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「ふぁー......」
いつもどおり、平日と同じ時間に目が覚める。躰が軽い....昨日もゴードフとかなり遅くまで飲んでいたのだが、殆ど酒が躰に残っていない。思わず顔がにやけてしまうのが判る。我ながら
『はしゃぎ過ぎている』
とも思う。が....この約2ヶ月近くの間....ゴトラス事件から始まり、巨龍戦線、原因不明の病による闘病生活と、ひたすら耐え忍ぶ事ばかりを強いられてきた趙にとって、漸く自分の思う通りに行動出来るという、この喜びはこらえようもなく....
『ああ....今日は何をして遊ぼうか?』
そそくさと起き上がり、部屋の窓を開け、中庭にて朝日に眩く照らされた桜を眺める。ドアの外から、
「起きているかー? 旦那?」
とゴードフからの声がかかれば、足取り軽く
「ああ、今、起きた所じゃ」
とドアを開いて、ゴードフを招き入れる。
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部屋に運ばれてきた朝食を一緒に食べながら
「それじゃあ、今日は一人で出歩くのか?」
少し驚いた様子でゴードフが尋ねる。趙が
「ああ、雪芹が『問題無いでしょう』、とな」
笑って応える。ゴードフはまだ納得しかねる様子で
「良いのか? 確かに躰の方はだいぶ良くなったみてえだが....?」
趙の、危険や災難を「臭い」で察知する能力は、一部の者にしか知られていない。今迄は其れで危地を乗り切って来たのだが、前回、危険自体は察知できた物の、敵への見通しの甘さ故にあの様な大事になってしまった....ゴードフは、趙の危険察知の力自体は、問題無いと考えているが、あの様な体験を経た後では、いざという時に躰が強張って思うように動けないのではないかと心配しているのだ。趙は
「まあ、完全に本調子という訳ではまだ無いしのう....ただ、ちょっとこの辺りを一人で気楽に回って見たいんじゃよ。雪芹と回る事が嫌という訳じゃないんじゃがの....」
ゴードフは箸を口に運びながら、趙の顔を凝視する。やがて....
「まあ、旦那の性格だからなぁ....仕方ねぇか....でも、本当に無理はするなよ」
と念押ししてから、一人で出かけていった。行き先ははてさて....趙はニンマリしながら
「さて....儂も出かけるかの」
と浴衣に着替えた。
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「確か、この辺りに居ると聞いたんじゃが....」
雪芹に調べてもらった場所を確認する。今日は、ある人物に会うつもりであった。会う約束もしてないし、忙しそうなら姿だけを見て戻るつもりだった。さてその人物とは....?
現在、ワノクニ発祥の球技「タッキュウ」なる物に、2対2の対抗戦で熱くなる4人。熱戦の末
「よっしゃあ!!」
「くそー!!!」
と声が上がる。どうやら終わったらしい。その4人の中の一人に用があった。まあ、ちょっと会って話が出来れば?くらいの感じなので、このまま試合が再継続されれば、そのまま立ち去るつもりであったのだが.....当の人物が趙を見つけて、驚いた様子でこちらに歩み寄って来た。開口一番
「趙殿? もう御身体はよろしいのですか?」
「ああ、もう大丈夫じゃよ、ダルク殿。儂が寝込んでいる時、見舞いに来てくれたそうじゃないか? 少し話さないかの? 露天風呂とかでの?」
「ええ、」
汗だくの躰を拭いながら、ダルクが趙についていく....
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結局、最近になってこの温泉街を回り始めた趙よりも、ダルクの方が場所に詳しく、ダルクの案内で見晴らしの良い露天風呂へと足を進めた。温泉宿の一角で、一般にも露天風呂を開放している所だ。早速、二人共、裸に手ぬぐい一枚となり、桶でお湯を被って汗を流してから、湯船に浸かる。
「ふぅー....」
「ほう....これは、また、いい眺めじゃのう.....」
趙が感嘆の声を上げる。桜も見事だが、遠景に見える山と重なって、なんとも言えない趣を醸し出していた。ダルクが
「ほぼ、毎日、此処に来てますよ。あの山を見に....なんだか、故郷の村の光景と似ている様な気がして.....」
「ダルク殿の故郷か....さぞかし良い所なのだろうのう....」
ダルクが照れて
「いや、それ程でも....」
そんなダルクを見ながら、趙はにっこりと
「相変わらず、謙虚ですな。ダルク殿は」
「趙殿も、お元気な様子で安心しました。此処最近、ずっと臥せっているとの話でしたので...」
「お陰様で、元気になる事が出来ましたよ。儂を支えてくれる者達のお陰です」
そんな話をしながら湯船に浸かる事、20分余り....少しのぼせて来たので、二人して湯から上がって、床に寝そべり、青い空を見上げながら躰を冷ます。
「後、どれだけ居られるおつもりで?」
「漸く、躰が癒えましたからな....もう暫くは居て、楽しむつもりです」
「そうですか.....」
無言の時....そよ風が爽やかに二人を包む。ふと....ダルクから手が伸びて、趙の手を握る。趙が少し驚いた様子でダルクを見れば....手ぬぐいで覆った股間の部分が盛り上がっているのが見えた。趙は微笑みながら躰を起こすと、ダルクの方へ躰を重ねるのだった....
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