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※雨の音
※扉が開く音
あれ?こんなところでどうしたんだい?
…‥私?実は、傘を忘れてね。ネットで見たら通雨だというし、止むまで待ってるんだ。
君は?
…‥そっか、君も忘れたのか。お互い災難だね。
よかった、そんなところに立ってないでこっちにこないかい?
止むまでまだ時間がかかりそうだし、せっかくなら話し相手になっておくれよ。
※扉が閉まる。
※歩いてきて椅子に座る。
ふふ。こうやって面と向かって話すのは初めてだね。
同じクラスだけど、会話なんて片手で数える程だし。
あ、自己紹介とか必要かい?
…‥そうか、君は私のことを知ってくれているのか。なんだか嬉しいな。
ん?あぁ、君のことも知ってるよ。会話はしたことないとはいえ、クラスメイトのことを知らないわけないだろ?
いつも、誰よりも早くきて、だれかに言われたわけでもないのに教室の掃除や花瓶の水換えをする、とても優しい子だって。
……なんで知っているのかって?さぁ?なんでだろうね。
……そういえば、どうしてこの教室に?
……なんだ、私と同じか。私も、待つなら静かな場所がいいと思ってね。
図書館や教室は、どうも人の出入りがあって落ち着かない。ここは人もこないし、雨音以外に余計な音が聞こえなくて随分心地いい。
ん?何だい。さっきからじろじろ見つめて。
……ふふっ、謝る必要はないよ。そんな熱い眼差しを向けられるのは嫌いじゃない。特に、君みたいな子にはね。
……からかってるように聞こえるなら謝罪するよ。ただ、君の反応があまりにも面白いからね。
……そうだね。結果的にからかってることを認めてしまっているね。
それは申し訳ない。
んー?
……ふふっ、そうだよ。実は結構おしゃべりなんだよ、私は。
教室は、特に話す相手もいなくてね。だから黙ってるだけ。それが随分根深くなってしまって、クールな人間だと思われてしまってる。随分と侵害だよ。
私は結構愉快な人間だよ。
ふふっ、君は本当の私を知った最初の人だ。光栄に思っていいんだよ。
……おや、随分嬉しそうな顔をするんだね。なんだか私まで嬉しくなってしまった。
なんでって、私のことを知った最初の人が君だからだよ。
……不思議だな。どうしてだろうか……雨の日の、薄暗い空き教室で二人っきりのせいか変な気分になる。酷く、自分をさらけ出してしまう。
……ねぇ……
もっと私の深くまで知りたい?(耳元
ふふっ……君が望むなら、教えてあげるよ。でもその時は、
もちろん君も私に、君の深いところを教えてね(耳元
あ……やんだみたいだね。それじゃあ、帰ろうか。
君は徒歩かい?それともバス、電車?
……それじゃあ途中まで一緒に帰ろう。
何だい。君はこのまま女の子を一人で帰らすのかい?ひどい男だね。
……ふふっ、冗談だよ。君が良ければ、一緒に帰らないかい。
構わないかい?嬉しいな、ありがとう。
あ、そうだ。
雨の日はいつもここにいるから、気が向いたら、また話し相手になってよ。
……待ってるよ。
【完】
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