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白い悪魔

  こんにちは人間さん。

  どうされたんですか、そんな悲しい顔されて

  ……天使?……人間さんには私がそう見えるんですね。

  残念ながら私は天使じゃないんです。ごめんなさい。

  ……それで、人間さんはどうしてそんな悲しい顔をされているんですか?

  というか、どうしてこんな高いビルのフェンスを超えているのか。それを聞いても?

  ……まぁそうですよね。聞くまでもないですね。それじゃあ聞き方を変えます。

  死んで何か変わりますか?

  呆気なく死ねば、それは楽になります。不安を感じたくない苦しみから解放されます。一番手っ取り早いのは何か。そう……死ぬことです。

  死ねば、本人は楽です。けど、残される人のことを考えたことがありますか?

  ……あはは、どうでもいいですか。いいですね、そのきっぱりとした他人への興味のなさ。私は好きですよ。

  だからこそ、あなたに提案したいです。

  ……もう少し、長生きして見ませんか?

  ……はい。無様に、もう少し今世を生きないかと聞いているんです。

  私はあなたの心からの願いを3つ叶えることができます。

  叶えた後は好きにしていただいて構いません。でも、3つの願いを叶えるまでは、このクソみたいな今世を生きて欲しいんです。

  ……どうして?私がそれを望んでいるからです。それではダメですか?

  ……ふふっ、そうですね。私も大概自分勝手ですね。

  それで、ご返答は?

  ……はい。本当に3つ。なんでも叶えることができます。

  ただ、先ほどもお伝えしたように、叶えることができるのは心からの願いのみです。それ以外のお願いは叶えることができません。

  それでもいいというのであれば、私と一緒にもう少しだけ生きましょう。

  ……そうですか。もう少し生きてくださいますか。ありがとうございます。

  それでは、お住いの方に行きましょう。しばらく、人間さんの家でお世話になりますから。

  ふふっ、良かった……ホント、人間ってチョロいな……精々、希望に満ちた願いを叶えてください。そして、最後にひどく絶望した顔を私に向けて……その魂を私にくださいね、人間さん。

  ※舌なめずり

  【完】

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