Ad
※フクロウの鳴き声
※夜の森を歩く
こんな夜更けに薬草採取とは、命知らずの人間もいたものだ。
こんばんは。こんなところで一体なんの薬草を探してるのかな?
ん?声も上げずに尻餅ついて、そんな怯えた表情で私を見上げるなんて。
顔を合わせるのは初めてなのに、私が誰なのか知っているみたいだね。
……ふふっ、そうだよ。私は吸血鬼。夜の住人だよ。
それで?こんな夜更けに森に来て、君はなんの薬草を探しているんだい?
……月華草?それならこんな木の影ばかりのところじゃなくて、月明かりが差し込むところに生えてるよ。
ついてきた前。私が案内してあげるよ。
……ほら、何してるんだい。早く薬草を取らないとだろ。
私も、森の人がいるのは嫌いなんだ。1秒でも早く君が出ていってもらうには、薬草を持って帰ってもらわないとだろ。だから、早く用事を済ませてくれ。
夜は、私たち吸血鬼の時間なんだから。
※少し間を開ける
※草を踏む音
ここだよ。
ここが一番月明かりを浴びる場所だからね。
昼間は咲いていないが、夜になれば満開に咲き誇るよ。
好きなだけ持っていってくれ。
※草を踏む音
※少し間を開ける
本当に人間は無防備だね(耳元
※そのまま地面に押し倒す
吸血鬼に背中を向けるなんて、命知らずだね。それともただのバカかい?
だってそうだろ?私は吸血鬼だよ。
吸血鬼に見つかればどうなるか、君は知らないのかい?
吸血鬼の食事は人間の血液。その吸血行為によって怒るのは二つ。死ぬか、生きて印をつけられて死ぬまで血液タンクにされるか。
近くの村では、首筋の印は死の印と呼ばれているんだっけ?
君は運がいい。オスの吸血鬼にあっていたらその場で殺されていたよ。
吸血鬼はね、同性が嫌いでね。同性はその場で死ぬまで血液を吸い上げ、異性は自身の血液タンクとして一生飼い殺しにするの。
だから今日から君は、私の大事な食糧ってわけ。
安心して。一度食料になれば、印をつけた以外に殺されることはないから。
それじゃあ、君の血液がまずはどんな味か確かめないと。
私は意外とグルメだから、異性でも血液がまずければその場で殺してしまうかもしれない。
自分の血が美味しいことを祈ることね。
それじゃあ、いただきます。
【完】
Ad