嘲笑うと、熊代は山田くんの服に手を掛け始めた。

  「や、やめぇっ!!!!」

  居ても立っても居られんくて、無我夢中で飛び起きて駆け出すと、渾身の力を込めて、熊代目掛けて体当たりをぶちかました。

  「うおっ!?」

  体当たりを受けた熊代は、態勢を崩して、そのまま後ろに尻餅をついた。

  その隙を逃さんと、ワイは急いで山田くんの上に覆い被さる。

  「この子には絶対に手を出させへん!!ワイが死んでも守るんや!!!!」

  山田くんを絶対に傷付かせへんように、全身を使って必死で覆い隠す。

  そのちっこい体は恐怖に震えて、ブルブルと震えとった。

  「雌の分際で舐めた真似しやがってぇ……望み通りにしてやらぁ!!」

  「ぐうっ!!!!」

  熊代が脇腹を何度も何度も蹴り上げてきた。

  それは、まるで石鎚を力一杯に打ち込まれとるようやった。

  痛くて、苦しゅうて……息が詰まって、上手く呼吸が出来へん……骨も内臓もめちゃくちゃにされてまいそうや。

  ほやけど、絶対に引かへん!!石に齧りついてでも、山田くんを守るんや!!

  「はぁ……はぁ……くそがぁ!!……そんならよぉ……これならどうだぁ!!」

  ガキンッ!!!!

  「ぐわぁぁぁっ!!!!」

  痛っ!!!痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたい!!!!

  口に猛烈な激痛が走って、思わず顔に手を当ててまう。

  ……なんや?ワイの……ワイの牙が……あらへん。

  慌てて周りを見回すと……雄の猪獣人にとっての誇りである大切な牙が……無惨に折られて転がっておった。

  「だっはっは!!どうだぁ……片玉とられたみてぇな気分だろぉ?このまんまだとおめぇ、雌と同じ姿になるぜ?……そうなりたくなけりゃあ、さっさとそのガキを渡しやがれっ!!」

  「い、嫌や!!この子は絶対に渡さへん!!!!」

  「ああ、そうかよ……なら望み通り、もう一本へし折ってやらぁ!!」

  「っ!!!!!」

  山田くんの体を必死に庇いながら、歯を食いしばって、痛みと衝撃に備える。

  その時ーー

  ドンドンドンドン!!!!

  「お前ら、何を騒いでいる!!」

  激しくドアを叩く音と共に聞こえて来たのは、なんと武藤さんの声やった。

  「武藤さんっ、山田くんが襲われとる!!助けてやっとくれ!!!!」

  「なんだと!?……すぐ開ける!!」

  勢いよく扉が開かれると、鬼の形相をした武藤さんが入って来た。

  「熊代っ……動くな!!……こちら、武藤。看守が囚人に襲撃されている。至急、応援頼む!」

  ほんまに良かった……ワイら、助かったんや。

  「くそがぁっ!!雌豚の分際でふざけやがってぇ!!!!」

  「ぐがぁっ!!!!」

  熊代が怒気に満ちた咆哮を上げたかと思うと、次の瞬間、どえらい衝撃と痛みが横っ面に襲いかかってきた。

  頭がグラついて……目の前が暗くなっていきよる……

  あかん……山田、くん……………

  ……

  ……………

  ………………………

  ……………………………………

  ……………………………………………………

  ………………………………………………………………

  「んぅ………ここは……どこや?」

  重たい瞼をゆっくりと開けると、ぼんやりと見慣れない真っ白な天井が目に入ってきた。

  ワイは……確か…………そうや!!

  「山田くんっ!!」

  山田くんを庇ったまま、意識が飛んでしもうた事を思い出して、慌てて布団を跳ね飛ばして飛び起きた。

  飛び起きて目に入ってきたのは、ワイの手を縋り付くように握っておる……山田くんの姿やった。

  「猪田さんっ!!目が覚めたんですね……本当に良かった……」

  「山田くん、怪我はあらへんか!?熊代は……ぐうっ!!」

  「無理に動いちゃダメです!!……ここは病院です。猪田さんのおかげで、僕は大した怪我はしていません……どうか落ち着いてください」

  「……そうか」

  守れたんや……ワイ、山田くんを守り切る事が出来たんや。

  ほんまに……ほんまに良かった。

  「猪田さん、本当にごめんなさい……僕のせいで……猪田さんが………うぅっ………」

  張り詰めていた糸が切れた様に、山田くんがわんわんと泣き出してしもうた。

  おぼこい顔をぐしゃぐしゃにして、鼻水を垂らしながら、ボロボロと涙を流しておる。

  ワイの手をギュッと握り締めるその小さな手は、小刻みに震えとった。

  まったく……この坊はしゃあないなぁ。

  ワイは山田くんのおでこに、力一杯デコピンしてやった。

  「痛っ!!」

  「アホっ!!男は泣いたらあかんて、言うたやろうが!!」

  「……い、猪田さん」

  山田くんは面食らった顔して、泣き腫らした目でこっちを見とる。

  デコピンした手をゆっくりと動かすと、そんなおぼこい坊の頭を、わしわしと撫でてやった。

  「こんな怪我ぐらい、どうって事あらへん……お前さんが無事で、ほんまに良かった」

  「……猪田さん」

  泣いたらあかん言うたばかりやのに、山田くんは輪をかけた様に、わんわんとまた泣き出しよった。

  ほんまに、しゃあない坊やなぁ。

  ***

  あれからワイは1ヶ月間、入院する事になった。

  ほんまはそれほど酷い怪我やなかったみたいなんやけど、ワイがしっかり療養できる様に、武藤さんが取り計らってくれはったらしい。

  あの時も、山田くんを心配した武藤さんが、刑務所中を探し回ってくれたから助かったんや。

  ほんまにいくら感謝してもしきれへん。

  熊代の奴は、看守を襲うたという事で、あれからすぐに独房送りにされたそうや。

  人間の看守を襲うた罪は、えらい重いらしゅうて、もう独房からは戻って来れへんやろうという事やった。

  それを聞いて、ワイはホッと胸を撫で下ろしとった。

  そうして1ヶ月もゆっくり休ませて貰うた後に、退院して刑務所に戻ったワイを待っておったのは、なんと翌日での釈放の知らせやった。

  入院しとる間に、山田くんと武藤さんが、ワイがやった事になっとる強盗事件について調べてくれはったらしい。

  そうしたら……ボロボロと警察の捜査の穴が出て来たんやと。

  その事について、二人が警察に詰め寄ると、担当した警官から渋々ながらも事の真相を告げられたそうや。

  なんでも……ある有力者の息子が面白半分で、仲間と強盗事件を起こしたらしい。

  息子の方はすぐに捕まったんやけど、そいつの父親に頼まれた警察のお偉いさんが、すぐに釈放と揉み消しをさせるように命じたんやと。

  そうやって事件を揉み消すために……身代わりとしてワイを犯人に仕立て上げたそうや。

  酷い話やけど……獣人にとっては、特別珍しい話ではなかった。

  そして、二人が直談判をしに行って数日も立たんうちに、突然ワイの釈放が決まったらしい。

  表向きは、身を挺して看守を守った事に対する情状酌量によるものらしいんやけど……ほんまは、二人にそれ以上事件について嗅ぎ回られん様にする為に、色々と手が回されたのは明らかやった。

  ワイに事の顛末を聞かせてくれた山田くんと武藤さんは、二人とも憤りを隠せんでおった。

  何でかというと……こうやって刑務所から出られるいうても、無罪放免になるわけやない。

  ワイは強盗事件の犯人として、刑期を終えて出所する事になる。

  つまり……これから先、ワイは前科者の烙印を背負って、生きて行かなあかんという事やった。

  二人はワイが望むなら、もっと上の方に直談判するって言うてくれはった。

  そう言うて貰うて……ワイはえらい悩んだ。

  もしかしたら、無罪になって家も店も戻って来るかもしれへん……そう思うたからや。

  そうやって悩んだ末に……二人の気持ちだけありがたく貰うて、断る事にした。

  相手は、警察に介入できるほどの力を持っとる。

  もしその矛先が、山田くんと武藤さんに向いてしもうたら……ここまでしてくれた二人に申し訳が立たへん。

  ほんまなら、まだまだ刑務所に居らなあかん所を、こないに早う出られる事になったんやさかい……それだけで、もう十分過ぎる。

  山田くんと武藤さんには、ほんまにいくら感謝してもしきれへん。

  ワイは二人に何度も何度も頭を下げて、これまでしてくれはった事への礼を伝えた。

  こうしてワイの刑務所暮らしは、ようやく幕を閉じる事ができたんやった。

  ***

  「猪田、もう絶対にこんな所に戻ってくるんじゃないぞ……達者でな」

  「はい……武藤さん、ほんまにお世話になりました!このご恩は絶対に忘れまへん!!」

  「……そんなもんはさっさと忘れろ。山田、責任を持って猪田を送り届けるんだぞ!」

  「はい!!それでは猪田さん、行きましょうか!」

  「そ、そやな。山田くん、よろしゅう頼むで!」

  刑務所の出口。見送りに来てくれた武藤さんに深々と頭を下げると、刑務所に背中を向けて、ワイは山田くんと歩き出した。

  なんで山田くんと一緒なんかというと、出所するワイの付き添いをする為に、わざわざ休みを取ってくれたんやて。

  山田くんの気持ちは、ほんまに嬉しいんやけど……帰ろうにも帰る家がないワイは、内心えらい焦っておった。

  どないしよう……ほんまの事は、口が裂けても言えへんし……

  「あの……猪田さん?」

  「な、なんや?」

  「その……実は僕の住んでいるアパートが、ここからすぐ近くなんです。もし猪田さんさえ良ければ、是非寄っていってください!」

  「ほらワイは全然構わんけど……ワイみたいな片牙の獣人を家に上げたりしたら、山田くんに迷惑を掛けてしまうんやないか?」

  「そんな事、全然気にしなくて大丈夫です!本当にすぐそばですから……こっちです!」

  「お、おう!」

  ……

  …………

  ……………………

  …………………………

  …………………………………

  そうして案内された山田くんのアパートは、ワイの村では見た事もあらへん様な、綺麗でハイカラな建物やった。

  上がらせて貰うた部屋も、小ぢんまりとしとって、ちゃんと風呂も台所もついておる、ええ住まいやった。

  やっぱし、都会の子はちゃうなぁ。

  「すみません。いま麦茶しかなくて……」

  「ガッハッハ!!かまへんかまへん。ワイ、麦茶大好きやさかい!」

  山田くんがテーブルに置いてくれた麦茶のコップを手に取ると、ゴクゴクと飲み干した。

  「ふぅっ、冷くて美味いわぁ」

  「午前中とはいえ、結構暑かったですもんね」

  「そうやなぁ。ワイなんか……ほれ!ちょっと外歩いただけで、こないに汗かいてしもうたわ!」

  ワイは甚平の襟を捲ると、群青色の布地が汗に濡れて黒くなってしもうとるのを見せた。

  すると、それまでなんともなかった山田くんの顔が、みるみるうちに赤くなっていった。

  どうしたんやろう?……もしかして、風邪でも引いとるんやろうか?

  「山田くん、だんないか?なんや顔が赤うなっとるで」

  「えっ!?……だ、大丈夫です。なんでもありません」

  「ほんまか?……もしかして熱でもあるんやないか?」

  隣に座っとる山田くんにさらに体を寄せると、額同士ををくっつけて熱を測ってみた。

  う〜ん……ようわからん。テレビなんかやと、よくこうやって熱測っとるんやけど……

  鼻先がくっつくぐらい顔を近づけとるせいか、山田くんの匂いがいつもよりもはっきりと感じられる。

  ワイみたいな獣人とは違うて、どことのう甘くて優しゅうて……ほんまにええ匂いや。

  なんやろ……山田くんの匂い嗅いどったら、胸がえらいドキドキしてきよった。

  「い、猪田さん……」

  「ど、どないした?」

  「ぼ、僕……僕……」

  山田くん、おぼこい顔を真っ赤にして、えらいオロオロしとる……もしかして恥ずかしがっとるんやろか?

  あかん……ほんまにかわええ。

  ギュウッと抱きしめて、思いっきりちゅーしたいわ……

  山田くん、ワイの事を好きやって言うとったし……し、してもええんやろうか?

  「や、山田くん?」

  「な、なんでしょうか?」

  「山田くんは、今も……ワイの事を好いとってくれとるんやろうか?」

  「は、はい!!もちろん、今も猪田さんの事が好きです!!」

  「そうか!!……ワイ…………ワイは………」

  「……猪田さん?」

  「その……実は、ワイ……今まで、誰かと付き合うたりした事がのうて……そういう好きが、どないなもんなのか……正直、まったくわからへんのや」

  「そう……なんですか……」

  「ほやけど……山田くんは、ほんまにおぼこくて、ほんまにええ子で………一緒におると、ギュウッと抱きしめとうなって……ちゅ、ちゅーもしとうて、堪らんくなるんや!」

  「猪田さん……!」

  「もし、これがそういう好きって気持ちなんやったら……ワイ、山田くんの事が大好きや!!大好きやさかい……ちゅーしたい……え、ええか?」

  「もちろんです!!僕も……猪田さんとキスしたいです」

  「ほんまか!?じゃ、じゃあ、ちゅーするでっ!!」

  辛抱堪らんくなったワイは、山田くんを抱えるようにしてギュウッと抱き寄せると、そのおぼこい唇に、自分の唇を押し付けた。

  や、やわこい……ワイの唇なんかとは、まるでちゃう。

  温くて、ぷりぷりしとる……赤ん坊みたいや。

  あぁ……気持ちええ。ちゅーしとるだけやのに、とろとろと蕩けてしまいそうやわ。

  ちゅーって、こないに気持ちええもんなんや……

  ワイは夢中になって山田くんの唇を貪ると、そのまま頬っぺた、目元、額、首元と手当たり次第にちゅーをしていった。

  「……んぅ……あっ……」

  ちゅーされとるだけやというのに、山田くんは今まで見た事もあらへんような助平な顔をして、切ない喘ぎ声を上げとる。

  堪らへん……ほんまにかわええ。

  ちゅーだけやなくて……エッチしたい。

  「山田くん?」

  「……は、はい」

  「ワイ、山田くんと……エッチがしたい。……え、ええやろか?」

  「ぼ、僕もしたい!……です」

  「じゃ、じゃあ……と、とりあえず布団敷かなあかんでな。手伝うから、一緒に敷こか!」

  「は、はい!」

  …………

  ……………………

  ………………………………

  そうして大急ぎで二人で協力して布団を敷いた後……なぜかワイらは、布団の上で向かい合うように正座をしたまま、固まってしもうておった。

  ワイが何の気無しに腰を下ろして正座をしたら、山田くんも釣られるように正座を始めて……そのまま言葉を交わすこともせんで、かれこれ10分ほど経ってしまっとる。

  お互いチラチラと様子を窺い合ってはおるんやけど……どないしたらええのかわからへん……

  ……やっぱし、ここはワイが口火を……

  「あ、あの……」

  「はひっ!?……な、なんやろ?」

  「その……と、とりあえず……服を脱いでみませんか?」

  「そ、そうやな……裸にならんと、エッチ出来んさかい」

  山田くんの提案に促されて、ワイは自分の甚平の結び目に手を掛け始めた。

  むぅ……なんか言う前に、先を越されてしもうた。

  年長者として、山田くんをしっかりリードせなあかんというんに……ちょっと格好悪いわ。

  いや……ここからや。こっからワイが山田くんを、ばっちりリードするんやさかい!

  ほないな事を考えとったら、いつの間にか着とるもんを粗方脱ぎ終えとっていて、あと身に付けとるんは褌一枚になっとった。

  山田くんの前で褌を外すの……やっぱし恥ずかしゅうな。

  刑務所で、すっぽんぽんもちんぽこも、なんもかも見られてしもうとるんやから、今更隠してもしゃあないんやけど……

  「ぬ、脱ぎました……」

  「そ、そか!ワイもすぐに脱ぐ……さかい……!?」

  声を掛けられて、山田くんの方を向いた途端、思わず目を疑うてしまうほどの、どえらいもんを見てしもうた。

  すっぽんぽんになって、恥ずかしそうに顔を赤らめとる山田くんの股座には、あの熊代に勝るとも劣らへん……どえらいデカいちんぽが、天を突いて勃っとったんや。

  しかもデカいだけやなくて、皮が剥けて亀頭がしっかりと顔を出しとる上に、立派なエラまで張っておる。

  ちんぽの下の玉袋の中では、デカい二つの金玉がゴロンゴロンしておった。

  「山田くんのちんぽこ……ほんまにでっかいわぁ!!」

  「そ、そうですか?」

  惚れ惚れしてまうほどの立派なちんぽこを前に、思わず感嘆の声を漏らしてしもうた。

  一人の雄として、劣等感は感じてしまうんやけど、それ以上に羨望を感じずにはおれんかった。

  まさか山田くんのちんぽこが、こないにまで立派やなんて……

  「ぼ、僕も……猪田さんのちんちんが見たいです」

  「へっ!?……ほ、ほやけど……」

  「ダ、ダメ……ですか?」

  ワイが躊躇っておると、山田くんはおぼこい顔をシュンとさせてしもうて、ほんまに悲しそうやった。

  うぅっ……ほないな顔されてもうたら、絶対に嫌やなんて言えへんよ。

  ……しゃあない。ワイも脱がんと、何も始まらんさかい。

  山田くんも恥ずかしゅうのを堪えて、すっぽんぽんになっとるんや。

  ワイも男やさかい……腹を決めな。

  「ダ、ダメやない!すぐに脱ぐさかい。ちょっと待っとってな……」

  「は、はい!」

  自分の褌に手を掛けると、緊張で震えてしもうとる指を懸命に動かして、なんとか結び目を解いた。

  やっぱし恥ずかしゅうて、寸刻躊躇ってしもうたけど……山田くんの為やと思うて、思い切って褌を外して、未練が残らんように布団の外にポイっと放った。

  すっぽんぽんになってしもうた……うぅ……恥ずかしゅうわ……

  いま自分が、山田くんからどないな風に見えとるかが気になって、身を屈めて、太鼓腹の下に隠れとる股座を覗き込んでみた。

  そうしたら、股座の濃い茂みの中から、ガチガチに大きゅうなったちんぽが、ちょっとだけ顔を出しとるのを、かろうじて見る事ができた。

  ほんまにちっこくて……山田くんのもんとは比べもんにならへん。

  恥ずかしゅうて、すぐにでも股座を両手で覆い隠しかったんやけど……グッと堪えて、ふわふわ宙を漂っとる手を、胡座をかいとる膝の上にのせた。

  「ち、ちっこくて……笑うてしまうやろ?」

  「そんな……僕、絶対に笑ったりなんかしません!……猪田さんのちんちん、凄くかわいいです」

  「か、かわええっ!?」

  「はい!その……もっと傍に行っても……良いですか?」

  「う、うん。もちろんええよ」

  山田くんは、おずおずとワイの隣までハイハイしてきた。

  そうして隣に来ると……なんでか正座しよった。

  なんやろと思うて見とると、恥ずかしそうにワイの顔をチラチラと見上げてきよる。

  かわええなぁ……ワイに抱いて欲しいんや。

  ワイはそんな山田くんの肩に腕を回すと、グイッと胸元に抱き寄せてやった。

  「ひゃっ……」

  「ほないに固くならんでええ……なんでも山田くんのやりたい様にしてええんやよ」

  「は、はい……」

  そう言うてやると、山田くんは遠慮がちにやけど、ワイの体に腕を回して抱きついてきた。

  ワイも、そのちっこい体を両腕で抱き返すと、坊にするみたいにポンポンと背中を優しゅう叩いてあげた。

  すると、すりすりとワイの胸に頬擦りして、子供みたいに甘えだしよった。

  ほんまにかわええ……ワイに安心して身を任しとるんや。

  でへへ……今のワイ、山田くんをばっちりリードしとってて、えらいカッコええんやないの?

  よっしゃ!この調子でリー……

  「うひゃっ……!?」

  突然、ちんぽから蕩けてまいそうな快感が迸って、思わず素っ頓狂な声を上げてしもうた。

  慌てて見下ろしてみると、ワイの股座の茂みに、山田くんが手を入れてちんぽこを触っておった。

  「ご、ごめんなさい……痛かったですか?」

  ワイが大きゅう声を出したせいで、山田くんを驚かせてしもうた。

  不安そうな顔で見上げてくる山田くんの頭を、優しゅう撫でて安心させてあげる。

  「ほ、ほないな事あらへん!遠慮せんで触ってええで」

  「は、はい!」

  山田くんは返事をすると、またすぐにワイのちんぽこを触り始めた。

  「んっ……」

  また声が出てしまいそうになるのを、口を固く閉じて堪える。

  やわくてスベスベな手が、ワイのちんぽを包み込むんで、優しゅう揉んでくれとる。

  ほんまに気持ちええ……こないなかわええ子が、ワイのちんぽを触ってくれとるんや。

  今度は華奢な指先がちんぽの先っぽを摘むと、ゆっくりと皮が下ろされていった。

  途端に、痺れてしまいそうな甘い快感がちんぽから込み上げてくる。

  「……っ………ふぅ……」

  声を出さん様に、唇を噛んで必死で堪える。

  山田くんに善がり声を聞かれてしもうたら、恥ずかしゅうさかい。

  皮を下ろされて顔を出した亀頭を、山田くんがしげしげと眺めておる。

  うぅ……えらい恥ずかしゅうわ。なんやおかしなところとか、ないとええけど……

  じっくり見て満足したのか、今度はちんぽの皮を戻したり、下ろしたりと、まるでせんずりかくみたいに動かし始めた。

  「っ……うっ……んっ……」

  あかん。めっちゃ気持ちええ……ちんぽが蕩けてしまいそうや。

  ぎょうさん先走りが出始めよったせいで、扱かれる度に粘っこい音が響きよる。

  クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ

  「うぁ……あっ………あぁっ………ひぅっ……」

  あかん、声抑えられんくなって来てもうた。それに……で、出そうや!

  「や、山田くんっ………ちょ、ちょっとタンマや!」

  「えっ?」

  ええ年したワイが、山田くんより先に出してしもうたら、ほんまにカッコ悪いで……

  どないしよう……出そうやから、触ったらあかんなんて言えへんし……

  そうや!今度はワイが山田くんを気持ち良うしてあげたろ。

  「山田くん、泣き所って知っとるか?」

  「いえ……なんだか痛そうですね」

  「ちゃうちゃう!尻の中にあるんやけど、そこをちんぽで擦られると、えらい気持ちええんや」

  「お、お尻の中にですか!?」

  でへへ……驚いとる。なんも知らへんのや……ウブでかわええなぁ。

  ワイが山田くんの泣き所をちんぽで擦って、気持ちようしてあげよ!

  そうしたら、山田くんも出すやろうし、その後ならワイが出してもカッコ悪うあらへん。

  しかも、ワイは筆下ろしをして、童貞やのうなる事が出来る!

  よっしゃ!ばっちりリードするでぇ!!

  「そやで!ワイが山田くんを気持ちようしたげるさかい。ちょっと横になってみぃ」

  「は、はい!……こうですか?」

  「そやそや。次は赤ん坊がオムツ替えてもらうみたいに、股を大きゅう開いてごらん」

  「えぇっ!?……は、恥ずかしいです」

  「だんない!ワイも入所する時に、山田くんに尻の穴を弄られとるんや。おあいこやから、なんも恥ずかしゅう事あらへん!」

  「そ、そうですね……」

  山田くんはえらい恥ずかしそうにしとったけど、ワイの言う通りに、股を大きく開いてくれた。

  山田くんの尻は全然毛がのうて、スベスベしとって赤ん坊みたいやった。

  緊張しとるのか、窄まった尻の穴が、ピクピクとひくついとる。

  「よしよし、ええ子や。すぐにちんぽ入れると痛いさかい。解したるからな」

  「は、はい……」

  山田くんの尻の穴に指を当てると、痛うないように、ゆっくりと挿し込んでみた。

  ひとの尻の穴に指を入れるやなんて初めてやさかい……なんやお医者さんごっこしとるみたいやわ。

  「山田くん、痛うないか?」

  「だ、大丈夫です」

  「無理せんで、苦しゅうなったらすぐに言うんやで!」

  「はい!」

  素直でええ子や。かわええわぁ。

  ズボ……ズボ……ズブズブ……ズブ……ズブズブ……

  ふんふん……そろそろええかいな?

  ワイのちんぽはちっこいさかい、こんだけ指で弄れば、だんないと思う。

  「山田くん、準備できたから、ちんぽ入れるで!」

  「は、はい!お願いします……」

  「なんも恐がらんでええ。ワイが優しゅうしたげるさかいな」

  不安そうな顔でこっちを見上げとる山田くんが安心できる様に、お腹をポンポンと叩いてあげる。

  すると、ワイの気持ちが伝わったのか、ぎこちのうだけど、ニコッと笑顔を見してくれた。

  ほんまに優しゅう子や……こら抜かる事は出来へんで!

  「今から挿れるさかい。痛かったり、しんどかったら、すぐ言うんやで!」

  「はい!」

  掌にぺッと唾を吐くと、茂みの中から顔を出しとるちんぽに入念に塗り込んでいく。

  中にも塗ろうと思うて、ガチガチに大きゅうなっとるちんぽの、先っぽまで被っとる分厚い皮を指で下ろした。

  顔を出した亀頭は、先っぽからダラダラと先走りを流しておった。

  皮の中で先走りをぎょうさん浴びたのか、亀頭は唾で湿らせるまでもあらへんほど、べチョベチョに濡れて、ヌラヌラしとった。

  ちんぽを摘み直すと、狙いを澄まして、山田くんの尻の穴にあてごうた。

  指と腰を使うて、ゆっくりと慎重に挿し込むと……ついに山田くんの尻が、ワイのちんぽを根元まで咥え込んでくれた。

  山田くんの中は、温くて、柔くて……腰も振っとらんのに、ちんぽが蕩けてしまいそうやった。

  あかん……挿れとるだけで出してしまいそうや……こ、堪えんと。

  しっかり腰を振って、山田くんを善がらせて、気持ちようしてあげるんや!

  「入ったで!山田くん、だんないか?」

  「だ、大丈夫です!」

  「よしよし。これから腰を振って、山田くんの泣き所をちんぽで擦るさかい。えらい気持ちええから、もし出しとうなったら、ワイに遠慮せんで出してええからな!」

  「はい!」

  「ええ子や。おっちゃんが、うんと気持ちようしてやるさかい」

  山田くんの両足を抱え込むと、ちんぽが抜けてしまわんように気をつけながら、慎重に腰を振り始めた。

  腰を動かすと、ヌメッとした肉壁がちんぽに絡みついて、絞るようにきつく締めつけたかと思うたら、今度は逆に緩うなって、やわやわと包み込んできた。

  それはまるで意志を持った生き物みたいで、ワイのちんぽの気持ちええとこが全部わかっとるかのように、余す事なく舐めしゃぶり回してきよる。

  尻に入れるのが、まさかこないなまでに、ええもんやったなんて……

  ほんまに気持ち良うて、ほんの数回腰を振っただけやというのに、ワイのちんぽは、もうとろとろに蕩けてしもうた。

  「んぁっ……気持ちええっ……堪らへん……んっ……山田くんも、気持ちええか?」

  「えっ?……は、はい!凄く気持ちいいです」

  「そかそか!もっと気持ち良うしてやるさかい……んぅっ……」

  山田くんの泣き所やと思う場所に当たりを付けると、一心不乱に腰を振って、ちんぽを突き入れた。

  ちんぽを引き抜く様に腰を引いたら、今度は腰を入れて、一気にちんぽを泣き所へと打ち込む。

  ちんぽで泣き所を抉ると、ゴリュゴリュと擦れて、いつも皮を被っとる亀頭の粘膜が、こそぎ落とされてしまいそうやった。

  腰を振ってちんぽを抜き挿しする度に、これまでしてきたせんずりなんか足元にも及ばんほどの、痺れてまいそうな甘い快感が迸る。

  ほんまに気持ちええ…………ほやけど……も、もう限界や…………

  「ぐぅっ……山田くん……そろそろ出そうか?……んぁっ……む、無理せんで……ええんやで?」

  「えっ!?……す、すみません。もうちょっと掛かりそうです!」

  「なんやて!?……あ、あかん……ワイ、もう出てまう……止めな……っあ……気持ちえぇ……あぅっ……腰、止まらへん……んぅっ……あかん……あかん…………んぐぅっっっ!!!!!」

  頭では止めなあかんとわかっとるのに、ちんぽが気持ち良すぎて止められんで、ガツガツと腰を振り続けてしもうた。

  出さへんように歯を食いしばってんけど、堪える事が出来んで、ワイは激しゅう腰を振りながら、山田くんの中にドビュッ!!!!ドビュッ!!!!とぎょうさんの子種を吐き出してしもうた。

  「あっ……気持ちええっ……っう……あぁっ……」

  山田くんの中はほんまに気持ち良うて、ワイは腰を動かすのを止められんで、出し終わった後も余韻に浸りながら、ヘコヘコと腰を振り続けてしもうた。

  ………

  ………………

  …………………………

  「山田くん、ほんまに堪忍してな……」

  「そんな……猪田さん、頭を上げてください!」

  ぎょうさん出した後、ようやく落ち着きを取り戻したワイは、すっぽんぽんのまま深く頭を下げて、山田くんに謝った。

  『おっちゃんが、うんと気持ちようしてやるさかい』

  ……あないな大見栄切った癖に、山田くんを出さしたる事も出来んで、それどころか自分だけ気持ち良うなって、先に出してしもうた。

  ほんまに情けのうて、恥ずかしゅうて……穴があったら入りたかった。

  「その……実は僕、まだエッチをした事がなくて……初めてだったから……そのせいで凄く緊張してしまったんです……だから、猪田さんは全然悪くありません!」

  「山田くん……」

  ほんまに優しゅう子や……ワイを庇うてくれとる。

  今からでも遅くあらへん。山田くんをうんと気持ち良うしてやりたい。

  これが、この子の初めてのエッチなんやさかい。とびきりええ思い出にしてやらんと。

  ほやけど……どないしたらええんやろう。

  ワイはこの子の泣き所を、気持ちようしてやる事が出来んかった。

  ちっこいさかい、泣き所までちんぽが届かんかったのかもしれへん。

  どないすれば……どないすれば山田くんを、うんと気持ち良うさせてあげられるんや。

  ほうや!こないなワイでも、この子を気持ちようしてやれる方法があったわ。

  えらい恥ずかしゅうけど、これが一番ええさかい。男らしゅう、腹を決めるで!

  「山田くん、あのな……ワイの尻に、ちんぽを挿れてみぃひんか?」

  「えっ!?ぼ、僕が猪田さんのお尻に……ですか?」

  「そや。尻にちんぽ挿れるとな、ほんまに気持ちええんやで!すぐに尻を解すさかい、ちょっと待っとってな!」

  ゴロンと横になると、山田くんに向かって股を大きゅう開いて、尻の穴に指を挿れて解し始めた。

  山田くんのちんぽは、ほんまに大きゅうさかい。しっかりと解して、ちゃんと咥えこめるようにせんと。

  ズボ……ズボ……ズブズブ……ズブズブ……ズリュ……ズリュ……ズリュズリュ……

  こないなもんやろうか……んぅ……念の為に、もうちょいだけ解しとこか…………おわっ!?尻の穴を弄っとるとこを、山田くんがえらい見てきとる。

  早う終わらせな……恥ずかしゅうて泣きそうやわ……

  「よ、よし。解し終わったさかい。山田くん、ちんぽ挿れてみぃ」

  「で、でも……」

  「なんも遠慮せんでええ。ワイがちゃんと教えてやるさかい……心配せんで挿れてごらん」

  「……はい!」

  「よしよし、ええ子や」

  山田くんはワイの股の間に体を入れると、おずおずと尻の穴にちんぽをあてがってきた。

  尻に触れた山田くんのちんぽは、火傷してまうんやないかと思うほど熱うて、先っぽから流れ出しとる粘っこい先走りが、穴の周りをヌメヌメと濡らしていった。

  「ええぞ。そのまま挿し込んでみぃ」

  「は、はい!」

  ついに山田くんのちんぽが、ゆっくりとワイの尻の穴に挿し込まれていった。

  焼けるような熱を帯びたカチカチのちんぽが、肉壁をズブズブと押し広げて、どんどん奥へと進んでいく。

  あないに大きゅうちんぽやというのに、ワイは難なく奥まで受け入れる事が出来てしもうた。

  ……刑務所で熊代に毎晩挿れられて、尻の穴を広げられてしもうたからやと思う。

  自分の体が雄のちんぽをすんなりと受け入れられるように、変えられてしもうた事を改めて確認して、少し複雑な気持ちやった。

  ほやけど、なにはともあれ山田くんのちんぽを、ちゃんと受け入れる事が出来たさかい、ほんまに良かった。

  「ぜ、全部、入りました……」

  「よし。後は山田くんの好きな様に腰を振ればええ。出しとうなったら、遠慮せんで出すんやで!」

  「はい!」

  ワイの足を抱え込むと、山田くんはゆっくりと腰を振り始めた。

  緊張しとるのか、おっかなびっくりといった感じで、ぎこちなく腰を振っとったんやけど、やっぱし気持ちええのか、すぐに激しく腰を振り始めた。

  「あっ……んぅ……っうぅ……」

  おぼこい顔を助平に歪めて、善がり声を上げながら、夢中になって腰を振り続けとる。

  ほんまに気持ち良さそうや……良かった。

  このまま、気持ち良う出させ……

  「んぁっ!!」

  その時、山田くんのちんぽが、ワイの泣き所をゴリュっと擦り上げた。

  途端に、あの脳天を突くような甘い快感が湧き起こって、全身を駆け巡っていった。

  さっきまでは掠る程度やったのに、急に狙い澄ましたように泣き所を抉られて、思わず善がり声を上げてしもうた。

  「ご、ごめんなさい!……痛かったですか?」

  「い、痛うなんてあらへん。山田くんのちんぽが、ワイの泣き所に当たったさかい。気持ち良かっただけや」

  「今のが泣き所……擦られると凄く気持ちが良い場所……よ、よし。僕、頑張ります!」

  「へっ?」

  次の瞬間、山田くんがどえらい勢いで腰を振り始めた。

  ガツン、ガツンとまるで別人のような激しい腰づかいで、ちんぽをズリュズリュっと抜き挿ししていく。

  しかも、まるで見えとるかのように、ワイの泣き所を正確に突いていった。

  腰をズンっと入れ込んで、どデカいちんぽで擦り上げたかと思うたら、今度は腰を引いて、キノコみたいに張ったちんぽのエラで、こそぎ取るようにズリュッと引き抜いてきよる。

  「ひぅっ……あっ……き、気持ちえぇ……うぁ……」

  山田くんの前やというのに、あまりの気持ち良さに、ワイはもう声を抑える事も出来んくなった。

  腰を振られる度に、猛烈な快感が泣き所から迸ってきて、身も心もとろとろに蕩けさせられてしまう。

  もっともっと気持ち良うなりたくて、恥ずかしげも無く腰をくねらせしもうた。

  ほないなふしだらなワイを仕置きするように、山田くんのデカい玉袋が、尻をバツンバツンと打ち付けていく。

  「あぁっ……んぁっ……堪らへんっ……山田くん、頼むっ……もっと……もっと激しゅう突いとくれぇ!!」

  「は、はい!!」

  気持ちええ……ちんぽこも尻も……なんもかもが蕩けてしまいそうや。

  熊代にやられたのとは、全然ちゃう。

  気持ちええだけやない。

  温くて、嬉しゅうて……涙が出てきてまう。

  「猪田さんっ、僕………出ちゃいそうっ……!!」

  「わ、ワイも出そうやっ……一緒に……一緒に出すでっ!!」

  「はいっ!……あっ……で、出ちゃうっ!!あぁっっ!!!!」

  「ワイも……出るっ!!んあぁっっ!!!!」

  山田くんの熱いもんが中に注ぎ込まれてくるのと同時に、ワイもちんぽからピュッ!!ピュッ!!と鯨の潮吹きのように子種を噴き上げた。

  出し終えた山田くんは、額からぎょうさんと汗を流して、息もえらい荒かったけれど、その顔は清々しゅうて……ほんまに嬉しそうやった。

  山田くんが嬉しい事が、ワイもほんまに嬉しゅうて……ちょっと泣いてしもうた。

  ***

  「猪田さん、その……良かったら、ここで一緒に暮らしませんか?」

  「へっ!?」

  一緒に風呂で汗を流した後、さっぱりして部屋で座って麦茶を飲んどると、山田くんがいきなりとんでもない事を言い出した。

  「その……事件について調べていた時に、猪田さんが家を没収されてしまった事を知ったんです。それから、自分に何か出来る事はないかって、考えて……」

  「そうやったんか………山田くんの気持ちは、ほんまに嬉しいさかい……おおきにな。……ほやけど、ワイは片牙の前科者や。こないな男が一緒では、山田くんに迷惑をかけてしまうさかい、ほやから……」

  「……僕、そんな事気にしません!……もし誰かに何かを言われても、僕は負けません!!」

  「ほやけど……」

  「……確かに、誰かに猪田さんの事を悪く言われてしまったら、悔しさに耐えられなくて……泣いてしまう時もあるかもしれません。……挫けそうになってしまう事も、あると思います。

  だけど……そんな弱い僕だけど、猪田さんの傍に居たいんです!……お願いします」

  「ほ、ほんまに……ええんかいな?」

  「僕……猪田さんが大好きです!こんな僕でも良かったら……一緒に居させてください」

  「ワイも……ワイも、山田くんが大好きや!こないなおっちゃんやけど……よろしゅう頼むな!」

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