Ad
読者の皆さんこんにちは。みんなのあこがれ、黄雄大だ。気軽にホァンと呼んでくれ。
さて、今日はみんなもご存じ、噂の「ハッテンペンション」こと、ペンションワイルズにお邪魔している。大自然の中で温かい温泉でリラックスし、極上の料理に舌鼓を打つ……というのが本来の売り文句のこのペンション。しかしここの読者はご存じの通り、このペンションはもはや一種のハッテン場として認識されている。実際ここに遊びに来て、ノンケや女性に出会うタイミングはほぼないといっていいだろう。それだけゲイに根強い人気を誇っているということだ。
実際のところ、私が今回来た時にも予約客は全員ゲイだったようだ。三人で仲良く過ごす若者、事情がありそうな親子ほど年の違うカップル、何かを期待するように周囲をうかがう逞しい男……。そしてそれだけではない、このペンションのスタッフすら性のニオイを感じさせるのだ。逞しい身体を薄いシャツと短パンだけで隠した逞しいバイトスタッフ。穏やかながらも淫靡な視線を感じさせる老練のオーナー。もちろんお客さんは毎回違うのでいつも私が出会ったようないい男が現れるとは限らないが、それでも期待値は十分に高いと言えるだろう。
さて、このペンションの目玉を簡単に紹介しておこう。先ほど述べたように公式では風呂と食事ということになっているのだが、もちろん読者の皆が知りたいのはそこではあるまい。ここからは私視点でのこのペンションの魅力を伝えていきたいと思う。
1.中で何が起こるのか? 二人用サウナ
まず最初に紹介するのはサウナだ。先ほど「知りたいのは風呂じゃない」という話をしたと思うが、まあ少し聞いてほしい。ここの浴室設備は本当に素晴らしいのだ。まずは何と言っても入口から死角になっている洗い場。シャワーが三つ、鏡を挟んで反対側にも三つという配置になっている。「それくらい普通の銭湯じゃないの?」と思うかもしれないが、なんと鏡とカラン(若い子は知らないかな? 蛇口のことだよ!)の間に隙間がある。つまり座ると、向かいの相手の股間だけが見えるようになっているのだ。その気になれば間から手を伸ばすこともできるが、先ほども言ったようにここは入口からは死角になっている。勃起を見せつけて(あるいは見せつけられて)合意が取れたら、そのまま席を移動してしまっていいだろう。
あるいは露天風呂。ここの露天風呂、なんと浴槽の奥側に寝湯が設置されている。浅く作られたそこは寝転がると背中だけを温めてくれる。しかも尻尾を逃がすように中央には大きな溝が彫られているので、私のように太い尻尾(比喩ではない)を持っている種族でも安心だ。そしてもちろん浴槽内はタオルの持ち込みが厳禁だ。つまりここで寝るということは自らチンポを晒すということになる。自信がある諸兄はここで寝待ちするのもいいだろう。尻尾用の溝があることで前も後ろも触りやすい配置ではあるが、さすがに浴槽の中で致すのは感心しない。ここで相手を見つけたらやはり移動してしまう方がいい。勃起してしまった? 見せつけて歩こう。なんなら二人目、三人目が見つかるかもしれない。
そして移動先におすすめなのが表題になっている「二人用サウナ」である。ここにはサウナ用の小さな部屋の入口が三つ用意されている。扉に窓はあるものの、すりガラスなので人がいることがわかる程度で、中で何をしているかはわからない。そしてなんと、二人用だからか内部で温度のコントロールが可能なのだ。本来は高温が好きな人、低温で長く入りたい人が好みを選択できるようにという配慮なのだろう。だがそれは我々にとっても都合がよい。中に入って温度を下げたら、好みの相手とじっくり楽しもう。ただし終わった後にはきちんと掃除しておくことも忘れずに。幸い外に出てすぐ水風呂があるので、そこで水を汲んで中を流せばすぐに証拠隠滅は可能だ。こういうのは隠すことで背徳感が味わえるのも醍醐味である、周りがゲイだらけだからといって気を抜かないように!
[newpage]
浴室の中、私は肩にタオルをかけてペタペタと音を立てて歩いていた。体と髪を洗い、露天風呂にでも出ようかと考えていた時のことである。一人の青年が、サウナの中に入っていく後姿を視界の端に捉えた。しっかりと広い背中ながらも、やや低い身長。茶色い毛皮と丸い耳。先ほどあいさつした熊獣人のルカくんだろう。私は迷うことなくサウナに足を向けた。念のため後ろを振り返り、彼の連れが入ってこないことを確認する。
「やあ」
サウナの扉を開け、軽く手を挙げて挨拶をする。彼は驚いた顔をしたものの、「こんにちは」と礼儀正しく頭を下げてくれた。それをオーケーの合図ととらえ、私は彼の隣に腰かける。ちらりと目をやれば、彼はきちんとタオルで股間部を覆っていた。私はあえてタオルを首にかけたままにした。
「ひとりかい?」
私の言葉に彼は少し寂しそうにうなずいた。どうやら残りの二人はどこかでよろしくやっている、と考えていいだろう。三人組で仲がいいのは結構だが、三人全員がいっぺんに盛り上がるとは限らないのが難しいところである。私はそんな彼の肩にそっと手をまわした。
「あ、あの……」
彼が警戒したような声を出す。だがそんなことは気にしない。私はそっと彼の耳に口を寄せた。
「愚痴聞こうか。たまっているだろう?」
そういいながら彼の太腿にそっと手を乗せる。たまっているのは愚痴だけかどうかも知りたいところだ。
「でも……」
「旅先の見知らぬオジサンだからこそ、話しても差支えはない、ということさ。それとも、こっちがお望みかい?」
耳元でささやきながらも、手はゆっくりと太ももから内側へと滑り落ちていく。タオルの下をくぐり、柔らかな球を指先に捉えた。
「……三人で、いつも楽しむんですけど」
彼は観念したように目を閉じて、ぽつりと漏らした。
「オオカミのトマが一番性欲が強くて……俺たまにそれに応えてあげられなくて……んっ……トラの、クロード、がっ……」
私の手が彼の玉や乳首を軽く愛撫するたびに、彼の言葉が小さく途切れる。ずいぶんと敏感な体をしているようだ。確かにこれでは体力を使い果たすのも早いだろう。
「ほんとは、あっ、そこ……、気持ちいっ……」
私が竿の先に指先を伸ばすと、彼は素直に喘ぎ声をあげる。乳首をつねり、耳に舌を這わせ。
「君は応えてあげられないといったけれど」
先端からはすでに先走りが漏れ出している。いや、ひょっとしたらこれは後もれなのかもしれない。口ぶりから察するに先ほどまできっと三人で楽しんできたのだ。尿道に残っていた精液が漏れてきていても不思議ではない。私はそれを指先に取ると、先端にくりくりと塗り広げていった。それだけで彼の声は上ずり、竿が太く大きく育ち始めている。
「本当は、そうじゃないだろう?」
私の言葉に、彼はびくりと体を震わせた。気持ちいいのか、図星をつかれたのか。だがそれはどちらでもいい。どちらにせよ私の手はそれくらいでは止まらない。
「体力が尽きてリタイアするとかではなくて……あの二人にもっと自分のことを見てほしいんじゃないか?」
ごくり、と彼の喉が音を立てる。タオルの下にある竿はすでに大きくなりしっかりとテントを張っている。私が手を離せば、なんならこのタオルを大きく跳ね飛ばしてしまうだろう。
「はっきりと言葉にしたほうがいい。寂しい、って言ってごらん。それを聞いたあの二人が君をほったらかしにするはずがないだろう?」
不意にルカくんが私に向き直った。縋るような眼でこちらを見ている。どうやら私の言葉が図星だったのだろう。彼はすっかり私に心を開いてくれていた。私はそれに気をよくしてにっこりと笑みを見せてやる。さあ、次は股を開く番だ。
「そんなワガママ言っていいんですか」
「それをワガママだと捉えないくらいには、絆が深いと思ったけどね」
言いながら私は彼の太腿に手をかけ、ゆっくりとそこを押し開く。すでにタオルはずれて床に落ちていた。太さのある若いクマのイチモツが頭をもたげ私を見つめている。私は一切躊躇なく、それを口に飲み込んだ。
「あああっ……!」
ルカくんの喘ぎ声が頭の上に聞こえる。いつ聞いても若い雄の喘ぎ声は興奮する。そのまま舌でカリ首をなぞりながら手を伸ばし乳首を触ってやる。「気持ちいい」と小さく漏らしながら彼は私の頭にそっと手を乗せた。これはもはや彼からのOKの合図と取られていいだろう。ここから先に言葉はいるまい。
ゆったりと舌で先の割れ目を責めつつ、頭を前後させ唇で彼の根元からカリ首までをしごき上げる。手は両乳首をつまみ、引き、転がしながら彼の反応を探っていく。彼はどうやら早漏気味であるらしく、すでに腰がガクガクと震えている。これはこのままフィニッシュに導いてあげた方がいいだろう。
「ダメです、出ますっ、イくっ」
彼が必死に頭を振り、抵抗しようとする。だがもちろんそんなことをしても手も口も緩めない。彼の剛直を口の中でもてあそび、しごき上げ、射精を促す。
「ん、んんんっ!」
やがて目論見通り、私の口の中に若い雄のエキスがあふれた。なんどもビクビクと跳ねるイチモツの動きがなくなるのを待ってから、私はそっと口を離す。彼を見上げ、目を見つめながら口を開けて中にたまっている液体を見せた。恥ずかしそうに見つめる彼の視線を感じながら、私はそれを飲み下す。
「ごちそうさま、おいしかったよ」
この後は引き際が肝心である。私は彼の頬にキスを落とすと踵を返しサウナ室の扉を開いた。
「そうそう、さっき言ったようにちゃんと素直に話してごらん。きっとあの二人なら君のことをわかってくれるよ」
それだけ言い、返事を聞く前に。私は分厚いサウナの扉を閉めた。
さあ、次の獲物を探すとしよう。
[newpage]
2.そんなところに!? 客室にまさかのノゾキアナ!
さて、風呂の次は食事……というのが本来の順番なのだろうけれど。食事に関しては本当に美味しいだけで、そこには我々の求めるエロスの奔流はない。軽く探ってみたが、夜だけゲイバーになるとか、隠しメニューで男体盛りが存在するということもなさそうだった。もっとも客層を考えれば常にゲイバーみたいなものではあるし、なんなら頼み込めばそういった隠しメニューの対応はしてくれるかもしれない。バイトの牛の青年はずいぶんと逞しい身体をしていたから、彼の身体の上に料理を並べて手を使わずにそれを食べる……なんてことができれば宿泊客との仲は深まること間違いないだろう。だがここではそういった特殊な内容は紹介しないでおくこととする。今回はあくまで「誰が遊びに来ても体験できること」を主眼としている内容だからだ。
さて、では食事を済ませたとしてだ。いったん部屋の方へと戻ってもらおう。自分の部屋に戻る前に一度向かってほしい場所がある。それは廊下の突き当りだ。階段を昇って右側の突き当りにはリネン室がある。だがそのリネン室、やや造りが特殊になっている。ノブの代わりに手を入れてひっかけるための穴が開いているのだ。この穴、高さがちょうどいい。(ナニに? と聞くのは野暮ってものだ)奥に人の気配がした時は、試しに差し込んでみるといい。(ナニを? と聞くのは野暮ってものだ)きっとイイ経験ができることだろう。
だが今回はもう一つ、反対側の突き当りを紹介しておきたい。階段を上がって左手の廊下を突き当りへ。突き当りを見て右を向くと、実はそこに隠し通路がある。小さな扉があって、細い通路が続いているのだ。一見何もない補足薄暗い通路なのだが、扉をきちんと閉めれば明かりが壁から漏れてきていることに気づくだろう。そこに目を押し当てれば、なんとその部屋のベッドがよく見えるようになっている。つまりそこで行われることがしっかりと覗けるようになっているのだ。ぜひそこに泊まっている客が何をしているのか、しっかりと確認してほしい。
この話を聞いて不安に思っている読者もいるだろうが安心してほしい。まずのぞき穴は部屋の中から閉じることができる――というか、任意で開けないと基本的は閉まっているのだ。だから「見られたくないのに見られてしまう」ということはない。それからもう一つ。覗いている側は自分で処理するしかないのか? ということだが、のぞき穴はきちんと複数ある。つまりこの狭いエリア内で興奮した雄が複数人詰め込まれることとなる。そこで何が起こるかは、もはや説明するまでもないだろう。
[newpage]
ゆっくりと扉を開けると、むわりと雄のニオイが漂ってきた。どうやら既に先客がいるようだ。思わず持ち上がる口角を何とか抑え込み、平静を装って中へと足を進める。通路は細く、私がそのまま入ると肩幅がつっかえてしまう。少し体を傾けて、横歩きをするように奥へと進んでいく。壁から漏れる光の筋を確認すると、予想通りそのうちの一つがふさがれていた。そこに誰か人がいるのだ。私はあえてリアクションをとらず、その人物の一番近い穴に顔を寄せた。近くによるだけで先ほどよりも強いニオイが漂ってくる。雄臭い、汗とザーメンの混じった香りだ。うずく雄穴に手を伸ばしそうになるのを必死でこらえながら、私は穴の向こうを覗き込む。
『いい、の? 僕がこんな……』
不安げな青年の声。視界に飛び込んできたのは先ほど美味しく頂いた熊の青年、ルカ君だ。どうやら私のアドバイスを早速実行に移してくれたらしい。
『当たり前だろ、俺はお前のことだって、その』
照れるように言葉を濁し、熊に口づける狼の青年。そしてその二人の頭をまとめて抱きしめる虎の青年。
『いつもルカに甘えてばかりだったものな。今日くらい、ルカが甘やかされてもいいさ』
二人の口が離れたのを見計らい、虎の青年が再びルカ君の口をふさいだ。私の目論見はすっかりうまくいったらしい。そしてその恩返しかどうかはわからないが、こうしてのぞき穴を開けておいてくれたということだろう。有難く三人の睦まじいところをしっかりと見せてもらうことにする。
「おお、ええもんもっとるやん?」
壁の向こうで狼が取り出したイチモツを見て、すぐ隣にいる雄臭い男がよだれをすすりながら言った。確かに今ルカ君の顔に突き付けられている肉棒はかなりの大きさだ。サイズに自信がある私でもかなうかどうか、といったところだろう。
「確かに、あれは美味そうだ」
当然のように私は雄の言葉に返事をする。一瞬だがそれに対して戸惑った気配を感じた。もちろん向こうも私の存在に気づいていたのだろうが、こういった場で言葉のやり取りを嫌う雄もいる。私が言葉で返答することを予想していなかったのだろう。だが私は手っ取り早い方が好きだ。ほかに人がいるわけでもないこの空間だから、早めに意思確認をしてしまいたいのだ。
「君はこっち専門かな?」
私は壁の穴から顔を離すことなく、そっと手を隣の雄に伸ばした。すぐそばにいる彼の被毛は短く、言葉遣いから考えても先ほどあいさつした猪の獣人、キノトくん――自称「オッサン」くんだろう。彼は確か若い恋人を連れていたと思っていたが、今は別行動をしているようだ。私の手が彼の尻を触っても抵抗をしないあたり、オーケーということだろうか。
「へへ……あんちゃんはどっちや?」
兄ちゃん、と言われるほど若くはないのだがここでそれを突っ込むのは野暮というものだろう。私はそっと彼の腰を抱き寄せ、その股間に顔をうずめる。大きく息を吸い込むと、先ほどの雄のニオイが一気に鼻の中を突き抜ける。なんなら味すら感じるほどの強烈さ。だがこれはこれで味わい深いと言える。私はニオイを求めるようにさらに顔を押し付け、大きく深呼吸をする。
「あんちゃん、そんなされたらオッチャン恥ずかしいわ」
そう言いながらも彼が逃げる様子はない。おそらく「恥ずかしい」ということ自体が彼にとって興奮材料なのだろう。私はわざと大きく口を開け、下着ごと彼の股間に舌を這わせる。強い酸味が口の中に広がるのは、汗かそれとも他の体液か。
「ああ、本当に臭いな」
言いながらも私は続けて舌を這わせる。オッサンくんは恥ずかしそうにしながらも、ぐいと私の顔に股間を押し付けてきた。彼の穿くブリーフはしっかりと盛り上がり、私の唾液や彼自身が出す体液で既に濡れそぼっている。そのまま隙間から舌をねじ込んで里芋のような彼のイチモツに刺激を加えてやった。
「あかんてぇ……まだ汚いんやから……」
もっと辱めてほしい、とでもいうように彼は息を荒げゆったりと腰を振る。顔をうずめたまま、私は手を伸ばして彼の尻をゆったりと撫でまわす。下着の上にぴょこんと飛び出した短い尻尾をひとしきり可愛がり、その下の割れ目に指をはわせる。彼はそれを待っていたかのように、振っていた腰の動きを変えて私の指をその谷間に咥えこんだ。
「まったく、こんな臭くて恥ずかしくないのかな。まるでザーメンみたいな体臭がするじゃないか」
私が辱める言葉を口にすると、彼の肉棒は喜ぶように私の鼻先で震えた。そのまま震えを鼻先に感じながら舌をさらに這わせ、空いた手でブリーフの合わせを開く。太く短い、皮のかぶった肉棒。そこが期待するようにびくびくと体液を吐き出している。私は舌を尖らせると、先端までかぶった皮の入り口にねじ込んだ。彼の腰が動きを止めて、その口からふう、と小さく吐息が漏れた。おそらく私の下が彼の鈴口に触れて気持ちいいのだろう。そのまま尻に回した片手を固定し、彼の腰が動かないようにしてから、小さなそのイチモツを口の中にぐいと飲み込んだ。
「おおお……すご……」
彼はとろけたような表情で、それでも壁に顔を押し付けて覗く行為をやめようとしない。おそらく彼の頭の中で私は別人になっていることだろう。もっとも私とて彼に愛をささやいてほしいわけではない。このむせるような悪臭を味わいながら、雄の精を飲み込みたいと思っているだけだ。私は鼻先を彼の陰毛にうずめ、舌を動かしたまま思い切り息を吸い込む。再び脳髄を突き抜ける、蒸れた雄の香り。思わずえづきそうになりながら、私は必死で舌を動かした。ざらざらとした亀頭はひょっとしたら恥垢にまみれているのかもしれない。それでも私はそれを舐めまわす。
「おっ、やばっ、めっちゃええ」
オッサンくんの手が私の頭を捕まえ、腰を振り始める。それを受けて、私は両手を彼の尻に回す。ブリーフの中に手を滑り込ませ、短い毛におおわれた尻を撫でまわした。ぴこぴこと揺れる短い尻尾が手に触れる。
「あんちゃんめっちゃ上手いな……わしの尺犬にならん?」
そういいながらも彼の視線がこちらに向くことはない。もちろん本気で口説いているわけでもないのだろう。だがこうしてニオイをかがされ、口を犯されるだけで彼の魅力が伝わってくる。いや、これは魅力というものとは違う。鼻の先から、口の中から彼のニオイが入ってきて脳を犯す。これではまるで洗脳だ。だが私はその洗脳をしっかりと楽しんでしまっている。先ほどまで私が攻めていたはずなのに、いつの間にか彼のニオイで私の思考はズタズタだ。
「ん、ふぐっ、んんん……」
何も言葉にはできない。だが彼の腰に合わせて私は舌を動かし彼の顔を見上げている。口元からはよだれが、鼻先からは鼻水が垂れていることだろう。おそらく目元にも涙があふれている。こんな情けない顔をさせられて、それでも私はそれが気持ちよくてたまらないのだ。
「おうおう、ええ顔になっとるやんけ」
そういってニヤリと笑う彼はまるで悪役のような顔をしている。ようやく私の顔を見た彼は、私の情けない顔がいたく気に入ったらしい。頭を支えていた手を動かして、私の頭や角を優しく撫でてくれた。だがそれも愛する雄を――生き物を撫でるような手つきではない。大事に扱う道具、といった手つきだ。
「ほんならさっさと出させてもらおか。トーリくんにばれてもたら大変やからな」
言いながら彼は私の頭を捕まえると、ぐいと腰を突きこんだ。
「~~~~~~!!」
そのまま私の頭を抱えるように体を前に倒してくる。鼻先はおろか頭全てを彼のニオイにくるまれて私の思考は完全におかしくなっていた。強く強く彼のイチモツを吸い、尻に回した手に力を込めて。
「おう、いくでぇ!」
口の中にあふれる精液。私はそれを飲み込むことなく、口の中にため込んで、さらに口元からだらだらとこぼしていく。それでも後から後からあふれてくるその体液のニオイに思考を蝕まれ――
「お? 寝てもうたんか?」
その言葉を最後に、私の意識は途絶えた。
[newpage]
3.隣の部屋はイイオトコ? グローリーホールを超える大穴!
さて、ここまで風呂場や廊下と見てきたがこんな男性はいないだろうか。「恥ずかしくてこちらから声をかけるなんてできない」と。そんな生き方は人生を損していると思うが、今はそれは言うまい。どうしても声をかけられないという人はいるだろう。先ほどの「のぞき部屋」にうまく入れればいいが、あそこはひときわ大きい部屋で三人以上での使用を推奨している。最初からお相手がいる人が割り振られる部屋なのだ。
ならそこ以外の部屋はどうしようもないのか……? というとそうでもない。全ての部屋に置いてシャワールームにはある仕掛けがある。壁の一部が大きく開くようになっているのだ。もちろんこちらから開けても、向こうが開いていなければ何もないのだが……。仮にここが開いていれば、大きな穴が口を開けることとなる。そうなったら大チャンス。迷わずズボンを脱いでその穴から尻だけを出してみよう。
そう、この穴は"壁尻"のための穴なのだ。向こうが壁を開けてくれているなら何もためらうことはない。足からすべて通してもいいし、腰かけるようにして尻だけを通してもいい。あとは相手からのアプローチを待てば、きっと奥深くまで入ってきてくれることだろう。しかもこの穴は都合がいいことに、浴槽のすぐ隣に空いている。汚れてもすぐにシャワーで流せるのだから非常に合理的だ。思い切って壁を開いてみれば、あとは待つだけで極楽へといざなわれる……。しかも終わったらそのまま部屋でゆっくり休めるのだ。こんな贅沢が許されていいのだろうか?
この穴こそ、この宿を「ハッテンペンション」へと押し上げた一番の立役者と言っていいだろう。
[newpage]
私はふらつく足をなんとか立て直し、自分の部屋へと戻ってきた。洗面所で先ほどまで口の中に充満していたニオイのもとをなんとか水で飲み下し、ようやく一息。サウナで、のぞき部屋で、と繰り返ししゃぶっては来たものの私自身にはまったく触れられていない。これではさすがに奉仕が好きな私でも欲求不満になろうというものだ。とはいえ私はチンポをしごいてほしいわけではない。私はずいぶんと昔からバリネコとして生きてきたのだ。今も射精したいというよりも、ケツにチンポをハメてほしい気分でいっぱいだ。このまま階下におりて、また誰かを探してもいいのだが……ここはひとつ賭けに出てみるとしよう。
私は洗面台から視線をずらし、すぐ隣の壁を見る。一見ただの壁だがよくよく見ると小さなかんぬきのようなものが付いている。これをスライドさせロックを外し、壁を動かしてやると……。
「おっ……」
私は思わずニヤリと笑う。ここは二つの部屋を隔てる浴室の壁。私の側から開けただけでは本来は壁のはずなのだが……どうやら向こうからもしっかりと開けていてくれたらしい。そこには私の胴体がギリギリ通らないくらいの穴が空いていた。私はそこに背を向け、穴の縁に腰を掛けるようにして尻を突き出す。尻尾は迷ったが、苦しくなりそうなので向こう側へと通した。そのまま尻を突き出していき、自分の竿も向こう側へと通す。これで向こうから見れば尻尾と尻、そして竿だけが見えていることだろう。あとはこのまま尻尾でも動かして音を出してやれば……
『えっ、あっ、ホントに……?』
壁の向こうから戸惑ったような声が聞こえた。もっとも目を離した隙にバスルームの壁から尻が生えてくるなど、生まれて初めての経験に違いない。私だってない。それは驚いて当たり前だ。
『い、いいのかな……』
戸惑うような声とともに、私の尻に手が触れるのを感じた。私はなるべく驚かせないよう、反応を返すまいと心がける。少し尻尾が揺れるくらいは許してほしいが。
『すご……チンポでっか……ケツもエロ……』
私の尻を撫でまわしながら、壁の向こうの男がつぶやくのが聞こえる。たしか私の隣の部屋には黒い毛皮の獅子の青年が入っていたはずだ。随分とおとなしく真面目そうだと思っていたが、ここまでむっつりだったとは。
『舐めてもいいのかな……いいよな……』
誰に確認するでもなく呟きながら彼は私の――
「ふっ……ぐ……」
不意に肛門を舐められて私は思わず言葉を漏らしそうになった。手つきやつぶやく言葉から、もっと恐る恐る来るかと思っていたのだが、まさかいきなりケツ穴を舐められるとは。敏感な場所を不意に責められて、声をこらえるのに必死である。もはや尻尾は向こうで喜んでいるように天を衝いていることだろう。
『こっちも……』
いいながら今度は、獅子は私の竿を味わうことにしたようだ。玉袋の裏からそのままゆっくりと降りていき、裏筋を舐め下ろしていく。先ほどまでとは違いゆったりとした責めに私はようやく余裕を取り戻す。そして冷静になってようやく理解した。きっと壁の向こうの獅子は、経験がない。童貞なのだ。だからこそ焦らすにはどうするとか、ここを触れば感じるはずとか、こちらの反応を想像する余裕がない。
『すげ……先走りダラダラ……』
私の竿の根元を握り、先端を舐めながら獅子は感心したように言う。私は人よりも先走りが多いタイプではあるが、おそらくそう言ったことも知らない。自分と比べてどう、ということしかわからないのだろう。
「アッ!」
思わず私の口から声が出た。急にケツ穴に指が入ってきたのだ。
『あ、ご、ごめんなさい』
私の声に驚いたのか、獅子はあわてて指を引き抜いた。乱暴なのは嫌いではないが、声を我慢するとなるとかなり難易度が高くなる。私は声を出す代わりに、大丈夫という意味を込めて尻尾を高く掲げた。これできっとケツ穴がよく見えていることだろう。さらに力を加えて穴をパクパクと動かして見せる。
『い、入れていいのかな……』
かまわないと声に出して伝えることは簡単だ。だがおそらく、彼はここで声をかけると私に遠慮をするだろう。私には、いやこの「壁尻」には人格など必要ない。今君の目の前にあるのはただのオナホである。だからもう遠慮も何も必要ない。好きなようにぶち込んで、好きなように吐き出せばいい。
そう考えていると、壁の向こうからカチャカチャとした金属音。どうやらベルトを外しているらしい。私は高鳴る鼓動を必死で抑えながらその時を待った。来い。不器用で敏感なその肉棒を私の中にねじ込んで見せろ。
『た、高さがうまく……こ、ここ……?』
どうやらすでに露出して私の尻に狙いを定めているらしい。これがベッドの上なら押し倒してまたがるなり、そっと手を添えて誘導するなりしてやるところだが。今の私は壁から生えたただの尻。ただの雄の欲望が侵入するのを待つだけの穴にすぎない。
『ここ……、じゃない……』
ぬるり、と私の尻の間から金玉の裏に熱い肉が動いた。どうやら思ったよりも巨根であるらしい。これは、ひょっとしたらほぐすことなくねじ込まれるのはまずいのではないだろうか。
「待っ――」
『はいったッ……!』
視界がはじけた。止めるいとまも有らばこそ、肉の棒が――極太の肉棒が私の最奥を一気に貫いたのだ。確かに二人の男を口で処理し、私も発情して入りやすくなってはいただろう。それでもまさかこの太さを一気に、しかも前立腺をえぐるようにねじ込んでくるとは思わなかった。おそらく狙って当てたわけではなく、これはただの偶然だ。それでも私はその快感にびゅる、と先走りとも本気汁ともつかない体液を吐き出してしまう。
『やば……熱くてチンポ融けそう……!』
他人との体温の違いで彼はそう感じていることだろう。だが私も今はケツの中がやけどしそうなほどに熱かった。
『うわああああああ……』
ゆっくりと、ずるずるとねじ込まれていたチンポがケツから出ていく。このままでは亀頭が抜けると思ったときに。
「ひぎっ!」
再び勢いよく熱棒がねじ込まれた。思わず声を出してしまったが、どうやらもう聞いていないらしい。おそらく初めての快感に、もはや周囲の音を聞いている余裕もないのだ。
『やば、やば、こんなのすぐいく、だめだ、やっべ、きもちいっ……!』
そんな言葉が聞こえたかと思ったら、あっという間に私の中でどくどくと熱が広がっていく。熱い。それこそ私のはらわたが融けだしてしまいそうなほどの熱さだった。そんな熱をいまだ放出しながら、ビクビクと尻を抱えた男の身体が震えている。童貞には私のケツ穴は刺激が強すぎたらしい。逆に、私自身も思わずあえいだものの、あっという間に終わってしまい正直物足りない。もう一本くらい探しに出るか、と思ったが――
『やっべえ……ケツ穴ってこんな気持ちいいんだ……』
声とともに、再び彼は腰を振り始めた。まさかの二回戦ではあるが、これは嬉しい誤算である。私は思わずしっぽをくねらせ喜びを表現する。向こうも余裕が出てきたのか、そんな私の尻尾を抱き枕のように抱きしめて激しく腰を振り始めた。
『すっげえ……まじで気持ちいい……』
先ほどあいさつした時には礼儀正しく、かしこまったようにしゃべっていた彼。それが今や私のケツ穴を存分に楽しみ、チンポの快感に負けてバカみたいなしゃべり方で「気持ちいい」と繰り返している。その事実と、イイところにあたるその肉棒の抽挿に、私も思わず声を上げ始める。
「うおっ、あっ、がっ、このっ、このチンポ、すごっ……私のケツ、あふれそっ……なる……」
その言葉に気をよくしたのか、腰の動きがさらに早くなり。
『あー、やばいやばい、またいく、イく……』
腰の動きを止めぬまま、私の中で再び彼が爆発した。射精しながらも腰を振り、結合部からはドロドロと熱をはらんだ液体が垂れ流しになる。彼はそれを手に取ると――
「ひぎっ!」
私の亀頭に塗りたくった。突然の刺激に私は目を見開き、声を上げる。ケツの中で的確にイイところを責めながらの亀頭責め。まさか童貞の獅子にここまでのことをされるとは思っていなかった。後ろからケツを掘られながらの亀頭責めに私は弱いのだ。
「やば、それ、私、狂うッ!」
もはや演技をする余裕もなくなってきた。だが獅子はまだまだといったように腰を振る。私も耐え切れず、何も言わずに射精した。びゃーびゃー出ているだろう私の精液を彼は手で受け止めながら、それでも腰も手の動きも止めない。
『あー……チンポさいこー……』
もはや彼の脳はチンポに支配されている。自分が気持ちよくなるためにチンポを私のケツにねじ込み、私を気持ちよくするために私のチンポを精液を使ってしごき上げていく。ただただチンポを使うことしか考えていないのだ。
「あーっ、あーっ……」
私もケツの奥をつきほぐされ、チンポを責められ、尻尾に抱き着かれ。もはや言葉も絞り出せなくなって、ただ精液とうなり声を漏らすだけの穴となり果てていた。
『あーすご、すご……』
いつまでも終わらない射精、いつまでも終わらない責め苦。地獄のような極楽で、私はよだれを垂らしながら体を何度も震わせた。
[newpage]
気が付けば私は浴槽の中に倒れこんでいた。どうやらセックスの快感に負けてその場に崩れ落ちてしまっていたらしい。後ろを振り向けば、穴があった場所はすでに閉じている。どうやら向こう側で壁を閉めてしまったらしい。あんなに楽しんだというのに、こうなってしまうと薄情なものだ。いや、もともと彼は壁についていた尻としてしか私を見ていなかったのだ。そういうものだろう。
少し寂しく思いながらも、私は軽くシャワーで全身を流すと全裸のまま部屋に戻った。ふとベッド横にあるサイドテーブルに目をやると、開きっぱなしのPCが目に付く。そういえば先ほど仕事の記事を書いたまま、電源を落とすのを忘れていたらしい。
今回のハッテン特集の記事もおおよそ形になった。あとは――
ふいに聞こえた控えめなノックの音。
『すみません、ホァンさん……』
扉の向こうから聞こえたのは、確か隣の部屋にいた黒獅子。半井真、だったか。
『その、よければ今から一緒に飲みませんか……?』
どうやら、もう一回戦――どころか、一晩楽しませてもらえそうだ。私は手元のPCに視線を落とし
「これを入れておかないとな」
改めて「君たち」に視線を向けて、小さく微笑んだ。
※この話はフィクションです
Ad