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「ね。ナージ……触って。抱いてほしい」
「言われずとも。リュヌ王子」
「ふぁ……」
唇同士を擦り合わせ、甘噛みする。繊細な刺激に開いた隙間へと、舌が侵入してくる。巧みなキスにリュヌはあっという間に蕩けた。
ナージは服を脱ぎリュヌの服もすべて脱がせる。丸裸になった気恥ずかしさはあったものの、素肌をくっつけ合うのは気持ちいい。
手と舌で全身余すところなく触れられて幸せだった。身体を舐めるのは獣人にとって最高の愛情表現だが、猫獣人だった母が生きていたときの記憶は遠い。
つぷ、とナージの指がお尻に入ってくる。リュヌは自分の指とは全然違う感覚に驚いた。道具とも違う、節くれだった男の指だ。
内壁を撫で、自分で解すときは触れるのを避けていたしこりをすぐに見つけられてしまう。腹側の少し膨らんだところはリュヌの弱点だから……
「あ!だめ……ふっ。んん……な、ナージ……」
「わかりやすいな。自分で開発したのか?」
「んぁっ。ん、だって……旦那さまのために……」
「あー……これは嬉しいな」
ナージのためと言ったわけでもないのに喜んでいるんだから、変な人だ。的確に快感を引き出されて、頭が芯から溶けてゆく。きもちいい……もっと。
ナージの興奮も高まっているのだろう、リュヌは完全に発情していた。柔らかい棘のあるペニスをナージの腹にすりすり擦り付け、自分で快感を得ようとしてしまう。
「おお、これは凶悪だな。くすぐったいぞリュヌ」
「だって……あっ、ナージぃ……はやく、ナカほしっ……」
「あ゙〜〜〜最高かよ……」
後孔に埋められた指をきゅうと締めつけて、スリと尻尾をナージの腕に巻きつける。甘えるのはリュヌの専売特許だ。
ナージがぎゅっと目を閉じなにかに悶えていたけど、次の瞬間開いた瞳には濃い情欲が浮かんでいた。
ナージはリュヌを仰向けに転がそうとして、少し考えてそのまま横向きにした。自分だけが起き上がり、リュヌの左足を抱え上げる。
頭の中に疑問符が浮かんだが、そのまま屹立を後孔へと充てがってくるのを見て納得した。尾があるから後ろからするのがよいと聞いていたけど、これなら顔も見やすい。
今度は自ら邪魔しないよう、背中側から持ってきた尻尾を胸に抱える。もうほとんど怖くないとはいえ、こうすると安心するのだ。
「くそ、かわいいなそれ……」
ぴとりと窪みに当たったペニスは相変わらず硬い。散々蕩かされた場所が期待でヒクつく。左手をナージに向けて伸ばすと、しっかりと握ってくれた。この人になら……
「奪って。ナージ。ぼくの全部……」
「あぁ、もらおう。未来もひっくるめて、リュヌの全てを」
「んあああっ!」
ぐっと押されて、限界まで蕾が開く。大きな先端を受け入れるまでは瞬間的な恐怖に襲われた。繋いだ手をきつく握ると、なだめるように親指で甲を撫でられる。
少しだけ力が抜けた途端一気にくびれまで押し込まれ、その衝撃を声で逃がした。敏感な入口がジンジンしている。
「痛くないか?」
「ふはっ、おっき……」
「大丈夫そうだな……こっちも触ろうか」
「いや、大丈夫じゃ……うわっ?ちょ、だめ……あああんっ」
ナージが繋いだ方の腕でリュヌの脚を支え、左手をペニスに添えた。途端に快感が湧き上がり高い嬌声が口から零れる。
包むように握られた手が先端へ向かうにつれて腰が引かれ、根本に向かって引き下ろすとペニスが奥へ突き入る。ナージが同時に腰と手を動かすたびクチュ、二チュッと水音が鳴る。
しかし耳の良いリュヌにもその音は届いていなかった。自分の声が絶え間なく口から漏れ出し、その衝撃と快感を受け止めることに精一杯なのだ。
大きな逸物が狭い内腔をえぐり、快感のしこりを押しつぶす。道具を使っても入ったことのなかった場所へ、ついさっき口で咥えていた先端が届く。苦しいのに……とても気持ちいい。
「あっ、ん!……んにゃっ……ああ〜〜〜っ!」
「あぁ……俺も気持ちいいよ」
「ナァジ……んぁっ、なーじぃ……溶けちゃう」
リュヌの勝ち気な目が細まり、眉が下がる。あまりの快感に腰が震え、何度も雄をキュウキュウ締めつけてしまう。そのたびに自分まで気持ちよくなってしまい、頭がおかしくなりそうだ。
窮状を訴えているのにナージは律動を止めてくれない。でも……身体を倒しキスしてくれた。それだけでリュヌは幸福に包まれる。
自然と目尻から流れていた涙を舐めて掬い取ってくれる。その仕草に愛を感じて、涙が止まらなくなる。きっとこんなに近くに感じる存在……二度と現れないだろう。
「泣かないでくれ……」
「んっ、ンナァ……なーじ……だしてっ。あ、ナカに……」
「あぁ。一緒にいこう、な。リュヌ……」
自ら舌を差し出すように唇を重ねた。器用に身体を折って覆いかぶさってくるナージの髪がさらさらと顔に当たるのが心地いい。
黒くても、月明かりを通す優しい檻だ。視界にはナージの顔しか入らない。興奮に潤むグレーに、リュヌの月色が映り込んで明るく見えた。
「う、ッん……いっしょに……」
ずっと一緒にいたい。この男に、どうしてここまで惹かれるのかわからなかった。フェロモンが合うのかもしれない。ただの一目惚れだとしても、リュヌはどこか運命的なものを感じていた。
彼ならリュヌを幸せにしてくれそうだ。外見だけじゃなく、内面も愛してくれそう。自分が一国民であれば叶ったかもしれないのに――胸に浮かぶのは、叶わないと分かっているからこそ幸せな想像だった。
熱い息を交わす。与えられる快感を全身でナージに返すと、倍になって返ってくる。それを繰り返す。リュヌはナージとひたすらに快感を追い、しばし言葉を忘れた。
胸にはいっぱい想いが満ちていたし、身体の中もナージに満たされている。口に出さずとも、伝わってしまえばいい……リュヌはひとりの男として、ナージに恋をしてしまったのだと。
リュヌの望みを、仕方ないなぁと叶えてくれる人。リュヌが王子だと分かっても、態度を変えなかった人。あぁ、好きだ。
「俺も好きだ。リュヌ、君が愛おしい……!」
都合のいい幻聴が耳に届く。人生で一番しあわせで、現実味のない瞬間。
「……ぁっ。も、いく……!〜〜〜〜〜っ!!!」
「く…………ッ」
目の前に星が散ったようにチカチカと光が飛び、身体の中で積もり積もった快感が爆発した。感じたことのないほどの悦楽は宙に浮くような感覚で、思わず両腕でナージにしがみつく。
全身が震え、雄膣もびくびくと痙攣している。子種を搾り取るような動きに抗わず、ナージは奥に精液を叩きつけた。
時間をかけて息を整える。ズルンとペニスを抜いたナージが、リュヌをぎゅうぎゅう抱きしめる。発情の終わった人はみなあっさりと離れていくというが、その抱擁は情熱的だ。こんな種族もいるのだなぁと、リュヌは彼の腰へ手を滑らせた。
そういえば、どんな尻尾してるんだろ……??
「えっ。あれっ……ない!!!」
「は?おいおい、くすぐったいぞ」
この国に尾のない獣人はいないのだ。いったい、どういうこと???
「尻尾が……ない!」
ナージはちら、と脇に視線をやり、サイドテーブルに置かれた剣を示す。
「あっはっは!まだ気づいてなかったのか?俺は人間だ。お前の言う、なよっとした弱い、な」
「えええええ〜〜〜〜〜!?!?」
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