スナッチでエッチなブル!? 〜ウインドブルーの受難〜
悪の侵略者タイラント帝国を討ち滅ぼす―
それが俺の……ヒーローコードネーム「ブルーウインド」の使命だ。
今日も現れた怪人を倒すだけで良かった……そのはずだったのに―――
「ぶもぉぉ♡♡止まらねぇ♡この怪人の体、精力が止まらねぇぇぇー!くそぉ♡また、イク……イッチマゥ……ぶもぉぉぉぉおおおお♡」
ビュルルルルルルル♡ビュルルルルル♡
ドクドクドクドク♡ビュルルルルルル!!
ビュビュビュビュ!
またイッてしまった♡この体に入れ替えられてから何度目だろうか♡さすがの俺でもこの断続的な絶頂には堪えられない。鼻息を荒くしながら、鏡に映る俺の姿を見る。
頭部には折れた二本角、マズルの先には金色の鼻輪、何よりも隆々とした筋肉を纏った体躯、イッたばかりのイチモツは先端から獣精を吐き出しながらも収まる様子はなく、出張った腹を叩かんばかりの勢いで血の滞留を感じさせる。
右肩には焼印として刻まれたタイラント帝国の紋章、左胸には管理番号BM‐11が刻まれたタイラントの牛怪人スナッチブル。
俺……虎獣人・虎淵疾風の意識は今この筋肉達磨のような牛怪人の体に囚われていた。
――――――――――――――――――――
パトロール中に遠くから悲鳴が聞こえた。
おそらくタイラントの怪人が現れたのだろう。
俺は現場に駆けつけながら、左腕に付けたブレスレット「ガイアチェンジャー」から自部隊のヒーローに連絡を取る。
「こちら、ウインドブルー。怪人が出現した。ポイントを送る。至急出動してくれ」
『うおっ、マジかよ!?ラーメン来たばっかだぜ……できるだけ急いで食って行く!』
『あぁ?今、ちょうど確変中なんだよ。終わったら行ってやるから、それまで相手しといてくれ』
「ちっ……」
2人のヒーロー、ランドイエローとファイアレッドから気のない返事が返ってくれば思わず舌打ちが漏れてしまう。
非番とはいえ、こんな時間にパチンコを打ってるファイアレッドに関しては言語道断だ。あとで叱りつけてやろう。
そうこうしている内に現着した俺は、状況を確認する。
そこでは筋肉と脂肪を全身に身にまとった牛怪人が建物を壊し、地面を割り暴れ回っているところだった。
「ブモォォォ!来たか、ブルーウインド!オレは入替怪人スナッチブル!アイアントプス様の忠実な下僕だ!」
「アイアントプス……あのゴリ押し将軍か。ふん、通りで脳まで筋肉でできてそうな訳だ」
「何だとぉぉ!怪人に改造されて完成したオレの美しい筋肉をバカにするコトは許さんゾォォォォ!」
どうやら先日ヒーロー部隊長・アクアマスターに撃退されたアイアントプスの部下が仇討ちに現れたようだ。
俺に煽られ、鼻息を荒くした牛怪人が頭の角をこちらに向けて突進してくる。
体格差から力押しでは敵わないことは一目でわかった。俺だけではこいつを制圧できないだろう。
馬鹿力のランドイエローか必殺力が高いファイアレッドが現着するまで時間稼ぎする必要がありそうだ。
俺は地面を蹴り、一歩後ずさると両手を前にかざす。
「ジェットガン!」
「ブモッ!?」
風のガイアを解放し、空気の塊をスナッチブルに向けて放つ。空気砲を顔面に喰らって怯んだスナッチブルは思わず足を止める。
「ナルホド、コレがガイアの力か……ブモォォォ!こんな力にアイアントプス様が負ける訳ないノダ!」
「ふん、この程度だと思ってくれるなよ。風のガイア、真の力を見せてやろう。カマイタチの形!」
カマイタチの形―――それは妖怪・鎌鼬を模した両鎌を風の力で形成する技。
両手に集まった風は鋭い刃と化した。俺は相対する怪人に見えない刃先を向ける。
「おまえのご主人様と同じように角を切り落としてやる。くらえ、カマイタチ・舞!」
「ブ、ブモォ!?」
軽やかに飛び、舞いを踊るようにスナッチブルの懐に飛び込んだ俺は、腕を振り下ろしスナッチブルの両角を切り落とした。
これで戦闘力は激減するはずだ……
「フゴォォォォ!角の恨みよりもアイアントプス様の仇ダァァ!」
しかし俺の予想に反して、スナッチブルは角を斬り落とされたことを意にも介さず、その筋肉まみれの体で俺の体を抱きしめた。ツンとした汗の臭いが鼻を突く。
「くっ!何をする気だ!?」
「ブゴォー!なぜオレが入替怪人と名付けられたか教えてヤロウ」
太い両腕で俺をホールドしたスナッチブルはニタニタと歪んだ笑みを浮かべながら、自らのマズル先端にハメられた鼻輪を俺の額にくっつける、そして―――
「スナァッチ!」
スナッチブルがそう叫ぶと臭い息と飛沫が俺の鼻先に吐きかけられる。と、同時に俺は自分の精神が肉体から離れていくような不可解な感覚に襲われ、そのまま意識が強制的に遮断されていった。
[newpage]
「どうやらウマくいったようダナ」
[[rb:オレ > ブルーウインド]]の足下で気絶している[[rb:オレ > 牛怪人]]を見下ろす。なんて美しい肉体だろうか。豊満に膨れた胸筋……雌牛でもないのに乳が出そうではないか。しかし、地面に転がる切断された角が痛ましい。
おのれ忌々しいブルーウインドめ。
まぁいい、キサマの体を使ってオレは好き放題やらせてもらうとしよう。
オレ……スナッチブルの精神は今ブルーウインドの肉体に宿っていた。
相手と体を入れ替えるオレの能力「スナッチ」によりブルーウインドとオレの精神を入れ替えたのだ。
つまり、気を失っているスナッチブルの体にはブルーウインドの精神が宿っている。
しかし……黄色と黒の虎柄の毛皮に覆われ、青いヒーロースーツを身に纏った細身を自らの手で触る。
筋肥大されていない しなやかな筋肉、贅肉など一切ない洗練された肉体、先ほどの身のこなしはまさにこの体重だからこそ可能だったのだろう……なんと……なんと……
醜いのだ!
オレのような広い肩幅、血管が浮き出た上腕二頭筋、丸太のような足こそが最上の肉体なのだ。こんな貧弱な体では勝てる戦いも勝てないではないか!
いっそのこと今からたらふく食べてオレ好みの体に変えてやろうか……いやいや、そんなことをしている暇はない。
アイアントプス様の仇を討つために、この姿でヒーロー達を油断させ着実に仕留めなければいけないのだ。
「ん、んもぉぉぉ……」
「おや、起きたようダナ?ブルーウインド……いや、スナッチブルよ」
「な、何を言って……なんだ、どうなっているんだ?なぜ俺がそこにいる?それに体が……俺が牛怪人の姿に?」
目を覚ました[[rb:スナッチブル > ブルーウインド]]は目の前に立つ自分の姿に驚愕した後、自らの姿が先ほど戦っていた怪人と同じ姿になっていることに気づき動揺しているようだった。
オレはこの姿にお似合いのニヒルな笑みを向けて答えてやる。
「ククク、オレがおまえで、おまえが俺ってことだ。コノ体、存分に利用させてもらうゾ」
「ふざけるな……ぶもぉぉぉ!っつ!なんだこの鳴き声は。俺の口から勝手に……」
「オレの体なのダカラ、牛の鳴き声が漏れるのは当たり前ダロ?オレの美しい肉体に間借りさせてやっているノダ、感謝してもらいたいくらいダ」
「こんな醜い姿が……ぶも♡ぶもぉぉ♡な、なんだ?この気持ちは?♡」
「フン、どうやら始まったようダナ」
オレは[[rb:オレ > スナッチブル]]の全てを愛している。怪人化改造を受ける前からそうだったが、怪人になってからその思いは一層強くなった。
結果的に、オレはオレ自身の見た目、体臭、筋肉……全てに性的興奮を覚えるようになった。
今、ブルーウインドはスナッチブルの体の中でオレを感じているのだ。
精神は宿る肉体に引っ張られてしまう、それは抗いようがないことだ。
すなわち、ウインドブルーは[[rb:自ら > スナッチブル]]の肉体に興奮を覚え始めているのだ。
「ぶも♡ぶも♡くそ、体が言うことを聞かない…」
「どうだ、その肉体は素晴らしいだろう?オレの声を、匂いを、肉体を堪能してくれ」
「気持ち悪いことを言うな……♡ブモ、ブモォォォッ♡ブモォォォォォォォ♡」
強がっているが肉体からの精神汚染は進んでいるのだろう。マズルの鼻先を脇に近づけ匂いを嗅ぎ、その手でゴツゴツとした筋肉を触り、口からは長い舌を垂らし歓喜の鳴き声を漏らし始めている。
そうなれば怪人チンポは当たり前のように勃起していく。オレは冷笑を浮かべながら近づくと、虎獣人の小さな手では収まりきれない程の太さの怪人チンポを握り、上下に扱き始めた。
「ぶも!?なんのつもりだ!」
「さあ、我慢するナ、ブルーウインド!そのまま、ぶっぱなセ!」
「くそっ!♡ぶも♡こんな、こんなことが♡ぶもぉ♡あってたまるか♡ぶも♡ぶもも♡……ぶもぉぉぉぉぉおおお!♡」
ドプッドプッビュルルルルルルルビュルルルルル!ビューールルルルルルル♡トプトプトプ♡ビュルルルルルルルルルルルル♡
「……ぶも♡ぶも♡」
辺りに怪人精液がぶち撒けられれば、ムワッとした据えた臭いが立ち込めていく。
クンクン♡我が肉体から放たれるモノながら、この匂いもまた良いものだ……いかんいかん、まだ作戦中ではないか。虎獣人のチンポが立ちそうになるのを抑えて気を失った[[rb:牛怪人 > ブルーウインド]]を引きずる。
「フン、まずは一発というところダ。オレがヒーロー共を倒すまで、この檻の中でオレの肉体を味わってイロ」
基地から持参した簡易的な檻に[[rb:牛怪人 > ブルーウインド]]を閉じ込める。このまま快楽漬けになれば、コイツの自我は保たれないだろう。
さて、他のヒーロー共を探しに行くか。
「おーい、ハヤテ!すまねぇ、ラーメン食ってて遅くなっちまった」
檻を隠していると、ドスドスと音が聞こえそうな走り方で駆け寄ってくる黄色いシルエットに目を向けたオレは思わず目を疑ってしまった。
あれは確か熊獣人ヒーロー、ランドイエロー……丸っこい体に適度に付いた筋肉、太い腕と脚、おそらく何か武道を長年してきているのだろう。ヘルメットを被っていて見えづらいが大きく丸い瞳、なんと、なんと……
愛くるしいのだ♡
[newpage]
「ハヤテ、怒ってるのか?しょーがねぇだろ、ちょうど飯時だったんだしよ。それより怪人はどこにいるんだ?まさか、おまえ1人で倒しちまったのか?ん、ハヤテ?」
オレは理性が効かなくなっていた。
息を荒くして目の前の熊獣人に歩み寄り、その太い腕を掴み―――
「ブモォォォ!」
「な、ハヤテ!なんかおまえ変だぞ!?こら、やめろ、やめろって!うおっ……!」
オレは我も忘れてランドイエローに飛びかかった。
よもや目の前のウインドブルーの中身が怪人に入れ替えられているなど思いもしないのだろう、仲間の奇行に困惑するランドイエローは背中を地面に着いて倒れてしまう。
オレはその丸っこい体に覆いかぶさると、スーツに浮かび上がった乳首をざらつく猫舌でペロペロと舐め始めた。
「うおっ♡は、ハヤテ……!てめぇ、そんな趣味があったのかよ!ひぁ♡おいらにはそんな趣味は……♡」
この体格差だ。本来であれば、ひっくり返されてしまうところであるがランドイエローの乳首は余程敏感なのか、乳首を責められれば力が全く入らない様子だ。
ペロペロ♡チュパチュパ♡ベロンベロン♡
「は、ハヤテぇ……♡そんな、そんなところ、舐めないでくれぇ♡あっ……♡ザラザラ猫舌、気持ち……じゃなくて♡」
「はぁ♡はぁ♡ランドイエロー、オマエは素晴らしい♡オレと一緒にトレーニングをして、最高の肉体を目指そう。ブゴォーッ!♡」
「ブゴォー?うがぁぁぁ♡」
オレは下で右乳首を舐めながら、長い虎の尻尾を使って左乳首を責め始める。新たな快感に身を悶え、声を大きくしていくランドイエローを見ていると征服欲が満たされていくようだった。
ランドイエローの股間部分のスーツがムクムクと盛り上がっていけば、先ほどスナッチブルの怪人チンポを扱いた手で、ランドイエローのヒーローチンポを握る。
「んっ?ランドイエロー、オマエ、チンポはあまり大きくないようダナ?」
「ほ、ほっとけ!♡じゃなくって、ハヤテ、もういい加減ふざけるのを……ひぃ♡」
ウインドブルーの手にすっぽりと収まったランドイエローのヒーローチンポを握ったオレは高速で手を動かしていき―――
「やめろって!♡やめてくれよぉぉ♡あ、あぁぁぁ♡ぐああぁぁぁぁぁ♡」
ビュルルルルルルル♡ビューールルルルルルル♡
ランドイエローは果てた。
そのまま この体を嬲りたい情動に駆られるがいかんいかん。まずはヒーロー共への復讐を果たさなければいけない。
「コイツはオレが[[rb:オレの体 > スナッチブル]]に戻った後に楽しむことにするか」
すっかり力が抜け切っているランドイエローの重い体を引きずり、先ほどの檻に入れ込んだ。
「ぶも?ランドイエロー……?どうしてこんなことに」
檻の中で自慰に耽っていた[[rb:スナッチブル > ウインドブルー]]が怪人チンポを勃たせたまま、ランドイエローに駆け寄る。
「さて、脱線してしまったがそろそろ復讐を実行に移さねバナ。キサマらの仲間、ファイアレッドとアクアマスターを倒すためにコノ体を利用させてもらうゾ」
「ぶもぉぉぉ!そんなことはさせない。ここから出せぇ」
「チンポをおっ勃たせながら何を言っても説得力はないガナ。ふん、ソコで仲間が倒されるのを待っているがヨイ」
オレはそう言い捨て檻に背を向けた。
この貧弱な体にもだいぶ慣れてきた。オレは元の重い肉体では不可能であろう速さで、[[rb:ヒーロー > 仇]]を求めて駆け出した。
[newpage]
「おいランドイエロー、大丈夫か?」
「ん、んん?おいらは……って、てめぇ怪人じゃねえか!」
目を覚ましたランドイエローは俺と距離を取る。当然だ、牛怪人に体が入れ替えられているなど到底信じられない話だ。
「待て、俺は怪人じゃない。ウインドブルー、虎淵疾風だ」
「は、ハヤテだと?……あっ」
俺の正体を聞いて訝しげな表情を浮かべたランドイエローだったが、なぜか頬が赤く染まっていく。
あいつは俺の体で何をしたんだ……?
―――――――――――――――
「なるほどなぁ。つまり、あの怪人の能力でおまえの体が怪人に奪われちまったってことか。にわかには信じがたいけどよ、まあ信じざるを得ないよな」
俺の説明を聞いてランドイエローは納得してくれたようだった。俺の体を奪ったあいつに何をされたか?については、頑なに口を閉ざしているが―――
「しっかし、おまえがそんなヘマするなんて珍しいな。『猿獣人も木から落ちる』ってか、ハハ」
「[[rb:頼れる > ・・・]]部下がラーメンやらパチンコやらで来てくれなかったからな」
「……その嫌味な言い方、やっぱりおまえはハヤテだよ……しかし、この檻の中くさくねぇか?饐えた臭いというか、精液の」
「そんな訳ないだろう!」
おもわず大峠で言葉を遮る。
この体にされて、自分の姿、匂い、声に欲情して自慰に耽っていたなど知られる訳にいかない。隊長である俺の今後の士気に関わる問題だ。
幸い、[[rb:話し相手 > ランドイエロー]]が来たことにより気が紛れて性欲も落ち着いている。
あとは、ここを脱出する方法を考えるだけだ……俺は普段の冷静さを取り戻し、周囲に目を配っていたのだが……さっきからどうにもランドイエローが視界に入る。
「ランドイエロー、あまりチョロチョロ動き回るな」
「あん?おいらは別に動いてないぞ」
どういうことだ?俺が自然と視界に入れてしまっているということか……まさかな。
しかし、意識をすればするほどランドイエローに目が言ってしまうのだ。
丸っこい体に適度に付いた筋肉、太い腕と脚、小学生の頃から柔道で鍛えてきた賜物だろう。大きめな顔に釣り合う大きくて丸い黄色い瞳……この体になって気づいたが、ランドイエローなんと魅力的な見た目をしているのだろうか。
ゴクリ……
生唾を飲む音が檻の中に響く。
俺は思わず舌なめずりしていた。抑えられてきた性欲は新たな欲情の対象を前にして、再び燃え上がろうとしているのだ。
しかし、ランドイエローは俺の部下であり、仲間だ、何より雄同士だ。そんな感情を持つなど、あってはならない。だが、ティアースでも「多様性」という言葉が飛び交うようになってきた。同性間で交際をするなど、なんらおかしなことではなくなってきているとも言う。全身が汗ばみ、怪人の体臭がキツくなってくる。そんなことより、早くここから脱出しなければ、早く、早く、早く―――
「おい、ハヤテ大丈夫か?顔が真っ赤だぞ」
心配そうに覗き込んできたランドイエローの黄色い瞳と目が合った瞬間、俺の理性は途切れた―――
「ぶもぉぉぉぉおおおお♡♡♡」
「なんでそうなるんだよっ!!」
気づけば俺は雄獣人を襲う怪人そのものになりつつあった。
[newpage]
[[rb:ヒーロー > 仇]]を求めて駆け出したオレは、気づけば街中に出ていた。
ブルーウインドの体は細身からは想像もできないほど体力があり、走り続けても全く息が切れないのだ。
貧弱で醜い体と評してしまったが、そこは訂正させてもらおうか。
と、周囲の住人が俺を指差して何かヒソヒソと話している。
戦闘中に入れ替わったままだったので意識していなかったが、オレは青いヒーロースーツを身に纏っていたため、どうにも目立っているようだった。
ヒーローという存在は認知されているものの、平時でこの格好をして走り回っているオレに何か違和感を覚えているようだ。
下等な獣人どもめ……筋肉を極めた牛獣人だったの頃の俺を奇異な目で来たヤツらのことを思い出せば腸が煮えくり返って来る。
強さこそ、筋肉こそが力であり、それは誇示して良いモノであると教えてくれたのがアイアントプス将軍だった。
自ら志願して怪人化改造を受けた俺は、彼に一生の忠誠を誓ったのだ。
だからこそ、アイアントプス将軍をコケにしてくれたヒーロー共が許さない。早く見つけてボコボコにしてやらないと―――
「おい、疾風。こんな街中で、そんな格好して何してるんだ?」
ふと声をかけられた方向を振り向くと、そこには大量の菓子やジュースを抱えた鷹獣人が立っていた。
その顔を見て思い出す。
コイツこそ炎のヒーロー、ファイアレッドだ―――
突如現れたターゲットを思わず睨みつけてしまう。
ヒーロースーツも身に纏わず両手も塞がっている今の状態ならコイツを倒すことは容易いのではないか。
しかし、イビルフロッグ科学将軍の分析によれば天賦の才能を持つヒーローとも聞く。用心するに越したことはない。
「んだよ、黙りこくって。さっき出動しなかったことキレてんのか?仕方がねえだろ、パチンコで大当たりが出ちまったんだから。ほら、おまえが好きなタバコも景品にあったからよ」
どうやら抱えていたのはパチンコの景品のようだ。その中から漁った何かを投げてくる。受け取るとタバコの箱だった。
こんな筋肉に悪いモノをウインドブルーは吸っていたのか……前言撤回。やはりコイツは貧弱で醜い。
「いや、怪人はオレが倒した。そんなことより、ファイアレッド。君に話したいことがあるンダ」
オレは ゆっくりとファイアレッドに歩み寄る。ランドイエローと同様にコイツも[[rb:仲間の中身 > ウインドブルー]]が[[rb:オレ > 怪人]]に入れ替わっているなど思いもしないだろう。
油断しているコイツの喉笛を虎獣人の鋭い爪で掻っ切ってやろう。
一歩、一歩……ツカツカとファイアレッドに歩み寄っていく。
もう一歩でオレの間合いに届く―――
「ブモォォォ!?」
ズンと鈍い衝撃が走る。
鳩尾が熱い。息ができない。内臓が震える。
炎を纏った拳に腹を殴られたと気づくことすら時間を要した。丹田を正確に突かれている。辺りにはパチンコの景品が散らばっている。
「ブ、ブモォ……なぜだ、なぜわかった?」
「最初からおかしいとは思ってたけどな。決定的だったのは『足音』だ」
「足音……だと?」
「癖なんだろうが、疾風は歩くとき絶対に足音を立てねぇ。おまえはズカズカと歩き過ぎだ。さぁ偽物め、正体を現しやがれ!」
まさか、そんなコトで気づかれるとは……全身に力が入らずフラフラとその場に膝を落とす。
ヒーロースーツを着ていないにも関わらず、炎のガイアの力をフルに発揮しているのだ……なんという戦闘センスか、ファイアレッド。
斯くなる上は―――
「だんまりってか。ちょうどいい、疾風の野郎には普段からイラついてたんだ。あいつが隊長だなんて最初から俺は認めてねぇんだ。ブツブツと細かいこと言いやがって!ちょうどいい、俺の怒り、おまえにぶつけさせてもらうぜ!ファイアァァ……」
「ブモォォォ!スナッチ解除!」
「ナックル!!」
[newpage]
「ハヤテ、もうやめろ!やめてくれってば!」
「ぶもぉぉ!だめだ、俺にも止められないぃぃ!」
牛怪人の体に意識を引っ張られているのか、ハヤテは おいらのことを性の対象として見ているようだ。
長いこと取っ組み合っているが、なかなか解放してもらえない。
ハァハァ♡ぶも、ぶも♡ペロペロ♡ぶもー、ぶもー♡
[[rb:牛怪人 > ハヤテ]]は臭い息を吐きかけながら、舌を伸ばしておいらの顔を舐め回してくる。
汗臭さ、体臭、先走りの匂いが檻の中に籠もっていけば、いよいよ不快指数はマックスだ。
ちくしょう、なんだっておいらばっかりこんな目に……と、牛怪人の動きがピタリと止まる。
「ハ、ハヤテ……?」
もしかして正気に戻ってくれたのか?と淡い期待を持って顔を覗き込む……瞳の色が青色から黒色に変わり、加虐的な笑みを浮かべる。そして、先ほどよりも強い力で取っ組み合いが再開する。
「ブモォォォ!戻ってキタ、戻ってキタ!なぜかわからんがランドイエローが目の前にいるではナイカ♡これは僥倖♡ブゴォォォォォ!」
「うっ……おぉぉ!」
なぜかわからんが、どうやら元の牛怪人の精神が戻ってきたようだ。体の使い方を熟知してる分、[[rb:さっき > ハヤテの時]]よりも圧力が強い。堪らず態勢を崩してしまった おいらはそのまま牛怪人の筋肉達磨のような体の下に組み伏せられてしまった。
「ランドイエロー♡なんと愛くるしい体だ……ブモォォォ♡」
「うおっ♡」
牛怪人が長い舌の先でスーツ越しに乳首をベロンと舐めてくる。先ほどハヤテの体を乗っ取った時に、おいらの弱い部分を把握したのだろう。
密着した熱のせいか、牛怪人の体からポタポタと汗が垂れて、おいらのスーツに、毛皮に染み込んでいく。
「うがっ♡はぁ♡はぁぁ♡うがぁぁぁああ♡」
「ランドイエロー、気持ちイイカ?どれ、そろそろ、オマエに怪人チンポをくれてヤル」
そう言うと、牛怪人はおいらの両脚の間に無理やり体を押し入れてきて、怒張した怪人チンポをヒーロースーツ越しに尻穴に押し付けてくる。
おいらの2倍以上でかい、熱く硬い肉棒の感触がスーツ越しに伝わってくる。
「勘弁してくれ……♡やめ、やめてくれ♡あっ……ああぅぐ♡」
「ブモォォォ!ブモ!ブモォォォオ!♡ヒーロースーツが邪魔ダァァ♡オレの怪人チンポで破ってヤル♡」
ヒーロースーツを破らんと牛怪人の腰のストロークが速くなる。ヤバい、このままじゃ……本当にスーツが……おいらの貞操が……
「ランドイエロー、伏せろ!」
「ふぇ?♡」
「風のガイアを全解放する!くらぇ、カマイタチ・一閃!」
突如聞こえた指示に従って、おいらが床に這いつくばると同時に、怒気の籠もった叫びと鋭い風の刃が空間を走る。
その強烈な一閃は鉄でできた檻だけでなく、牛怪人の頑強な体も切り裂いていく。
「ブ、ブ、ブモォォォォォォォ!!!」
風の刃に斬られたスナッチブルが爆散する。おいらを犯すことに夢中になっていて防御が間に合わなかったようだ。
「大丈夫か、ランドイエロー!」
[[rb:なぜか > ・・・]]腹と頬の毛皮が焦げたウインドブルーが駆け寄ってくる。その後ろには、こちらも[[rb:なぜか > ・・・]]バツが悪そうな顔をしたファイアレッドが付いてきている。
「ハヤテ、おまえ本当にハヤテなんだよな!?」
「あ、ああ……」
ホッとしたのもつかの間、先ほどこの檻で見た[[rb:牛怪人 > ハヤテ]]の痴態が脳裏を過ぎる。おそらくハヤテも同じ気持ちだったのだろう。
「おまえら、どうした?顔が赤いぞ」
目事情を知らないファイアレッドは不思議そうに首を傾げて問いかけてくるが、おいら達はその問いに答えることはできなかった。
〜おまけ〜
「ランドイエロー、ちょっといいか?」
あの入替騒動の後、俺とランドイエローの間には気まずい空気が流れていた。
全面的に非はこちらにある。怪人の肉体の精神干渉を受けていたとはいえ、あいつに欲情して襲おうとしたのだ。
ちゃんと謝罪しなければ……なお、ファイアレッドは俺の偽物だと思って2発殴ったと言っていたが、2発目を殴られる直前に元の体に精神が戻った俺は恣意的な理由から2発目を殴ったことを確認したため厳重注意とした。
別の任務を終えた後、俺はランドイエローを呼び止めた。
「お、おう……なんだよ、ハヤテ?」
「その、なんだ……この前はすまなかった。敵に体を奪われていたとはいえ……おまえにあんなことを……」
「ああぁ……まぁしょうがねえだろ。不可抗力ってやつだ。あれからはあんな気も起きてねぇんだろ?」
「ああ、問題ない」
「そりゃ良かった。なら、あの件はもう水に流そうぜ」
「すまない。恩に着る」
心につっかえていたことが取り除かれて安堵する。と、ランドイエローが少し顔を赤らめて何かを言いたげな様子であることに気づく。
「どうした、何か他に言いたいことがあるのか?」
「いや、なんでもねぇよ……」
「なんだ、おまえの中で何か抱えていることがあるんだったら言ってくれ。隊長としてではなく、仲間としておまえとは向き合いたいんだ」
「ハヤテ……それじゃあよ……牛怪人がおまえの体に入ってた時に、その……俺の乳首を舐めてきやがったんだよ。いや、嫌だったんだけどよ。その……おまえの舌のザラザラとした感じが、よくよく……気持ち良くてよ……その……もう一回でいいから、舐めてもらえねぇかな?」
「断る」
入れ替わりなんてもうこりごりだ。
俺は呆れと怒りが入り混じった ため息を漏らした。
(終わり)