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[chapter:ドーベルマン王子の恋 1ー①]
ドーベルマンの国、レッドキングダム。
そこは優秀なる軍獣人、護衛などを排出する、闘犬の国だった。
力ある者は、その力に見合った地位を得る。
幼い頃から、各々の性格や能力に合わせた訓練を行い、国に貢献し、あるいは雇われ騎士として国外で任務に就いても、その戦闘能力の高さで重宝されていた。
そんなドーベルマンの獣人の中でも最たる獰猛さと美しさを誇る、歴代最高の王、カーディナル・レッドキング。
漆黒の毛並みは艶やかに輝き、獣化した時の胸に浮かぶハート型の褐色の毛並みは、レッドキングダムの代々の王に伝わる遺伝でもある。
それはまた、その息子の第一王子のロージィにも受け継がれていた。
だが、次代の王になろうロージィは、子供にしてはアルファらしい資質を持っていながら我が儘で、落ち着きがなかった。
断尾があまりにも痛すぎたあまり、断耳をしようとすると家出をしてしまうのを繰り返し、今でもドーベルマンにあるまじき垂れ耳である。
母であるケリー・スカーレットクイーンが妊娠して、もうじき弟か妹が生まれようという時になっても、ロージィは仔犬特有のヤンチャさを残していた。
「こらぁ!ロージィ!部屋の中では暴れるなって言っただろ!」
「キャフ!キャフ!」(だって、母上が全然、遊んでくれないんだもん)
「もうじきお兄ちゃんになるってのに、どうしてお前はそう、チャカチャカと落ち着きないんだ!こんな事なら、みんなが言う通り、軍用犬の学校に入れた方が良かったのか?!」
「キャフン!!」(え~!やだやだ!)
「キャフンじゃないよ!ホントにもう、こんなに騒がしいのは誰に似たんだか」
「お前以外に誰がいるんだ。この馬鹿マメめ」
部屋に入るなりケリーを貶すオスは、言わずもがなケリーの夫であるカーディナルだった。
「むむっ!カーディナル!」
「今でこそ、腹に子供がいるから大人しくなったものの、腹から仔が出てたら、またロージィと行方不明になるんだろうが」
「フヒャン!」
実は、ケリーとロージィはお散歩と称して、今までに8回、大規模な捜索が行われている。
その度にカーディナルは、身の竦む思いをさせられていた。
「キャフ!キャフ!」(パパぁ!抱っこぉ!)
「随分と大きくなったな。ロージィ。かなり重たくなった」
「キャフ!」(ホント?)
ロージィは、父のしっとりと長い黒髪が大好きだった。
自分も大きくなったら、父のように髪を伸ばして、威厳のあるドーベルマンになるのだと、いつも夢見ていた。
「もうそろそろ、産み月だな。マメ」
「うん。お腹も張って来たし、オッパイも痛くなってきたし」
「お、オッパイ……」
「そこに反応しないでね。カーディナル。このオッパイは、当分、お腹の子のオッパイになるんだから」
「わ、分かっている!」
「キャン!キャン!」(ママのオッパイは、ロージィのものなの~!)
何やらオッパイの話題になると、やたらとロージィが叫んでいる。
恐らくは自分の『オッパイ大好き病』が遺伝してしまったのだという自覚のあるカーディナルは、思わず無言になった。
[newpage]
[chapter:ドーベルマン王子の恋 1ー②]
コホン、コホンとその場の空気を誤魔化すように、カーディナルは苦し紛れの咳払いをした。
「え~……、それでだな。ケリーが無事に出産出来るようにと、デランダ王国からの帰路の途中に、ラヴィールーザの公爵が立ち寄られる事になった」
カーディナルも一国の王ではあったが、大国ラヴィールーザからの国賓ともなれば敬語にもなる。
国土の大きさも、獣人口も、国益も桁が違う。
国を司る5獣人の公爵達は、いずれも王としての大いなる力を持つ獣人達だった。
その公爵達が演奏する姿を、ケリーも遠目に見た事はあった。
「巫の力を持つ公爵様達だな。すんごい演奏、綺麗だったよ~。デランダ王国に行った時に見たけど」
「ケリーがロージィの時に難産だったと聞いて、出産に立ち会って下さる事になった。レオンハルト公爵は、癒しのお声をお持ちだから、お前の出産も楽になるだろう」
「え~?ホント?!嬉しいな~!レオンハルト公爵様……どんな人かなぁ」
何せ遠目で見たものだから、キラキラしていた、という記憶しかない。
ケリーは、とにかく陣痛の痛みが少しでもマシになるのなら、それだけでも嬉しかった。
その妻の喜びように、カーディナルは一抹の不安を覚えた。
ケリーへ昼寝を促し、我が子を部屋から連れ出す。
部屋を出て、直ぐの廊下で待機している護衛のジェフリーは、レッド・キングダムの王へと頭を下げた。
ジェフリーはケリーが街中で迷子になってからの縁で、現在はその護衛に携わっている。
獣人の良さそうな、少し赤毛がかったタレ目のドーベルマンで、そんな柔和な容姿をしていても、軍では手練れの勇猛なるアルファのオスだった。
「ジェフリー。ラヴィールーザからの来客が来たら、より一層の気配りを頼むぞ」
「はっ!この命に代えましても!」
「相手はライオンのアルファだ。いざとなれば、崖から飛び降りるつもりで噛み付け」
「ら、ライオンのアルファ?!え?それって公爵様に、ですかっ?!」
「レオンは、とにかく子供受けするんだ。この国に来たと想像したら……目に浮かぶようだ……」
カーディナルは、額に手を当て天を仰ぎ見る。
「公爵様に噛み付くってなんですか?!それって、俺は確実に殺されますよね?!」
「ケリーとロージィの為に命を落としたら、国の英雄として墓を立ててやろう」
「えぇ?それってまさに犬死にじゃないですか!レオンハルト様は温厚な方なんですよね?!ね?ね?」
「温厚だが、獰猛だ」
「何だかとっても微妙~!」
ジェフリーは、廊下でしゃがみこんで頭を抱えていた。
それを放置してカーディナルは立ち去る。
そういえば、腕の中のロージィがやけに大人しいな、と思って顔を覗き見ると、ヨダレを垂らしながら寝入っていた。
[newpage]
[chapter:ドーベルマン王子の恋 1ー③]
それはもう、王たるレッドキングの結婚式以来の大騒ぎだった。
この地上にある大国のうちの1つ、ラヴィールーザには、このレッド・キングダムから護衛の為に獣人も多く排出しているとあって、昔から親密なる付き合いもある。
その国の公爵ともなれば、国賓の中でも最高級のもてなしをしなければならなかった。
準備から城中がてんやわんやとなり、大臣達も勢揃いして、いよいよお出迎えをと勇んだ割には、当のレオンはえらく簡素な出で立ちだった。
服装もごく普通の獣人の旅装束であり、元々が声の巫であるので、楽器も持ち歩かない。
馬に少ない着替えと、簡易食料のみ乗せて、颯爽と現れた。
だが、服装は凡庸ではあったが、その見た目のオーラは凄まじかった。
たなびく腰にまで届く黄金の金髪は、このドーベルマンの国では見た事がない。
エメラルドのような澄んだ翠の瞳に被る、金色の睫毛はクルリと巻いて生い茂り。
真っ直ぐにそびえ立つ鼻筋は、その彫りの深さを物語っている。
白磁の肌にくっきりと象る、花が咲くように佇む艶やかなこの唇から、あの美声が発せられるのだ。
その豪奢な風貌は、まさに百獣の王ライオンのものであった。
ただし、その口の悪さを除けば。
「よう、カーディナル!久しぶりだな!俺が[[rb:王立学校 > ロイヤルスクール]]にいた時以来か?」
「私がそちらに遠征に行った時ですから、そうでしょうね」
「うわ~、王様になっても相変わらずカチコチのドーベルマンだな、お前!そんなんじゃ、みんな息苦しくてついて来ねぇぞ」
「貴方は、相変わらずのちゃらんぽらんですね。そういえば、初日に寄宿舎を抜け出して、私の部屋に酒を持って来たのを思い出しました」
「一国の王子様をおもてなししてやった、俺様の懐の深さよ!」
「単なる不良でしたよ」
真っ黒の軍服と長い黒髪のカーディナルと、レオンのまとう輝きは全くの正対称だった。
王へのその豪胆なる口振りに、大臣達も唖然としていた。
そんな中、一筋の黒い弾丸が走る。
「キャフ、キャフ、キャフーーーン!」(綺麗!綺麗!キラキラだぁ~!)
「うおっ!」
物凄い勢いで飛んで来るそれを、レオンはガッチリと受け止めた。
ロージィはタックルする勢いで、レオンに飛び付き、その麗しの顔をベロベロと舐めた。
「ヤンチャな仔犬だな」
『レオン!とっても綺麗!』
「おう!サンキューな。お前は、カーディナルの仔か?」
『ロージィの言葉が分かるの?犬語なのに』
「俺の巫の力は、ラヴィールーザ一番だからなぁ。大体の獣の言葉は聞き分けるぞ。時々、シャットアウトする奴とかいるから、そういう奴は難しいけど。……キースとか」
『レオン、大好き~!』
「これはまた、分かりやすい奴だな。だだ洩れ過ぎだろ」
「キャフ!キャフ!」(好き好き~!)
お騒がせドーベルマン王子ロージィは、レオンに初対面で一目惚れしていた。
[newpage]
[chapter:ドーベルマン王子の恋 2ー①]
息子の大暴走に、カーディナルは慌ててそれを引き剥がそうとした。
「すみません!レオン!不祥の息子が……」
「ああ、良いよ、良いよ。俺って慰問先とかでも仔供に好かれっから」
『レオン!レオン~!好き~!』
「おい、ロージィ。嬉しさのあまり、嬉しションすんなよ」
「ああっ!す、すみません!」
「いやだから、別に良いって。で、そのお腹のおっきい子が奥さんのケリーだな」
短い尻尾をピルピルさせるロージィを肩に抱えながら、レオンが近付いて来た。
ケリーは、全身を膠着させていた。
ロージィの言う通り、レオンはまさにキラッキラだった。
沢山宝石の入った宝石箱を開けたような、輝く黄金の[[rb:鬣 > たてがみ]]のライオンは、こんな間近で見た事がない。
ケリーは顔を真っ赤にして、ボーッと見惚れていた。
「レオンハルト様、ホントに綺麗だぁ……」
「レオンで良いぞ。また、ちっちゃいシェパードだな」
「シェパードだって分かるの?!」
「耳の形がな。尻尾は……ちょっと巻き気味だけど。可愛くて良いな」
「レオン!良い獣人~!見た目も美人で中身も良い人だなんて、欠点がないよ~!」
「そうだろう、そうだろう!俺程に完璧なる獣人はそういないからな。ところで、もう臨月みたいだな」
「フヒャン!」
レオンがケリーの下腹を触ると、ケリーは飛び上がるようにしてびっくりした。
カーディナル以外のオスに触られるのは、医者以外では初めてだったからだ。
それには、カーディナルも素早く反応した。
レオンから我が妻を隠すようにして、抱き込む。
「レオン。これに触らないで頂きたい。貴方が触ったら、妊娠させられそうな気がする」
「何言ってんだよ。馬鹿だな、カーディナル。ケリーはもう、お前の子を孕んでんだろ」
「貴方は気に入った獣人を、すぐお手付きにするでしょうが!」
「あちこちで愛獣人を囲ってるオスみたいに言うなよ。1獣人にしかしてないだろ」
「相手が幼児だろうがお構い無しのくせに!」
「仕方ないだろ。嫁さんがハムスターなんて極端に違う種族だから、早く唾つけとかないとって思ったんだよ。ガキだったから」
『「ハムスター?!」』
ケリーとロージィが声を合わせて叫んだ。
ライオンの獣人と、ハムスターの獣人の番なんぞ、体格的にも非現実的過ぎる。
体の大きさだけでなく、獣人種差や身分差もあり得ない。
ケリーも母国のアルサシアンでは王子として育ったので、地位ある者にそんな格差婚が許されるなど信じ難かった。
「レオンのとこは、親が結婚相手を決めたりしないの?!自由に結婚出来たの?」
「そりゃあ、まぁ、大反対だったわなぁ。でも押し切ったけど」
「押し切った?!」
「親父をブッ倒して、俺が公爵になっちまえば問題ないだろ」
レオンはニヤリと不敵に笑った。
何というライオン的思想。
王者の風格。
この世界の頂点にあるオスの威厳。
そのあまりにも尊大なる姿に、ケリーとロージィの目はハート型になっていた。
[newpage]
[chapter:ドーベルマン王子の恋 2ー②]
カーディナルは憤死寸前だった。
思わず、側に控えていたジェフリーを足で蹴った。
「行け!ジェフリー!GO!」
「GO!じゃないですよ!今の話を聞いて、どうやって行けってんですか!」
「レオンの腕に噛み付け!」
「先代の父ライオンを倒した獣人の腕に噛み付いたところで、一払いで吹っ飛ばされますよ!もう~!ダニエルさ~ん!助けて~!」
「ダニエルは嫁と旅行中だろうが。ちなみにあいつは、何故かレオンと仲が良いから争いにならない」
「うわぁぁぁぁぁぁん!」
結局、無理矢理に押し出されたジェフリーは、結局、同じようにレオンのキラキラオーラに骨抜きにされ、ケリーとロージィに並んで尻尾を振っていた。
その後は当然、カーディナルからお仕置きをされてしまったのは言うまでもない。
だがいくら腹が立つとはいえ、カーディナルにはどうする事も出来なかった。
ケリーは大きな腹を抱えて、えっちらおっちらと安産の為に散歩する。
ちょっと腹が張って来るとレオンに癒しの歌を歌って貰い、眠りにつく。
一方のロージィはというと、四六時中、レオンの足元にじゃれつくわ、おんぶに抱っこと小判鮫のように張り付いている。
それにはカーディナルも腹立たしくて、腹立たしくていられなかった。
ケリーの為にわざわざ帰国を伸ばしてまで滞在してくれているレオンには、文句を言う筋合いはない。
だが、こうまで我が妻と息子を虜にする美貌のライオンがには、妬ましくて堪らなかった。
「おい、カーディナル。眉間にシワが寄ってんぞ」
「誰のせいだと思ってるんです」
「まさか俺のせいとか言うなよ~。旧友の為に、わざわざ来てやったのにさ~」
「旧友って!私と貴方は年齢も違うでしょうが!」
「だって俺、手に負えない奴が大好きなんだもんよ」
「は?」
「困った奴だなぁ、って奴が好きなんだよ。不器用だったり、頑なだったり、それで損したりしちゃう奴。因果な体質だよな~」
「困った奴は貴方ですよ!」
「何だよ。息子を取られて怒ってんの?そんなら、ホラ、返してやっから。ロージィ~、ホラホラ、大好きなパパに抱っこして貰おうな~」
「キャン!」(やだっ!レオンが良いの!)
人型のカーディナルには犬語を聞き取れなかったが、おおよそ何を言われているのかは解る。
面食いの息子を生んでしまった我が身が呪わしい。(産んだのはケリーだが)
あまりにも痛々しげに肩を落とすカーディナルに、レオンは背後から抱き付いた。
「おいおい。泣いちゃうなよ。息子に邪険にされた位で」
「キャフ!」(そうだよ!)
「貴方になんか分かるものか。この世の頂点に立つ、欲しいのものの全てを手に入れられる、ライオンの貴方になんか」
「今、俺の国を仕切ってるのはタイガーだぞ?」
「ライオンもタイガーも同じですよ」
「お前だって獣化して闘ったら、俺に勝つかも知れないだろ」
「私は幼い頃から訓練に訓練を積んでいるというのに、のほほんと育ったライオンと、良い勝負になるのが腹立たしいんです」
「ヒャフ?」(パパはレオンに勝てるの?)
「何なんだよ、もう。やさぐれちゃって。仕方ないから、今夜は一緒に寝てやろうか?久しぶりに」
「嫌ですよ!貴方はいつも全裸で抱き付いて来るんですから!」
「お前のピルピル動く短い尻尾は、スゲー俺好みなんだよな~」
「キャフ!キャフ!」(ロージィがレオンと寝るのぉ!)
レッド・キングダム史上、最強を誇るカーディナル・レッドキングが、ライオンに良いようにされる光景は、実のところ、召し使い達には暖かな目で見られていた。
詰屈な王に親しみが湧き、周りとの距離感が縮む。
巫の力を持つ百獣の王には、周りを和ませる力があった。
[newpage]
[chapter:ドーベルマン王子の恋 2ー③]
ケリーの2度目の出産は、超のつく安産だった。
陣痛が来ているというのに「痛みを忘れる為にケーキが食べたい」と言い、普段なら「だから、お前はぽちゃぽちゃなんだ」と咎めるカーディナルも、どれだけ大人数のお茶会なのかという程、何種類ものケーキを用意した。
ケリーはそれを食べながら、痛みを寸分も感じずにスルリと子供を産んでしまい、生クリームだらけの口が「え?もう出たの?」と溢した。
ベッドの周りはケーキの残骸だらけで、助産師達は「こんなお産は初めて」と言いながら、お産を手伝うのではなく掃除ばかりさせられていた。
というのも、痛みを和らげるレオンの歌が「や~ん、出ちゃう~♪簡単に出ちゃう~♪ポロンと出ちゃう~ん♪そら、ほ~ら、スッキリ~♪」などという、ふざけた曲だったので、ケリーが食べていたケーキを吹いたからだ。
その出産途中に、ダニエルが慌てて帰って来た。
夏期休暇を夫婦で貰ってはいたが、やはり国母の出産とあっては休んではいられないと、旅行半ばにしてUターンしたのだ。
ダニエルは、ベッドでの惨状を見て開口一番、激怒した。
「この馬鹿マメが!」
「キャフン!」
「貴方は出産がなんたるかを分かっておられるのですか?!偉大なるレッドキングの御仔ですよっ!」
「だって、ずっと甘いの我慢してたから、もう出て来るからいーかなって」
「出産が終わってから食いやがれ!このボケマメ!」
「キャヒン!」
ケリーは出産を無事に終え、産まれたばかりの仔供に乳をやりながら、ダニエルに顔を綺麗にして貰った。
なんだかんだと文句を言いつつ、世話をする癖がついているダニエルである。
「本当にもう、ジェフリーは何をしているんだか!」
「ジェフリーは、レオンにハァハァしてたよ」
「……奴はもう、殺すしかないな」
「やだ……。ダニエルが言うと冗談に聞こえない」
それを柱の影て聞いていたジェフリーは、「ひぃぃ」と悲鳴を上げて震え上がっていた。
「あのね、あのね、ダニエル!2度目の出産は、ケーキの味がしたんだよね。美味しい出産だったよ」
「何よりも先に、レオンハルト様に御礼を言いましたか?」
「……え?……言ってない、かも……」
「1ヶ月、ケーキは禁止!」
「フヒャァン!」
そうして怒りを沸々とさせるダニエルに、レオンが「まぁまぁ、産後なんだから大目に見てやって」と言って、生まれたばかりの仔を手渡してやると、眉尻を下げてご機嫌になった。
こうして、カーディナルは嫉妬まみれになったり、それでもケリーの出産には喜びに涙したり、と一喜一憂し。
ジェフリーには、ダニエルから地獄のようなしごきを命じられるという災難が降りかかり。
ケリーは、お気軽なお産を終えた。
レオンは別れ際、餞別のアリアを歌ってケリーを悶絶させ、黄金の鬣を翻しながら華麗なる手綱捌きで、その地を後にした。
その後ろ姿は、神々しくも太陽の光を弾いてキラキラと輝いていた。
[newpage]
[chapter:ドーベルマン王子の恋 3ー①]
レオンは五大公爵の中で、最も遠征が多い。
それは声の巫であり、楽器を持たない演者だったので、身軽であるという理由で頻繁に遠方へ飛ばされていた。
ヴァイオリンの巫であるダグラスや、ヴィオラの巫であるマークも所持しやすい楽器である為に、それに次ぐ忙しさだった。
残りの2獣人となると、エドワードは大量のドラムを持って移動しなければならなかったし、後に皇帝として就いてからは更に国務に追われた。
一番動かないのは、ピアノの巫であるキースだった。
こちらはと言うと、楽器の移動もさることながら、本人が超の付く偏屈だったので、呼ぶ方も敬遠していた。
癒して貰うどころかキースを怒らせ、呪いをかけられただのという噂は、今も尽きない。
そんなこんなで、身軽なレオンが一番多く各国を飛び回っていた。
今回の遠征は、デランダ王国での親善交流の後、レッド・キングダムに立ち寄ったので、予定より1週間伸びての帰宅だった。
「いやいや。毎度の事ながら、目まぐるしいな。エディの奴、ホント遠慮なくこき使いやがる」
レオンが自らの城に戻り、馬から降りると、白い雪が積もる庭を小走りに駆けてくる小ネズミがいた。
「レオーーーン!お帰り~!」
「おお!シロ~!また腹がデカくなったな!……ていうか、走るなよ。転んだらどうする!」
「大丈夫だよ。ハムスターは転んでも上手くコロンコロンって回転するから」
「いや、お前はどんくさいから、コロンコロンとはいかない。そんな受け身が取れるような俊敏なハムスターじゃない事を、俺は知っている」
「何て失礼な!せっかく出迎えてやったってのに!」
「悪かった。シロ、お帰りのキスをしてくれ」
「お帰り」
シロは真っ白な耳をピクピクさせ、大きく膨らんだ腹を手で支えながら、背伸びをする。
レオンは腰を屈めてシロの身長にまで合わせ、チュッと音の鳴るキスをした。
屈んだ事で、長い金髪が肩からパラリと落ちる。
いつ見ても綺麗な髪だなぁ、とシロは思った。
ハムスターで、更にその中でも味噌っかすなシロからすれば、雲の上の存在だった神々しいレオンが、自分の夫だなんて今でも信じられない。
それも、そのレオンの子供を今、自らに宿している。
こんなにも幸せで良いのかと、不安になる程だった。
「もう当分、仕事はないのか?」
「流石に嫁が出産するってのに、働かせる程、エディも鬼じゃねぇよ。今までめちゃくちゃ働いた分、半年は休みを貰ったからな。率先して育児をしてやるぞ~!」
「それは楽しみだなぁ」
シロがふと馬の背負う荷物を見ると、それはそれは大きな皮の鞄が載せられていた。
レオンは極力、荷物を持たない主義であるのを知ってはいたので、それにはシロも不審に思った。
「レオン、今回はえらく大きな荷物を持って行ってたんだな」
「いや、あれはレッド・キングダムからのお土産。向こうも2匹目の出産だったから、赤ちゃん仕様の……」
レオンが鞄の口を開くと、ピョンと光る真っ黒な鼻先が現れた。
「キャフン!」
「わ~!何、この仔!」
「ロージィ?!何で、お前が鞄に入ってんだよ?!」
「キャフ!」(レオン~!)
お土産だと思っていた鞄の中には、レッド・キングダムの後継ぎ王子が入っていた。
[newpage]
[chapter:ドーベルマン王子の恋 3ー②]
レオンの膝の上に、ちょこんと乗っかっているロージィの尻尾が、ご機嫌にもプルプルと振られている。
感動の対面(?)の後、ロージィはひとしきりレオンの顔を舐めまくり、その柔らかな金髪にじゃれついて落ち着いた。
「で、俺に付いて来たかったから、荷物に紛れ込んでたと」
『そう!』
「今頃、お前の国では王子が行方不明になったってんで、大騒ぎだろうな」
『大丈夫だよ!ロージィは出来る仔だもん。ちゃんとお手紙を書いてきたよ!』
「手紙?お前、字を書けるのか?!」
『書けるよ!ママしか読めないけけど』
「……ロージィの置き手紙を、ケリーが見つけなかったら、アウトだな……」
レオンは、ロージィの脇を掴んでクルリと回して、自分の方へと向けさせる。
麗しい顔を間近に見て、ロージィのテンションは更に上がった。
「キャフ!キャフ!キャフ!」
「おだてても何も出ねぇ。そんで愛想振り撒いても騙されねぇぞ」
「フヒャン!」
「お前、何でこんなにまでして付いて来たんだよ」
『だって、レオンのお嫁さんになりたかったから』
「は?!」
『ロージィは、レオンのお嫁さんになるの!』
「何言ってんだよ。お前は一国の王子だろ。しかも直系の長男のな」
『弟が生まれたから、後継ぎは弟にして貰うもん!』
「弟はオメガだぞ、多分。そんでな、お前はどこをひっくり返しても、立派なアルファのオスだ。嫁になんかなれねぇよ」
「キャヒーーーーン!」
ロージィはレオンに抱っこながら、固まってしまった。
その短い尻尾は、弾くようにして逆立っていた。
「フヒャン!フヒャン!」(やだ、やだ!ロージィは、レオンのお嫁さんになるの~!)
ロージィの嘆く姿を見て、シロが駆け寄った。
「ちょっとレオン。ロージィが泣いてるだろ」
「俺は事実を言ったまでだ。いくら仔供だからって、間違った事を教えちゃ駄目だろ」
「そりゃまぁ、そうだけど」
「俺はいつまでもシロ一筋だぞ」
「分かってるよ」
ポンと真っ赤に染まったシロを引き寄せ、レオンはその頬にキスをした。
ロージィは、それを見て幼心にも嫉妬心が芽生える。
オメガだというだけで、オスであってもレオンに愛されるシロが憎らしい。
自分だって、レオンに愛されたい。
この豪奢なライオンのお嫁さんになりたい。
何が何でも。
だから、お土産の荷物を引っ張り出して、その中に潜り込んで付いてきた。
だがそんな努力も虚しく、目の前でレオン本人に「嫁にはなれない」と全否定されてしまった。
[newpage]
[chapter:ドーベルマン王子の恋 3ー③]
それでも、ロージィは諦めがつかなかった。
なんせ、レオンより綺麗な獣人を見た事がない。
こんなにも強そうで、綺麗な獣の傍になら、ずっと一緒にいたい。
何とかして、お嫁さんになれないものだろうか。
アルファからオメガになるか、オスからメスに変化出来ないだろうか。
それをレオンに聞いてみると、アルファから後天的にオメガへ変化する者は稀にいるらしいが、その事例は100年に1獣人か2獣人という数える程でしかないという。
それもデランダ王国の血筋でしか生まれないと聞いて、ロージィは項垂れた。
何よりも癪な事に、レオンには溺愛する妻のシロがいた。
しかも、その腹には子供までいて、ロージィの恋心を更に逆撫でした。
「ロージィ、さっき伝令を走らせたからな。カーディナル様とケリー様も心配してると思うし」
「プスッ!」(フンだ!)
「弟が生まれたばっかりなんだろ?お兄ちゃんも頑張らなきゃだよな」
「キャン!キャン!キャン!」(別に弟なんか欲しくなかったし!ロージィはいらないって言ってたのに!)
シロがどれだけあやそうにも、ロージィはガウガウと威嚇するばかりで触らせようともしなかった。
「俺もロージィみたいな可愛い仔が欲しいなぁ」
「キャフォン!」(ハムスターのくせに!レオンになんか似合わないよ!)
「おいこら、ロージィ。シロが分からねぇからって、何言ってやがんだ、お前は」
巫の力で、獣の言葉を理解するレオンは、ロージィを咎めた。
つい癖で誰も聞いていないだろうと思って暴言を吐いてしまったが、それを聞かれてしまったとあって、ロージィの垂れ耳は更にクッタリと項垂れた。
「ママが大好きなんだろ」
「キャフン……」(うん)
「元気な弟を産んでくれたじゃねぇか。可愛くないのか?」
「キャフ……」
「意地張って、心にもない事を言っちまったか。可愛い奴め」
「キャフ~ン」
「今は俺が良くてもな。お前もそのうちドーベルマンのオスとしても、アルファとしても目覚める時が来る。そうなったら、アルファのオスなんぞには目もくれなくなる」
『そんなのならないよ。レオンみたいに綺麗な人は、他にいないもん』
「確かに俺様のような完璧なる獣人はいないだろうけどな。けど、お前にだって必ず運命の番が現れる」
「ワフッ?」
ロージィは、それがレオンなら良いのにと思った。
どうしたら、レオンが運命の番になるのだろう。
レオン以外の運命の番なんて嫌だ。
ロージィは泣きながら、その濡れた鼻先をレオンの肩口に擦り付けていた。
[newpage]
[chapter:ドーベルマン王子の恋 4ー①]
ロージィは、その後も泣き疲れては寝て、泣き疲れては寝てと繰り返し。
あまりにも涙が止まらなかったからか、顔の周りの毛がカピカピになっていた。
朝になって起きると、ベッドの隣にはシロが眠っていた。
その手にはタオルが握られている。
そう言えば、昨日も寝惚けながらグズグズと泣いていたら、柔らかな何かで顔を拭われた。
あれはシロだったのかと、今頃になって気が付いた。
「キャフン……」(シロ……)
「あ?ロージィ、起きた?顔、ヒリヒリしてない?」
ロージィは何と応えて良いのか分からなくなった。
自分の言葉は、シロには伝わらない。
だから、何を言おうがシロには分からない。
だが、あの時のレオンの言葉が胸を締め付ける。
『意地張って、心にもない事を言っちまったか』と、その心の底を理解してくれた。
レオンに失望させたくはない。
シロにも、もう口汚く罵りたくはない。
だからと言って、気が利く言葉が出る程に、ロージィは精神は育っていなかった。
シロは枕元においであった木製のオモチャを手に取って、ロージィの前に置いた。
「これな、俺が作ったんだけど。犬の手でもボタンが押せるから。ほら、毎回、違う物が出て来るんだ。面白いだろ?」
自分が寝ている間に、コツコツ音がしていたのは、寝ずにこれを作っていたからか。
お腹に仔供がいるのに。
自分の仔でもないロージィに、プレゼントする為に。
とてつもない羞恥心がロージィを襲った。
それは、我を忘れる程の恥ずかしさだった。
だが咄嗟にとった行動は、その思いとは真逆のものだった。
「キャン!キャン!」(い、いらないよ!こんな物っ!)
ロージィが鼻先でオモチャをひっくり返す。
ベッドで1度跳ねたそれは、床へと落ちた。
それをシロが拾おうとして、バランスを崩す。
腹の重みで前のめりになり、そのままベッドから転がり落ちた。
その大きな物音に、隣の部屋にいたレオンが飛び込んで来た。
「シロっ!」
「だ、大丈夫だよ、レオン」
「お前、落ちたのかっ!子供がいるのに!」
レオンの緊迫した態度に、ロージィは全身を凍てつかせた。
自分がオモチャを落としたからだ。
シロがベッドから落ちたのは、自分のせいだ。
もしも、シロが流産してしまったら。
ロージィは、そう考えて息が止まりそうになった。
大事に大事に、お腹を守っていた母。
歩くのにも手を添えて心配していた父。
そうやって、弟は愛されて生まれてきた。
そして、それはかつての自分もそうだっただろう想像も出来た。
難産だった自分は、更に父母に心配をかけただろう。
その見えていなかった愛情を知って、ロージィは気が狂わんばかりに大泣きした。
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[chapter:ドーベルマン王子の恋 4ー②]
「キャヒン!キャヒン!フヒャ、フヒャン!だにょぉ!」(ロージィがやったのぉ!ロージィがシロを落としちゃったんだよぉ!)
「何だとっ?!」
「シロはやさしくしてくれたにょに!ろーじぃが、わりゅい仔だったのぉ!」
「ロージィ……お前、喋ってる……」
「フヒャン?」
人型になった訳でもないのに、獣人語を話すのは、稀少中の稀少なる事だった。
それはこれまで、どんな文献にも残されてはいない奇跡の事象だった。
シロはレオンに支えて貰いながら、ロージィに手を伸ばす。
おいで、と手招きするように。
ロージィは、グズグズと鼻を鳴らしながら、ベッドから降りてシロに近付き、そっと膝の上に頭を乗せた。
「生まれて来る仔も、ロージィみたいに素直だったら良いな」
「しろぉ……。ごめんにゃちゃい」
「レオン。ロージィを怒らないでよ。俺が勝手に落ちたんだし、ちゃんとコロンコロンって受け身出来たんだから」
「ロージィが悪くないのは分かったけど、シロが受け身を取れたかは疑問だな。すぐに医者を呼ぶぞ」
落ちたショックからなのか、産気付いているのを察して、レオンはシロを抱き上げてベッドへと寝かせた。
ロージィもその傍らに寝かせてやる。
「しろ、ごめんにゃちゃい」
「もういいから。赤ちゃん、生まれるの、待っててくれるか?」
「ろーじぃ、あかちゃんにいい仔、いい仔してあげる」
「ありがとうな。ロージィも喋れちゃったし、もうすぐ人型になるかな?」
「ロージィをレッド・キングダムに返す時は護衛をつけよう。途中で、変化したら困るしな」
「しっかりした奴を付けてやってくれよ。心配だから」
「これ以上ない適任者がいるから安心しろ。ほら、医者を呼ぶぞ」
「うん……」
「しろ、がんばってげんきなあかちゃん、うんでね!」
「ロージィみたいな、な」
それから、ほんの数時間でシロはハムスターの赤ん坊を生んだ。
レオンの歌う癒しの声のお陰で、初産にも関わらず痛みはまるでなかった。
巫の鋭い感覚で種族を見極めるレオンが腹にいる頃から感じていた通り、生まれて来た真っ白なハムスターは、人型のオメガだった。
ロージィもベッドに一緒に入って、赤ん坊をあやしてやる。
それはもう、実の弟のように。
「れおん」
「何だ?」
「にゃんだか、おとうとに会いたくにゃっちゃった」
「帰るか?」
「うん」
名残惜しい気持ちはある。
ロージィは、それをちゃんと伝えたかった。
素直に、心のままに。
そうして、赤子の頭をペロリと舐めた後、シロの頬もペロリと舐めた。
素直になる事は嬉しいけど、少し恥ずかしい。
ロージィは、自分の頬が何だか熱くなった気がした。
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[chapter:ドーベルマン王子の恋 4ー③]
「シロ~!ご出産、おめでとう!レオちゃん、久しぶり~」
「ダグちゃ~ん!」
ヴァイオリンの巫であり、公爵の1人であるダグが、出産祝いに訪れた。
公爵達の中でも一際、華やかな容姿で獣人目を惹き付け、獣人懐っこい性格で民にも愛されていた。
蜂蜜色の肩甲骨まである金髪には王者の風格があり、その澄んだ青い瞳にはどんな獣人も惑わす魔性がある。
あまたの獣人達が、この白金のライオンに恋い焦がれ、その想いに身をやつした。
同じライオンのレオンとはよく似てはいるが、その印象は真逆のものだ。
レオンの清廉な威風堂々とした印象と、ダグの醸し出す凄まじい色気は、その歩んで来た人生の違いを物語っていた。
「そんで、そんで、レオちゃん。俺に頼みって何?」
「お前にしか頼めないんだよ、ダグちゃん」
「何、その嬉しい言葉。俺ってレオちゃんに愛されちゃってるよねぇ」
「もちろん!愛してるぞ、ダグちゃん!」
「レオちゃ~ん!」
もう一度、ヒシッと抱き合った後、レオンはクルリと長い金髪を翻し、シロのベッドへ向かった。
ダグは「メスならここでキスしちゃうトコなんだけどね~。でも相手がレオちゃんじゃね~」などと言いながら、肩をひそめてフウと溜め息を洩らす。
レオンは再びダグのもとへ戻ると、その手には真っ黒なドーベルマンの仔犬が抱かれていた。
脇を掴まれて、デローンと縦に伸びたロージィの姿は、犬としてはかなり大きな仔だ。
「ダグちゃんには、こいつをレッド・キングダムに連れてって欲しい。ちなみに、こいつは次代のレッドキングだ」
「え~?!可愛い仔だねぇ。……て、誰が連れて来たの?」
「実は話せば長い。かくかくしかじかで、誰よりも強くて、子守りの上手そうなヒマ獣人といえば、もうダグちゃんしかいないかと」
「最後の『ヒマ獣人』だけはいらなかったけどね。でも、まぁ良いよ。どうせ、そっち方向での遠征もあったし。先に回って行こう」
ダグはレオンからロージィを受け取り、その濡れた黒い鼻先に自らの鼻先を当てた。
「初めまして。可愛いドーベルマンの王子様。お名前はなんて言うのかな?」
「キャフォ!ロージィだにょ!」
「ロージィちゃん、言葉が話せるの?賢い子だねぇ~。将来は美人ちゃんになるだろうなぁ」
「美人ににゃったら、お嫁さんにしてくれりゅ?」
「は?」
「ろーじぃ、ダグのお嫁さんになりゅ!」
「な、な、何だって?!」
「ダグ、ろーじぃをお嫁さんにして!」
ロージィの言葉に、レオンがニヤリと片方の口角を上げる。
それはまさに、予想していた通りになった。
ロージィは、超の付く面食いだった。
こうしてダグは、レオンに厄介な仔犬の王子様を押し付けられ、レッド・キングダムへ送り届ける任務を担ったのだが。
レッド・キングダムに着くと予想通り、ロージィがぴったりと張り付いて離れなくなり、次の遠征へ向かうのを足止めされた。
その後、どうやってダグがドーベルマンの王子様から逃れられたのかは、また別の話。
ーおわりー
2019.12.06
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