changed好きがchangedの世界に入り込んだ話(2)

  確か次は殺菌室だったっけな。

  ちゃんとした名前は覚えてないけど。

  今回も障壁を使えば簡単に行けるね。

  次の部屋は、、、

  ダンボールか。

  僕と鏡になるように動く黒曜獣。

  この子達が動くには少しタイムラグがあるから、

  急いで移動すればズレてくれる事がある。

  地形とこの仕様の穴をうまく使えば、突破できるはず。

  猫みたいな明曜獣のいる部屋についた。

  さっさと逃げないと、したくないTFをすることになる。

  急いで前の部屋に戻り、さっきのダンボールの黒曜獣のルールを利用して進行を防ぐ。

  あとはここで眺めてれば、、、

  入ってきた明曜獣達は黒曜獣に囲まれ、動けなくなってしまった。

  今のうちに次の部屋に行こう。

  セーブして進むと、ドラゴンみたいな黒曜獣が飛んでいた。

  「相変わらずかわいいね」

  このエリアにいる黒曜獣は僕が一歩動くたびに一歩動くんだけど、斜めに移動したらどうなるんだろう。

  実際にやってみたら、この子達は一歩分しか動いていなかった。

  あれ?これもしかして余裕か?

  ここは、、、遊歩道か。

  あの手ってボスの手なのかな。

  影も何も見えないけど、、、

  障壁を足場にしてジャンプして乗り越えれば問題ないね。

  「「障壁」で全部突破できちゃった」

  次の部屋でそう思った。

  僕の「障壁」は、この世界ではかなり便利な能力みたいだ。

  滑る床は障壁で方向転換できるし、、、

  跳ねるやつは障壁に物理演算つけて二段ジャンプできるし、、、

  すんなりボスのところまで着いてしまった。

  部屋に入って少し進むと、地響きがして入り口に結晶が生えた。

  本来ならカメラが移動してボスの姿が見えるんだけど、遠目にしか見えないや。

  このボスは運要素が強い。キングみたいに単純ではなく、結晶の生える位置、黒曜獣たちの動く方向の両方がうまく噛み合えばなんとかなるはず!

  障壁で結晶との接触を防ぎ、方向転換を繰り返し、黒曜獣達の道を塞ぐ。

  時間はあるから十分に考えて進もう。

  そして僕は、ボスのところまでたどり着いた。

  ボスは僕を見るると、ゆっくりと頷いた。

  確かここでボスと話せるんだよね。

  でも興味はないからさっさと進もう。

  もうすぐ彼に会えるはずだし!

  先に進んでいると、もはや聞き慣れてしまったモニターの起動音がした。

  「また会ったな

  …なぜ笑っている?」

  「楽しいから」

  「…意味が分からないな。

  こんな危険な場所で、何が楽しいというのだ?

  まぁ、それよりも。

  前は本当に失礼な事をした。

  暴言まがいの言葉も多かった」

  「気にしてないから大丈夫だよ」

  「…そうか。

  分かるか?

  私は気が変わったのだ。

  これ以上、ここを歩き回るお前を止めることはしない。

  私も図書館へ、お前を通してやる。

  お前を甲斐甲斐しく世話してくれたあの輩に挨拶するがいい。

  彼と出会った時の、お前の反応が楽しみだ。

  彼がお前と会ったあと、どうするのかも依然として気になるがな。

  お前にはもう警戒の目は向けない。

  また会おう。

  お払い箱の被験者君」

  、、、精神攻撃には強いんだよなぁ、僕。

  図書館に行く途中にもTFが1個あるんだけど、

  僕のしたいTFじゃないからスルー。

  ーーもしかして結構僕疲れてる?

  足取りがどんどん重くなってる。

  だんだん眠くもなってきた。

  周りには黒曜獣達がいて、襲っては来ないけど僕を見つめてくる。

  「もう、限界、、、」

  無意識に独り言がこぼれ、僕は床に倒れ込んでしまった。

  黒曜獣達が寄ってくる。

  なんで僕は、この世界に来たんだろう。

  この世界に来る要因になりそうなものはなかったはずだ。

  あの日もただ、僕のベッドで寝ただけなのに。

  特別なことは何もしていないはずなのに。

  薄れゆく意識の中で、僕は延々とそんなことを考えていたーー

  目が覚めると、芝生の上に寝かされていた。

  近くにあるオレンジを食べる。

  「想像以上に酸っぱい、、、」

  無意識に口をすぼめてしまった。

  皮や種を片付ける。

  というか、木の生えている植木鉢に入れる。

  コリン君はどうやって片付けたんだろう。

  まぁいっか。

  セーブして、機械に3002と入れる。

  ここ、答えを知ってれば1回目の下ルートはスルーできるのよね。

  障壁で上を守りつつ、ジャンプして進む。

  さぁ、次は白しっぽチェイスだ。

  まずはダッシュで逃げて、さっきと同じように上を守りながらジャンプして進む。

  そして僕が倒れていた部屋まで戻り、木の後ろに隠れる!

  よし成功!

  あとは普通に先に進めば、、、

  大量に本が積まれている道を通り、先に進む。

  そこには、僕がよく知っている彼がいた。

  無印版だと彼はあんまり動揺せずに話し始めるんだけど、、、

  「…!」

  なんかくるくる回ってる。

  急いで木の後ろに隠れたあと、こっちをチラチラと見てくる。

  かわいい。

  モフりたい。

  そんなことを思っていると、僕の前に歩いてきた。

  彼のことを見つめる。

  「…怖がらないで…

  …ボクは、キミを襲う気は、ないから。

  …ボクは、他のみんなとは違うから…

  …だから、安心して…」

  どうしよう、かわいすぎて話が入ってこない。

  「…ボクが貼ったあの紙を見て、来てくれたんだよね?

  …キミは、人間なんだよね。頭がよくて、優秀な…

  …人間だったら、ここまで来るのなんて簡単だったよね。」

  今すぐモフモフしたい。

  今まで会ってきた曜獣達は触れたら一発アウトだったから、触っても大丈夫な彼に触れたい。

  「キミが目覚めるのを、ここでずうっと、待ってたんだ。

  ボクが曜獣だからって、幻滅しないでくれたら、うれしいな…」

  「幻滅なんてしないよ」

  「…本当に?」

  「うん」

  なんかすごく驚いてる。

  「…そうなんだ。

  …かなり長い道のり、だったよね?

  …ボクと喋りながら、少し休むのもいいんじゃないかな?

  …何もしないから、ほんとに。ボクを信じて」

  信じますとも!

  「…あぁ、緊張してきた。

  …キミが本当に来てくれるなんて。

  …ボクは、どうしたら…」

  そう言うと、彼はまた部屋の奥で本を読み始めた。

  前半一切話聞いてなかったけど、何とかなった。

  とりあえず彼と話してみよう。

  「…信じてくれて、ありがとう。逃げ出さないでくれて…

  …えっと、自己紹介しないとね…ボクは…プーロ。

  …性別って、あるかわからないけど多分、オスかな…」

  どっちでも想像が捗るので良き(^^)By筆者

  「…見ての通り、ボクは曜獣。キミを散々襲ったはずの「モンスター」…

  …ボクも、他のみんなとそんなに違うわけじゃない。

  ただ優秀になりたいだけで、モンスターはモンスター…

  …キミを取り込もうとする他の曜獣たちと、ほとんど変わらないんだ。

  …だから、間違っても、ボクに腕とか突っ込まないようにしてね。

  …大変なことになるから」

  「僕も自己紹介していい?」

  「…!もちろん!」

  「僕はヒリュウ。見ての通り、ニンゲンのおと、、、オスだよ。

  よろしくね。プーロ君」

  「…うん!

  …実はね、キミがあそこに居るって知った後、ボクは…

  …ずっと、待ってた…キミをこの目で見るために。

  …でも、怪しいハカセがキミへの道をみんな塞いじゃった。

  …あいつはドアの隙間を溶かして塞いだり、ロックをまとめて開くようにしたり、色んな嫌がらせを仕掛けていったんだ。

  …よっぽど、キミがこの建物から脱出するのを防ぎたかったんだろうね。

  …でも、ボクはキミをここに連れてくるためにたくさん準備してきた。

  ホウコク書を通り道に貼って、状況を知れるようにしたのもボクなんだよ」

  やっべ報告書とかKの記録とか全部無視してきちゃったや。

  まぁ僕はあんまり興味ないけど。

  状況は知ってるし。

  「…見てくれるか分からない場所にも、万一を備えてたくさん書いてきたんだ、ボク。

  …文字を書くのは得意じゃないから、誤字とかはたくさんあったと思うけど…

  …だけど、でも、ニンゲン。人間って種族は、本当に優秀なんだね」

  「ヒリュウでいいよ。

  僕もさっき名前で呼んじゃったし」

  「…分かった。ヒリュウ。

  …話を戻すけど、ボクのヒントがあっても、ここまでの苦難や試練は簡単じゃなかったはず。

  …でも、見事にやってのけた。苦難を退けて、いろんなパズルを解いて、この図書館まで来てくれたんだ。

  …優秀、そのものだね」

  優秀、かぁ、、、

  僕には縁のない単語のはずだったその言葉をプーロ君が言ってくれて、なぜかとても嬉しかった。

  褒められたことなんてなかったからかな。

  ハッとして、意識をプーロ君の話に戻す。

  「…嬉しいよ、ほんと。ボクらを作った高潔な種と、

  話ができるなんて。

  ボクは、今まで普通の会話なんてしたこと無いんだ。喋れるのはボクひとりだし、

  …はぐれ者の一匹狼でもあるし。

  …ボクは…ホントに、あの怪しいハカセ意外に人間を見たことが無いんだ。

  …あのハカセでさえ、姿を実際に見たわけじゃないし…

  …それにボク、この建物から出たことも無い。外の世界なんて全然…

  …物心がついた時には、既にこんな状態だった。

  …本当にごめん。この建物から出る方法、知らないんだ…

  …元々は、あっちの計画で進めるつもりだったし…」

  好感度調整しないと、プーロ君はそっちの計画を使おうとしちゃうから気をつけよう。

  「…なんでも、気にしないで。

  …この研究所は入り組んでいるし、色んな曜獣に、鍵付きのドアもいっぱいある。

  …ボク自身も、黒曜獣だけどね。明曜獣と黒曜獣の仲は、あまりいい感じじゃ無いんだ。

  …無駄にあっちこっち探索したら、明曜獣に捕まっちゃいそうで。

  …いや別に、ボクもヤワじゃないから。ドアの向こうにいる明曜獣程度だったら、別に怖くないよ。

  …ほんとはあの子たち、ボクの「家畜」にしたかったんだけど。

  …事故で、手に負えなくなっちゃって…それに、元々おいしくないし。」

  ちょっとどんな味か気になる。

  獣化したら食べてみよう。

  「…本で、人間がやっているって知ってね。食料の安定供給って聞いて、つい真似てみたくなっちゃった。

  …本…そう、本。ボク、本を読むのが大好きなんだ。

  …本は図書館の心臓。一人ぼっちの日々の中で、本はボクの人生そのものだったんだ。

  …外の世界についての物語、外の世界の色んなモノを、本たちは教えてくれた。

  …優秀な人間と同じくらい、外の世界にも憧れてるんだよね。

  …でも残念だけど、ボクはただの粘液でてきた曜獣。それにこの建物を出る勇気もなくて。

  …脱線しちゃったかな。ごめん。

  …とても、寂しかったんだ。ようやく話す相手ができて、言葉が滝のように…

  …僕の話を進んで聞いてくれる人もいなかったから、うれしくなっちゃって。

  キミが大丈夫なら何よりだよ。ヒリュウ。

  …本当に、寂しかった…ただ…

  …ヒリュウはここを出たいんだよね?」

  「まぁ、元いた場所に帰りたいからね」

  そこに僕の居場所はないかもしれないけど。

  「…こ、こんな場所、少しだって長く居たくないよね?」

  プーロ君がいるなら悪くないかなという言葉は、プーロ君の別の計画を狂わせそうなのでしまっておく。

  「…キミのためにも、図書館から脱出することについて考えなくちゃね。

  …確かそこの本の山の向こうにキーカードがあったはず。

  …あのキーカードなら、図書館のドアを全部開けられるはずだよ。

  …ヒリュウ。見つけてみて」

  ここでキーカードを探しているときに、プーロ君の葛藤が見えるはずなんだけど、今回は一人称視点だから見えない、、、

  あとプーロ君の独り言が想像以上に独り言すぎて全然聞き取れない!

  僕耳いい方なのに!

  あっあった。

  キーカードを見つけて振り返る。

  すると、びっくりしたのかプーロ君の毛が突然膨らんだ。

  猫みたい。

  モフりたい。

  「…きゅ、急に振り向かないで、怖いから…

  …いや、気に 気にしないで。

  …ちゃんと探せてるか、か、確認しようとしただけだよ。

  …キーカードは…見つかったみたいだね。

  …えっと、どこに行けばいいかは分かるよね。

  …でも、あそこは…

  …まぁ、見てもらったほうが早いかも。

  …キミと一緒に走り回るのもアレだし、

  ここにいるから、助けが必要になったら来てね。」

  多分助けはしばらくいらないと思うなぁ、、、

  予習済みだから。

  プーロ君が振り返って尋ねてきた。

  「…ヒリュウ、そのお尻の、脱ぐ気はないよね。

  …なんだかそのパンツ、キケンなニオイがするよ…

  …パンツの臭いらしくないというか、僕らに近しいというか、えっと えっと とにかく違和感があって…

  …ボクの思い過ごしかも知れないけど…」

  会話はそこで終わった。

  さて、バルコニーから確認しに行こうか。

  【続く】