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12時の眠り姫

  ※扉が開く音

  あ……きた。

  まだ寝てなかったのかって……前にも言ったでしょ。

  昔から、12時までは全然眠くなくて、12時ぴったりになると糸が切れたみたいに寝るって。

  ……んー、病気……ではないと思う。

  結構小さい頃からこんなだったから、お母さんも心配してたんだ。

  でも、お医者さんに言っても特に異常は見られなかったし、精神面かなって、それもいら下手けど特に異常なし。結局原因はわからず。

  まぁ、健康的なことだから良いかなって思ってる。でも、しいて言うなら……君と朝まで起きてたいなって言うのはある。

  ……あはは、寝かせてくれって。わかってるよ。あくまで願望だしね。

  でもさ、君ってベッドに来るの、いつも30分前だから、寝る前のおしゃべりが少ししかできないのが寂しい。

  もっと君とお話ししたいよ。

  明日どうしようかとか、今日はどんな夢見るかなって。

  くださらないことでも、私にとっては楽しいお話だし。

  ん?そうだね。貴重で、楽しみな30分だね。

  ちょっとだけ、変なこと言っても良い?

  ……うん。妄想だって思ってくれて良いんだけどさ、この……12時に眠るのって、呪いか何かかなって。

  前世がファンタジー世界のお姫様で悪い魔法使いの呪いで、12時になると眠っちゃうって。

  ……なんで12時か?んー……その魔法使いはお姫様のことが好きだった。だけど、そのお姫様には想い人がいた。相手は敵国の王子で、12時をすぎた時間にしか会いに行けない。

  魔法使いは、自分ではない男、しかも敵国の王子に行為をする姫を許せなかった。魔法使いは男と会えないようにするために、お姫様に12時に眠る呪いをかけた。

  こんな感じ?

  ……え、お前すごいなって。そう?

  ……うん、今パッと思いついた。まぁこれが事実かはわからないけど。そうだったら、ちょっと悲しいね。

  好きな人に振り向いてもらえない魔法使いと、敵国同士で結ばれることのない姫と王子。三人ともかわいそうだよ。

  ※布の擦れる音

  ん、どうしたの?急に頭撫でて。

  そろそろ眠る時間?

  あ……ほんとだ。もう2分しかない。

  こう言うお話ししてると、時間ってあっという間だね。

  ……うん。じゃあ、先に寝るね。また明日、目が覚めたら「おはよう」って言い合おうね。

  ……おやすみ

  ※時計がなる

  ※軽く寝息を立てる

  【完】

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