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幼馴染という関係

  (チャイムの音)

  りえ「ふわぁ〜……やっと四時間目終わったぁ……はぁ……」

  りえ「よし。おっひる、おっひる。……って、あれ?お弁当……お弁当……あれ?」

  りえ「え、うそ……お弁当忘れた……ハッ!そう言えば朝、ギリギリに起きちゃたから、そのままバタバタ着替えて出て……お弁当持ってくるの……忘れた……」

  りえ「うわぁ……今から購買行ってももう何もないだろうし、食堂も混む時間だし、どうしよう……」

  (後ろで、扉が開いて足音が近づいてくる)

  ゆか「はい」

  りえ「え?……ゆかちゃん?どうしたの?」

  ゆか「お届け物。貸してくれた教科書。3時間目の。それと、お弁当」

  りえ「え、お弁当?なんで?」

  ゆか「朝おばさんに頼まれたの。どうせりえが寝坊してお弁当持っていかないだろうから、悪いけど先に行くなら持って行って欲しいって言われて」

  りえ「そうだったんだ……ゆかちゃんありがとう」

  ゆか「はぁ……ほんとにあんたは、いい加減ちゃんと起きなさいよ。それと、リボン曲がってる」

  りえ「あわわ……ごめんねいつも」

  ゆか「全く……あんたはすこし抜けてる。もう少ししっかりしてよね。私もずっと一緒に居られるわけじゃないんだから」

  りえ「え……そうなの?」

  ゆか「そうなのって……高校はそうかもしれないけど、大学は違うよ?」

  りえ「え……ゆかちゃんどこ受けるの?」

  ゆか「私?私は桜月(おうつき)大学」

  りえ「え!すっごい有名なところじゃん。しかも頭いいって……私じゃ、無理だ……」

  ゆか「そ。だから、多分……幼馴染っていうか……ずっと一緒にいられるのは、高校まで」

  りえ「そう、なんだ……」

  ゆか「さから、それまでにはしっかりしてよね。私は今、クラスも違うんだから、ずっとは面倒見られないんんだから」

  りえ「うん……あ、お弁当ありがとう、届けてくれて」

  ゆか「いいえ。私こそ、教科書ありがとね。それじゃ、私戻るから」

  りえ「あ、ゆかちゃん」

  ゆか「ん?」

  りえ「よかったら、お弁当一緒に食べない?」

  ゆか「……悪いけど、私、いつものところに行くから」

  りえ「あ……化学の先生のところだっけ……」

  ゆか「うん。勉強見てもらう約束してるから。それじゃ」

  りえ「うん……頑張ってね」

  (遠くなって行く足音。閉まるドア)

  りえ「あ……そっか……ゆかちゃん、違うところ行っちゃうんだ……でも、仕方ないか……甘えっぱなしは……だめ、だよね……うん」

  (放課後、扉が開く音)

  りえ「ゆかちゃん、一緒帰ろ」

  ゆか「ん」

  りえ「あ……ごめん、お邪魔だった?」

  ゆか「ううん、大丈夫。帰ろ、りえ」

  ゆか「う、うん」

  (すこしまをあける)

  (アスファルトを歩く音)

  りえ「ねぇゆかちゃん、さっきの子、よかったの?」

  ゆか「ん、何が?」

  りえ「いや、なんていうか……泣いてたって、いうか……」

  ゆか「あぁ。……告白されたの」

  りえ「え、そうなの!?」

  ゆか「うん。でも、断った。それで泣かれたって感じ」

  りえ「……どうして断ったの?女の子同士だから?」

  ゆか「そういうわけじゃなくて……私、好きな子いるから、それで」

  りえ「え……好きな子、いるの?ゆかちゃん……」

  ゆか「うん、いるよ。ずっと片想いだけど……ずっといる。全然気づいてもらえないけど」

  りえ「そう、なんだ……」

  ゆか「うん」

  りえ「そっか……」

  ゆか「高校卒業したら、離れ離れになるから……その前には告白しようとは思うけど、いまの関係も好きだから、告白するかは迷ってる」

  りえ「そうなんだ……付き合えるといいね、私応援してるよ」

  ゆか「ありがとう。じゃあ帰ろっか」

  りえ「うん」

  りえ「いつか離れるなら……ゆかちゃんがだれかを好きでも、いつか自分の気持ちを……」

  ゆか「高校出たら離れちゃう……好きだって気持ちを伝えたいけど、でも、いまの関係を壊したくない……口に出さないようが、もしかしたら幸せなのかもしれない……」

  【完】

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