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※ 扉が開く音
お帰りなさい。
今日もお仕事ご苦労様。
ん?あぁ、うん。実は今日お昼頃から体調悪くて早退したの。それで早く帰ってきて・・・
え?あぁもう大丈夫だよ。君の顔を見たら元気出たから。
ん?ふふっ、ちょっとほっぺた撫でただけでそんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。可愛いね。
ご飯の準備できてるから、先にお風呂入ってきて。もうお湯湧いてるし、着替えも置いてるから。
・ ・・いいえ。お礼を言われるようなことは何もしてないよ。
ふふっ、お腹いっぱい?すっごく満足そうな顔してる。
でも、食べてすぐに横になったら体に悪いよ。片付けも残ってるし。
ん?ちょっとだけ?ふふっ、仕方ないな・・・よしよし。
体調?うん、すっかり良くなったよ。昔は何回か倒れたりしたけど、今は体調が悪くなるだけだし、頻度もそんなに多くないしね。ごめんね、いってなくて。
ううん、病気とかじゃないの。私も、理由はよくわからないけど・・・。
ん?どうしたの?『今日はいつもより優しい』?えー、その言い方じゃいつもは優しく無いみたい。酷いな、私はいつも優しいでしょ。
君のことが大好きだから、君のために色々して、君を甘やかして。もっともっとダメにしたいって・・・
ん?ダメになるのはやだ?ふふっ、別にダメになってもいいよ。そうなったら、私が甲斐甲斐しくお世話してあげるから?
お・・・どうしたの?急に起き上がって・・・ねぇ、そんなに見つめられると恥ずかしいんだけど・・・ん、『君は誰?』って、あはは、何言ってるの?私は君の彼女だよ。他の誰かに見える?
・・・眠いの?ふふっ、じゃあ少し寝てていいよ。その間に片付けどお風呂すませて、そのままベットに運んでてあげるから。
おやすみ・・・
(場面展開:寝室)
(鎖の音)
(以下、さっきまでの大人っぽい雰囲気とは変わって、無邪気に明るくなる)
あ、目が覚めた?
おはよう。なかなか起きてくれないから睡眠薬盛りすぎたかなって思って少しあせちゃった。えへへ。
ん?どうしたの?そんなにびっくりした顔して。
あぁそっか。こっちで話すのは初めてだもんね。普段はバレないようにあっちの口調と雰囲気で話してるから。
んー、じゃあ初めましてかな。まぁ一応名前は一緒だから名乗る必要はないか。
なんとなく察してると思うけど、私は君の知ってるあの子とは違う人格なの。いわゆる二重人格ってやつかな。
主人格あの子なんだけど、たまに私と入れ替わるんだよね。
演技するの結構大変なんだよ。あの子と私って性格が結構反対っていうか、私おしゃべり大好きだし。
あぁでも、君をお世話したいっていうところは一緒かな。
勘違いしないで欲しいのは、私もちゃんと君のことが大好きだってことだよ。
ただ、あの子みたいに純粋な真っ白な愛情じゃなくて、私の場合はちょっとだけ歪んでるの。まぁこの現状でそれはお察しだよね。
ん?いつから入れ替わってるって?
今日のお昼だよ。言ったでしょ、体調が悪くなったって。
昔はあの子が倒れて入れ替わってたけど、最近は頻度も低くなったし、あの子が倒れて気づいたら入れ替わってるって感じじゃないんだよね。
体調が悪くなって、精神が弱ったときに私が表に出て好き勝手にしてるって感じかな。
でも、変に私のままで振る舞うと後々面倒だから、さっきも言った通り、あの子として生活をした。
記憶の共有をするために、わざわざノートに色々書いたりして、私なりに気遣って入るんだよ?
でもね、私一つだけ羨ましいんだよね。
主人格はあの子だから、好きになる相手はあの子の好きな人じゃないといけない。私がだれかを好きになることはできない。だから、君のことを好きになろうとしたんだ。
で、結果がこれ。
君を拘束するほど大好きになちゃった。
・ ・・なんで、『触らないで』っていうの?私もあの子も同じ見た目でしょ?
考えによっては、単純にあの子が病むほど君を好きになってるってだけでしょ?拒絶することじゃないでしょ?
・・・どうして?私もあの子も一緒でしょ?なんで私のことを好きになってくれないの?
・・・違う?違わないよ。私もあの子も一緒。だって、君はずっと私の演技に騙されて来たんだから。
好きな子かどうかもわからないくせに、そんなこと言っても説得力ないよ。
まぁでも、最初から抵抗されるのはわかってたから別にいいけどね。
別にあの子のこを嫌いになってって言ってる訳じゃないんだよ。
あの子のことも、私のこともちゃんと愛してくれればそれでいいの。
まぁできれば私の方を愛して欲しいけどね。
何をするかって?
そりゃあ、君が私を好きになるようにするんだよ。
次、私があの子といつ入れ替わるかわからないし、それまでにしっかりと君が私を好きになるようにしてあげないと?
あーもううるさいな。
(ガムテープの音)
はい、できた。これで喋れないね。
さて、それじゃあやっていこうか。
大丈夫、痛いことはしないよ。ただ心地よくて、もう何も考えられなくなって、その中に少しずつ私を満たしていって、私のことで頭をいっぱいにしてあげる。
【完】
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