柴後輩とクロ兄ちゃん【海の家】

  ※注1:お読みになっている小説は『柴後輩とクロ兄ちゃん』本編でお間違いありません。

  ※注2:今回の冒頭は読み飛ばしても問題ありません。マイルドなつもりですが怪談系とキモい系が苦手な方はスルー推奨です。

  ──────あんたたちはナメクジが何食べてるか知ってる?

  あいつらって何でも食べるの。

  木の実や葉っぱはもちろん、お花でも畑の野菜でもキノコでも、コンクリートだって食べちゃうの。

  ───そして・・・生き物の“死骸”とかもね?

  だから、例えば森の中に居れば食べ物に困ることなんて無いの。

  周りが餌でいっぱいなんだから。

  それにあいつらが卵産むのは落ち葉や腐葉土、石の下・・・。

  いよいよ森から出る必要なんて無いと思わない?

  だけど何故かあいつらは人間の家の中に頻繁に入り込むの。

  駆除用品が当たり前に売り出されるくらいにね。

  駆除されるのに畑の野菜やプランターの植物にも手を出すの。

  おかしいと思わない?

  食べ物はたくさんあるのに、わざわざ道を這って、塀を這って、人間の住処に潜り込んで来るの。

  ─────人間に憧れてるのよ。

  人間と同じものを食べたい。

  人間と同じ場所に住みたい。

  人間と同じ暮らしをしたい。

  ただそれだけ────。

  夏のある日、1人の男の子が山に虫捕りに出かけたの。

  その子が住んでる所は田舎で、近くの山をいつも遊び場にしてたから、親も特別気にすることは無かったわ。

  でも、男の子が山をある程度登った時、突然大雨が降り出したの。

  腐葉土でふかふかの地面は男の子の体力を奪って、[[rb:泥濘 > ぬかる]]んだ地面は落ち葉でもっと滑りやすくなってた。

  ついに男の子は足を滑らせて、山の斜面を転げ落ちて意識を失ってしまったの。

  しばらくして、わずかに意識が戻ると雨はあがって日は傾きかけてた。

  男の子は帰らなきゃと思って身体を動かそうとしたの。

  でも、身体は指1本動かせないどころか首から下の感覚が全くない。

  男の子は薄れた意識の中で何とか自分の身体に目をやると──────。

  おびただしい数の ナメクジが

  身体中を 這い回っていたの

  男の子が感じたのは言葉にならない、本能的な恐怖だけ。

  生理的な涙が瞳に溢れた時、男の子耳に無数の声色が混じった声が聞こえたの。

  “お前はもう助からない”

  “このまま動けず息絶える”

  “しかし案ずることは無い”

  “お前に自由な身体をやろう”

  “見返りなどは求めない”

  “ただいつも通りに過ごせば良い”

  “事故など忘れて過ごせば良い”

  “ただし塩には気をつけろ”

  “かけられればたちまち肉が縮んで干からび”

  “骨となって息絶える”

  声が止むと同時に、ナメクジは男の子の身体を骨になるまで貪り食って、男の子は再び意識を失ったわ。

  そして、夕方になって男の子はまた目を覚ましたの。

  あのナメクジが夢だったか現実だったかは分からない。

  でも、声の通り身体は傷一つなくて自由に動かせた。

  男の子は急いで家に帰って、その日のことを悪い夢だと忘れようとしたの。

  ただ塩だけには気をつけながらね。

  家族もその日様子がおかしい事は気付いていたけど、深く追求することはなかったわ。

  むしろ、男の子の野菜嫌いが突然なくなって、お母さんが喜んだくらい。

  数年後、男の子は大人になって、結婚して奥さんも妊娠して、仲睦まじく幸せに暮らしていたわ。

  あの事件のことなんてすっかり忘れて、普通の暮らしをしていたの。

  病院で奥さんのお腹から

  大量のナメクジの卵が見つかるまではね

  “きゃあああああああああああ”

  “うぇぇぇ”

  “っ──────────”

  あなたの周りにも・・・もしかして・・・?

  [chapter:柴後輩とクロ兄ちゃん]

  「海だーー!!」

  俺は両手を突き上げた。

  澄み渡る夏の空、太陽は伸び伸びと気持ちよさそうに景色を照らしている。空と海は水平線を境に異なる青のグラデーションで、ビーチで遊ぶ子供たちは太陽に負けないくらい元気いっぱいだ。

  「一緒に海なんて小学校以来だね、クロ[[rb:兄 > にぃ]]」

  「だな!」

  [[rb:玄來 > げんき]]は尻尾をゆらゆらさせながら俺を見てニカッと笑った。

  晴れ渡るビーチで爽やかイケワンの笑顔が俺に向かって照射されている。しかも惚れてる相手の。

  ───眩しい。世界中のどの太陽より眩しい。

  緑のアロハと首に引っ掛けた麦わら帽子も素朴感があるというか[[rb:玄來 > げんき]]ぽくていい。全部いい。好き。

  「海なら昨年も来たでしょ」

  俺たちの後ろで[[rb:優 > ゆう]]が口を開く。

  [[rb:優 > ゆう]]は紺色のTシャツに白のハーフパンツというイベントスタッフみたいな服装だが、ちゃっかりサングラスは付けている。

  [[rb:優 > ゆう]]の見た目でアロハにサングラスだったら完全にヤク・・・ヤバい人だったから良かったのかもしれない。

  しかし、俺は知っている。紺色のTシャツは無地ではなく、背中に白文字で大きく『ポセイドン』と書いてあるのを。

  やっぱりヤバい人である。

  「堤防とビーチじゃ全然違うんだよ! 分かってないなぁ〜[[rb:優 > ゆう]]は」

  俺はしたり顔で腕組みをして、わざと大袈裟に言ってやった。

  海と言えば砂浜だ。泳いだり、ビーチバレーしたり、パラソルの下でハワイアンなドリンクを飲んだり出来てこその海だ。

  何故か[[rb:玄來 > げんき]]はビーチよりも端の方にある[[rb:磯 > いそ]]をしきりに見ているが、知らん。

  海と言えば砂浜だ。

  「じゃあ分かってるルキ[[rb:兄 > にぃ]]が案内してよ。俺、海初めてだから。日本のは」

  今度は[[rb:優 > ゆう]]の隣でユズが口を開く。

  こっちもサングラスをしていて、白シャツにデニム生地のハーフパンツとこなれ感がある。

  なんか雰囲気がセレブっぽい。

  いや、セレブには違いないのだが。

  「おーいオマエら、海の家に荷物預けに行くぞー」

  パラソルを肩に担いだ店長の一声で、俺たちは揃って海の家に向かった。

  今日は8月の祝日。俺たち大学生組は夏期休業で、銀も休みの日だ。

  うなぎの一件で[[rb:玄來 > げんき]]に儲けさせてもらったからボーナスみたいなもんだということで、店長が連れてきてくれたのだ。

  ちなみに海水浴は[[rb:玄來 > げんき]]の希望らしい。

  今回は[[rb:友紀 > ゆき]]さんと息子の[[rb:誓優 > せいや]]くんも一緒だ。

  兎の[[rb:誓優 > せいや]]くんは[[rb:友紀 > ゆき]]さんと同じ垂れ耳で、今1歳半くらい。1人でよたよた歩けるくらいに大きくなっていた。

  「あの人ここに別荘持ってんだ」

  海の家に向かう道中で早速ユズが的外れなことを言い出す。

  「違う違う。ビーチに並んでるあれが海の家だよ」

  俺はビーチに軒を連ねる海の家を指差しながら言った。

  「は? どうみてもレストランとバールじゃん」

  「そこでロッカーとかシャワーの貸出もしてるんだよ」

  ユズは興味無さそうに頭の後ろで手を組んで、フーンと一言返してきた。

  バールってカフェバーみたいなもんだっけか?

  正直俺も海水浴は過去2回しか来たことが無いので海の家も詳しくは知らない。小学生の頃、[[rb:玄來 > げんき]]たちと来たのが1回と臨海学校が1回だ。

  そういえば昔の[[rb:玄來 > げんき]]は海がそんなに好きじゃなかったような気がする。

  それであんまり来てなかったような・・・。

  「お前そんなことも知らないのかよ」

  俺が昔を思い出そうとしていたところで、[[rb:玄來 > げんき]]がユズに食ってかかった。

  「知らないね。少なくともホテルのプライベートビーチにはそんなのなかったし」

  「っ・・・?」

  ダメだ常識の次元が違う。

  俺は言葉を咀嚼しようとしている[[rb:玄來 > げんき]]の肩にポンと手を置いた。

  「やめとけ[[rb:玄來 > げんき]]。ユズに俺たちの常識を当てはめようとするんじゃない。ケガするぞ」

  一応この中でユズの家を知っているのは俺だけだ。無用な手出しをして火傷しないようにしてやれるのは俺しかいない。

  「俺も海の家知らない」

  「はぁ!?」

  [[rb:優 > ゆう]]だ。

  予想外の人物がその言葉を発して、俺はつい声を上げてしまった。

  「え・・・[[rb:優 > ゆう]]さんも知らないんすか?」

  [[rb:玄來 > げんき]]が恐る恐るといった様子で[[rb:優 > ゆう]]に尋ねる。

  恐らくさっきの自分の発言を気にしてのことだろう。

  基本的に[[rb:玄來 > げんき]]は目上の人には敬意を払うタイプだ。当然、[[rb:優 > ゆう]]に対しても例外ではない。

  「存在は知ってるけど。海水浴初めてだから」

  「マジかよ!?」

  「マジすか!!」

  俺と[[rb:玄來 > げんき]]の声がハモった。

  だからか。だからこの虎さんはポセイドン着てきちゃったのか。

  ・・・いや、違うな。海じゃなくても学校にもポセイドンは着てきた可能性がある。

  いつもほとんど同じ服装だから、服に興味が全く無いのは分かる。Tシャツは普通だったりもするが、ダサ・・・個性的なことも結構多い。

  「臨海学校とかなかったか?」

  「なかったね」

  「家族で行こうとかなったことも?」

  「ないね」

  「行きたいと思ったことも?」

  「海に用事無いしね」

  用事って・・・。

  [[rb:優 > ゆう]]はユズと別次元で俺たちの常識が通用しないのかもしれない。

  「今日は来たいと思って来たよ。サングラスも買ったし」

  サングラスをかけて尻尾の先をピコピコ動かしている虎さんに「そのポセイドンもか?」と聞く度胸は俺には無かった。

  ◆◆◇◇◆◆

  「ここだ!」

  そして店長の案内で到着した海の家。

  なんというか、ものすごく普通な感じの海の家だった。

  というのも、何軒か素通りした海の家はいかにも“[[rb:映 > ば]]え”そうな感じのテラスやソファ席なんかがあって、お客さんが食べていたメニューもそういうのを意識したような見た目をしていた。

  しかし、ここにはそんな気配は無い。

  足場はコンクリート、木造の柱に軒の広いトタン屋根、食事スペースは広々として壁は無く、テーブル席が主で3分の1が座敷になっていた。

  スペースが広いせいか、他と比べてお客さんもまばらに見える。

  「いらっしゃい、ようこそ“ウミネコ浜”へ」

  そう言って柔らかい笑顔で迎えてくれたのは三毛猫のおばあちゃんだった。

  おばあちゃんだと思うのだが、とてもハキハキしている。もしかしたらおばちゃんかもしれない。

  ちなみに“ウミネコ浜”はこのビーチの名前だ。

  「いいよおばあちゃん! 私がやるから!」

  そう言って厨房の方から若い女性の声がした。

  やっぱりおばあちゃんだったらしい。

  ───────ん?

  ところでこの声、ものすごく聞き覚えがあるぞ。

  「ようこそ海の家“ウミネコ”へ!」

  「ミケ先輩!?」

  「えーっ!! クロくんじゃん!! ユズくんもいるし!」

  厨房から出てきたのはなんと我がサークルの長、ミケ先輩だった。

  「それにユウくん、ゲンキくん! きゃー! セイヤくんも大きくなったねー! ユキさん、ゴロちゃんさんもお久しぶりですー!」

  「あら、学園祭の時の! あの時はありがとねミケちゃん先輩」

  「覚えてくださってたんですか! 嬉しいですー!」

  ───────店長を除く男子勢は、ミケ先輩の勢いに圧倒されてしまっていた。

  落ち着こう。事態と感情を整理しよう。

  まず、俺たちは海の家たどり着き、そこで何故かミケ先輩が現れた。しかも様子からして店員だ。それで俺は驚いた。

  そして、ミケ先輩はこの場にいる全員の名前を言ってのけた。

  俺とユズは分かる。サークルメンバーだし。しかし、[[rb:玄來 > げんき]]と[[rb:尾神 > おがみ]]一家に関しては学園祭で一度会っただけだ。まともな自己紹介もしていなかったはず。

  まさか、会話の中で呼びあった名前を覚えていたとでも言うのか?

  何十組も来場者が居た中で?

  [[rb:友紀 > ゆき]]さんはまだ分かる。何人もの常連さんを抱え、その人の好みに合わせたお通しを出す銀の接客の[[rb:要 > かなめ]]。THE ホスピタリティの人だ。ミケ先輩を覚えているのも普通だろう。普通ではないが。

  [[rb:玄來 > げんき]]の話では来店2回目のお客さんには“いつもありがとうございます”に対応が変化するらしい。

  「あの、ミケ先輩、色々聞きたいことはあるんですけど、[[rb:優 > ゆう]]と会ったことありましたっけ?」

  「無いけど、クロくん“ユウ”っていうでっかい虎の親友が居るって言ってたでしょ?」

  「あ・・・はい・・・」

  これが・・・・・・プロ・・・!!

  大学内外で様々なコネクションを作り上げてきたCircle先輩方の長の実力・・・!!

  「どうも、クロの親友の[[rb:虎守 > こもり]] [[rb:優 > ゆう]]です」

  「三上 [[rb:慧 > けい]]です! ミケって呼んでくれたらいいからね!」

  突然、[[rb:優 > ゆう]]がずいっと前に出て自己紹介をした。オマケに自分から手を出してミケ先輩と握手をしている。

  なんなんだコイツ。

  「まあ皆さん[[rb:慧 > けい]]ちゃんのお友達でいらしたのね。お手伝い出来ることがあれば言ってくださいね。今日は海をめいっぱい楽しんでください」

  おばあちゃんの歓迎の言葉を後に、俺たちは荷物を預けて海へと繰り出した。

  ◆◆◇◇◆◆

  「・・・」

  開幕から[[rb:玄來 > げんき]]がムスッとしている。まだ海にも入ってないのに。

  どうやら俺が日焼け止めを拒否したせいっぽい。

  [[rb:玄來 > げんき]]はアンダーコートがしっかりしてるから塗らなくても平気だが、俺とユズは日焼け止めを塗る必要があった。

  毛の下の皮膚に届くように塗る必要があるため、肉球をしっかり押し付けながら塗る必要がある。

  だから背中の方は誰かに手伝ってもらう必要があるのだが、俺は[[rb:玄來 > げんき]]の申し出を断ってユズと塗り合いっこした。

  いや、当然だろ。

  [[rb:玄來 > げんき]]にそんなことされたら、俺は海で楽しく遊ぶ3人の背中を見送りながら、しばらく砂浜で膝を抱えることになる。

  サマーライオンズでの反省を活かして、今回はハーフスパッツから[[rb:玄來 > げんき]]と同じサーフパンツに変えたが、たぶんこの3人にはバレるだろう。

  バレたら俺の尊厳は地に落ちるし、バレなかったら地面突き抜ける。

  断り方もユズと塗り合いっこしただけなのだから自然だったはずだ。さすがに勘弁して欲しい。

  「で、海って何するの?」

  いつの間にかデカい浮き輪を装着していた[[rb:優 > ゆう]]が俺に尋ねる。

  どこから出てきたんだそれ。

  「そりゃお前、海にぴょーんと飛び込んでだな」

  「飛び込んで?」

  「飛び込んで・・・」

  何するんだ!?

  俺も海で遊んだ記憶がほとんど無いから遊び方は心得てない。

  横に助けを求めようにもユズは我関せずと言った様子であくびをしているし、[[rb:玄來 > げんき]]も微妙な顔をしている。

  なんで海水浴提案した本人がその顔をしているだとツッコミたくなったが、水着の[[rb:玄來 > げんき]]がカッコよかったので飲み込んだ。

  「とりあえず海にぴょーんすればいいんだね」

  そう言って[[rb:優 > ゆう]]は浮き輪をはずし、俺をひょいと持ち上げてお姫様抱っこした。

  「ふぇ?」

  素っ頓狂な声を上げる俺をよそに、続けて[[rb:優 > ゆう]]は勢いよく回り始めた。

  「え、え、え、ちょっおまっ[[rb:優 > ゆう]]さん!?」

  凄まじい回転だが、しっかり抱えてくれているので意外と怖くは無い。

  「ふん!」

  そして、回転速度がピークに達したところで、俺は勢いのままに海へ放り投げられた。

  「ふにゃーーーーん!!」

  ダッパーンと音を立てて俺は海に墜落した。

  俺は海の中で波に揺られながら、なんとか海面から顔を出し、顔の水気をブルブルと振るった。

  「うわあああ!!」

  顔を出すや否や、隣でユズの悲鳴と共に水しぶきが上がった。

  どうやらユズもやられたらしい。

  砂浜を見ると一瞬だけ[[rb:優 > ゆう]]と[[rb:玄來 > げんき]]の押し問答みたいなのが見えたが、次の瞬間には[[rb:玄來 > げんき]]も抱えあげられ、回転が始まっていた。

  こっちに投げ飛ばされる[[rb:玄來 > げんき]]が身体を縮めて目をぎゅっと瞑っているのが可愛かった。

  3人投げ飛ばされた後、[[rb:優 > ゆう]]のデカい浮き輪が飛んできて、俺はそれをキャッチした。

  俺が浮き輪に入って、その脇にユズと[[rb:玄來 > げんき]]が掴まった。

  「うおお浮き輪めちゃくちゃ楽しいじゃん! 波揺られてプカプカ超気持ちいい!!」

  俺は1人でテンション上がっていたが、ユズと[[rb:玄來 > げんき]]は砂浜の方を見て、顔を強ばらせていた。

  「どうしたんだよお前ら」

  俺が尋ねるとユズが口を開いた。

  「ねぇ、アレまさか飛んでこないよね」

  ユズの視線の先を見ると[[rb:優 > ゆう]]が準備体操をしている。

  「まさか」

  ・・・さすがに飛んでは来ないだろう。

  あの巨体がこちらに届くような大ジャンプなんてする訳がない。

  飛んでも低弾道でドボンだろう。

  確かに[[rb:優 > ゆう]]は高校陸上競技のトップ選手だが、種目はハンマー投げで、跳躍系の選手ではない。

  必要とされる素養も技術も違うはずだ。飛べるはずがない。

  ・・・はずがないのだが。

  “[[rb:優 > ゆう]]なら飛ぶかもしれない”

  そんな一抹の不安が3人の中で一致した気がした。

  そして、ついに[[rb:優 > ゆう]]が準備体操を終えて、スタンディングスタートの構えをとった。

  俺たち3人が息を飲んだと同時にそれは走り出し、海水に足をつけても速度は衰えず、海面を割るような音と共に足を踏み切った。

  [[rb:優 > ゆう]]が飛んだ。

  俺たち3人は目を見開き、口を開けて、こちらに飛んで来るジト目の虎の顔を見た。

  景色がスローモーションになったと錯覚するような一瞬が過ぎ、虎の大砲は俺たちの目の前で盛大な水しぶきを上げて着弾した。

  [chapter:柴後輩とクロ兄ちゃん]

  まだまだこれから海の家編。

  ごめんなさい(唐突)

  遅延の原因というか言い訳等々はTwitter(X)をご覧下さい。

  この後も流れは決まってるのですが、1万字超えそうだったので切りました。

  新キャラに加えて既出キャラもさらになだれ込んで来ます。

  読者の皆様をワクワクさせる熱いお話に出来たらいいなぁと思っております。

  【定期】

  Twitter(X)で #柴クロ小ネタ 更新中です。

  ストーリーがより楽しくなればいいなぁと思いながら発信しております。

  誤字脱字修正のDM等、大変助かっております。

  いつも柴クロをお読み頂きありがとうございます。

  蒼空ゆうぎ